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【RPA】自動化に対する思想/ツール別比較

Last updated at Posted at 2019-12-29

RPAの定義をご存じですか?Wikipediaには以下のように書いてあります。

Wikipedia 『ロボティック・プロセス・オートメーション』より引用:

ロボティック・プロセス・オートメーション(英: robotic process automation、RPA)とは、事業プロセス自動化技術の一種で、ソフトウェアロボット(ボット) または仮想知的労働者と呼ばれる概念に基づいている。また、デスクトップ作業のみに絞ったものをロボティック・デスクトップ・オートメーション(RDA)と呼び、RPAと区別することもある。
従来のワークフロー自動化ツールでは、ソフトウェア開発者は、アクションリストを作成してからアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)や専用のスクリプト言語を使用して、タスクの自動化とバックエンドシステムとのインターフェイスを構築する。一方、RPAシステムは、ユーザーがアプリケーションのグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI)でそのタスクを実行するのを監視・識別してアクションリストを作成し、記録したタスクをGUI上で直接繰り返すことで自動化を実行する。これにより、APIを備えていない製品で自動化を使用する際の障壁を低くすることができる。

これだけだと、わりとざっくりとした概念で、具体的にどのようなものなのかについてはあまり想像できないのではないかと思います。「事業プロセス自動化」の一種で、APIの代わりにGUIを使った操作ができればいいようにも見えます。
さらにに読み進めると、

  • プログラミングなしでボットの作成が可能: RPAシステムによるボットの作成にはコーディングが不要である。プログラミング経験のない業務ユーザーであっても、数週間のトレーニングを受ける事で、RPAツールを利用した自動化処理をすすめる事ができる。多くのRPAのプラットフォームはMicrosoft Visioのようにフローチャートに沿ったデザインで設計されている。処理の規定はGUIで各処理のアイコンをドラッグアンドドロップする事で作成できる。
  • 既存のシステムに影響を与えない: ボットは、人間と同じようにログインIDとパスワードを使用して通常のユーザーインターフェイスを通して他のコンピューターシステムにアクセスするため、操作されるコンピューターシステム側のプログラミングロジックを変更する必要がない。
  • ユーザー部門主導で導入可能: RPAは使いやすくITシステムへの影響が軽微なため、ユーザー部門主導で導入を進めることができ、業務プロセス自動化のハードルが大幅に下がる。大人数で実施されていない退屈なタスクがある場合でも、RPAを使うとタスクを経済的にボットに実行させることが可能である。

ということが書いてあります。つまり、プログラミングができなくてもフローチャートで操作できて簡単で、そのためユーザー部門主導で導入可能、ということでしょうか。

RPAソフトウェア各社のソリューションを見ると、これよりもかなり複雑で、ベンダーによって実装されている機能が結構違うようにも見えます。各ベンダーはRPAをどのように定義しているのでしょうか?RPAソフトウェアのカテゴリーは、ITの中で最も速く成長しているカテゴリでもあり、ソフトウェアの機能自体も今後どんどん進化していくため、各ベンダーのRPAに対する考え方を理解して、自社と合っているかどうかを見ておくことは、今後の機能拡張の方向性を予想するうえでも重要です。ということで、RPAに対する考え方・思想について主要5大RPAソフトウェア (WinActor、BizRobo!、UiPath、Automation Anywhere、Blue Prism)の比較をしてみたいと思います。

RPAに対する考え方 - ずばり比較!

RPAソフトウェア 象徴的なキーワード 説明
WinActor 純国産、個人に寄り添ったRPA 5大RPAソフトウェアの中では唯一の純国産のツールである。「ホワイトカラーが行うパソコン操作をソフトウェアのロボットに記録(模倣)させることで、ホワイトカラーのデスクワークを効率化・自動化する仕組み」ということを示しているが、WinActorならではの特徴的なビジョンは存在しない。また、説明の目線も現場目線であり、あくまでも現場の操作を記録して効率化・自動化するというアプローチである。今後は「個人に寄り添ったRPA」を武器に海外展開に力を入れたいとのこと。「基幹系システムの中に入って裏側で動いているRPA」とは一線を画す構えのようです。顧客数はどんどん増やしていこうという考え方のようで、導入企業数を指標としている。
BizRobo! デジタルレイバー 米国Kofax社の製品のOEMなので、BizRobo!自体に開発思想はないが、日本でホストをしているRPAテクノロジー社とKofax社は開発面で密に連携しているようです。また、RPAテクノロジー社はRPAにいち早く目を付け日本での導入をけん引した実績があります。RPA Communityなど、製品面以外でも日本のRPA業界全体をけん引していこうという意気込みがあります。RPAの本質はITじゃなくて人材、「デジタルレイバーという労働人材技術」を企業に派遣しているという考え方をしています。「人間を退屈で時間のかかる作業から解放し、生産性を高め、新しいスキル(RPAロボットを開発する等)を習得させ、なおかつ家族と素敵な時間を過ごすことを可能にすること」がミッションです。KofaxとBizRobo!の違いは「従量課金モデルの導入」など日本企業でニーズがあって本家でないことをパートナーとも連携して実現していることです。顧客数はどんどん増やしていこうという考え方のようで、導入企業数を指標としている。
UiPath オートメーションファースト、
ロボット・フォー・エブリワン
CEOのダニエル・ダインズは、元々マイクロソフトで開発エンジニアをしていたということですが、ビジョンの表現もマイクロソフトにどこか似ており「すべての人にロボットを」と謳っています。「オートメーションファースト」も「クラウドファースト」に似ていて、トレンディな表現になっています。「ロボットにより多くの人的資源の潜在能力を解き放つ」、つまり最終的にはパソコンのように、世の中のすべての従業員1人1人にロボットを使ってもらうようにすることを使命としています。顧客数はどんどん増やしていこうという考え方のようで、導入企業数を指標としている。
Automation Anywhere デジタルワークフォース 仕事で必要な「思考」「実行」「分析」という3つの行為それぞれにおいて製品を出していて、これら全部を活用し、「人間 + デジタル」を効果的に融合するのが「デジタルワークフォース」の考え方である。業務部門やIT部門など、どんなユーザーでも簡単に使いこなせる、アプリストアをいち早く提供して、ロボットのパーツだけではなく業務フローとして完成されたデジタルワークフォースそのものを提供することで内製化を促進していることも特徴である。顧客数をどんどん増やすというよりは、1社あたりの導入ロボット数を増やしてスケールさせることに注力しているようで、導入済み全ロボット数を指標としている。
Blue Prism Connected-RPA 「IT部門ではなく、ビジネス部門が主導し、彼らのアイディアを企業の競争に使えるようにすること」をミッションとしており、「ロボットをITが統制し、ガバナンスを効かせる」ことも強調している。かつ、「AI、機会学習、OCRなどを提供するインテリジェントプラットホーム、最先端のテクノロジーをビジネス部門が使えるようにする」、ということを実現したい。構成要素としてはアプリストアや経営者/開発者向けコミュニティも加わる。デジタルワーカーを生み出し、事業部門の人たちをトレーニングすることで、キャパシティをあげることも目指している。ソフトウェアの提供だけではなく方法論もコンサルするところも特徴である。BPM(Business Process Management)のような機能を提供しています。Attended Automation RDA、Assisted Automation RPAというアプローチには対抗しており、同社では提供していない。顧客数をどんどん増やすというよりは既存顧客の満足度を上げていくアプローチを優先しているようである。

参考記事

以下の記事に、各ベンダーがRPAに対してどのように考えているのかがまとまっています。

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