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GaussViewを用いた計算ファイルの作成②

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GaussViewを用いた計算ファイルの作成②

量子化学計算ソフト Gaussian を利用する際、最初のハードルとなるのが計算ファイル(Input File)の作成です。Gaussian の入力ファイルはテキスト形式で作成できますが、計算条件や分子構造を一から記述するのは初心者にとって少し難しく感じられるかもしれません。

そこで活躍するのが GaussView です。GaussView を利用すると、分子構造の作成から計算条件の設定までをGUI上で直感的に操作でき、Gaussian の入力ファイルを簡単に作成できます。

本記事では、分子構造の作成から 計算のキーワードの設定までを解説します。これから Gaussian を使い始める方や、入力ファイルの作成方法を基礎から学びたい方はぜひ参考にしてください。


計算条件の設定

GaussViewを用いた計算ファイルの作成①で作成したアセトアルデヒドを例に、計算条件を設定します。ここでは、一例として B3LYP/6-31G(d) レベルによる構造最適化計算の設定方法を紹介します。

GaussViewの [Calculate] → [Gaussian Calculation Setup...] をクリックします。続いて、[Job Type] の [Energy] を [Optimization] に変更します。

補足
・Optimization:構造最適化計算
・Energy:エネルギー計算(構造最適化は行わない)

image.png

[Method] タブをクリックし、計算手法を設定します。
・[Hartree-Fock] を [DFT] に変更します。
・[Default Spin] の右側に [B3LYP] が表示されていることを確認します。
・[Basis Set] の [3-21G] を [6-31G] に変更します。
・6-31G の右側にある偏極関数の設定を (d,○) に変更し、6-31G(d) を選択します。

また、イオンやラジカルなどを計算する場合は、[Charge](電荷)および [Spin](スピン多重度)を対象分子に合わせて正しく設定してください。設定が誤っていると、計算開始時にエラーとなる場合があります。

image.png

続いて、[Link 0] タブをクリックし、計算環境に関する設定を行います。
・[Memory Limit] を [Default] から使用するメモリ容量に変更します。
・[Shared Processors] を [Default] から [Specify] に変更し、使用するCPUコア数を入力します。
・メモリ容量およびCPUコア数は、使用する計算機の性能に合わせて設定してください。

また、[Checkpoint File] を [Default] から [Specify] に変更し、任意の名前.chk を入力します。
Checkpoint(.chk)ファイルには、分子構造や分子軌道、波動関数などの計算情報が保存されます。このファイルは、計算の再開や振動数計算、TD-DFT計算など、後続の計算で利用されるため、保存しておくことをおすすめします。
image.png

以上で計算条件の設定は完了です。

入力内容を保存する場合は [Retain] をクリックし保存します。続いて、計算を実行する場合は [Submit] をクリックしてください。

入力ファイルの確認

保存した入力ファイルをテキストエディタなどで開くと、以下のような内容が表示されます。

%nprocshared=32
%mem=2GB
%chk=Acetaldehyde.chk
# opt b3lyp/6-31g(d) geom=connectivity

Title Card Required

0 1
 C                 -2.89019516    0.80419579   -0.03783473
 H                 -2.35703141   -0.12350738   -0.03603585
 C                 -4.43019516    0.80419579   -0.03783473
 H                 -4.78686151    1.30859880   -0.91148610
 H                 -4.78686151   -0.20460999   -0.03783460
 H                 -4.78686202    1.30859860    0.83581656
 O                 -2.26315473    1.89524409   -0.03995034

 1 2 1.0 3 1.0 7 2.0
 2
 3 4 1.0 5 1.0 6 1.0
 4
 5
 6
 7

入力ファイルは、大きく分けて以下の内容で構成されています。

・%nprocshared=32:計算に使用するCPUコア数
・%mem=2GB:Gaussianが使用するメモリ容量
・%chk=Acetaldehyde.chk:チェックポイントファイル名
・# opt b3lyp/6-31g(d) geom=connectivity:計算条件
・Title Card Required:計算タイトル
・0 1:電荷(Charge)とスピン多重度(Multiplicity)
・原子座標:各原子の元素記号と三次元座標(x、y、z)
・結合情報:原子同士の結合関係と結合次数

計算条件に含まれる geom=connectivity は、入力ファイルに記載された結合情報(Connectivity)を利用するためのキーワードであり、GaussViewで作成した入力ファイルではデフォルトで付加されます。そのため、このキーワードを削除する場合は、入力ファイル末尾の結合情報もあわせて削除してください。

また、Gaussianの入力ファイルでは空行の位置も重要です。ルートセクション、タイトル、電荷・スピン多重度、原子座標などは、それぞれ空行で区切ることで入力内容が認識されます。さらに、入力ファイルの最後にも空行が必要です。空行が不足していたり、必要のない位置に空行が挿入されていたりすると、入力エラーの原因となるため注意してください。

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