他の方の回答と重複する内容も多々ありますが、他の方の回答がそれぞれ誤った内容を含んでいるように見受けられますので、私も私の理解のうちで回答させていただきます。
題にあるようなtest@test.example.jpというメールアドレス宛にメールを送信した場合、第三者が受信する可能性はありますか。
前提として、他の方の指摘にもある通り、「第三者が受信する可能性があるか」という質問だけをシンプルに受け取ると、例えばテストを行う端末にウィルスが仕込まれていたり、あるいは中間者攻撃などのサイバーアタックを考慮すると、ゼロにはならないでしょう
とはいえ、おそらくそういうことを聞きたいのではなく、
「実際にはメールサーバーにメールを送信することにないようにテストプログラム内でトラップしてテストするつもりだが、うっかりモックを注入し忘れてメールサーバーに送信してしまったときに、第三者のメールボックスにテストデータが入ってしまうことはないか」
といった一般的な心配事について質問されているのだと思いますので、その体で回答します
他の方の回答にあるとおり、example.jp
は.jp
ドメインを管理する団体 JPRS によって予約されており、公式にも「例示に使って良い」ということになっています
https://jprs.jp/faq/use/#:~:text=%E6%AC%A1%E3%81%AE%E6%96%87%E5%AD%97,EXAMPLE.NE.JP
語弊を恐れずにかいつまんで表現すると、
「例示に使っていいとはいったけど、そこに実際にメールが送られたらどうなるかは知らないよ」
なんてことはまずないと思って良いでしょう
JPRSは普段から信用商売をやっている側面が強く、そんなことをすると、
「こいつインターネットのこと本当に分かってんの?そんなやつに.jp
の管理任せられるわけなくない?」
と世間から非難轟々になり、商売にならないからです
逆にいうと、JPRSが商売の根幹である信用を投げ捨ててまでやろうと思えばできる、あるいは現在の世界的なドメイン管理団体の構造が大きく変動してJPRSがなくなったりすると、どうなるか分からないという意味でもあります。
(そんなことはなかなか考えられませんが・・・)
次に他の方にご質問されているように、example.jp
が安全に使えるとしたとき、test.example.jp
が安全に使えるかというと、安全に使えます。
DNSについて調べていただければ分かりますが、ドメイン名解決(ドメイン名をIPアドレスに変換すること)は、ドメインの.
で区切られた各部分の後ろから順番に持ち主を調べることになっています
これも乱暴にかいつまんで表現するなら、
-
.jp
の持ち主はだれ?
-
.jp
の持ち主さん、example.jp
の持ち主さんはだれ?
-
example.jp
の持ち主さん、test.example.jp
の持ち主さんはだれ?
-
test.example.jp
の持ち主さん、IPアドレスは何?
といった具合です
ここで、先述のとおりexample.jp
の持ち主はJPRSになっており、「例示に使ってよい」というのは一般的に考えて「example.jp
より下に別の持ち主を作ってリダイレクトするようなことはしない」と捉えて良いでしょう
一方で、他の方もご指摘されているとおり、テストに使う場合は example.com
などのドメインを使うことが一般的です。
何故かいいますと、先述のとおり example.jp
の安全性はJPRSというイチ団体が保証しているだけのものですが、example.com
などのドメインは Best Current Practice の RFC にて指定されているからです
https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc2606#section-2
https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc2606#section-3
RFC というのは、これも語弊をおそれずに乱暴にいうと、
「世界中のみんな、このルールに従ってインターネットを動かしていこうよ!」
という提案の集まりです
提案にはいくつかのフェーズがあり、提案された後にみんなが「それイイネ!」と同意し、実際に世の中で多く使われ、多くの人がその提案の内容が正しいことを前提としてインターネットが回っており、少数の人の気まぐれ程度では急に使われなくなるとは到底考えにくくなった提案は「標準フェーズ」と呼ばれます
例示ドメインについて提案している RFC 2606 は Best Current Practice という「事実的な標準」を表すフェーズにあり、より安全であると言えます
また、当該RFCにはexample.com
以外にも
- トップレベルドメイン
- .test
- .example
- .invalid
- .localhost
- セカンダリドメイン
- example.com
- example.net
- example.org
が記載されており、これらは全て同等の安全性で用いることができると言えるでしょう
最後に、他の方の指摘にもある通り、自らお金を払ってテスト用のドメインを取得するのも一つの方策です。
好き嫌い言わなければタダに近いようなドメインも山程ありますし、ドメインの管理者が自分であるわけなので、ドメインを正しく管理できれば第三者のメールボックスにメールが届くようなことはないでしょう。
その意味では、ドメインを正しく管理できている間は最も安全です。
一方で、テストが生き続けているかぎりドメインを管理し続ける必要があり、ドメインを管理し続けるというのは本当に大変なことです。
更新忘れはもちろん、そもそも取得していたことを忘れたり、テストを書いた担当者がいなくなったら何につかっていたドメインなのかわからなくなったり、あついはどのテストで使われているかわからないからドメインを解約できなくなったりすることは往々にしてあります。
自分がそのテストとドメインを一生管理し続ける(あるいは自分が管理しなくなったらドメインも捨ててテストも修正する)覚悟がないのであれば採用しないことをおすすめします。
長くなってしまいましたが、ドメイン周りは全て話すと長くなってしまうことばかりで、かいつまむ中で語弊や間違いがあるかもしれません。
何かご質問等あれば、是非お気軽にお願いします。
余談ですが、丁寧に誠実にご質問されているように見受けられますが、心無い回答者も多いようでご苦労をお察しします。
どうぞご自愛ください。