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ZYBO (Zynq) 初心者ガイド (9) Linuxカーネルを少しカスタマイズする

Last updated at Posted at 2018-01-11

この記事の内容を3分で見る ( https://youtu.be/swrcNY7KO8Q )

環境

  • 開発用PC: Windows 10 64-bit
    • Vivado 2017.4 WebPACKライセンス
    • Xilinx SDK 2017.4 <- 今回は使わない
  • 開発用PC (Linux): Ubuntu 16.04 本家 (日本語版じゃない) (on VirtualBox 5.2.4)
    • PetaLinux 2017.4
  • ターゲットボード: ZYBO (Z7-20)

Windows環境は1回目、Linux環境は8回目を参照。
使用するハードウェア(hdf)は8回目を参照。

Linuxカーネルを少しカスタマイズする

前回はLinuxイメージを作成して、起動させました。この時作成したLinuxイメージは、PetaLinuxツールが設定してくれたものをそのまま使用してビルドしたものです。今回は、カーネルを少しだけカスタマイズしてみようと思います。Linuxカーネルの設定は、それだけでご飯が食べていけるくらい奥が深い分野になりますが、今回は簡単な触りだけをやります。

変更する内容

今回は、試しに以下の2点をカスタマイズしてみようと思います。

  • ルートファイルシステム(rootfs)をSDカードにする
    • デフォルト設定だと、Linuxファイルシステムのルートは、DDR上にマウントされるようです(initramfs)。そのため、ファイルを作成しても、再起動したら消えてしまいます。SDカードを使用するようにします。
  • 自動ログインにする
    • 起動後、rootとして自動ログインします。(これは、趣味レベルならいいですが、実プロダクトではやるべきではありません。)

コンフィグ / ビルドする

新規PetaLinuxプロジェクトの作成からやります。ハードウェアは前回と同じく、PSのみを配置したhdfを使用します。既存のプロジェクトに対してやる場合は、petalinux-config --get-hw-description=../project_1.sdkpetalinux-configに置き換えてください。)

下記コマンドを実行すると、menuconfigの画面が表示されるので、以下の設定を変更します。

cd ~/work/peta
petalinux-create --type project --template zynq --name SimplePS
cd SimplePS/
petalinux-config --get-hw-description=../project_1.sdk

01.png

  • Image Packaging Configuration -> Root filesystem type -> SDカードを選択する
  • Yocto Settings -> Enable Debug Tweaks を有効にする (Spaceキーを押す)

設定完了したら、SaveしてExitします。その後、ビルドし、BOOT.binを作ります。

petalinux-build
petalinux-package --boot --force --fsbl images/linux/zynq_fsbl.elf --fpga images/linux/design_1_wrapper.bit --u-boot

成果物

最終的に必要となる成果物は、以下の3つです。

  • images/linux/BOOT.bin
    • FSBL (First Stage Boot Loader)、ビットストリーム、U-Boot (Second Stage Boot Loader)
  • images/linux/image.ub
    • Linuxシステムイメージ (カーネルなど)
  • images/linux/rootfs.ext4
    • SDカードに書き込まれるrootfs

02.png

メモ

ここ(https://github.com/Digilent/Petalinux-Zybo-Z7-20/blob/master/README.md )には、config後に、meta-user/recipes-bsp/device-tree/files/system-user.dtsiを編集してbootargsを変更しろみたいなことが書いてあったのですが、不要でした。ug1144-petalinux-tools-reference-guide.pdfによると、自動生成される components/plnx_workspace/device-tree-generation/system-conf.dtsiで設定されているらしいです。

SDカードを作成する

ラズパイなどでおなじみですが、SDカードを2つのパーティションに分けて使用します。

  • 起動用パーティション (FAT32)
    • BOOT.binとimage.ubを保存
  • Linuxのルートファイルシステム (ext4)
    • rootfs.ext4を保存

パーティションを分ける

Windowsだとext4を扱えないので、Ubuntu上でパーティションを作成します。VirtualBoxを使用している場合は、SDカードリーダ(USB)をVirtualBoxに接続します。(VirtualBox上のメニューバー -> デバイス -> USB -> General Mass Storage Device(このデバイス名は環境によって異なる))

コマンドでやってもいいのですが、Disks (gnome-disk-utility) でGUIから設定します。僕は、8GByteのSDカードを使用しているのですが、以下のように、先頭100MByteをFAT32として、残り全部(7.6GByte)をExt4としてパーティションを分けてフォーマットしました。また、この画面で、Ext4のデバイス名を確認しておいてください。ここだと、/dev/sdb2になっています。

03.jpg

メモ

ug1144-petalinux-tools-reference-guide.pdfを見ると、起動用パーティション (FAT32)の前に、「4MB の未割り当て領域が必要」とのことでしたが、特に何の設定もしないでも大丈夫でした。

イメージファイルのコピー

起動用パーティション (FAT32)にimages/linux/BOOT.binとimages/linux/image.ubをコピーします。これは、前回と同様です。

Linuxのルートファイルシステム (ext4)には、images/linux/rootfs.ext4を書き込むのですが、これはファイルのコピーではなく、バイナリレベルでイメージをそのまま書き込みます。ddで書き込むとファイルサイズもrootfs.ext4に合わせて60MByteくらいに小さくなってしまうので、最後にリサイズして戻しておきます。

sudo umount /dev/sdb2
cd ~/work/peta/SimplePS/
sudo dd if=images/linux/rootfs.ext4 of=/dev/sdb2
sync
sudo resize2fs /dev/sdb2 
sync

起動確認する

前回と同様に、SDカードを挿入して、ジャンパ(JP5)をSDに設定して、電源ONします。

すると、起動完了時に自動的にrootとしてログインしていることが分かると思います。また、試しに、以下のように/home/root/にファイルを作成して再起動してみると、再起動後もファイルがあることが分かると思います。(前回だと、再起動後にファイルは消えていた)

touch newFile
ls
reboot

修正

記事を書いた後に気付いたのですが、これまでの内容は、Linuxカーネルのコンフィグではありません。プロジェクトのコンフィグになります。そのため、U-Bootの設定などはここでやりました。

Linuxカーネルそのもののコンフィグ(カーネルツリーでのmake menuconfig相当)をやるには、以下コマンドを実行します。

petalinux-config -c kernel 

image.png

メモ

自分で変更したkernel configは、project-spec/meta-user/recipes-kernel/linux/linux-xlnx/user_2018-01-14-15-33-00.cfgといった感じに、変更した差分だけが保存されているっぽい。ベースとなるコンフィグはたぶんこれ。project-spec/meta-plnx-generated/recipes-kernel/linux/configs/plnx_kernel.cfg。一番最初にpetalinux-configしたときに作られているっぽい。
最終的には、これらをマージしたものが使われるのかな??

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