はじめに
この記事はeveryone outputter Advent Calendarの23日目です。
前日は、私が今年繋がり、尊敬してるアウトプッターのてぃーびーさんより「アウトプットすると少し先の未来に起こることの事例集」でした。てぃーびーさんが
アウトプットで成果を public に出すことによって、ポジティブな機会が訪れる可能性は確実に上がると考えています。
と言っているように、アウトプットは確実によい機会をもたらす、と私も信じています。
この記事について
はじめまして。森です。
普段はチームファシリテーターとして、よいチームをつくるための活動(主にふりかえりやチームビルディング)に関して発信をしています。そんな人間です。
今回は以下のことをお話します。
- 私にとってのアウトプット
- 2018年のアウトプットをふりかえる
- アウトプットこわくないよ
- アウトプットのときに意識していること
- 2019年のアウトプット
私にとってのアウトプット
アウトプットではなく、インプットだと思ってやっています。
アウトプットに慣れていない方にとっては、アウトプットなのにインプットとはこれいかに、と思う方もいらっしゃると思いますが、アウトプットすることにより以下のインプットが得られます。
- 自身の体験・想いを言葉にするために「思い出し」が行われ、学習効果が高まる
- 体系だったアウトプットにするために、足りない情報を集め、知識が補完される
- 何かしらの形に作り上げることで、次回以降のアウトプットの質が向上する
- 誰かに「伝える」ための形にすることで、話を伝える能力が向上する
- アウトプットをすることでフィードバックをもらい、次回のカイゼンにつなげる
- 1ヵ月後、半年後、1年後の自分が忘れている情報を最も効率よく引き出すためのツールになる
日常的にアウトプットを意識して行うことにより、自身のスキルを大きく伸ばす一助となります。
(ここらへんの話は、12/23の及部さんの記事にも「インプット⇔アウトプット」という章で述べられていました。すごく共感する部分があります。)
ちなみに、私のアウトプットは、全て仕事に繋がっています。work as lifeな感覚を持っているのもありますが、会社に公認いただいたうえで、業務時間として講演しています(公認いただくまでにかなりの労力を費やしましたが…)。
そうして社外での行動を認知いただいた社内の方からも、講演やワークショップ・研修の依頼をいただき、社内に自分の「楽しい」「好き」を広げる活動をしています。自分自身が楽しみながら、アウトプットをできている、いい状態だと思っています。
2018年のアウトプットをふりかえる
どんなアウトプットをしたのか、自身でもわかるように記録しておくと成長が実感でき、モチベーションが向上し、より成長を促進させる起爆剤となります。
何かしらの形で記録をとっておくとよいふりかえり材料になりますのでお勧めです。
私の場合は、社内の人材紹介サイトにアウトプット遍歴をすべて記録しています。
(誰が見ているかはわかりませんが、自分用のメモとして、自身を紹介する材料として有効活用させていただいています)
そのなかから情報を引っ張って、2018年のアウトプットをふりかえってみました。
集計対象:2018/01/01~2018/12/31 までのアウトプット
自身が主体となって喋ったり動いたりしたもの
- スピーチ・トーク
- LT 6回
- 講演 17回
- パネルディスカッション 2回
- ラジオ 2回
- インタビュー 1回
- ワークショップ・研修
- ワークショップ 104回 ※1
- 研修 14回
- ヒアリング系
- 取材 2回
- アドバイザー 19回
計167回(延べ数 ※2)
※1 ふりかえりに関してはノーカウント
※2 同一日・同一イベントで別テーマについて話した場合は別カウント。
それを排除すると108回。煩悩の数だ…
文字として書き残したもの
- 寄稿 2本
- 執筆 2本
- Qiita記事 27本
- Twitter いっぱい
計31回
スライドとして書き残したもの
- スライド 67本
- うち、新規作成 44本
- うち、speakerdeckにupload済が 20本
その他
- 司会アシスタント 1回
所感
…我ながら物凄い数やっていました。凄い。がんばった。
仕事の中でやってるものも含まれていますが、喋った回数+文字を起こした回数が167+31=198回ですから、365日中198回、すなわち2日に1回は何かしらのアウトプットをしている計算です。
(延べ回数ではなく、単純な日数でカウントしても、108+31=139ですので、3日に1回相当。がんばった私)
特筆すべきはワークショップ104回。自分がファシリテーターを行ったもののみのカウントしています。
「ファシリテーターの弟子」として、高柳さんに弟子入りしたのが2018年の1月初めでした。それからワークショップデザインや進行を意識しながら行ったのが100回近く。ふりかえりもこの中に含めると150回を超えていそうです。
この1年、自分でも飛躍的に成長できたなぁと感じています。
周りの人も生暖かい目で見守り応援いただきました。いろんな人にフィードバックをいただき、成長することができました。皆様本当にありがとうございます。
アウトプットこわくないよ
「アウトプットをする」ことには、恐怖を感じる方も多いと思います。
私も最初は、よくわからない、表現できない恐怖を感じていました。
そんな「アウトプットこわい」という人のために、私の経験や思いを踏まえながら、アウトプットこわくないよといいう話です。
ちなみに、2年前の私から今の自分を見たら確実に「アウトプットお化け」に見えていると思います。以下は変わろうと思えれば変われる、そんな話です。
一歩目のアウトプット/はじめての越境
私もアウトプットを日常的にする前は、以下のような気持ちを持っていました。
- そもそも人前に立って話すような内容なんて持ってない。
- どんな反応があるか読めない。わからない。怖い。
- もしかしたら誰も聞いてくれない/読んでくれないかも知れない。
- 見た人からネガティブフィードバックをもらってしまうかもしれない。(※3)
でも、一歩踏み出してみるとほとんどが杞憂でした。
社内でも、社外でも、どんな形であれ、想いを持ってアウトプットしたものは1人以上に届き、何かしらの形となってフィードバックをいただくことができます。
それは、届いた誰かにとって何らかの価値を残します。
自分からみたらちっぽけな経験、あたりまえの行動、ありふれた失敗かもしれませんが、自分以外の誰かにとっては値千金の情報になりえます。
私は、今でも、自分から一歩踏み出せる/踏み出せた人は凄いと思います。尊敬の念を抱きます。
それは、私の場合はそれが出来なかったためです。
私の場合は、踏み出せなかったけれど、背中を押してくれた人がいました。
そこで勇気を持って踏み出した結果、世界が広がりました。
2017/09/22 DevLOVE関西での登壇が私のはじめての越境です。
背中を押してくれて、登壇という場を用意してくれた森實さんには感謝してもしきれません。
一人では怖くて越境できない、という人でも、後押ししてくれる人や一緒に越境してくれる仲間がいれば、一歩踏み出せるようになるかもしれません。
もし、皆さんの周りに「踏み出したいけど怖い…」という人がいたら、そっと背中を押したり、場を紹介してみてください。きっとよい方向の変化が訪れると思います。また、自分が「踏み出したいけど怖い…」と感じているのであれば、誰かに助けを求めてみてください(私でも大丈夫です)。きっと一歩を踏み出す助けになってくれます。
私自身、アウトプットすることに対して恐怖を感じていたからこそ、「アウトプットしてみたいけど怖い」という人に何かできないか、というのを考え続けてきました。
以下のスライドは、今年、そんな人達へのエールを送るために作ったものです。
もしアウトプットすることに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、眺めてみていただければ幸いです。
「アウトプットが怖い」と考えている人の背中を少しでも押せたら幸いです。
"ふりかえり"からはじまる"わたし"のカイゼン・ジャーニー
カイゼン・ジャーニー・カンファレンスでお話した、私が越境しはじめてから今にいたるまでをふりかえったスライドです。「自分も一歩踏み出してみよう」と感じてほしいな、と思い作ったスライドです。
武器探しのススメ
弊社新人向けに作った資料です。自身の強みを見つけるためにアウトプットの大切さを伝えたくて作りました。どんなに小さなことでもいいので、アウトプットしてみる、ということが飛躍の一歩につながります。
いま、世界は開かれた
Netadashi Meetup#5(新人LT祭り)にて、LTを作ってきてアウトプットしてくれた新人に向けてエールを送るために作った資料です。勇気を持って一歩踏み出したことにどれだけの価値があるのか、というのを実感し、より前に進んでいってほしい、という願いをこめて作りました。
これらは、私が周りからもらってきた勇気を、他の人たちにも伝えたいという思いが根本にあり、作っています。このループがつながっていくといいなぁと考えています。
また、私自身も場を提供できれば、と思い、以下の活動をしてきました。
もし興味があれば、参加いてみていただければ幸いです。
越境ひろば
越境したいけど勇気が出ない、という人たち向けに、「越境についてみんなで話し合ってみよう」「この場でアウトプットをしてみよう」という場を提供する活動をしています。グループワークの中で話した内容を、ただ喋るだけでなく、きちんとした「形」としてアウトプットして伝える、という経験をしていただいています。
NRIアジャイルハブ
全員が主催者、という考えのもと、誰かが「やりたい」というのであれば全力で応援する、というイベント企画のスタイルをとっています。
真面目に仕事のことを語る会
普段コミュニティでアウトプットをしたことがない知人向けに、多少の部外者を混ぜながら、他者へアウトプットすることの楽しさを知ってもらいたいと思い、開催しています。
(こちらは#2以降スケジュールが組めず開催できていませんが、最低年1でやりたいところ)
また、DevLOVEでも「アウトプットしてみたい」という方を歓迎しています。是非お声がけいただければ、やってみようを応援する場を紹介できると思います。私の最初のアウトプットの場でもあり、背中を後押ししてくれる空気があります。
※3 ネガティブフィードバックは今でも怖いですし、戴くとつらい気持ちになります。ただ、自分のことやコンテンツのことを思ってフィードバックしてくれているので、真摯に受け止めたうえで、前に進むことで強くなれると信じています。
二歩目のアウトプット/越境しつづける
一度勇気を出して踏み出したあとでも、別種のアウトプットをするのは怖さがあります。私もまだ「怖い」と感じることがありますが、一度越境を経験してしまえば、自分からでも一歩を踏み出す勇気はわいてきます。
最近は以下の気持ちを持って動いています。
- 考えてから行動しないよりも、はじめてしまってから考えたほうが価値がある。
- 「新しいこと」はチャンス。自分の幅を広げる。やってみたらきっと楽しい。
- チャンスは全て掴む。自分はチャンスをえり好みできるような価値ある人間ではない。
今年はいろんなチャレンジを怖がりながらもやってきました。
毎回、恐怖をわくわくに変えて(わくわくだと思い込んで)進んできました。
思えば色々やってきました。
- 50人を相手にして登壇する
- 400人を相手にして登壇する
- LT祭りの「トリ」を努める
- 飛び入りでパネルディスカッションに参加する(させられる)
- 自身の「場」を作る
- イベントを共同開催し、ファシリテートする
- 新しいワークショップを作成する
- 他人とワークショップを一緒に企画する
- 100人を相手にしてワークショップする
- 1日に3回登壇する
- インタビューしてみる
- インタビューされてみる
- プロポーザルをいっぱい出してみる
- ラジオ出演してみる
- 記事を書いてみる
- 本を書いてみる
- 電子書籍を出版してみる
- アドベントカレンダーを5本書いてみる
- 海外で研修する
やってみるまでは不安でいっぱいなのですが、喉元過ぎれば何とやらで、全てがいい経験であり、自分の血肉になっています。
一度越境してそこで満足していてはもったいないと考えてしまうタイプですので、常に新しいことにチャレンジしつづけたいな、という心持ちでがんばっています。
この越境の連続が自身を強くし続けると信じて、今後も活動していこうと思います。
アウトプットのときに意識していること
自分なりに意識していることをふりかえり、言葉にしてみました。
これが来年との差分をとるときの役に立つことを信じて。
意識しているのは以下の4点です。
- まずは動く
- アウトプットの内容の作りこみ
- アウトプットの伝え方
- アウトプットのふりかえり
アウトプットをしてみようかな…と考えている方にも参考になれば幸いです。
0は参考になる…かな?
0. まずは動く
締め切り駆動でよいので、まずは場をセッティングします。
自分でワークショップを企画したり、誰かにやらないかと相談してみたり、そういった話が近くあがったときに「枠あいていたらやらせてください」と話したり、自分からコミュニティの登壇枠に申し込んだり。
どんなクオリティであれ、まずはアウトプットしないと何も始まりませんので、最初はここからです。アウトプットにしり込みしている人も、まずは何かに申し込んでしまえばいいのではないかと(暴論)。
やってみると意外となんてことはなかった、ということになります。
クオリティなんて気にしないでとりあえず場に立ってみる、というだけでもいいかな、と。みんな応援してくれますので、安心してください。
1. アウトプットの内容の作りこみ
誰にどんなメッセージを伝えたいのか、ということを意識して講演やワークショップ・研修などに臨んでいます。自分が伝えたいことを伝えるだけでなく、伝わった結果どう動いてほしいのか、というところまで考えたうえで資料を作ります。
そういう意味だと、文章によるアウトプットはまだまだ苦手意識がありますので、来年はそこを強化していきたいですね。
今年は、小手先ですがプレゼンテーションテクニックも学び、吸収してきました。
まずは、マイクロソフトのエバンジェリスト西脇さんの1日の研修を受け、プレゼンの作り方の基礎を学びました。
また、社内でプレゼン練習のための機会を設けていただき、その場を積極的に活用して発表の姿を見てもらい、ビデオに取り、自身の発表の仕方を見つめなおしました。
そして、色んな勉強会でほかの人のスライドや発表を見ながら、よいところを自分なりに取り込み、自分のモノにしてきました。
スライドのスタイルは楽天の及部さんやヴァル研の新井さん、発表のスタイルはレバレッジーズの森實さんやファシリテーターの高柳さんから大きな影響を受けています。スライドの細かな部分はアトラクタ吉羽さんやNRIの蒋さんから吸収している部分が非常に大きいです。
いろんな人のスタイルを自分のもとに吸収しながら、今のスタイルがあります。
他人のいいところをどんどん真似してみる、というのも成長のひとつの道だと考えています。
2. アウトプットの伝え方
プレゼンテーションの練習も毎回行っています。新規ネタの登壇であれば、最低10回は通しで練習しています。
身振り、手振り、視線など、本番を意識して何度も何度も練習し、そして本番に臨みます。本番では想定外のことも起こりますので、想定外も楽しんでできるよう、心の余裕を持って。発表しているときには、発表している自分を俯瞰して、「今の伝え方、あんまり伝わってなさそうだったな」「この人がすごくよく聞いてくれているから、アイコンタクトしてみよう」とか考えながら、楽しみながら講演します。自分自身が一番楽しむ、ということで、相手にもその楽しい気持ちが伝わり、熱意となって伝播すると嬉しいなと考えています。
3. アウトプットのふりかえり
大事なのが、発表した結果をふりかえり、次回によりよい発表ができるように、カイゼンを続けること。
どんな風にアウトプットを作っていったか、というプロセスや、アウトプット中の立ち振る舞いはどうだったか。そして、アウトプット後のフィードバックを積極的にもらいに行くこと。恥を捨てて、「今の講演/ワークショップはどうだったか」という率直な感想を聞いて、自分の血肉にしていきました。
そうした積み重ねが自信へとつながり、余裕も生まれ、今は発表を楽しめるようになってきたのだと思います。
子供を抱いて登壇する、というのもなかなか新鮮でした。抱いている子供に癒されながらも、子供がジタバタしているのをあやしつつ精神を削る、という状況での発表。そのときは「子供かわいかった」「癒された」「子供がかわいくて内容が入ってこなかった」というフィードバックをいただきました。
色々と思い通りにはいかないものですが、やってみないとわからない部分も多いです。それがまた楽しい。
こうして伸ばしてきたプレゼンテーションの仕方が、普段の業務の中にもインプットされ活きてきています。お客様や初対面の方と話をするときに、緊張せず(緊張するときもありますが、それを俯瞰して)話すことができたり、ファシリテーションをするときのブレなさにつながっていると感じています。
2019年のアウトプット
2017年8月に子供を授かり、今は夜にコミュニティでアウトプット活動をするのが難しくなりました。そんな今だからこそ、できるアウトプットもあると考えています。
それが物を書くことかな、と。
達成したい目標は、記事50本。週1ペースで書いていけば達成できます。あとは、書籍の執筆。
1冊目「ふりかえり読本 場作り編~ふりかえるその前に~」に続いて、
2冊目「ふりかえり読本 学び編~学びを力にかえるふりかえり~(仮題)」を来年書き上げます。断言して締め切り駆動にします。
1冊目が100ページで約38,000文字で、この記事が7,500文字ですから、この記事5本分の文章量で本が書ける計算です。うん、なんとかなりそうな気がしてきました。
また、色んな人に話を聞きに行くというのもやります。
日々色んな形式でアウトプットをしている、身近にいる(SNSでつながっている)凄い人と情報交換をしたいな、と。ランチなどでお話を聞きにいけるといいなぁ。その話を記事にでも起こせるといいだろうな、とも考えています。
こちらは2ヶ月に1回レベルで、自分からアタックをかけにいきたいなと思っています。きっと、多くのものを得られるはず。
逆に、私でもよければ、話をしたい方が居ましたらお声がけいただけますと感激です。
皆様、よいアウトプットライフを。