この記事は、2019/01/09(水)~2019/01/11(金)の3日間にかけて行われた、Regional Scrum Gathering Tokyo 2019(略してRSGT2019)のふりかえり記事です。
RSGT2019は、国内最大級のスクラム実践者が集まるカンファレンスです。3日間で300人の参加者と、30組のセッションが行われます。今回、私はSpeakerとして参加してきました。聞く内容だけでなく、話す内容を作っていく中でも大きな学びや気付きがありましたので、この記事に残しておきたいと思います。
Day1, Day2, Day3はこちらをご参照ください。
- (レポート)Regional Scrum Gathering Tokyo 2019~Day 1~
- (レポート)Regional Scrum Gathering Tokyo 2019~Day 2~
- (レポート)Regional Scrum Gathering Tokyo 2019~Day 3~
また、このレポートはカンファレンス・研修などの学びをふりかえるフレームワークの提案:フラクタルに沿ってふりかえった結果(Output Cycle)です。
こちらもあわせてお読みください。
Day1, Day2, Day3 をふりかえったあと、RSGT2019の総まとめとしてふりかえりを行っています。
Kanpai!
ちょっと手が回らず放置気味だったフラクタルによるふりかえりですが、Feedback LoopとOutput Cycleのひととおりを終えました。Feedback Loopは高速で終わるんですが、Output Cycleが文字起ししてQiitaに投稿するスタイルにしていたから終わらない終わらない…
ようやくこの土日でひと段落ついたのと、いい加減先に進みたいのもあって、「よなよなエール」をあけてこの記事を書いています。Kanpai!
このふりかえりが遅れた原因の1つがこれです。
よなよな飲みながらふりかえりしようと思ったんです#RSGT2019 pic.twitter.com/61XknGNgrG
— びば(森のフレンズ)/技術書典6 ふりかえり読本 学び編 (@viva_tweet_x) 2019年1月12日
売ってなかったんです。
Day3 のキーノートでよなよなエールの話があって、すごく感動的で、これを飲んでふりかえりしたいなと思っていたんですよ。
売っていなかったんです。
ふりかえりは楽しくやるのがモットーだったのですが、売っていなかっただけでテンションが下がってしまい…
しょうもない理由でふりかえりを延期していたりしました(他の仕事的な理由もありますが)。反省。
RSGT2019が終わってから2週間でよなよなエール×5, インドの青鬼×1を買っていますから、完全にマーケティングに嵌っています。
でもいいんですよ、楽しいんですもの。
3日間をふりかえって
非常に学びの多い、というか学びの暴風雨のような3日間でした。
Agile Japan 2018, XP祭り2018, RSGT 2019と大きいカンファレンスに今年も行かせていただきましたが、3日間連続で、セッションの量も膨大で、かつ人とも話しまくるカンファレンスは他にはなかなかないなぁと。
運営の方々により楽しい雰囲気もすごく出ていましたし、参加者同士の交流による学びも半端じゃない。
単純な学びの量としては、1年でもっとも多いカンファレンスなんじゃないかと思います。
これまでDay1, Day2, Day3と個別にふりかえってきましたので、全体的な話や、去年と今年とを比較しながら、来年へのNext Actionを出して終わりにしたいと思います。
RSGT2019でのチャレンジ
1. 登壇
プロポーザルへの思い
私はRSGT2018から通年2回目の参加でした。
去年はプロジェクトマネージャー保護者会の一員としてワークショップの構成員をやらせていただきましたが、自身で出したプロポーザルではなく、登壇者としても登録はされていませんでしたので、今年がはじめての正式な登壇となります。
これまで約1年ちょっと、ふりかえり実践会や、自身のふりかえりアドバイザー、ワークショップなどの経験をふまえて、ふりかえりの中で見えてきた、体系だったモノをアウトプットしたいと思ったのが登壇のきっかけでした。
(スライドはこちらで公開しています。是非、ご参照ください。)
「Effective Retrospective とにかく楽しいふりかえり」というタイトルでふりかえりの話をさせていただいております。
私自身、ふりかえりが好きですし、その「好き」をもっと広くに伝えたい、と思ったからこそのプロポーザルでした。プロポーザルを出すにあたって、内容はどうしようか?時間はどうしようか?という問いも浮かんできました。45分という長時間のセッションに挑んだ理由をふりかえってみます。
これまで、ワークショップで最大150分、研修で480分、登壇で25分のお話をしたことはあったのですが、45分という長い枠でずっと話すだけ、という経験はありませんでした。ワークショップの中でも、ワークや説明を踏まえながらですから、実際連続で話しているのは最大でも30分です。人間の集中力は15分まで、とも言われるように、それ以上の時間ともなると吸収量が減ってしまったり、他のことを考えてしまったり、と自分のセッションへの興味をつなぎ続けるだけでもかなりのパワーが必要とされると考えました。
でも、やったことがないからこそやってみたい。
そして、おそらく20分では私の伝えたいことは伝えきれない、という確証もありました。
また、RSGT2018で45分という時間を登壇していた人たちは全員、カッコいい人たちでした。
私もああなりたい、という思いもあったように思います。
そうして、45分登壇のプロポーザルに踏み切ります。
結果、40ものLikeをいただき、採用していただきました。
Like頂いたかた、本当にありがとうございます。採用いただき本当にありがとうございます。
タイトル・スライドに込めた願い
「Effective Retrospective とにかく楽しいふりかえり」は、元ネタはEffective DevOpsからとっています。
この1年でいろんなふりかえりに悩める人に出会い、お話を聞かせていただき、時にはアドバイスをしたり、私自身がファシリテーションをしたりしてきました。そのなかで共通してきた皆さんの悩みのなかに、「うまくできない」という悩みがあったように思います。
「うまくできる」の意味は人それぞれ違いますし、なぜうまくできないのかもコンテキストによって違ってきます。ただ、私が伝えてきたことはいつもシンプルで、根っこの部分は変わっていませんでした。ワークショップを経験した人が現場にそのやり方を「やってみて/実験してみて」、うまくいった、楽しくなった、という話を色々いただくようになってから、やはり「楽しい」という考え方は非常に重要だと思うようになりました。
私自身、ふりかえりが楽しいからふりかえりをしているのであって、ふりかえりのために開発を行う「ふりかえり駆動開発」といっても過言ではないくらいふりかえりが好きです。
でも、世の中には「うまくいかない」「楽しくない」と感じて義務のようにふりかえりを行っている現場がたくさんあり、そんな現場に少しでも変化をもたらしたくて、「Effective(効果的な) Retrospective / とにかく楽しいふりかえり」というタイトルを付けさせていただきました。
タイトルをつけてプロポーザルを出してほどなくして(1日程度で)、タイトル名で調べると@ryuzee さんのEffective Retrospectiveが出てきたのですが…。
私の尊敬する師匠の一人であり、名前を借りさせていただこうかと(勝手に)思い、この名前のまま突き進ませていただきました。
@ryuzee さんのスライドもすばらしいものですので、是非ご参照ください。
そして登壇
私が行ってきた「ふりかえり実践会」での経験や、ふりかえり読本 場作り編の内容、去年170回近いアウトプットによって得たプレゼンテーションスキルをフルで活用するつもりで準備させていただきました。
ふりかえりをもし知らなくても伝わるように。そして、ふりかえりをより楽しんでくれるように。自分たちで実践してもらいたいからこそHowは伝えず、What, Whyにわざと傾倒して。私のこの1年間の集大成でもある発表ができたと思います。
発表そのものに関して、講演後に直接フィードバックをいただいたり、飲み会でお話いただいたり、twitterで実況いただいたり、ありがたい限りです。
これらのブログで感想いただきました。本当にありがとうございます。
皆様のフィードバック、とてもうれしかったです。
- #RSGT2019 2日目の感想 / 青空な日々
- RSGT2019 2日目に参加してきたよ(追記しました) / runaround’s diary
- #RSGT2019 に行ってきたメモ(これにて完了) / Mitsuyuki.Shiiba
- 経理部がRSGT2019に参加してみた / もりたの雑記
次回はもっと実践的な事例の話か、別の視点での話など、色々考えてみたいと思います。
2. ふりかえり
Fun/Done/Learnボードを勝手に作りました。
入り口脇にFun Done Learnボードを描きました!!
— びば(森のフレンズ)/技術書典6 ふりかえり読本 学び編 (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
RSGTの学びをみんなで共有するときっと楽しいはず!!!#RSGT2019 pic.twitter.com/fihLrKmeHz
「許可を求めるな謝罪せよ」と運営の方に言われて。この時点で最高のカンファレンスですよね。
私の思いつきから始まったボードでしたが、いろんな人がこれに乗ってくれて。
2日目には川口さんがオープンセッションで宣伝いただいて。
3日目にはホワイエの中央にドーンと置いていただいて。
最終形がこれです。
ボードもっと大きくすればよかった、って思うくらい、はみでんかぎりの Fun/Done/Learn です。
もう、感無量でした。
全員の学びが、きっとここに来た300人の次の原動力になると思います。
作ってよかった。動いてよかった。
そして、自分自身のふりかえり。
ここまでDay1, Day2, Day3 + フラクタクルの手法と記事を書いて、ふりかえりだけで32,000文字書いていました。80pくらいの本が書けそうです。
自分のアウトプット量にKanpai!
いろんな人と話す
去年はビビりながらもいろんな人に声をかけようとがんばってみたものの、ちょっとビビっていた感じがありました。今年は、登壇者にもドンドン声をかけたいなと思い、セッションの時間以外、一人でいる時間がなかったように思います。
基本的に誰かとしゃべってました。
去年、RSGT2018で知ってからずっと直接話してみたいと思っていたkyon_mmさんや、セッションがすごく楽しみだったけど、自分が疲弊していて出ることができなかったy.ohtaさん、自分と話したいと言ってくれたきもりたさん、自分のセッションに興味を持ってくれた人たち、また、一人でさびしそうにしている人。どんどん声をかけて、広げていくことができたと思います。
もちろん、これまで知り合いになってくれた人たちとも、私から顔見知りを見つけた人とは全員お話できていたように思います。
まさにGatheringだな、というのを感じた3日間でした。
いろんな人と話し、多様性に触れることができました。
来年もどうなるか楽しみです。
Next Action / 未来へ
来年に向けて、です。
来年もプロポーザルを出します。
今年の自分を遥かに超えるスケールになって。
そして、最低でも2つのプロポーザルは出したいですね。
- 講演のセッション
- ワークショップのセッション
- 誰かと一緒に登壇するセッション
これらのうちのどれか2つ以上、プロポーザルを出したいと思います。
プロポーザル出すだけでも勇気は要りますが、それ以上に楽しいのですもの。
数だけではなく質にもこだわって、これからの1年を過ごしていきたいと思います。
また、今年は意識していませんでしたが、「共通体験を作る」ということにも意識を向けます。
今年は社内の人間とはほとんど話しませんでした。
ただ、社内の方と話すことで共通体験が生まれ、よいチームビルディングになるのは間違いありません。
来年は新人をがっつりつれてきたり、仕事仲間と一緒にきたり、と何かしらのアクションを起こそうと思います。
こうして文字を書いていくなかで、1時間が過ぎ、よなよなエールが3本目へとさしかかります。
もう12時、明日からも楽しい仕事の日々が始まります。
来年に向けて、大きなゴールを持って、これからもがんばっていきます。
RSGT2019、最高でした。
またRSGT2020で会いましょう。