背景
Webエンジニアという職業を長年やっておりますと、大なり小なり自分の作成したWebアプリケーションなりWebサイトなりを公開する機会ってものがありますよね?
自分も今まで数は多くないですが、いくつかのWebアプリケーションを公開したことがございやす。
しかし、お恥ずかしながらワタクシ、「独自ドメイン」を取得したことがありません。
今まで公開したWebアプリケーションは、検証用であったり、自分やごく少数の仲間内で利用するものであったりで、わざわざ独自ドメインを取得するほどではなかったわけです。(という言い訳)
結果、URLがhttp://XXX.XXX.XXX.XXX/hoge
のようなグローバルIPアドレスでの公開となっておりました。
やっぱりこれは イケてない ですね。ダサい。一時的な検証用ならともかく、ある程度の期間公開することを考えれば独自ドメインで公開したほうがオシャですからね。
というわけで、はじめて独自ドメイン取得してみました。何番煎じになるか分かりませんが、今回はその作業ログの記事になります。
独自ドメインを取得する利点
そもそも独自ドメインを取得する利点ってなんでしょう?分かりやすい点は以下のような点があげられるでしょうか。
- 信頼感と“公式感” が出る
- 引っ越し耐性(レンタルサーバー → AWS など)— DNSの切り替えだけで裏側を入れ替えられる
- 覚えやすいURL で、シェアや再訪問、指名検索に強い(=長期的なSEOの土台)
メリットはもっとたくさんあると思いますが、ブランド力の向上と将来の運営に対する保険になるということが強いのだと思ってます。
何よりIPアドレスでの公開なんて格好悪いですからね。それに尽きます。めちゃくちゃ有益なWebアプリケーション作成して、知り合いに紹介する際、URLがIPアドレスだったときの変な空気を想像してください。
もちろん良いことばかりではありません。 当たり前ですが、独自ドメインの取得には お金がかかります。
買切りではなく、利用している限り更新費もかかります。ランニングコストってやつです。
とはいえ、そこまで高額ではありません。ドメインにもよりますが、○○○○○.com
やXXXXX.net
などであれば、高くても年額3,000円くらいには収まります。ブランドと将来の自由度を考えると十分“元が取れる”投資ではないでしょか。
費用の超ざっくり目安
.com 年 ¥1,500〜3,000 + Route 53 ホストゾーン US$0.50/月/ゾーン + ACM(証明書)¥0
※ TLDにより価格差あり。DNSクエリ課金などが別途かかる場合があります。
ドメイン取得には Amazon Route 53 を利用
独自ドメインを取得するサービスはたくさんあります。お名前.comなどが有名どころでしょうか。
今回、自分は以下の理由から AWS のAmazon Route 53 を利用してドメインを取得しました。
1) 登録〜DNS“基盤”がワンストップで整う
独自ドメインの利用には (1) ドメイン登録 → (2) ネームサーバー割り当て → (3) ホストゾーン作成・DNSレコード準備 といった作業が必要です。
Route 53 なら同一コンソールでここまでを一気に完了でき、権限や履歴もAWS内に集約されます。
2) AWS内の連携・設定がかんたん
自分がWebアプリケーションを公開する際、AWSを利用することが多いのですが、CloudFront / ALB / API Gateway / S3 などの エンドポイントをDNS名に紐づける運用が簡単になります。A/AAAA(エイリアス)で対象をプルダウン選択するだけで、名前解決が安全に構成できます。
3) 料金管理がAWSに集約される
少額とはいえ、ドメイン取得・運用にはコストがかかります。これは完全に自分の性格の問題ですが、お金がかかるサービスにあちこち手を出したくないんです。
現在はサブスク型サービスが主流です。利用しているサブスクが増えるほど管理は煩雑になります。多少割高でも、使う基盤をできるだけ集約しておくと、解約漏れや重複課金のリスクが下がります。自分にとってはこれは非常に大きな安心材料です。
ドメイン取得作業
ここからは、実際にどんな作業をしていったかの記録です。
※2025年9月時点の記録です。スクリーンショットやボタン名は作業当時のものになります。
1. Amazon Route 53 で「開始する」をクリック
2. 「ドメインを登録」を選択して「開始する」をクリック
3. 取得したいドメインを検索し、「チェックアウトに進む」をクリック
自分が使用したいドメイン名を検索します。利用可能なドメインがずらーっと検索結果に表示されるので、利用したいドメインを選択後にチェックアウトに進みます。ドメインごとの料金も表示されるので選択時は必ず確認しましょう。
4. チェックアウト処理 ステップ1 - 料金
選択したドメインの利用期間を選択します。年数によって料金が割安になるわけでもなさそうなので、基本的には「1年」を選択すれば良いかと思います。
更新忘れでドメインを失効するリスクがありますので、自動更新もONにしました。
5. チェックアウト処理 ステップ2 - 連絡先情報
ドメイン登録者の連絡先情報を入力します。「連絡先のタイプ」は「個人」を選択しました。残りの項目は個人情報をバリバリ入力するだけです。ちなみに入力はすべて日本語で行いました。特に入力値チェックで引っかかることもなかったので問題ないと判断しました。(TLDによってはASCII(英数字)指定の場合があるらしい?要確認)
また、必ず「プライバシーの保護」が有効になっていることを確認しましょう。有効にすることで、ドメイン登録者の個人情報が公開されないようになります。
※ 多くのTLDでは保護されますが、TLDによって仕様差があります(例:.jp は非対応)
6. チェックアウト処理 ステップ3 - 確認
ドメイン名と今までの入力内容を確認し、問題なければ「送信」をクリックします。ドメイン登録のリクエストが実行されます。
7. 登録確認メールの承認
入力したメールアドレス宛にAWSから「Verify your email address for [ドメイン名]」というタイトルで確認メールが届きます。本文中のリンクをクリックしてメールアドレスを承認します。
ちなみに自分はこのメールがなかなか届かず心配になりましたが、迷惑メールに分類されていました。
8. 登録処理の完了確認
Route 53 の「リクエスト」画面で、申請中のドメインのステータスが「進行中」から「成功」に変われば取得完了です。
ドメイン名のリンクから詳細を確認できます。「7. 登録確認メールの承認」を実行することで、連絡先情報が「検証済み」と表示されるようになります。
おわりに
以上、初めての独自ドメイン取得の記録でした。
取得したドメインを利用するには、パブリックホストゾーン(ドメイン登録時に自動で作成。※別途 $0.50/月/ゾーン)が用意されるので、そこにレコードを登録する作業が必要ですが、今回はドメインの取得に絞った内容のため割愛します。(というかまだやっていない)
はじめて独自ドメインの取得ができましたが、ドメインは取得しただけではただお金がかかるだけの金食い虫です。技術書買っただけで満足しがちマンの自分なので、取得だけで満足せずに、このドメインを利用して有益なモノをどんどん公開していけるように精進しようと誓うのでした。
以上、ありがとうございました。
参考
ドメインとネームサーバ(Route53/お名前.com比較)
【ドメイン取得】お名前.comとawsでドメイン取得
Domain Name Prices
ドメインプライバシー保護ガイド Whois情報を守るための全知識
【初心者】Amazon Route53 でドメインを取得する
【AWS】Route 53で独自ドメインを取得してみた〜料金・注意点・WHOIS公開まで確認する手順のスクショメモ〜