はじめに
こんばんは、mirukyです。突然ですが、もう夏ですね。
比較的今年の6月は涼しいですが、7月からはいつも通り暑くなるんですかね、、。
そんな時は、部屋でエアコンをガンガンにきかせて、本でも読みましょう!
涼しい地域の方は、風鈴のついた縁側で本を読むのも風流でいいですよね〜。
ということで今回は、「読書の秋」ならぬ「読書の夏」として、おすすめの技術書を大量にまとめてみました。
皆さんご存知の通り、ITの仕事をやっていると、フロントエンドからバックエンド、インフラ、クラウド、セキュリティ、生成AIまで、学びたい分野、学ばなきゃいけない分野がどんどん増えていきますよね。そのたびに「この分野は、どの本を読めばいいんだろう」と迷うことが多いので、ITの各分野で数冊ずつ、おすすめしやすい技術書・名著を、75冊集めました。
では早速、参りましょう!
目次
- プログラミングの土台と心構え
- プログラミング言語の名著
- フロントエンド
- 設計とアーキテクチャ
- データベースとSQL
- ネットワークとWeb
- LinuxとOSの仕組み
- コンテナとオーケストレーション
- クラウド
- IaCとSREとDevOps
- セキュリティ
- コンピュータサイエンスとアルゴリズム
- データエンジニアリングと生成AI
- 知識地図シリーズ
1. プログラミングの土台と心構え
言語や分野が変わっても、長く役に立つのが「良いコードとは何か」、「プロとしてどう動くか」といった基礎です。よくピラミッドの最下層部分に例えられますが、基礎は本当に大事で、ここが薄かったり狭かったりすると、必然的に業務で良く活用するようなピラミッドの先端部分のサイズが小さくなってしまいます。
$\Large \text{①リーダブルコード}$
名前の付け方、コメントの書き方、条件分岐やループの見通しの良くし方など、他人(そして数か月後の自分)が読んで理解しやすいコードを書くための具体的なコツを集めた本です(2012年)。前半は変数名やコメントといった表面的な改善、後半は処理の流れや関数の分け方といった構造の改善へと進み、悪い例と良い例を並べて説明します。一つの節が短く、全体も薄めなので、空き時間に少しずつ読めます。プログラミングを始めて間もない方や、自分の書いたコードが読みにくいと感じている方に向く一冊です。
$\Large \text{②達人プログラマー 第2版}$
より良い開発者になるための心構えと実践的な手法を、多数の短いトピックに分けて解説した本です(2020年改訂)。同じことを繰り返さないDRY(重複を避ける考え方)や、部品同士を不必要に絡ませない直交性といった設計の原則から、デバッグやテストの進め方、要件の捉え方、チームでの仕事の進め方まで幅広く扱います。第2版では並行処理など近年の話題も加えて見直されました。すぐ使える小技というより、長く役立つ考え方を授けてくれる本です。中級者以上になってから読み返すと、また違う発見があります。
$\Large \text{③プリンシプル オブ プログラミング}$
質の高いコードを書くために知っておきたい考え方を、101個の「原理原則」という形で短くまとめた本です(2016年)。前提となる心構えから、設計の原則、背景にある思想、ものの見方、習慣、具体的な手法、経験則として知られる法則まで、章ごとにテーマを分けて紹介します。さまざまな本の要点を引用付きで集めているため、次に読む本を探す手がかりにもなります。具体的なコード例はほとんどないため、ある程度コードを書いた経験のある二、三年目の方が読むと得るものがより多いのかな、と思います。ただし、1年目でも全然読めますし、ためになります。
$\Large \text{④プログラマが知るべき97のこと}$
世界中の経験豊富なプログラマたちが「これは伝えておきたい」という知恵を、一編二ページほどの短いエッセイにして集めた本です(2010年)。一つ良くなったら周りも少し良くして帰るボーイスカウト・ルール、テストの大切さ、学び続ける姿勢、コードレビューや単一責任といった設計の心得など、多彩な話題が並びます。日本語版には国内のプログラマによる寄稿も加えられています。一つひとつが独立しているので拾い読みでき、視野を広げたい初心者から経験者まで楽しめます。
$\Large \text{⑤エンジニアリング組織論への招待}$
チーム開発やマネジメントで生じる悩みを、「不確実性をどう減らすか」という一つの観点から考え直す本です(2018年)。個人の思考のクセを見直すところから始まり、一対一の対話で相手の成長を促すメンタリング、状況に応じて柔軟に進めるアジャイルなチーム運営、そして組織全体の作り方やアーキテクチャとの関係へと話を広げます。技術書というより、人と組織の動かし方を扱う内容です。リーダーやマネージャーを目指すエンジニアや、チームの進め方に悩んでいる方に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
2. プログラミング言語の名著
よく使われる言語ごとに、最初の1冊として名前の挙がるものを選びました。自分が使う言語から手に取っていただければと思います。
$\Large \text{①JavaScript 第7版}$
JavaScriptという言語そのものを、基礎から実務まで詳しく解説する分厚い解説書です(2021年)。変数や演算子といった文法の基本から、オブジェクトや関数、クラスの書き方、複数ファイルに分けるモジュール、Promiseやasync/awaitを使う非同期処理(処理の完了を待たずに進める書き方)までを、豊富なサンプルとともに説明します。さらにブラウザ上での動作とNode.jsによるサーバ側の利用、両方を扱います。内容が深いぶん、まったくの未経験者には難しめで、ある程度書いた経験のある人が、網羅的な参照書として腰を据えて読むと役立ちます。
$\Large \text{②プロを目指す人のためのTypeScript入門}$
TypeScriptは、JavaScriptに「型」という仕組みを足した言語で、書いたコードの間違いを実行前に見つけやすくしてくれます(2022年)。本書は変数や演算子といった基本の文法から始め、オブジェクトや配列、関数やクラスの書き方を丁寧にたどります。さらにユニオン型やリテラル型、keyof型といった一歩進んだ型の使い方や、PromiseやasyncによるWeb開発で欠かせない非同期処理まで踏み込みます。何らかのプログラミング経験があって、安全で読みやすいコードを書けるようになりたい人にぴったりです。
$\Large \text{③スッキリわかるPython入門 第2版}$
ブラウザ上で動かせる学習用ツールが用意されており、環境構築でつまずきがちな初学者でもすぐにPythonを書き始められる入門書です(2023年)。変数やデータ型から、リストなどの値をまとめて扱うコンテナ、条件分岐や繰り返しといった基礎をやさしく解説します。後半では関数やオブジェクト、機能をまとめるモジュールへと進み、チャットボット作りの演習で手を動かしながら学べます。巻末にはゲーム(パズルRPG)開発の総合演習も用意されています。エラーの直し方をまとめた付録もあり、プログラミングがはじめての人の最初の一冊として安心して取り組めます。
$\Large \text{④スッキリわかるJava入門 第5版}$
Javaの長期サポート版であるJava 25に対応した入門書です(2026年)。プログラムの書き方や演算子、条件分岐や繰り返し、配列、メソッドといった基礎をたどったうえで、Javaの中心となる考え方であるオブジェクト指向を、クラスや継承、多態性、カプセル化まで段階的に解説します。後半では文字列や日付の扱い、複数の値をまとめるコレクション、例外処理など実務で使う標準機能にも触れます。環境構築の手順やエラー対処の付録も充実しており、はじめてJavaに触れる人がつまずきにくい構成です。
$\Large \text{⑤プログラミング言語Go}$
シンプルさと信頼性を重視して作られたGo言語を、その設計思想とともに解説する定番書です(2016年)。チュートリアルやプログラム構造、基本データ型から入り、メソッドやインタフェースといった言語の特徴へと進みます。ゴルーチンとチャネルを使った並行処理(複数の処理を同時に進める書き方)や、テスト、パッケージの構成やGoツールなど実践的なテーマもしっかり扱います。説明は簡潔で例題が豊富ですが、ある程度プログラミング経験がある人向けなので、Goを腰を据えて学びたい中級者の二冊目あたりにちょうど良いと思います。
$\Large \text{⑥プログラミングRust 第2版}$
安全さと速さの両立をねらって作られた言語Rustを、基礎から詳しく解説します(2022年)。基本的な型から入り、Rust最大の特徴である「所有権」と「移動」という、メモリを安全に扱うための仕組みをじっくり説明します。複数の処理を同時に進める並行プログラミングや、第2版で新たに加わった非同期処理の章など、込み入ったテーマにも踏み込みます。分量は多く読みごたえがありますが、ほかの言語を触ったことがあって、Rust特有の考え方をじっくり理解したい人なら読み切る価値があります。
$\Large \text{⑦プロを目指す人のためのRuby入門 改訂2版}$
Rubyの言語仕様を基礎から実務レベルまで丁寧に解説する入門書です(2021年)。文字列や数値、条件分岐といった基本から、配列やハッシュ、クラスやモジュールを使ったオブジェクト指向の書き方へと進みます。さらに例外処理やブロック、Ruby 3.0で加わったパターンマッチングのほか、テスト駆動開発やデバッグの手法といった現場で役立つ知識まで扱います。各章に練習問題があり手を動かしながら学べるため、Railsを学ぶ前にRuby自体の土台を固めたい人にも適した一冊です。
$\Large \text{⑧独習PHP 第4版}$
PHP 8に対応した入門書で、変数や演算子、条件分岐や繰り返しといった基本構文から、関数やクラスを使ったオブジェクト指向の書き方までを順に学べます(2021年)。フォームから送られたデータの受け取りやセッション(ページをまたいでユーザー情報を保つしくみ)、データベースとの連携など、実際のWebアプリ作りに必要な要素も具体的なサンプルとともに解説しています。各章末には確認用の問題もあるので、独学で一歩ずつ理解を固めたい初学者や、PHPの基礎をきちんと押さえ直したい人におすすめです。
$\Large \text{⑨独習C# 第5版}$
C# 10に対応した入門書です(2022年)。基本の文法から、コレクション(複数のデータをまとめて扱うしくみ)やオブジェクト指向の考え方であるカプセル化・継承・ポリモーフィズム、例外処理やジェネリック(型を後から指定できる柔軟な書き方)まで段階的に解説しています。後半ではデータを扱いやすくするラムダ式やLINQも取り上げており、サンプルと章末問題で手を動かしながら学べます。C#を腰を据えて学びたい初学者から、言語仕様を確認したい中級者まで参考になる一冊です。
$\Large \text{⑩プログラミング言語C++ 第4版}$
C++11に対応した、言語そのものを作った人物による解説書です(2015年)。1300ページを超え、型やポインタ、クラスやテンプレート(型を部品のように扱う機能)といった言語機能から、文字列処理や並行処理を支える標準ライブラリまで広く掘り下げています。設計の意図や言語の考え方まで丁寧に語られているため、入門というより、ある程度プログラミングに慣れた人がC++を深く理解したいときの読み物・参照書として向いています。読み通すには相応の体力が要ります。
$\Large \text{⑪新・明解C言語 入門編 第2版}$
C言語をこれから始める人のための入門書です(2021年)。最初の簡単なプログラムから、演算と型、条件分岐や繰り返し、配列や関数へと少しずつ進み、つまずきやすいポインタ(メモリ上の位置を指し示すしくみ)や文字列、構造体、ファイル処理までやさしく解説しています。図を多く使い、語りかけるような文章で一つずつ説明が積み重なるので、プログラミング自体が初めての人でも自分のペースで読み進めやすい構成です。学校の教科書や独学の最初の一冊として広く読まれています。
3. フロントエンド
技術の入れ替わりが速いので、発行年の新しさを重視して選びました。
$\Large \text{①りあクト! TypeScriptで始めるReact開発 第5版}$
React 19に対応した、電子版を中心に頒布される3分冊構成の解説書です(2025年)。1冊目でReact開発の土台となるJavaScriptとTypeScript(型を付けて書けるJavaScript)を、2冊目でコンポーネントやHooksといったReactの基本のしくみを、3冊目で画面遷移やデータ取得、フォーム作りなどの実践を扱います。サーバーコンポーネントやReact Compilerなど比較的新しい話題も、使う場面に沿って具体例とともに説明されます。なぜそう書くのかという理由まで踏み込んでくれるので、Reactを基礎から納得して学びたい人にうってつけです。
$\Large \text{②1冊で身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座 第2版}$
フルカラーの入門書で、HTMLとCSSを使ったWebページ作りとデザインの基礎を一冊で学べます(2024年)。Webサイトのしくみや制作の流れから始まり、タグやプロパティの基本、要素を柔軟に並べるFlexboxやグリッド、画面幅に応じて見た目を変えるレスポンシブ対応までを扱います。後半ではカフェをテーマにした複数ページのサイトを実際に作りながら学べるため、知識を手を動かして確かめたい人に向いています。これからWeb制作を始めたい初学者の最初の一冊として読みやすい構成です。超読みやすいです。
$\Large \text{③フロントエンド開発のためのテスト入門}$
フロントエンドのコードを安心して変更できるよう、自動テスト(プログラムがコードの正しさを自動で確かめる仕組み)の考え方と実践をやさしく解説した一冊です(2023年)。1つの関数を確かめる単体テストから、モック(外部依存の代役)の使い方、画面部品のテスト、複数の処理をまたぐ結合テスト、見た目の変化を検知する手法、ブラウザを動かして利用者の操作を再現するE2Eテストまでを順を追って学べます。何をどこまでテストすべきか迷いがちな初学者が、戦略を持って書き分けられるようになることを目指した内容です。手を動かしながら読み進めると、より身につきやすいと思います。
4. 設計とアーキテクチャ
動くコードを書けるようになった次に大切なのが設計です。入門から原則、全体像、実践へと段階的に並べました。
$\Large \text{①改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門}$
読みづらく直しにくい「悪いコード」と、保守しやすい「良いコード」を見比べながら、クラス設計の基本を身につける入門書の改訂版です(2025年)。意味の伝わらない命名、深く入り組んだ条件分岐、データだけを持つ構造など、現場で生まれがちな問題を取り上げ、カプセル化(関連するデータと処理をまとめる考え方)や関心の分離といった改善の指針を具体例とともに示します。設計を学び始めた方や、コードレビューで何を直せばよいか言葉にしたい方に向いた、実例中心の構成です。改訂で説明がより読みやすくなっています。
$\Large \text{②Clean Architecture}$
言わずと知れた名著ですね。ソフトウェアの構造をどう組み立てれば長く保守しやすくなるかを、原則の観点から論じた設計書です(2018年)。変更に強く理解しやすい設計を支えるSOLID原則(5つの設計指針の頭文字)や、部品同士の依存の向きを意識的に切り替える依存性逆転の考え方を、図と歴史的な経緯を交えて説明します。個々のコード技法というより、システム全体の境界の引き方や方針を学びたい方に向いています。やや抽象度は高めですが、設計の土台となる発想を腰を据えて学べる内容です。
$\Large \text{③ソフトウェアアーキテクチャの基礎 第2版}$
自社開発のインタビュー対策でよく聞く本です。ソフトウェアの全体構造を設計する際の考え方を、土台から解説した第2版となります(2026年)。性能や保守性、拡張性といった「アーキテクチャ特性」(システムに求められる品質の側面)の捉え方、代表的なアーキテクチャスタイルの長所と短所、そして「どの選択にも良し悪しがあり常にトレードオフが伴う」という姿勢を中心に据えています。同期と非同期の通信、共有の仕方など、現実の判断で迷う論点を具体的に比較します。設計の正解を1つ覚えるのではなく、状況に応じて選び取る視点を養いたい方にこそ読んでほしい一冊です。
$\Large \text{④ドメイン駆動設計をはじめよう}$
事業の課題とソフトウェアの実装を結びつけて考える、ドメイン駆動設計の入門書です(2024年)。業務の活動を読み解いて知識を引き出す進め方や、用語やルールが一貫して通じる範囲を区切る「境界づけられたコンテキスト」(区切られた文脈)の考え方を、段階を追って説明します。設計を通じて事業に貢献したい開発者に向けて、難解になりがちなこの分野を平易な言葉で案内しているのが特徴です。いきなり高度な手法に進むのではなく、考え方の基本から学びたい方に適しています。
$\Large \text{⑤リファクタリング 第2版}$
動作を変えずにコードの内部構造を改善する「リファクタリング」の手法を、手順とともにまとめた第2版です(2019年)。改善のきっかけとなるコードの問題の見分け方、安全に直すための土台となるテストの整え方、そして関数の抽出や条件分岐の単純化といった具体的な手順がカタログ形式で並びます。サンプルがJavaScriptで書かれているため、その文法に馴染みのある方は読み進めやすいでしょう。最初の例を一緒に直しながら全体像をつかむ構成なので、既存コードの直し方を一つずつ身につけたい方は、手を動かしながら読むのがおすすめです。
$\Large \text{⑥テスト駆動開発}$
テスト駆動開発(TDD)の考え方を、その原典でじっくり学べます(2017年)。まず失敗するテストを書き(レッド)、それを通す最小限の実装をして(グリーン)、最後にコードを整える(リファクタリング)。この小さなリズムを、多国通貨を扱うプログラムや、テスト用の道具(xUnit)を自作する例を通して、手を動かしながら体験できます。後半にはTDDを支えるパターン集や、訳者による現在のTDDをめぐる解説も収められています。テストで歩幅を保ちながら設計を少しずつ育てていく進め方を、写経しながら体に入れたい人におすすめです。
5. データベースとSQL
どの分野に進んでも、データベースの知識は無駄になりません。SQL入門から設計、よくある失敗、一歩進んだ書き方まで揃えました。
$\Large \text{①SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作}$
SQLを初めて学ぶ人向けに、データベースの基本からひとつずつ進める入門書です(2016年)。データの検索や並べ替え、集計といった基礎から始まり、条件を組み合わせた問い合わせ、複数の表をまとめて扱う方法、データの追加や更新まで、手を動かしながら学べる構成になっています。特定の製品に偏らない標準的なSQLの書き方を中心に説明しているので、ここで身につけた知識は幅広い場面で役立ちます。各章末の練習問題で理解を確かめながら進められるので、SQLの独学を始めるならまずこれ、という一冊です。
$\Large \text{②達人に学ぶDB設計徹底指南書 第2版}$
データベースの「設計」に焦点を当て、表をどう作りどう分けるかを基礎から学べる一冊です(2024年)。データの重複やムダを減らすための正規化(情報を適切な単位に分ける考え方)を段階を追って解説し、表どうしの関係を図で表すER図の読み書きにも触れています。さらに、設計が速度に与える影響や、やってしまいがちな失敗例、判断に迷うグレーな手法まで具体的に扱います。SQLは書けるようになったものの、土台となる設計に不安が残る、という人の次の一冊にちょうど良いです。
$\Large \text{③SQLアンチパターン 第2版}$
データベースを扱う中で起きがちな失敗と、その避け方を、豊富な例とともに学べます(2025年)。表の作り方やNULL(値が無い状態)の扱い、検索の書き方、アプリ側のコードまで、という四つの観点を中心に、つまずきやすい場面ごとに、なぜ問題になるのかと、より良いやり方を示しています。第2版では新たな章や外部キーにまつわる落とし穴の解説が加わり、一部の章末には短い補足も収められています。設計や運用で「これで合っているのか」と迷う場面に備えて、定石を知っておきたい中級者は読んでおくと安心です。
$\Large \text{④達人に学ぶSQL徹底指南書 第2版}$
基本的なSQLは書けるようになった人が、もう一歩進んだ書き方を学ぶための一冊です(2018年)。CASE式による条件分岐や、行をまたいで集計や順位付けを行うウィンドウ関数、同じ表を組み合わせる自己結合、NULLにまつわる三値論理(真・偽に加え「不明」を扱う考え方)など、つまずきやすい話題を丁寧に解説しています。後半ではリレーショナルデータベースの背景となる考え方にも触れます。手続き的な発想から抜け出して、SQLらしい書き方を身につけたい人にうってつけです。
6. ネットワークとWeb
例えインフラエンジニアの方でなくとも、普段は意識しないネットワークの裏側が分かると、障害調査や設計の精度が上がるのでぜひ読んでみてください。
$\Large \text{①ネットワークはなぜつながるのか 第2版}$
ブラウザにURLを入力してからWebページが表示されるまでの裏側を、順番に追いかけながら学んでいけます(2007年)。ブラウザがメッセージを組み立てる場面から始まり、データが電気信号として送り出され、ハブやルーターを経由し、プロバイダを通ってインターネットへ入り、サーバー側のLAN(ファイアウォールなど)を抜けてサーバーに届き、応答が返るまでの流れを物語のように説明します。TCP/IPやLAN、光ファイバといった技術が、実際の通信のどこで働くのかを実感しながらつかめます。ネットワークの全体像を一本の道筋でつかみたい人(多少の基礎がある初学者から若手)に、特におすすめです。
$\Large \text{②マスタリングTCP/IP 入門編 第6版}$
TCP/IPを基礎からしっかり学びたい人に向けた、長く読まれている入門書の改訂版です(2019年)。ネットワークの基本的な考え方から始まり、データが隣の機器へ届くしくみ、住所にあたるIPアドレスと経路の選び方、通信の信頼性を支えるTCPとUDPの違い、Webやメールなどのアプリケーションのやり取り、セキュリティまで、幅広い項目を扱います。多くの図やイラストと脚注で要点を補いながら進むため、用語に不慣れでも読み進めやすい構成です。ネットワークの土台を、順序立ててしっかり押さえたいときに頼れる一冊です。
$\text{③Cisco CCNA 完全合格テキスト&問題集 200-301 第2版}$
シスコ社のネットワーク資格「CCNA(試験番号200-301)」に最新の試験範囲で対応したテキスト&問題集です(2025年・第2版)。約900ページの大判で、ネットワークの基礎から、データの届け方の決まりごと(TCP/IP)、通信経路を選ぶしくみ(ルーティングやOSPF)、社内ネットワークを区切るVLAN、通信を許可・拒否するACL、住所を変換するNAT、無線LAN、手作業を自動化する技術まで、図と実際のコマンド画面で順を追って学べます。各章末の確認問題と模擬試験2回分で理解度も測れます。資格を受けるつもりがなくても、ネットワークの知識を基礎から体系的に身につけたい人に役立つ一冊です。ボリューミーですが、堅すぎない文章でスイスイ読めるため、見た目ほど重くは無いです。
$\Large \text{④Webを支える技術}$
Webが20年余りで巨大なしくみへと育った背景を、その設計思想からひもといていきます(2010年)。Webの住所にあたるURI、データをやり取りする約束事であるHTTP、文書を記述するHTMLといった基礎技術を、登場の歴史や設計の狙いとともに解説します。あわせて、Webの設計を支えるRESTという考え方を、リソースや統一インターフェースといった構成要素に分けて解説し、後半ではWebサービスを作る際の住所の付け方やデータの扱い方の具体例も学べます。Webの裏側を支えるしくみを腰を据えて理解したい人(ある程度Webに触れた初学者から中級者)なら、読んでおいて損はありません。
$\Large \text{⑤Real World HTTP 第3版}$
HTTPというWeb通信の約束事を、その移り変わりの歴史と実際に動くプログラムの両面から学べる一冊です(2024年・第3版)。初期のシンプルなやり取りから、通信を速くしたHTTP/2や、土台にUDPという別方式を使うHTTP/3まで、それぞれが生まれた理由とともにたどります。通信を暗号化して安全にするTLSや、サーバーへの接続を自分のコードで書いて確かめる解説もあり、手を動かしながら理解を深められます。仕様の丸暗記ではなく「なぜそうなったか」から知りたい人にこそ、読んでほしい本です。
7. LinuxとOSの仕組み
サーバーやコンテナの足もとを支えるのがLinuxです。コマンドに慣れる入門から、仕組みや一段下のプログラミングまで挙げます。
$\Large \text{①新しいLinuxの教科書 第2版}$
Linuxの操作を、コマンド入力の画面とその指示役であるシェルを軸に、基礎から学べる入門書です(2024年・第2版)。ファイルの扱いや検索、文字を含むかを柔軟に指定する正規表現といった日々の作業に加え、よく使う手順をまとめて自動で動かすシェルスクリプトまで進みます。さらに、変更履歴を記録して開発を管理するGitなど、現場でよく使う道具にも触れています。やみくもな暗記ではなく操作の意味を理解しながら進めたい、これからLinuxを学ぶ人の一冊目にどうぞ。
$\Large \text{②[試して理解]Linuxのしくみ 増補改訂版}$
Linuxというしくみの内側を、実際に手元で動かす実験とカラーの図解で確かめながら学べる一冊です(2022年・増補改訂版)。プログラムを動かす単位であるプロセスの管理や順番待ちの調整、データを一時的に置くメモリ、データを保存するファイルシステムや記憶装置の階層など、土台の働きを取り上げます。さらに、一台の中に別の環境を作る仮想化や、軽量に区切って動かすコンテナの基礎にも踏み込みます。動きを目で見て納得しながら学びたい人にぴったりです。
$\Large \text{③ふつうのLinuxプログラミング 第2版}$
Linuxの土台を、C言語のプログラムを書きながら理解していく一冊です(2017年・第2版)。Linuxの中核であるカーネルに作業を頼むための窓口、システムコールを軸に、ファイルやデータの流れの扱い、複数の処理を動かすプロセス、合図を送るシグナルといった基本を順に学びます。簡単なコマンドの自作から、最後は通信に応える簡単なHTTPサーバーづくりまで進む構成で、しくみと実装が結びつきます。自分でプログラムを書いて、Linuxの内側を肌で感じたい人におすすめです。
8. コンテナとオーケストレーション
クラウドでよく使うDockerとKubernetesです。仕組みをつかむ1冊と、しっかり学ぶ2冊を挙げます。
$\Large \text{①[改訂新版]イラストでわかるDockerとKubernetes}$
アプリを動かす環境ごと小さくまとめて持ち運ぶ「コンテナ」を、豊富なイラストで学べます(2024年・改訂新版)。コンテナを作って配って動かす流れを担うDockerと、多数のコンテナをまとめて動かすKubernetesを軸に、それぞれの基本的なしくみを図でかみくだいて説明します。後半では、コンテナを実際に動かす土台となる実行環境や、各社の道具が従う共通ルールにも触れ、表面の使い方だけでなく内部の動きまで踏み込みます。コンテナの仕組みを、まずは絵でざっくりつかみたい初学者の一冊目に良いと思います。
$\Large \text{②Docker実践ガイド 第3版}$
コンテナという、アプリの動作環境ごと一つにまとめて持ち運べる技術であるDockerを、その基礎からサーバー運用まで実践的に解説する一冊です(2023年・第3版)。Dockerの考え方やしくみから始まり、サーバーへの導入、コンテナの基本操作、設定ファイル(Dockerfile)を使ったイメージ作り、ネットワークやリソースの管理へと進みます。後半では、多数のコンテナをまとめて動かすKubernetesによるオーケストレーション(協調動作の自動化)やコンテナ運用基盤まで踏み込みます。Linuxやサーバーの基礎がある人が、手を動かしながら、本番でも通用するコンテナの扱い方を身につけたいときに向いています。
$\Large \text{③Kubernetes完全ガイド 第2版}$
たくさんのコンテナ(アプリを動かす小さな箱)をまとめて動かすKubernetesを、基礎からじっくり学べます(2020年)。Dockerの復習から始まり、コンテナの配置やスケール調整、障害時の自動復旧、保存領域や設定の扱い、安全性の確保、状態の監視やログ集約まで段階的に解説します。手を動かしながら確認できる設定ファイルの例が多く、用語やコマンドの意味を一つずつ押さえたい人に向いています。後半では継続的な配信の自動化や内部構造にも触れ、仕事で本格的に使う土台を作りたい中級者にも役立つ内容です。
9. クラウド
クラウドはAWS、GCP、Azureで本の充実度が違います。更新が速い分野なので、新しい版を中心に選びました。余談ですが、先日参加したAWS Summit Japan 2026は、それはもう凄い人の数でした。AWSビジネスがどれだけ大きな市場かを体感しました。
9-1. AWS
$\text{①Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂4版}$
クラウド上に自分専用のネットワークとサーバーを、画面を操作しながら順番に組み立てていく入門書です(2023年)。仮想的なネットワーク領域(VPC)を作り、その中に仮想サーバー(EC2)を立て、Webサーバーを入れて実際にページを表示するまでを体験できます。外部から見えない安全な区画の作り方や、そこからインターネットへつなぐ仕組み、データベースを使った簡単なブログの構築まで進みます。通信の基礎知識もやさしく補ってくれるので、クラウドのインフラに初めて触れる人が全体像をつかむ最初の一冊にぴったりです。
$\Large \text{②AWSクラウド設計完全ガイド}$
AWS(アマゾンが提供するクラウドサービス)でシステムを設計するための一冊です(2025年)。個別サービスの操作手順ではなく、どんな要件のときにどのサービスをどう組み合わせるかという「アーキテクチャ設計」(システム全体の構成を考える設計)の考え方に重点を置いています。土台となるインフラの選び方から、システムを動かすしくみ、データの受け渡し、開発の進め方、稼働後の監視・運用、さらに生成AIサービスBedrockの活用まで、全7章で設計のパターンを図解とともに扱います。AWSの基礎を一通り押さえたうえで、最適なサービス選定の指針がほしくなった実務者にこそ響く内容です。
$\Large \text{③AWS運用入門 改訂第2版}$
AWSを「作った後」に長く安定して使い続けるための、運用の知識をまとめた一冊です(2025年・改訂第2版)。利用者の権限管理(IAM)やログの取り扱い、状態の監視、ソフトの更新適用、データのバックアップと復元、安全性の確保、監査への備え、費用の見直しといった日々の作業を扱います。作って終わりではなく、トラブルを防ぎ運用負荷を下げる工夫に重点があるのが特徴です。基本のサービスは触れたことがあり、次は運用フェーズの実務を学びたい人や、チームで安心して使う体制を整えたい人におすすめです。
$\Large \text{④AWSコンテナ設計・構築[本格]入門 増補改訂版}$
AWS上でコンテナを使ったシステムを、設計から構築まで本格的に学べる一冊です(2026年・増補改訂版)。コンテナの基礎をおさえた上で、AWSのコンテナ実行サービスであるECSと、サーバー管理を任せられるFargateを中心に進みます。前半で設計時に必要な考え方やアーキテクチャの組み立て方を解説し、後半のハンズオン部分を基礎編と実践編に分けて、実際に手を動かしながら構成を作り上げていきます。なぜその構成にするのかという理由まで踏み込んでくれるので、コンテナをきちんと業務で使いたい人にうってつけです。
9-2. GCP
$\text{⑤図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 改訂2版}$
Google Cloudの全体像を、フルカラーの図とともにやさしく学べる教科書です(2024年・改訂2版)。クラウドとは何かという基本から、サーバー(Compute Engine)やネットワーク、保存領域、データベース、コンテナ、データ分析、AIといった主要サービスを、しくみと一緒に解説します。生成AIや大規模言語モデルといった近年の話題にも触れているのが特徴です。文章だけでは想像しにくいクラウドの構成を図で確かめられるので、これからGoogle Cloudを使い始めたい人や、サービスの違いをまずざっくり把握したいときに頼りになります。「しっかりわかる教科書」シリーズはどれもわかりやすくてオススメです。
$\text{⑥合格対策 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer}$
Google Cloudの登竜門ともいえるAssociate Cloud Engineerの合格を目指すための、テキストと演習問題が一緒になった一冊です(2025年)。計算・ネットワーク・保存領域やデータベース・安全性・監視や運用など、試験で問われる分野の製品知識を解説に沿って学べます。各分野の説明に加えて模擬問題が用意されており、知識の確認と試験慣れを並行して進められます。巻末にはAWSとの用語の対応表もあり、他のクラウド経験がある人が読み替えながら学ぶのにも役立ちます。資格取得をきっかけに基礎を固めたい人に、ちょうど良い構成です。
9-3. Azure
$\Large \text{⑦Azureクラウド設計完全ガイド}$
Microsoft Azureを使ってシステムを設計・構築するエンジニアに向けた一冊です(2026年)。個別サービスの操作手順ではなく、どのサービスをどう選び、どう組み合わせるかという「アーキテクチャ設計」(システム全体の構成を考える設計)の考え方を体系立ててまとめているのが特徴です。設計の基本的な進め方から、サーバーやデータベース、ネットワークといったインフラの選び方、アプリの実行やデータ連携、開発(DevOps)、監視や運用、そしてAIの活用まで、全7章で扱います。Azureの基本に一度触れたうえで、設計の判断力を養いたい人におすすめです。
$\text{⑧徹底攻略 Microsoft Azure Fundamentals教科書 AZ-900対応 第2版}$
Azureの入門資格であるAZ-900の合格を目指す人のための対策書です(2024年)。クラウドとは何かという基本から、サーバーやネットワーク、データの保存、利用者を識別するID管理、料金の見積もり、安全に使うための仕組みまで、試験で問われる範囲を分野ごとに学べます。模擬問題が付いており、知識の確認と試験慣れにも使えます。Azureやクラウドの全体像を知りたい初学者や、資格取得を入り口に学び始めたい方にぴったりです。
10. IaCとSREとDevOps
手作業の構築から、コードと指標で支える運用へ進むための分野です。クラウドインフラエンジニアとしての、腕の見せどころになる分野ですね。
$\Large \text{①詳解 Terraform 第3版}$
インフラ(サーバーやネットワークの土台)をコードで記述して構築・管理する「Infrastructure as Code」を、Terraformという道具で学ぶ一冊です(2023年)。最初の一歩から、構成の現状を記録するステート管理、設定を部品化して使い回すモジュール、繰り返しや条件分岐といった書き方のコツ、パスワードなど機密情報の扱い、コードのテスト、チームでの運用までを、豊富なサンプルとともに解説します。実際に動かしながら、本番でも通用する書き方を身につけたい方におすすめです。
$\Large \text{②SRE サイトリライアビリティエンジニアリング}$
大規模なサービスを安定して動かし続けるための運用の考え方を、その手法を生み出した企業の知見からまとめた書籍です(2017年)。サービスの目標品質を数値で定めるSLOや、どこまで障害を許容するかを予算のように管理するエラーバジェットといった、信頼性と開発スピードの両立を支える考え方を学べます。原則だけでなく、現場での監視や運用、チーム作りの実践例まで幅広く扱います。運用やシステムの信頼性に関わる方が、その土台となる発想を理解するのに役立つ一冊です。
$\Large \text{③LeanとDevOpsの科学[Accelerate]}$
ソフトウェア開発のやり方が、組織の業績にどう結びつくのかを、長年の調査データをもとに示した書籍です(2018年)。コードを本番に反映する頻度や、変更にかかる時間、障害からの復旧時間、変更による失敗率といった指標に注目し、これらが高い水準の組織ほど成果も高い傾向にあることを、統計の手法を用いて説明します。技術的な改善が経営にもつながるという視点を、データの裏付けとともに知ることができます。開発の進め方を見直したいエンジニアやマネージャーは、一度目を通しておくと視野が広がります。
11. セキュリティ
作る側も守る側も、最低限の防御知識は欠かせません。Webセキュリティ、暗号、ネットワーク、手を動かす演習まで選びました。
$\Large \text{①体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版}$
皆さんご存知の徳丸本です。Webアプリにひそむ弱点(脆弱性)と、その防ぎ方を実践的に学べる定番の解説書で、これは改訂版ですね(2018年)。なぜ弱点が生まれるのかという仕組みから入り、不正なスクリプトを埋め込むXSSや、データベースを悪用するSQLインジェクションなど、代表的な攻撃の原理と対策を一つずつ取り上げます。手元に演習環境を用意して実際に攻撃と防御を試せる構成で、文字コードの扱いや開発体制の作り方にも触れます。安全なWebサービスを作りたい開発者が、基礎から手を動かして学ぶならまずこれ、という一冊です。
$\Large \text{②暗号技術入門 第3版}$
暗号や認証といった現代の情報セキュリティを支える技術を、物語の登場人物を交えながらやさしく解説してくれます(2015年)。共通鍵暗号や公開鍵暗号といった暗号方式の仕組みから、改ざんを見抜くハッシュ関数、なりすましを防ぐデジタル署名や証明書、安全な通信を支えるSSL/TLSまで、一つずつ順を追って説明します。数式に頼りすぎず「なぜその技術が必要なのか」を丁寧にたどるので、専門知識がない人でも全体像をつかめます。暗号を初めて学ぶ人や、Webの安全な通信が裏側でどう成り立っているかを知りたい人におすすめです。
$\Large \text{③ゼロトラストネットワーク 第2版}$
社内ネットワークの内側だからといって無条件に信用せず、利用者や端末を毎回確かめてから通信を許す「ゼロトラスト」という考え方を解説する一冊です(2025年)。従来の、境界の外と内で守りを分ける方式の限界から説き起こし、信頼をどう管理するか、強い本人確認や公開鍵の仕組み、必要最小限の権限だけを与える考え方、信頼度を点数で表す指標などを扱います。第2版では公的なガイドラインや実例を踏まえ、開発から運用までを通した実践面も補強されています。クラウド時代のセキュリティ設計を、考え方の根っこから学びたい人にぴったりです。
$\Large \text{④マスタリングTCP/IP 情報セキュリティ編 第2版}$
ネットワークを守るための情報セキュリティ技術を、土台から積み上げるように学べます(2022年)。暗号技術や本人確認のための認証、証明書を発行・管理する公開鍵基盤(PKI)、安全な通信を支えるプロトコルといった基礎を押さえたうえで、サーバーやネットワーク、Webアプリケーションを狙うさまざまな攻撃手法と対策へと話を進めます。図を交えた説明で、断片的になりがちな知識のつながりを意識して読める構成です。ネットワークの基本をひととおり学んだ人が、次にセキュリティの仕組みを腰を据えて理解したいときに頼りになります。
$\Large \text{⑤ハッキング・ラボのつくりかた 完全版}$
自分のパソコンの中に仮想環境で実験用の攻撃環境を用意し、手を動かしながらハッキングの基礎を学んでいけます(2024年)。仮想マシンの作り方やセキュリティ向けOSの使い方といった準備から始め、わざと弱点を仕込んだ練習用システムへ実際に侵入してみる演習を数多く収めています。約1200ページと分量があり、つまずきやすい環境構築まで細かく説明されているのが特徴です。攻撃の手口を体験を通じて理解したい初学者や、防御を考える土台として攻める側の視点を知りたい人に向いています。なお、学んだ技術は自分の管理する環境でのみ使うことが前提です。
$\text{⑥ALL IN ONE パーフェクトマスター 情報処理安全確保支援士 2026年度版}$
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の試験対策を一冊で進められるテキスト&問題集です(2026年度版・2025年刊)。暗号や認証といった基礎から、ネットワークのセキュリティ、Webやメールサーバの守り方、マルウェア(不正なプログラム)への対策、安全なプログラムの書き方まで、図解を交えてわかりやすく扱います。ISMS(組織で情報を安全に管理するしくみ)など運用面の知識も押さえているのが特徴です。出題範囲が一冊に幅広くまとまっていて繰り返し読みやすく、資格対策にとどまらず、セキュリティを体系立てて学び直したい人にも向いています。自分が情報処理安全確保支援士試験を受けた時に使った本で、私はこれを5周ほど読み込んで合格できました。試験対策の軸にしやすい一冊だと思います。
12. コンピュータサイエンスとアルゴリズム
派手ではありませんが、長く続けるほど差になって表れるのがCSの基礎です。この辺りは元情報系の方が特に強いと思います。アルゴリズムと低レイヤーから選びました。
$\Large \text{①問題解決力を鍛える! アルゴリズムとデータ構造}$
プログラムを速く正しく動かすための「アルゴリズム」と「データ構造」を、考え方の道筋からたどっていきます(2020年)。計算量という処理の重さの見積もり方から始め、全探索・動的計画法・二分探索・貪欲法といった問題を解く代表的な手法、配列やリスト、スタック、グラフや木といったデータの持ち方、さらに並べ替えや最短経路の求め方までを順に扱います。なぜその方法がうまくいくのかという理由づけを大切にしているため、丸暗記ではなく考える力が身につきやすい構成です。アルゴリズムを基礎から学びたい人や、競技プログラミングに挑戦してみたい人におすすめです。
$\Large \text{②コンピュータシステムの理論と実装 第2版}$
最も基本的な論理素子から出発して、コンピュータを丸ごと自分の手で作り上げていきます(2024年)。論理回路を組んで簡単な計算をする部品からCPUを設計し、さらにその上で動くアセンブラ、仮想マシン、プログラミング言語のコンパイラ、簡易OSまでを順番に実装していきます。各章に演習があり、部品を積み重ねて最後に実際のプログラムが動くところまで体験できるのが特徴です。コンピュータが内部でどう動いているのかを、上から下まで通して理解したい人や、腰を据えて作りながら学びたい人にこそおすすめです。
$\Large \text{③アルゴリズム図鑑 増補改訂版}$
基本的な33のアルゴリズムと7つのデータ構造を、フルカラーのイラストで一つずつ見せていく一冊です(2023年)。並べ替えの手順や目的のデータを探す方法、地図アプリのような最短経路の求め方、データを小さくする圧縮の考え方、安全な通信を支える暗号のしくみまで、身近な題材で説明しています。数式やコードよりも図の動きで流れを追えるので、仕組みを言葉で理解したい入門者に向いています。プログラミングの経験が浅い人や、就職活動や学び直しで基礎を押さえたい人にもなじみやすい内容です。
13. データエンジニアリングと生成AI
最後に、いま動きの速いデータと生成AIの分野です。原理、実装、システム設計のバランスで選びました。
$\Large \text{①ゼロから作るDeep Learning 6 LLM編}$
大規模言語モデル(大量の文章を学んだ文章生成のしくみ、いわゆるLLM)を、できるだけ自前のコードで組み立てながら学ぶ本です(2026年)。文章を細かい単位に分けるトークナイザ、文の意味のつながりをとらえるTransformerという基盤、大量データで学ばせる事前学習、その後に応答を整える調整までを段階的にたどります。簡単なボットを少しずつ育てていく構成で、手を動かして理解したい人に向いています。Pythonの基礎があり、ライブラリ頼みではなく中身を知りたい読者に合うでしょう。
$\Large \text{②大規模言語モデル入門}$
大規模言語モデルの考え方と作り方を、理論と実装の両面から学ぶ入門書です(2023年)。意味のつながりをとらえるTransformerのしくみを土台に、文章を扱うモデルの基礎、用途に合わせた追加学習(ファインチューニング)の手順を説明します。さらに文章中の人名や地名を見つける処理、要約、文章どうしの近さの比較、質問応答といった具体的な課題への応用も扱います。日本語のデータで試せる実装例もあり、自然言語処理を腰を据えて学びたい人にぴったりです。
$\text{③LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント実践入門}$
文章生成AIを使ったアプリづくりを、ライブラリの実例を通して学ぶ実践書です(2024年)。LLMの基本やAPIの使い方、応答を引き出すプロンプトの工夫から始め、手元の文書を参照して回答の根拠を補うRAGという手法や、その回答の良し悪しを評価するやり方を扱います。後半は、目的に向けて自分で手順を考えて動くAIエージェントの作り方や、よく使われる設計パターンを実装しながら解説します。手を動かしながらAI機能をアプリに組み込みたい開発者に、ちょうど良い一冊です。
$\Large \text{④データ指向アプリケーションデザイン}$
大量のデータを扱うシステムを、壊れにくく・伸ばしやすく・直しやすく作るための考え方をまとめた本です(2019年)。データの保存形式や問い合わせ言語、内部の保管のしくみといった基礎から、同じデータを複数台に持たせる複製、データを分けて配置する分割、複数の処理の食い違いを防ぐ仕組みまで扱います。後半はまとめて処理する方式と流れてくるデータを扱う方式を比べ、利点と弱点を示します。技術の流行り廃りに左右されない土台を身につけたい人は、腰を据えて読む価値があります。
$\Large \text{⑤大規模言語モデル入門II}$
前作の続きとして、文章を生成する大規模言語モデルの作り込みと評価に踏み込んだ一冊です(2024年)。出来栄えをどう測るかという評価の考え方や指標から始め、指示に従わせるための学習、人の好みに沿わせる調整(RLHFやその発展手法)を、数式を追いながら説明します。さらに、外部の文書を参照して答えるRAGや、大きなモデルを複数台で学習させる並列・分散処理も扱います。基礎を学んだあと、実装と評価まで踏み込みたくなった読者の次の一冊です。
$\Large \text{⑥AIエージェント開発/運用入門}$
以前も紹介した書籍です。AIが自分で考えて道具を使いながら作業を進める「AIエージェント」を、作り方から運用まで学べる入門書です(2025年)。土台となる大規模言語モデル(文章を生成するAI、LLM)の基礎を押さえたうえで、目的に向けて手順を組み立てる仕組みや、開発を助ける各種ツールの使い方を、手を動かしながら解説します。さらに、動かした後の品質の見極めや記録、監視といった運用の話題まで踏み込んでいるのが特徴です。試して終わりにせず、業務で安定して動かすところまで見据えたい人におすすめです。
$\Large \text{⑦Pythonで動かして学ぶ! あたらしい機械学習の教科書 第3版}$
機械学習を、数式の意味とPythonのコードの両方からゆっくり理解していく入門書です(2022年)。まず学習に必要な数学やグラフ描画の基礎にふれ、データから数値を予測する回帰や、グループ分けを行う分類へと進みます。さらに、人間の脳の仕組みをまねた「ニューラルネットワーク」や、それを深く重ねたディープラーニングを学び、手書き数字を見分ける例題などで実際に動かしながら確かめられます。数式が苦手な初学者でも、なぜそう計算するのかを順を追って納得しやすい構成です。
14. 知識地図シリーズ
最後に、おすすめのシリーズものを紹介します。「知識地図」シリーズは、分野ごとに「現場で必要な知識の全体像」を1冊で見渡せる構成で、入門の次に分野の地図を持ちたいときに向いています。2026年6月時点で次の8冊が出ています。同じ装丁で揃うので、自分の関わる分野から1冊選び、隣の分野へ広げていく読み方ができます。個人的に非常におすすめなシリーズなので、今回特別枠としてご紹介します。
$\Large \text{①AWSの知識地図}$
クラウドの代表的なサービス群であるAWSを、図解とともに基礎から学べる一冊です(2022年)。そもそもクラウドとは何かという話から始まり、実際にネットワークやサーバー、データベースを組み立ててWebの環境を作る手順を体験できます。利用者の権限を管理する仕組みや不正利用を防ぐ設定など、安全に使うための勘所もていねいに説明されています。現場でよく使われるサービスの選び方にもふれているので、これからAWSにさわる人が全体像をつかむのにぴったりです。
$\Large \text{②Kubernetesの知識地図}$
コンテナ(アプリを動かす環境ごと小さくまとめる技術)を多数まとめて動かすためのKubernetesを、現場での基礎から実際の運用まで案内する一冊です(2023年)。アプリをこの仕組みの上で安定して動かす方法や、設定をコードとして管理する考え方、自動で本番反映する手段などを具体的に扱います。さらに、バージョン更新の進め方、利用者ごとの権限分け、通信の制御、稼働状況の監視といった、運用で必ず直面する課題への向き合い方も学べます。これから本番運用に踏み出す人の道しるべになる構成です。
$\Large \text{③フロントエンドの知識地図}$
WebページをつくるHTML・CSS・JavaScriptを軸に、フロントエンド開発の今を見渡せる入門書です(2023年)。開発に使う道具の準備から始め、実際の開発の流れを一部ハンズオンで体験できる構成になっています。型を扱えるTypeScriptや各種フレームワーク、ブラウザの標準仕様の動きといった一歩進んだ話題にもふれ、誰もが使いやすいサイトにするための配慮や開発者向けツールも紹介されています。何から学べばよいか迷いがちな初学者が、分野の地図を手に入れるのにうってつけです。
$\Large \text{④IoTの知識地図}$
身の回りのモノをインターネットにつなげて活用するIoTを、設計から運用まで見通せる一冊です(2024年)。ガスメーターの自動検針などの事例で全体像をつかんだうえで、データを集めるセンサーや小型の機器、無線でつなぐ通信のしくみを学べます。集めたデータをクラウドで扱う方法や、機器を遠くから操作する仕組み、安全に使うための対策まで幅広く扱います。試作から本番導入へ進めるプロジェクトの進め方にもふれているので、ものづくりとソフトの橋渡しを知りたい人におすすめです。
$\Large \text{⑤セキュリティエンジニアの知識地図}$
情報を守るセキュリティの仕事に就きたい人へ、必要な知識と職種、キャリアの道筋を案内する一冊です(2025年)。まず代表的なサイバー攻撃とその読み解き方を学び、脆弱性を調べる人や監視を担う人、不正なプログラムを分析する人など、多様な職種の中身を具体的に知ることができます。暗号やアクセス制御といった基礎技術、組織を守るための守りの考え方も解説されます。求められるスキルや法令、入門からの成長の進め方にもふれており、この分野で働く未来像を描くのに役立つ構成です。
$\Large \text{⑥Azureの知識地図}$
クラウドサービスの基礎から始め、Azureというマイクロソフトのクラウド上でシステムを作り、運用していくまでを一通り学べる入門書です(2025年)。仮想マシンやネットワークといったIaaS(自分でサーバー環境を組み立てる使い方)から、アプリやデータベースをすぐ利用できるPaaS、さらにAIを使ったアプリ作りのハンズオンまで扱います。セキュリティやコスト管理、運用の効率化など、実務で必要になる視点も押さえています。公式ドキュメントを自力で読み解ける土台づくりを重視しているので、クラウドにこれから触れる人にぴったりです。
$\Large \text{⑦SREの知識地図}$
システムを安定して動かし続けるための考え方と手法であるSRE(サイト信頼性エンジニアリング)を、基礎から現場の実践まで見渡せる一冊です(2025年)。どのくらいの品質を保つかを決めるSLO(サービスの目標値)やエラーバジェット(許容できる失敗の量)、システムの状態を見守るモニタリングやオブザーバビリティ(内部で何が起きているかを把握しやすくする考え方)を解説します。障害から学ぶ振り返りや、当番制の対応体制、手作業を減らす自動化、チームの作り方まで触れています。これからSREを学びたい開発・運用のエンジニアの、最初の道案内になってくれます。
$\Large \text{⑧モバイルアプリ開発の知識地図}$
スマートフォン向けアプリ開発を、iOS・Android・Flutterの3つの観点からまとめて学べる本です(2026年)。それぞれについて、開発環境の準備から画面の作り方(SwiftUIやJetpack Composeといった新しいUIの仕組み)、テスト、自動でビルドや配信を行うCI/CD、アプリ公開までの流れを扱います。コードを役割ごとに分けて見通しを良くする設計の考え方も紹介されます。片方のプラットフォームは知っているけれど、もう一方やクロスプラットフォーム開発(一度書いて両OSで動かす手法)も身につけたい人におすすめです。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回は、ITの各分野からおすすめの技術書75冊を、最新版を確認しながらまとめました。土台と心構えから始めて、言語、フロントエンド、設計、データベース、ネットワーク、Linux、コンテナ、クラウド、IaCとSRE、セキュリティ、CS基礎、生成AIまで、一通りさらいました。
何度も書いたとおり、全部を一気に読む必要はなく、今の自分に近い分野から1冊選び、読み終えたら隣の分野へ少しずつ広げていくのがおすすめです。技術書は1周で終わりにせず、何度か読み返すと毎回新しい発見があります。私自身もまだ読めていない本が残っているので、一緒に少しずつ読み進めていきましょう!
ではまた、お会いしましょう。











































































