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(20年9月新刊メイン)IT・AIエンジニアにおすすめの書籍集

Last updated at Posted at 2020-10-05

本記事では、私が2020年9月に読んだ書籍で、感想をTwitterに投稿した良書を紹介・解説します。

はじめに

本記事は、私のtwitter投稿から、今月読んだ書籍感想のまとめです。
(これらの読書は仕事ではなくプライベートでの趣味です)

書籍紹介以外にも、IT・AI・Biz関連の情報をたくさんつぶやいているので、
これらの分野の情報を収集したい方はぜひフォローしてみてください♪
(海外の情報が多めです)

Twitter小川雄太郎@ISID_AI_team

20年9月に読んだ書籍

書影は、版元ドットコムで公開されている場合のみ掲載しています。

(過去記事)
●20年7月分の記事はこちら
●20年8月分の記事はこちら

※私が読む本は、ビジネス系が多いです(IT関連はネットで調べたり、一気にがっつり読むことが多い)

データサイエンティスト協会の3領域に準じていますが、IT・AIエンジニアでもビジネスは大切。
以下私の頭の中

224.png

AI関連

【おすすめ・第1位】

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「アクセンチュアのプロが教える AI時代の実践データ・アナリティクス」
https://www.amazon.co.jp/dp/4532135060

データサイエンス案件の流れ全体と、要素技術&知識を、プチビジネス事例と紐付けて学べます。

内容や言葉は少し難しいです。

・機械学習や統計解析を大学で履修した新人の方
・機械学習のアルゴリズムを入門書で学んだ方

が、次に読む書籍として、AIのビジネス活用時の現場での考え方や思考法を学ぶのに良い書籍だと感じました。


【おすすめ・第2位】
「Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち」
https://www.amazon.co.jp/dp/4908686092

VOYAGE社特有のビジネスに関連する話も多いのですが、

「第6章 データサイエンス エンジニアによるビジネスのための機械学習」が非常におすすめです。

アドテク(広告系)でのAI活用とビジネス価値をどう考え、どう実装していったのか、
現場での取り組みが非常に丁寧に解説されています。


【おすすめ・第3位】

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「PyTorchによる物体検出」
https://www.amazon.co.jp/dp/4274225933

物体検出、SSD、PyTorchを1冊かけて丁寧に解説されています。

・物体検出用のアノテーションソフト
・SSDの動画への適用
・YOLOv3、M2Det、Detecron2の使い方
などの応用的な話題もあります

拙著「発展ディープラーニング」も参考に挙げていただき、感謝いたします。

IT関連

【おすすめ・第1位】
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「Web APIの設計」
https://www.amazon.co.jp/dp/B08CK2H12H

UX観点を重視したAPI設計の解説書です。

とくに
第12章の「APIドキュメントの書き方」
第13章の「APIのチェックリスト」
が役に立ちます。

ただ、ある程度流し読みで良いかなという部分も多い
(この本を読む人間なら知っているレベルのことが多い)ように感じました。

Biz関連

【おすすめ・第1位】

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「職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」」
https://www.amazon.co.jp/dp/4163912371/

MSのO365のアナリティクスデータを基にした、成果が上がる働き方の事例集です

データ駆動型経営改革の良いお手本とも言えますし、
リモートでの働き方やアジャイル開発手法確立にも役立ちます。

個人的に気に入った箇所を紹介します(少し私の言葉に置き換わっています)

[1] 個人のキャリアと組織の発展は両輪

  • この組織で自分はどのような成長を積めるのか
  • この上司の下でどんなスキルを身につけ、どう成長できるのか

これらキャリアプランが見え、上司と共有されているからこそ、目の前の仕事を頑張れる
(上司とキャリアプランが共有されていないと、いまどき、自分でキャリア考えて、転職してしまいますから)

[2] 本書のデータからの具体例は示唆であり、あくまでデータ分析は**「自分たちが目指す方向性」への進捗確認**として使うスタンス
(本書の事例に対して、因果と相関の取り違えを防ぐように記述していて良いなと思います)

[3] 部下が6人以上になると負荷が増える
(確かに1on1を2週に1度回すには、週に3人で6人が限界)

[4] 社員の成長と、その社員の社内人脈の広がりに相関がある

[5] 集中して仕事をする2時間の塊をとる大切さ
(私の場合だと、朝の7:00-9:00に確保しています)

[6] 上司の人脈が広いと部下の満足度が高いという相関がある

[7] 2週に1度の1on1の実施の大切さ
(私もこのペースでチームメンバと1on1しています)

[8] 改革のポイントは、何をやめるかを決めること

組織的に、何か新企画を立ち上げる際は代わりに何か辞めることを考え、余力を作らないと、負担ばかり増える

以下の内容は、本書にあるわけではないですが、

「何かをやめる」とは、経営戦略そのものですね。

戦略とは、戦うことを略するという字面で、何を略する=辞めるかを決めるのが経営戦略です。

これができない経営層の場合、下にいる社員は疲弊し、やりたいことができず、離職していきます。
組織が取り組む内容に優劣をつけることが大切です。

ちなみに、経営とは、「本質的に大切な事柄を実行すること」です

「経」という文字は、「経線」とかに使われるように、縦線、縦に一本通った筋、を意味し、本質という意味です。

つまり、経営とは、筋の通った本質的な事柄を営むことです。

ということで、「働き方改革」、「成果が上がる働き方」は、経営戦略に結び付き、
経営戦略とは、「本質的事柄に優劣をつけて取り組むこと」です。

これらを思惑するために、データに基づき、事例・アイデアを挙げてくれる良い書籍でした♪


【おすすめ・第2位】
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「起業大全 スタートアップを科学する9つのフレームワーク」
https://www.amazon.co.jp/dp/4478109508

書籍「起業の科学」で有名な田所さんの新著です。

はじめタイトルを見たときは、「起業の科学」の焼き直しかな?と思ったのですが、
全然違いました。
(個人的にはタイトルもっと良いものにすれば良かったのにと思います)

「起業の科学」は0から1を作る部分の解説です。

そして、この**「起業大全」は1から100へとビジネスを拡大していく方法の解説**です。

そのため、スタートアップ、ベンチャーにいなくても、
新規事業などに関わる通常のビジネスパーソンにも有用な内容が多くて参考になり内容が盛りだくさんです。

起業大全では、以下の9つのフレームワークを1章ごとに解説しています。

  1. MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
  2. 戦略
  3. 人的資源
  4. オペレーション・エクセレンス
  5. 顧客体験UX
  6. マーケティング
  7. セールス
  8. カスタマーサクセス
  9. ファイナンス

【おすすめ・第3位】

「事業構想型ブランドコミュニケーション」
https://www.amazon.co.jp/dp/4883354989

ブランディングそのものを学ぶ書籍ではなく、パナソニックのブランディング活動の書籍です

・CI = MI + BI + VI

CI=コーポレート・アイデンティ
MI=マインド・アイデンティティ/「理念の統一」
BI=ビヘイビア・アイデンティティ/「行動の統一」
VI=ヴィジュアル・アイデンティティ/「視覚の統一」

に基づく、ブランディング戦略と活動の具体例

・ソートリーダーシップ戦略

ソートリーダーシップとは、企業が特定の分野(業界・テーマ・社会問題)において、将来を先取りした革新的なアイデアや解決策をいち早く発見し、示すことでその分野における主導者となることです。

・コマツ様の顧客関係性7段階モデル

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など、学びの多い本でした。

書籍内での、

経営理念の実践を通じて顧客とつながり続ける、その絆=ブランディング ではないか

という考えは、ドラッカーの「事業の目的とは顧客創造である」
(The purpose of business is to create customer)
の思想に通じるものを感じます。

経営理念をMI+BI+VIで実践していき、その結果顧客を創造し、つながり続けると。

こうして、企業や組織のブランディングを考えていくと、
インナー・ブランディングの重要さを再認識します。

企業理念が、会社の飾りものになるのではなく、
社内での社員の考え方や行動(MI、BI)に影響し、企業理念とMI、BIが言行一致している

その重要性をひしひしと感じました。


【おすすめ・第4位】

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「心理的安全性のつくりかた 「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える」
https://www.amazon.co.jp/dp/B08JVDFT59

生産的チームに重要な「心理的安全性」をどう作るのか解説本です。

・心理的安全性の形成を阻害する4因子
(無知・無能・邪魔・否定的)と思われる恐れ

・心理的安全性を形成する4因子
(話しやすさ、助け合い、挑戦、新奇歓迎)

を軸に、実際にどう行動すれば良いのかを解説しています

とくに気に入った点は、

チーム内で発生している問題に対して、「チーム内に問題が発生している」と考えるのではなく

自分を問題の中に組み込み
「自分がその問題の発生や形成に関わっている」と考え、自らの行動を振り返る

、という行動視点はなるほどと感じました。

また、書籍の特典として、有償の「チームの心理的安全性測定サービス」を
無料でトライアルできたのも良かったです。


【おすすめ・第5位】

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「SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意」
https://www.amazon.co.jp/dp/4798166855

スクラムマスター(SM)に焦点を当てた珍しい書籍です。

コーチングやリーダーシップが、スクラムマスターとしての文脈で説明されています。

スクラムマスターに限らず、スクラムに関連するすべての人に有用だと感じました

個人的に響いた箇所は、

・SMの目的は「チームの自己組織化」
(書籍では自己組織化度の測定法も記載されています)

・「この人たちなら、自分の頭の中にある解決策よりも、もっと良いものを考えつくだろう」と本気で信じるコーチングの実践

確かに私も新人以外に、やり方を具体的に指示することは少ないです。

ただ、「こうなってたら面白いと思う」、「これがこうなってください」と、
Afterの像だけ示して、やり方は各自勝手に任せています。
(困って停滞したら、助けますが)

最近私はPOで入っているので、ビジネス価値に焦点を当てたチケット(PBL:プロダクトバックログ)の起票をしており、やり方はテックチームの自律に任せる感じです。

アウトプット

本ばかり読んでいても仕方がないので、アウトプットも大切。
今月、私が公開した内容は以下となります。

【Qiita】
●「そくめん君」でカジュアル面談を実施してみた感想
●PyTorchでの学習・推論を高速化するコツ集
●scikit-learnで機械学習パイプラインをインタラクティブに描画、HTML保存する方法
●Django REST frameworkでAPIドキュメントを自動生成 & ドキュメント画面からPOSTする方法

【Medium】
●「AllenAct」で深層強化学習を試す

【対外発表:Slideshare】
●最近のディープラーニングのトレンド紹介_20200925
「内容」
自己教師あり学習、半教師あり学習、転移学習、メタ学習、模倣学習、逆強化学習、能動学習(Active Learning)について、
概要、代表的アルゴリズム名、各内容を学ぶためのおすすめチュートリアル動画を解説しています。

おわりに

以上、20年9月に読んだ、IT・AIエンジニアにおすすめの書籍の紹介でした。

【執筆者】
電通国際情報サービス(ISID)AIトランスフォーメーションセンター 開発Gr
小川 雄太郎
主書「つくりながら学ぶ! PyTorchによる発展ディープラーニング」 、その他「自己紹介詳細」

【情報発信】
IT・AIやビジネス・経営系で、私が面白いと思った記事やサイトをTwitterで発信しています。
これらの分野の情報を収集したい方はぜひフォローしてみてください♪
(海外の情報が多めです)
Twitter小川雄太郎@ISID_AI_team

【その他】
私が所属するAIトランスフォーメーションセンターのサイトはこちらです
https://isid-ai.jp/

【免責】
本記事の内容そのものは著者の意見/発信であり、著者が属する企業等の公式見解ではございません


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