はじめに
この記事は、2019/01/09(水)~2019/01/11(金)の3日間にかけて行われた、Regional Scrum Gathering Tokyo 2019(略してRSGT2019)のふりかえり記事です。
RSGT2019は、国内最大級のスクラム実践者が集まるカンファレンスです。3日間で300人の参加者と、30組のセッションが行われます。今回、私はSpeakerとして参加してきました。聞く内容だけでなく、話す内容を作っていく中でも大きな学びや気付きがありましたので、この記事に残しておきたいと思います。
この記事の目的
一番の目的は、未来の自分への財産を残すこと、です。
去年、私がRSGT2018で書いた記事も、RSGT2019を参加する前に見直すことにより、自身の成長を確かめるよい材料となりました。
また、この場の熱い思いを残しておくことで、今後自分がつらくなったときに見返し、心のポーションとして活用したいと思っています。
二番目の理由は、参加した皆さんや、参加できなかった方への情報共有です。
自分にはない気付きを他者がもたらしてくれることは非常に多くあります。
ほかの皆様のレポートからも私自身恩恵に与っています。
多角的な視野という意味で、私の観点からみた、行動や気付きを共有したいと思います。
三番目の理由は、RSGT2019で思いついたふりかえりの手法の実践です。
このRSGT2019で、「学びを力に変えるふりかえり」の手法を自身で実験してみて、感触を確かめようかな、と。
ふりかえりの手法についてはカンファレンス・研修などの学びをふりかえるフレームワークの提案:フラクタルをご参照ください。
イベント
初日から尋常じゃない数のイベント数。
セッションだけでなく、ほかの休み時間でもいろんな人と話していたためですね。
- 参加したセッション
- その他のイベント
- Day1開始まで
- ランチタイム
- Breakタイム(Fun/Done/Learnについての見解 / ヴァッサーさん)
- Networking(マンネリふりかえりから脱却するための考え方 / LT)
- Networking(アートとしてのKPT / kyon_mmさん)
- Networking(ふりかえりの悩み相談)
- Networking(ふりかえりをどう導入するか)
- Networking(ふりかえりをどう楽しくやるか)
- 懇親会(kyon_mmさんとの話)
それぞれのイベントごとにふりかえります。
参加したセッションごとのふりかえり
Outcome Delivery: delivering what matters / Gabrielle Benefield
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2019/01/14現在公開されていません。
グラフィックレコード
keynote
— びば(森のフレンズ)/1/10 RSGT2019 Effective Retrospective (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
Outcome Delivery: delivering what mattersのメモ
#RSGT2019 pic.twitter.com/fPEtA7fPQO
ふりかえり
-
メビウスループ
- Discovery
- これを考え抜くのはなかなかに辛い。
-
シンプルに、やらない・作らない、でも価値を届けるということを意識していきたい
- 代替手段はないのか、常に考え続ける
- Whyをくりかえす。ここは意識できてる。
- Option Pivot
- Delivery
- メビウスループのカード(OSS)がとても使えそう
- Discovery
-
アジャイルのプラクティス集
- いまやアジャイルはシンプルではない
- とはいえいろんなパターンを知ってると使える
-
HIPPOs
- HIghest Paid Person's Opinion
- 「要件=黙って作れ」ということ。それでいいの?
-
やりかたはどうでもいい。成果ベースで考える
- ふりかえりもそうだし、Scrumもそうだと思う
- 成果から考えよう
- 高齢者の母のために、リモコンのボタンをテープで覆って、必要なボタン以外使えなくした。これが本当のUX
- コーチ業の説明で使えそう
チームワークの会社で最高のプロダクトを目指すチームができるまで -強くてスケールするチームの作り方- / 天野さん、大友さん
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グラフィックレコード
#hall_a #RSGT2019
— びば(森のフレンズ)/1/10 RSGT2019 Effective Retrospective (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
天野さんと大友さんの話。 pic.twitter.com/CCy8l8V88s
ふりかえり
-
当たり前のことを当たり前にできる強さ
- 2weekと1weekのコストバランスの説明
- 計画に時間がかかり、デリバリ率も下がる
- コーチ業での説明の一種として使える
- バッファを見積もりに入れない
- バッファが入るということはDev-PO間のコミュニケーション不全
- ふりかえりでメトリクスを使ってカイゼン
- この域に達するまでそもそも長い時間がかかる
- SIerだとコミュニケーション不全からチームが始まることが多い。なんでだ
- 2weekと1weekのコストバランスの説明
- コミュニケーションがうまくいっているからこそできたことが大きい
- スケールの仕方
- できるかどうかはさておいて、チームを入れ替えまくってコンテキストを徐々にあわせる、というのは楽しそう
- コミュニケーションがうまくいっていないと、スケールするときのコストはどんどん大きくなるはず
- チームを強化し続けられるという文化が前提に立ってしまう
- プロジェクトが終わると解散するSIerでは、現状は追いつけない文化
- 使えそうなもの
- わかってることを出し、わかっていないことをパーキングロットに入れるというプランニングのしかた
- 1個流し
行動分析学に基づくScrumの導入 / 土肥さん
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土肥さんの「行動分析学に基づくScrumの導入」#RSGT2019 #hall_b pic.twitter.com/B4FZQyqsrK
— びば(森のフレンズ)/1/10 RSGT2019 Effective Retrospective (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
ふりかえり
- It depends(状況による)
- コーチやSMとしてこういう回答はしたくない
- そもそもコーチやSMは直接回答をするのが仕事ではないものの、なぜその回答をしたのかの価値観を話したり、逆に聞き出したり、ということが大事だと思った
- 介入する
- 標的行動(課題解決につながる行動)を特定し、介入する
- ヘッジピン(課題解決につながる事象)に似ている
- チームへの取り組みで好子と嫌子がどう現れたかに注目してみよう
- たまに好子がでるようにするほうが効果的、とはいうものの、設計してそれができるか?
- 標的行動(課題解決につながる行動)を特定し、介入する
- 行動分析学を読んでみよう
- 面白そうだし、なにより気付きが多そう
ちゃんとやってるのになんかうまくいかないスクラムからの脱出 / しーばさん
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ちゃんとやってるけどらうまくいかないスクラムからの脱出#hall_a #RSGT2019 pic.twitter.com/8Rjs4JCvHX
— びば(森のフレンズ)/1/10 RSGT2019 Effective Retrospective (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
ふりかえり
(黄色=学び・思ったこと・感じたこと)
(しーばさんにDay2の懇親会で直接お話を聞けたので、追加部分は太い黒字)
- ふりかえりがすべての起点
- コミュニケーションからはじまり、助け合いのコラボレーションへとつながっていく
- 自分の発表と同じだった
- 感謝によるチームビルド
- 私以外に使っている、よい事例
-
スクラムマスターは期待を持たない。現実を見る
- もしかしたらできるかも、なんとかなるかも、という希望を抱きがち。現実を見よう。
- 私の場合はPOとかDevがそういいがちなので、どうそれに現実を見せていくか。
- Teams that Finish Early Accelerate Fasterで成功で現実を見せていく線が個人的な成功パターン
- **「大丈夫だよ」「心配しないで」**から生まれる安全性
- しーばさんとは非常に共感する部分が多い
- 話を聞いていて伝わってくる和やかさ
- 私にはない心理的安全性の作り方。
- 笑顔や話す速度かな
超Scrum入門〜未完成フラクタルと15minSprint〜 / kyon_mmさん
スライド
グラフィックレコード
#hall_a #rsgt2019
— びば(森のフレンズ)/1/10 RSGT2019 Effective Retrospective (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
きょんさんの「超Scrum入門〜未完成フラクタルと15 min Sprint」
「うまくいくし、楽しいまで突き詰める。それは自分たちが人間をやめたいから。」
すごく、すごく刺さった。 pic.twitter.com/KvxIrr5ZBk
ふりかえり
- 大きな目的/チームビジョンがあってこその進化
- 「超固体になりたい」「人間やめたい」
- われわれはなんだろう?
- **「うまくいったらどうなるの?」**という問い
- これは自問自答していきたい
- 「美しさ」
- Artとしての美しさ
- 目的がないものだからこそ美しい
- 目的がなくてもいい。あるがままにしている状態に自分たちをもっていく
- 手段が目的化するくらいエクストリームにやるっていう認識
- 私の場合はふりかえりが手段と目的が逆転している。ふりかえりしたいから日々をすごしている感じ
- 私の持つ「ふりかえり」の美しさとはなんだろう
- 私の「チームファシリテーション」の美しさとはなんだろう
- フラクタル
- ふりかえりにも応用できる。というかフラクタルだった
-
Krebs Cycle of Creativity
- 自身にどこが欠けているか、もう一度見直ししよう
-
うまくいくし、楽しいまでやる
- カイゼンの結果の究極の姿
- フィードバックループの話
- アリ塚
- +のフィードバックを短期間で加える
- -のフィードバックを長期間で加える(ムダの排除など)
- ふりかえりの話
-
ARTとしてのKPT
- この美しさについて語れる人がどれくらいいるのかちょっと気になった
- ロールプレイとしてのふりかえり、というのもあまりやったことがないので、そういった方向に一度振り切ってみてもいいかもしれない
-
ARTとしてのKPT
その他のイベント
RSGT2019では、セッションと同じくらい、セッション以外の時間にいろんな人と話したり、Open Jamに混ざったり、Coachs Clinicでコーチに質問したり、と人とのコミュニケーションをとるための時間が多くあります。というよりこちらが本命だと思うくらい、いろんな人とセッションの内容や、お互いが持つ問題について話し合い、有益な情報を得ることができます。
こちらも重要なふりかえり材料、ということでしっかりふりかえっていきます。
Day1開始まで
朝起きてから、10:00までに起こったことのふりかえりです。
ふりかえり
- スタバでLT資料作りをしていた
- 事前に文字起こししていたものの、20分じゃ終わらない…
- 結局使う機会なかったなぁ。どこかでちゃんと作って発表しよう
- いつものスタバの安心感
- スタバで稲山さんにガルパン仕事術をいただく
- カバー本になってる…。発注金額を聞いて驚愕。私にはまだ早いな…
- 表紙かわいい。ジャケ買いしたくなる表紙って大事
- 吉羽さん(@ryuzee)と会話
- Gabbyのメビウスループのパターンカードを見せてもらった
- 使えそう
- OpenJamがなさそう
- Yahoo!でお昼がっつり埋まってるし…
- ノベルティのビアグラスが超いい
- 木村さんに話しかけてもらった
- JISAで講演した ふりかえりワークショップ~チームのカイゼンのはじめかた~ の資料を使って、社員150人とワークをしてきてくれた、とのこと
- 「お礼を言うためにRSGTに来ました」と言ってくれて、朝から感無量。
- ワークの資料は基本的に全部公開していますのでどなたでも使ってください
- 黄色くなって「黄色いから声かけてねツイート」
- 1年間黄色かったのもあり、去年の20倍以上の認知度。露出も増えたしそりゃそうか…
ランチタイム
ランチタイムもRSGTでは会話のための時間。
いろいろ話せたし、いろいろやってみました。
ふりかえり
-
Fun/Done/Learnボードを作成
- なにか学びを共有する手段はないかな、と思い立って
- やってみない?とみんなに共有してから即「やってみよう」とマインドをチェンジ
- 「壁にFun/Done/Learn貼ってもいいですか?」と聞いたら**「許可を求めるな謝罪せよ」**と言われ
- イーゼルパッドをさささん(@sasakendayo)がもらいにいき
- 机とペンと付箋がスタッフにより準備され
- Twitter/Facebookで拡散される
- Day2にはOpenNoteで川口さん(@kawaguti)に紹介いただきありがとうございます
- 3象限を書いたら「欄外が大事なんだな」とキローさん(@haradakiro)につっこまれ
- 「なんだよこのカンファレンス最高かよ」という1日目のランチでした
入り口脇にFun Done Learnボードを描きました!!
— びば(森のフレンズ)/1/10 RSGT2019 Effective Retrospective (@viva_tweet_x) 2019年1月9日
RSGTの学びをみんなで共有するときっと楽しいはず!!!#RSGT2019 pic.twitter.com/fihLrKmeHz
- ジョブボード(雇われる側)に記入
- チームビルディングやふりかえりの悩み事など、いつでもご相談ください
- 去年より自身のやることが明確になってきたなぁ
- Yahoo!のブースに「リモートワーク、ありかなしか」が貼られていた
- ナシに投票
- リモートできる物理的・心理的な環境が整っていることが大前提で、私の会社では無理だ、というニュアンスで
- コミュニケーションがうまくいっている状態が前提となる
- OpenJamがYahoo!だらけ
- 自重しろww
- Qiita読んでますって人に何人かお声がけいただいた
- 励みになります。がんばります。
Breakタイム(Fun/Done/Learnの見解 / ヴァッサーさん)
Fun/Done/Learnについて、いくつか思うことがあったので、生みの親のヴァッサーさんとお話してきました。
ふりかえり
- Fun/Done/Learnは上級者向け
- Doneが直感的でないことと、ふりかえりに慣れていないメンバーにとっては問いが難しい
- Fun/Done/Learnを選ぶこと自体に楽しさを見出したり、そこからの気付きへとつなげることが本質だと思うが、初心者は「選んだけど、そこからどうするの?」になってしまう
- 上:Fun, 左:Done, 右:Learnではなく、Fun→Learn→Doneのほうが初心者向け
- Fun, LearnからどうやってDoneに持っていけばいいかな、という話にできる
- 本来はFun, DoneからどんなLearnがあったのかを見出し、Actionにつなげる流れ。これも分かる。
- 結局はチームの状態に合わせてカスタマイズすることが前提になりそうで、KPTやYWTと違って「何も考えなくてもできる」というフレームワークとしての簡単さをかねそろえるのが難しい
- データの収集としてのFun/Done/Learn
- 慣れていないチームはTimelineなどと組み合わせて、時系列データを収集してから分析するほうがよい
- 結局「ふりかえり」という行為に慣れているチームに特化
- 3要素としてのふりかえり
- 簡素で受け入れられやすいアクティビティは、大半が3要素
- KPT, YWT, SSCなど
- ほかと組み合わせなくても、これだけでも使えるものが多い
- 簡単がゆえに誤解されやすく誤用も生まれるが、想定できる範囲内
- Fun/Done/Learnも要素数では分かりやすく、直感的ではある。ただし、解釈が広いという点が難しい
- 初心者にやってもらっても、うまくいかなかった経験がある
- マンネリ化を解消するには非常にいいカンフル剤となるはず
- 簡素で受け入れられやすいアクティビティは、大半が3要素
- 学びをふりかえる上では「Fun」という考え方をふりかえりに取り入れたことが非常によい
- なかなか「Fun」に着目したアクティビティはない
- 個人的にはすごく好きなアクティビティ。やり方をもっと色んな人と議論して、よいものにしていきたい
Break
各セッションの間の休憩時間にいろんな人と話した内容です。
ふりかえり
(緑色=行動・やったこと、黄色=学び・思ったこと・感じたこと)
- たまたま隣に座った人に、「森さんですよね」と声かけしていただいた。グループ会社の方だった。
- 社内でも認知度が広まってきているのを感じた。
- ゆのんさん(@yunon_phys)と話した
- Akatsukiのプランニングポーカーカードをいただいた。
- 「S/M/L」のTシャツサイズが入っているポーカー、いい道具になりそう。
- 岩切さん(@kohsei)をお見かけしたので話をした
- 旅するアジャイル本棚が会場に置いてあり、岩切さんいるかも!と思って探していたら会えた!
- 拙著「ふりかえり読本 場作り編」を出すきっかけをくれた人の一人でもあるため、直接会って1冊渡したいと思っていた
- 直接お渡しできたほか、本棚にも入れていただけました。ありがとうございます。
- さとりゅうさん(@sato_ryu)も色んなイベントで見かけていたものの、話したことがなかったので勇気を出して話してみた
- アジャイルコーチの道具箱 – 見える化実例集について、本の内容をよく使っていたのでよい使い方を聞いてみた
- カードとして印刷して、ゲーム感覚でTryしてみるのがよい、とのこと。
- Softbankのブースに(ぷっちょ欲しさで)行った
- ぷっちょおいしい
- Softbankも変わろうとしているんだなー、とちょっと危機感
Networking(アートとしてのKPT / kyon_mmさん)
何度も何度もイベントで一緒になったり、一緒に登壇する機会もちょいちょいあったものの、話すタイミングがまったくなかったのと、(サングラスが)話しかけるのが怖いなーというのを勝手に思っていたのですが、今回のセッションでいい示唆をいただいたため、それを伝えたくてアタック。
話してみるとすべて杞憂で、とてもやさしく面白い人でした。
エクストリームに突き抜けてやっている人は話していて面白いし、勇気をもらえますね。
ふりかえり
- 聞いたこと
- KPTはどうやって進化していったのか?
- 最初は**KPT+Z(懺悔)**だった
- 感謝を言うより、懺悔のほうが楽だった
- そのあとは、Pが多くなった
- チームや個人でもいいので、感謝のKを伝えるようになった
- 最初は**KPT+Z(懺悔)**だった
- KPTはどうやって進化していったのか?
- 感じたこと
- KPTのみで進化し続けてARTの域まで達したチームを見たことがないので、突き抜けたよい事例として紹介できそう
- 最初から今の形に至るまで、「チームとしての美学」や「ビジョン」があるからこそここまでのカイゼンが進んでいったはず
- 「ふりかえりのふりかえり」はあくまでふりかえりの流れとしての1つであって、やり方にはこだわっていない。ただ、ふりかえりによるカイゼンを加速させるのは、チームにとっての大きなビジョンであるということは忘れてはいけない。
Networking(マンネリふりかえりから脱却するための考え方 / LT)
OpenJamで面白そうなタイトルだなーと思っていたのですが、巡り会わせが悪くLTに参加できず。
Yahoo!の方だということは分かっていたので、Yahoo!のブースで「あのLTの人と話をしたい」というメッセージを送って、懇親会でお話を聞けました。
ふりかえり
話を聞きつつ、こちらからも色々とお話もしたので、どちらからした話かは覚えておらず、混ざっちゃっています。
- 聞いた話
- 現在持っていた悩み:ふりかえりでマンネリ化していた
- 毎週ファシリテーターを変えていたものの、マンネリから脱却できず
- 「新しい方法をやってみよう」として、アジャイルレトロスペクティブズを読んだ
- プロセスベースのふりかえりから、楽しい/成長を感じられるふりかえりに切り替えた
- 話したこと
- 変えていくコツは「目的」をしっかりと話すこと
- ふりかえりを放置して、「これつまらないね」というのを自分たちで気付かせるのもあり
- アジャイルレトロスペクティブズの5つの流れのうち、1つのアクティビティを変えてみるのもあり
- 持ち帰り事項
- ふりかえりの悩み事例集を集めてもいいかも
- 「プロセスカイゼンがうまくいかない」
- 「なにか閉塞感を感じる」
- 「ふりかえりがマンネリ化する」
- ファシリテーターを変えていく、というのもよい効果をもたらすHowの1つ。どこかに残しておいてもいいかも
- ふりかえりの悩み事例集を集めてもいいかも
Networking(ふりかえりの悩み相談)
アジャイルコーチの山田さんから「ふりかえりに困ってる子二人連れてきたから話をしてみて」とつないでいただき、悩みをヒアリングしつつ現状確認&ディスカッション。
ふりかえりで悩みを持つ人を深く掘り下げていくと、人や組織の問題に行き着く場合が非常に多い。今回も本質はそこだった。解消するための色々なアイデアは伝えられたので、あとは「楽しく」「やってみる」ことをしてみていただければ、と思います。
ふりかえり
- 相談内容
- 悩み:「とりあえずKPTをやりつづけている」
- 悩み:「Tryが実行されない」
- 検証が回っていない状態。
- チームのアクションは出せているものの、うまくできない、とのこと。
- そもそもアクションがSMARTになっているかは確認したほうがよい。
- Specify:具体的
- Measurable:計測可能
- Achievable:達成可能
- Relevant:関連性の高い/目的に即している
- Timely / Time-bound:期限の設定されている/即効性のある
- アクションをProduct Backlogに入れて、チームの最初のバックログとして実施する
- POと開発チームとの関係性ができていることが大前提
- 悩み:「やる気のない人をどう巻き込むか?」
- チームのTryを協力してくれない
- そもそもチームのためのSMARTなActionになっているだろうか?
- 部分最適に走っていないか?
- まずは人・関係に着目してカイゼンしていこう
- チームのTryを協力してくれない
Networking(ふりかえりをどう導入するか)
森さんならどんな進め方でふりかえりを導入しますか?ということを聞いていただいたので、頭の中を整理しながらアウトプットしました。
ふりかえり
- 大きな流れ
- 4回ごとに流れを変える
- 場作り→データの収集→アイデアを出す→アクションの決定→ふりかえりの終了、という基本は変えない
- 最初の1ヶ月の場作りの中で、ふりかえりに必要な考え方やマインドセットを確立する
- 場作りの流れ
- 1回目:DPA
- 2回目:Good & New
- 3回目:Focus on / off
- 4回目以降:その場に応じて
- データの収集
- 1~4回目:Timelin
- 5~8回目:Story of Story
- アイデアの収集
- 1~4回目:KPT(コミュニケーション+コラボレーション重視)
- 5~8回目:YWT(コミュニケーション+コラボレーション重視)
- アクションの決定
- SMART Goals
- ふりかえりの終了
- +/⊿
- 残り時間に応じてほかのやり方を導入
- 上記の流れで8週やると、以下の状態になる
- ふりかえりの目的が分かる
- ふりかえりが楽しくなる
- ふりかえりのやり方が色々あることを知り、自分たちで好きなものを選ぶ
- ふりかえりの基本的な流れに沿って自分たちでファシリテートできるようになる
Networking(ふりかえりをどう楽しくやるか)
ふりかえりを楽しくするための考え方を知りたい、という話をいただいたので、その場で会話。
基本的な内容はDay2で話すEffective Retrospectiveに準拠。
ふりかえり
- ふりかえりとは楽しいもの、というイメージをみんなに持ってもらう
- まずは心理的な場作りから
- Keepにも色々種類がある
- Success
- Good
- Keep
- Learn
- 問いをうまく使うことが大事
- Teams That Finish Early Accelerate Faster
- 早く成功したチームがより加速する
- 最初の見積もりよりもはるかに少ないStory Pointで1 Sprint目をスタートする
- そしてふりかえりで加速する
- 成長を実感してこそ地に足がついてジャンプ(チャレンジ)できる
- 早く成功したチームがより加速する
Networking(その他会話)
ふりかえり
- グラレコもってウロウロしてみた
- 「あ、あの書いてる人ですね」という認知
- すぐにメモもとれるし、ふりかえりの材料にもなるし、とてもよい
- 山田さんがふりかえりに困っている人をつれてきた(後述)
- ヨコヤマさんがYWTをはじめた、というツイート
- 影響受けてくれてうれしい
- うちの上司が採用活動していた
- 対象も知り合い。一緒に働けるならそれはそれでうれしい
- 中村洋さん+石橋さんが組織へのアジャイル適応について相談してたので、そちらに混ざる
- どこかで会話する機会作って話さないとなぁ。色々情報交換はしたい
懇親会(kyon_mmさんとの話)
kyon_mmさんや、及部さん(@TAKAKING22)と、セッションに関連した話のふりかえり。
ふりかえり
- フラクタルなフィードバックループ
- 正のフィードバックではやることがどんどん増えていく
- 不完全な状態になっていく
- 捨てないといけない。そのため負のフィードバック
- 何かを捨てるには、期間が長いほうが考えやすい
- 正と負のバランスが大事
- 正のフィードバックではやることがどんどん増えていく
- 武道の守破離
- アジャイル界隈でよく使われている守破離は、考え方が誤っていることが多い
- 武道の守:基本と同じことをする
- 上段受けをして下に受け流す
- 武道の破:やることは守と同じだが、解釈が異なる
- 上段受けをして「相手の体制を崩し、次の攻撃につなげるために」「相手の腕を思いっきり」下に受け流す
- 武道の離:型から離れて自分で作り出す
- 武道の守:基本と同じことをする
- 私の考えているふりかえりの守破離はどうだろう。似てる?
- ふりかえりの守:流れにそってやってみる。色々なやり方を知る
- ふりかえりの破:色々なやり方の基本は変えずに、さまざまな場面でカスタマイズしながら使ってみる
- ふりかえりの離:自分で最適なやり方をその場で組み立てて使える
- アジャイル界隈でよく使われている守破離は、考え方が誤っていることが多い
- ふりかえり
- 他人のKPTを勝手に想像して書く、という方法
Day1をふりかえって
1日のふりかえりはFun/Done/Learn + Actionでやってみます。
(理由は楽しいから)
(緑色=やったこと・できたこと/黄色=学び・思ったこと・感じたこと/赤色=アクション)
アクションは太字
- グラレコ+会話
- 直近のカンファレンスや、Scrum Fest Osakaでもやる。メモは全部グラレコに。
- とにかく話しまくる、多くの人に話しかけてもらったり、自分から聞きに行ったり
- 許可を求めるな謝罪せよ
- イベントのふりかえりボード
- Scrum Fest Osakaでもやってみよう
- 行動分析学イイネ
- 1月中に本をポチって読む
- うまくいくし楽しくなるまでやる
- 武道の守破離
- メビウスループ・成果ファースト
- フラクタル
- アリ塚
- KPT as ART
- 美しさを大事にしたい
- ふりかえりにおける美しさについて考えてみる。1月中に記事にする
- 美しさを大事にしたい
1日だけでも凄い学びの量でした。
2日目へ続きます。