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ExcelからElixir入門⑥:SPAからPhoenix製APIを呼び出す(表示編)【Vue.js版】

Last updated at Posted at 2018-10-21

【本コラムは、3分で読めて、10分くらいでお試しいただけます】
piacereです、ご覧いただいてありがとございます :bow:

前回までは、シンプルなPhoenixのサーバサイドレンダリング(SSR)により、Web上にDBデータや外部APIデータを表示してきました

今回からは、Vue.jsを使ったフロントサイドと、Phoenixによる内部APIを組み合わせを用いて、よりElixir/Phoenixらしさを実感できるWeb開発へとステージアップします

なお、本コラムと全く同じ内容のVue.js版とReact版もあります

LiveView版
https://qiita.com/piacerex/items/64e77b85bfb4c6832662

React版
https://qiita.com/piacerex/items/27052ac628ec394c7560

■「ExcelからElixir入門」シリーズの目次
①データ並替え/絞り込み
|> ②データ列抽出、Web表示
|> ③WebにDBデータ表示
|> ④Webに外部APIデータ表示
|> ⑤Webにグラフ表示
|> ⑥SPAからPhoenix製APIを呼び出す(表示編)【Vue.js版】
|> ⑦SPAからPhoenix製APIを呼び出す(更新編)【Vue.js版】
|> ⑧Gigalixirに本番リリース
|> ⑨「LiveView」ElixirサーバサイドのみでReact的SPA/リアルタイムUIが作れる
|> ⑩ElixirサーバサイドSPAをスマホで見るためにGigalixirリリース
|> ⑪Gigalixir上のLiveViewアプリに独自ドメイン名を付与して正式なアプリ公開
|> ⑫Elixir/PhoenixのCRUD Webアプリをリリース


:stars::stars::stars: お知らせ:Elixir MeetUpを来週末10/26(金)に開催します(リモート視聴も) :stars::stars::stars:

「fukuoka.ex#16:蔵出し始めました!Elixir実践テクニック公開します① 」を10/26(金)19時に開催します
開催終了しました

今回のMeetUpから、「座談会+モブプログラミング」という形で、fukuoka.exアドバイザーズ/キャストが、過去会で登壇したり、日頃研鑽している数々のElixir実践テクニックをダイレクトに伝えていきます

今回は、「Elixir+Vue.jsで2倍速開発」と「ElixirでElixirコンパイラ開発」の2トラックにて、集まった皆さまと一緒にElixir実践テクニックをシェアしたいと思います

https://fukuokaex.connpass.com/event/105154
image.png

一応、リモート視聴にも対応していますが、福岡近辺にお住まいの方であれば、遊びに来ていただいて、参加型コンテンツを120%楽しんでいただくのが絶対オススメです

PhoenixでScaffoldを使わずにデータ一覧APIを作る

通常、PhoenixでAPIを作る場合、mix phx.gen.json によるDB CRUD付きREST API、いわゆる「Scaffold」で生成するのが一般的ですが、別に使わなくてもPhoenixでのAPI作成はカンタンですので、早速作ってみましょう

まず 「Sqlex」をインストールすることで、DbMnesiaDb モジュールを導入します(このシリーズの第3回まではこの2つの実装も扱っていましたが、入門編を超えた範囲になるのでOSS化しました)

mix.exsの def deps do 配下の :phoenix の直上に追記します

mix.exs
defmodule Basic.Mixfile do
  use Mix.Project

  defp deps do
    [
      {:req, "~> 0.3"}, 
+     {:sqlex, "~> 0.1.0"}, 
      {:phoenix, "~> 1.6.15"},
      
    ]
  end

PhoenixをCtrl+C2回で止めて、ライブラリを取得(要ネット接続)し、Phoenixを起動します

mix deps.get
iex -S mix phx.server

次に、controllers フォルダ配下に member_controller.ex というファイルを追加し、下記のように indexmembers テーブルの一覧を返すようにします

Phoenixは、マップやリスト、リストマップを json に渡すと、自動的にJSON化してくれるのです

前回までで、DB(Mnesia)を使うPhoenix PJを作りましたが、そこに下記ファイルを追加しましょう

lib/basic_web/controllers/member_controller.ex
defmodule BasicDbWeb.MemberController do
  use BasicDbWeb, :controller

  def index(conn, _p) do
    conn
    |> json(
      "select * from members"
      |> Db.query
      |> Db.columns_rows 
      |> Enum.sort(fn current, next -> current["id"] < next["id"] end)
    )
  end
end

次に、ルーティングにAPI用エントリーとして、CRUD全部(GET/POST/PUT/DELETE)のエンドポイントを一括生成する resources "/", MemberController を含む scope "/members", ~ ブロックを追加します

lib/vue_sample_web/router.ex
defmodule BasicWeb.Router do
  use BasicWeb, :router

+ scope "/members", BasicWeb do
+   pipe_through :api
+ 
+   resources "/", MemberController
+ end
  

http://localhost:4000/members にブラウザでアクセスすると、下記のように返ってくれば成功です
image.png

データ一覧APIをREST APIクライアントで直接叩いて確認

REST APIの確認には、「REST APIクライアント」が便利ですが、REST APIクライアントは下記が代表的です

Chrome向け「Postman」

Firefox向け「RESTClient」

VScode向け「REST Client」

ここではPostmanで説明しますが、下記のように「Headers」に Content-Typeapplication/json で設定してから、URLを設定し、「Send」ボタンをクリックしてください
image.png

すると、下記のように返ってきます
image.png

このように、PhoenixでAPIを作成するのは、とてもカンタンです

SPAからデータ一覧APIを呼んだ後、表示する

Vue.jsとaxiosを使って、先ほど作ったAPIを呼ぶSPA(Single Page Application)を作ってみましょう

Vue.jsとaxiosは、<script src=~> でロードします(「CDN(Content Delivery Network)」という形式です)

import で指定した createApp 関数が、Vue.jsのメイン処理です

Vue.jsで初期表示時に実行される mounted ハンドラでは、get を呼び出すことでaxiosによるAPI呼出を行い、deta() 部で定義された members 変数にAPIで取得したデータを格納します

それを tr タグに指定した v-for で1件ずつ取り出し、各フィールドを {{n.【フィールド名】}} で取り出して表示します

lib/basic_web/templates/page/index.html.heex
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue/dist/vue.global.js"></script>
<script type="importmap">
  {
    "imports": {
      "vue": "https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue/dist/vue.esm-browser.prod.js"
    }
  }
</script>
<script src="https://unpkg.com/axios/dist/axios.min.js"></script> 

<div id="app">

<h1>Members</h1>
<table>
  <tr>
    <th>id</th>
    <th>name</th>
    <th>age</th>
    <th>team</th>
    <th>position</th>
  </tr>
  <tr v-for="n in members">
    <td>{{n.id}}</td>
    <td>{{n.name}}</td>
    <td>{{n.age}}</td>
    <td>{{n.team}}</td>
    <td>{{n.position}}</td>
  </tr>
</table>

</div>

<script type="module">
import {createApp} from 'vue'
createApp
({
  data()
  {
    return {
      members: [], 
    }
  }, 
  mounted(){
    this.get()
  }, 
  methods:
  {
    get: function() {
      axios.get('/members').then(response => {this.members = response.data})
    },
  },
}).mount('#app')
</script>

なお、Vue.js 2系だと以下の通りです

el で指定したidと、HTML中の div タグが一致した div タグ内でVue.jsが有効です

lib/basic_web/templates/page/index.html.heex
<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/vue/2.7.14/vue.min.js"></script>
<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/axios/1.2.2/axios.min.js"></script>

<div id="app">

<h1>Members</h1>
<table>
  <tr>
    <th>id</th>
    <th>name</th>
    <th>age</th>
    <th>team</th>
    <th>position</th>
  </tr>
  <tr v-for="n in members">
    <td>{{n.id}}</td>
    <td>{{n.name}}</td>
    <td>{{n.age}}</td>
    <td>{{n.team}}</td>
    <td>{{n.position}}</td>
  </tr>
</table>

</div>

<script>
var app = new Vue
({
  el: '#app',
  data: 
  {
    members: [], 
  }, 
  mounted()
  {
    axios.get('/members')
    .then(response => {this.members = response.data})
  }, 
})
</script>

APIで取得したデータがテーブル表示されます
image.png

見た目が、SSR版と変わらないので、ちゃんとSPAとして動いているか分からないかも知れませんが、ブラウザの「開発者モード」の「Network」で確認すると、APIが呼ばれていることが分かります
image.png

Phoenixを起動したコンソールでも下記の通り、API呼出である MemberController.index の実行が、ページ呼出である PageController.index の実行の後に行われていることが確認できます
image.png

データ追加APIを実装する

APIによるデータ参照はできたので、次は、データ追加APIを実装してみます

MemberController モジュールに create を追加し、members テーブルへのinsert文を Db.query に渡し、その後、ステータスコードとして 201 Created を返却します

lib/basic_web/controllers/member_controller.ex
defmodule BasicWeb.MemberController do
  use BasicWeb, :controller

  def index(conn, _p) do
    conn
    |> json(
      "select * from members"
      |> Db.query
      |> Db.columns_rows 
      |> Enum.sort(fn current, next -> current["id"] < next["id"] end)
    )
  end
+ def create(conn, p) do
+   "insert into members values('#{p["name"]}', #{p["age"]}, '#{p["team"]}', '#{p["position"]}')"
+   |> Db.query
+   send_resp(conn, :created, "")
+ end
end

データ追加APIから直接データを追加し、Web上で確認

では、APIでデータ追加してみましょう

「GET」を「POST」に変更し、「Body」を「raw」で設定した後、下記内容をbodyに入力して、藤井名人をチームにjoinしてもらい、大幅戦力増強しましょうw

{
  "name": "藤井 聡太", 
  "age": 20, 
  "team": "杉本昌隆八段門下", 
  "position": "竜王"
}

入力後は、こんな感じになります
image.png

「Send」ボタンをクリックすると、「Status」に 201 Created が返ってきます
image.png

データ一覧APIを叩くと、藤井名人が追加されているのが確認できます
image.png

ブラウザをリロードすると、藤井名人がチームにjoinしたことが確認できました :wink:
image.png

【参考】本コラムの検証環境

本コラムは、以下環境で検証しています(恐らくUbuntu実機やMacでも動きます)

  • Windows 10

    • 実機+Elixir 1.14.2 (Erlang/OTP 25)
      • Phoenix 1.6.15
    • WSL2/Ubuntu 20.04+Elixir 1.14.2 (Erlang/OTP 25) ※最新版のインストール手順はコチラ
      • Phoenix 1.6.15
    • Docker/Debian 11.6+Elixir 1.14.2 (Erlang/OTP 25)
      • Phoenix 1.6.15
  • Windows11

    • WSL2/Ubuntu 22.04+Docker Compose+Elixir 1.13.4 (Erlang/OTP 25)
      • Phoenix 1.6.15

終わり

今回は、Vue.jsによるフロントサイドと、Phoenixによる内部APIを組み合わせを用いて、APIで取得したデータをWeb表示してみました

次回は、画面入力と、APIによるデータ更新 を行ってみます

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