概要
自宅ラボ構築の第2回で、前回は構築する環境の整理をしました。
今回はESXiをベアメタルへインストールしていきます。
全記事
- 1回: 構築する環境
- 2回: ベアメタルへESXiをインストール ← 今ココ
- 3回: 仮想ルーター (VyOS) の構築
- 4回: DNS (Unbound) の構築
- 5回: vCenterの構築
- 6回: Nested ESXiでのvSphereクラスタ構築
対象範囲
本記事では全体構成の以下赤枠の部分を作成します
※黒くなっているところは未構築
ベアメタルスペック
ESXiをインストールするマシンスペックは以下です。
- CPU
- 12コア (intel i7 12700)
- メモリ
- 128GB (32GB × 4)
- ストレージ
- 1TB × 1
- システムストレージ and 管理系マシン用
- 4TB × 1
- Nested用
- 1TB × 1
- GPU
- AMD Radeon RX6400
ESXiセットアップ
以下の順番で実施していきます。
- インストール
- インストール後の設定
- 今後のための準備
インストール
ESXiのISOを焼き付けたインストールUSBをベアメタルへ挿して起動します。
すると紫の画面が、、、早速トラブルですね!
調べた所どうやら利用しているCPUがIntelの12世代なのが起因しているようでした。
(EコアとPコアの均一性を確認してESXiがPanicを起こしているもよう)
上記の記事にて対策がわかりやすく書かれていたのでこちらを参考に、まずは以下対策を行います。
- 起動時に[Shift] + [O]を押下
- コマンド入力画面にて、「cpuUniformityHardCheckPanic=FALSE」を入力
※USキーになっているため、JISの人は[=]の場所に注意
すると無事にインストール画面まで来ました。
画面の案内に従い、パスワードの設定やKeyboard Layoutの設定を行っておきます。
インストール後の設定
インストールが完了すると再起動の画面が表示されます。
ただしこのまま再起動をすると、先程と同じく紫の画面になってしまうので少し手を加えます。
まず[Alt] + [F1]を押下して、DCUIに入ります。
ここでboot.cfgに「cpuUniformityHardCheckPanic=FALSE」の設定を加えて、再起動時の紫の画面を回避します。
vi /vmfs/volumes/BOOTBANK1/boot.cfg
#以下設定を記載する
cpuUniformityHardCheckPanic=FALSE
再起動を行い、無事にESXiの画面まで来れたら成功です。
こちらからESXiに以下の設定変更を施しておきます。
- SSH: 有効化
- IPアドレス: 192.168.0.101/24
- デフォルトゲートウェイ: 192.168.0.1
- DNS: 8.8.8.8, 8.8.4.4
設定完了後IPアドレスにブラウザからアクセスして、ログイン画面が表示されればOKです。
続いてSSHで接続して、紫の画面を回避する設定を恒久化します。
以下コマンドを実施すれば、今後の再起動後も回避されます。
esxcli system settings kernel set -s cpuUniformityHardCheckPanic -v FALSE
esxcli system settings kernel set -s ignoreMsrFaults -v TRUE
今後のための準備
準備として以下3つを行っておきます。
- vSwitchの設定
- DataStoreの作成
- ISOのアップロード
vSwitchの設定
今後NestedのESXiを展開予定のため、セキュリティ設定の無差別モード等を有効にしておきます。
DataStoreの作成
今回ストレージが2つマシンに搭載されています。
うち1つはシステムストレージとして指定し、そのままdatastore1となっていますが、1つ割当していません。
そのため、datastore2として作成をしておきます。
ISOアップロード
今後ESXi上で利用するISOファイルをデータストアにアップロードしておきます。
今回は以下3種類のISOをあげておきました。
- Ubuntu Server 24.04
- ESXi 8.0U2b
- VyOS 1.5-rolling
以上で現段階のセットアップは完了となります。
まとめ
今回はESXiのインストールを実施しました。
Intel12世代以降だとエラーが出るのを知らなかったため新しい学びでした。
次回はVyOSを展開してネットワークの準備を行っていきます。
次の記事はこちら
おまけ
今回のハードウェアはGPUを搭載しているため、GPUパススルーの設定を行っておくことで仮想マシンに割り当てを行うことができます。
GPUパススルーの有効化自体はESXiのUI上から簡単に行うことができます。
ただし、仮想化を有効にした仮想マシンにはGPUパススルーをすると起動ができないもようです。そのため、NestedのESXi等には利用できないのは注意ですね。
参考にしたサイト