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「難しい」と書かれた技術書と、つまずいた人が先に読んでいた本

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Last updated at Posted at 2026-10-25

定番と言われて買った技術書が難しくて進まない、という経験をした人は多いと思います。そこで、Zenn・Qiita・企業のテックブログで技術書を紹介した記事 1,464 本(2026 年 10 月 8 日まで)から、本を「難しい」と書いた箇所を集めました。どの本がなぜ難しいと書かれたのか、先にどの本を読むよう勧められていたのかを数えています。データは筆者が運営する技術書ナビのもので、調べ方は末尾にまとめました。

本を「難しい」と書いた箇所は 307 件ありましたが、挫折した・読み切れなかったと書いていたのはそのうち 27 件(8.8%)だけでした。残りは、苦労しながら読み通したという話か、「最初の 1 冊には向かない」といった読者への注意です。

「難しい」と書かれた記事が多い本

「難しい」と書いた記事が 4 本以上ある本を、記事の数の順に並べました。割合は、その本を紹介した記事のうち「難しい」と書いた記事の割合です。

本 「難しい」と書いた記事 紹介した記事 割合
Webを支える技術 13 66 20%
リーダブルコード 12 176 7%
マスタリングTCP/IP 入門編 11 48 23%
エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 10 28 36%
データ指向アプリケーションデザイン 7 25 28%
ネットワークはなぜつながるのか 7 36 19%
達人プログラマー 6 45 13%
体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 5 48 10%
メタプログラミングRuby 4 12 33%
コンピュータシステムの理論と実装 4 13 31%
達人に学ぶSQL徹底指南書 4 29 14%
Clean Architecture 4 39 10%
リファクタリング(第 2 版) 4 42 10%

記事が挙げた理由を本ごとに見ると、同じ「難しい」でも中身が違っていました。以下では、メタプログラミングRuby を除く 12 冊を「前提知識が足りないとつまずく本」「経験がないと実感しにくい本」「分量で止まる本」の 3 つに分けて紹介します。この分け方は、記事が挙げた理由と記述をもとに筆者が判断したものです。

前提知識が足りないとつまずく本

この 5 冊では、記事が具体的な前提知識や、先に読む入門書を挙げていました。

Webを支える技術

13 本の記事が難しいと書いていて、そのうち 8 本は前提知識や経験の不足を理由にしていました。足りなかったものとして、ネットワークの基礎、OSI 参照モデルや HTTP、Web サービスを設計・実装した経験が挙がっています。先に読む本としては、『プロになるためのWeb技術入門』を 2 本の記事が、『ネットワークはなぜつながるのか』『イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb技術の基本』『HTTPの教科書』をそれぞれ 1 本の記事が勧めていました。

当時は理解ができずに読むのを諦めてしまいました

(「1年目のときに読むのを諦めた技術書」を読めるようになった理由)

マスタリングTCP/IP 入門編

11 本の記事が難しいと書いていて、うち 3 本は挫折したと書いていました。理由で最も多いのは分量(5 本)で、基本情報技術者試験レベルのネットワーク知識を前提に挙げた記事もあります。先に読む本としては、『ネットワークはなぜつながるのか』『3分間ネットワーク基礎講座』『TCP/IPの絵本』をそれぞれ 2 本の記事が勧めていました。

正直に言うと私は最初にこの本を読んだとき 挫折しました。

(ネットワーク何もわからん!そんな私がネスペ合格までに役立った本まとめ)

達人に学ぶSQL徹底指南書

難しいと書いた 4 本のうち 3 本が、読む前に必要なものを書いていました。「SQL の基礎」や「SQL の実務経験が半年から 1 年」といった内容です。先に読む本としては、『スッキリわかるSQL入門』を 2 本の記事が勧めていました。

データ指向アプリケーションデザイン

紹介した記事の 28% が難しいと書いていました。前提として挙がったのは、データベースの内部構造や分散システム、RDBMS の理論についての知識です。先に読む本としては、『内部構造から学ぶPostgreSQL』と『絵で見てわかるSQL Serverの仕組み』をそれぞれ 1 本の記事が勧めていました。

かなり難しい話題も多く、数ヶ月掛けて読破しましたが

(SE 3年目で読んだ技術書52冊)

コンピュータシステムの理論と実装

紹介した記事は 13 本と少ないものの、そのうち 4 本が難しいと書き、2 本は挫折したと書いていました。先に読む本としては、『試して理解 Linuxのしくみ』と『CPUの創りかた』をそれぞれ 1 本の記事が勧めていました。

すぐ挫折しました。最後まで走り切ればテトリスが完成するとのことです

(未経験からWebエンジニアになった1年目に読んだ本19冊をふりかえる)

経験がないと実感しにくい本

この 4 冊では、知識より実務の経験を前提に挙げる記事や、経験を積んでから読み返したという記事が目立ちました。

リーダブルコード

入門書として勧められることの多い本で、難しいと書いた記事の割合は 7% と低めです。それでも数では 12 本と 2 番目に多く、そのうち 9 本は苦労しながら読み通したという書き方でした。前提としては、コードを書いた経験や業務経験のほか、例に出てくる C/C++ の書き方がわかることが挙がっていました。

ある程度実務で経験を積んだり、アウトプットを重ねてから再度読み直すとこの本から多くのことを得られます

(未経験から2年働いたエンジニアの本紹介)

エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計

紹介した記事の 36%(28 本中 10 本)が難しいと書いていて、表の中で割合が最も高い本です。理由としては、内容が高度なこと(4 本)、分量が多いこと、抽象的なこと(各 2 本)が挙がっていました。代わりに読む本として『ドメイン駆動設計入門』と『ドメイン駆動設計をはじめよう』をそれぞれ 1 本の記事が勧めていて、『ドメイン駆動設計をはじめよう』は 3 本の記事で読みやすいと書かれていました。

達人プログラマー

6 本の記事が難しいと書いていました。理由はばらばらでしたが、現場の経験を前提に挙げた記事や、読み返すと新しい発見があると書いた記事がありました。

中級者以上になってから読み返すと、また違う発見があります

(【読書の夏?】各分野のおすすめ技術書を75冊まとめてみた)

Clean Architecture

難しいと書いた 4 本の記事は、抽象的なことと内容が高度なことを理由に挙げていました(各 2 本)。

3回くらい読み返してようやく少しだけ理解できてきた。

(エンジニア転職して一年経つので自宅学習で使った技術書&Udemyをジャンル別に評価してみた)

分量で止まる本

この 3 冊では分厚さを理由に挙げる記事が多く、全部を読み切らない読み方を書いた記事もありました。

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方

難しいと書いた 5 本の記事が、すべて分量を理由に挙げていました。

めちゃくちゃ分厚くて心折れかけましたが、セキュリティに関する最低限の知識としてがんばりました。

(エンジニアに転向して1年で開発チームのリーダーになるまでに勉強したことをまとめる)

リファクタリング(第 2 版)

4 本の記事が難しいと書いていました。後半の手法の一覧は消化しきれず数年後に読み直すという記事や、輪読会で全部を読み切ることを目標にしなかったという記事があります。

僕も後半の手法集は消化不良なので、数年後にまた読みます。

(SE 1年目で読んだ技術書68冊+α)

ネットワークはなぜつながるのか

マスタリングTCP/IP の前に読む本として勧められている一方で、この本自体も 7 本の記事で難しいと書かれていました。理由は、内容が高度なこと(3 本)と分量が多いこと(2 本)です。

少し難しい箇所もあるので、分からないところはスッと飛ばしつつ、まずは通読するのがオススメです。

(現役エンジニアが選ぶ、エンジニアを目指す上でとりあえず読むべき本3選)

調べ方と限界

  • データ:技術書ナビが集めた Zenn・Qiita・企業テックブログの記事のうち、技術書を紹介した 1,464 本(本と記事の組 4,914 件)を使いました。2026 年 10 月 8 日までに公開された記事で、Zenn と Qiita への同時投稿は 1 本、同じ本の版違いは 1 冊として数えています。
  • 分類:本を紹介した箇所を LLM(Claude Sonnet)で「難しい」「易しい」「どちらでもない」に分け、難しさの書き方、理由、前提知識、先に読む本・代わりに読む本を取り出しました。無作為に抜いた 45 件を人が記事を読んで確かめたところ、42 件が正しく分類されていました。引用は、記事の本文にそのまま含まれていることを確かめています。
  • 限界:先に読む本は、ほとんどが 1〜2 本の記事にしか出てこない組み合わせです。決まった読む順番として確かめられたものではありません。また、難しさは書き手の経験によって変わり、紹介した記事が少ない本ほど割合は大きく動きます。

本ごとの記述の一覧と分野別の集計は、「難しい」と言われる技術書と、つまずいた人が先に読んだ本に載せています。

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