はじめに
カスタマーサクセスチームで働いていてOracle Database@AzureのサポートリクエストをAzureで上げたのに全然回答が返ってこないという声をお聞きしました。
Oracle Database@AzureのリソースはOracle Cloud Infrastructure (OCI)上で稼働するOracleデータベースサービスをAzureポータルとAPIを通じて購入からデプロイまでできるもののサポートリクエストを上げるのは基本的にOracleのサポート側となっています。今回はどうすればすぐにサポートリクエストが返ってきて問題が解決するかを個人的にまとめてみました。
※この記事は個人の考えをまとめたものであり、所属組織の公式ドキュメントではありません。
目次
- OracleとAzureのサポート範囲のすみわけ
- まずはどちらに上げるのか
- AzureからOracle Database@Azureのサポートリクエストを上げる方法
- おわりに
OracleとAzureのサポート範囲のすみわけ
Oracle Database@Azureに関するサポートは、OracleとAzureの両方から提供されます。サポートリクエストを上げたが返ってこないとならないようにサポートの範囲としては以下のようにとらえていただくと大丈夫です。
Oracleサポート範囲
・Oracleサポートは、Oracle Database@Azureに関連する技術的な問題に対応します。
Azureサポート範囲
・Azureサポートは、主にAzure環境内でのネットワークや仮想マシンに関連する問題に対応します。
カバーしているそれぞれのサポート範囲をより詳細にまとめたものはこちらになります。
Microsoft Docs:Oracle Database@Azure のサポート情報より抜粋
Oracle Docs:Oracle Database@Azure のサポート情報より抜粋
このように、OracleとAzureのサポート範囲はそれぞれ異なる領域をカバーしており、両方のサポートを活用することで、Oracle Database@Azureの運用を円滑に進めることができます。
まずはどちらに上げるのか
上記の範囲についてまとめましたが、どちらに上げることで解決が早まるかについて、個人的なおすすめもご紹介します。
OracleのOracle Database@Azureに関するFAQページに下記のような記載があります。
Oracle Database@Azureのサポート・モデルはどのようなものですか。
「オラクルとMicrosoftは、ミッションクリティカルなワークロードに対する迅速な対応と解決を実現するために共同サポート・モデルを開発しました。お客様は、Oracleですべてのテクニカル・サポート・リクエストを直接作成します。Oracleは、必要に応じてMicrosoftサポートを利用します。」
Oracle Database@Azureに関するFAQ:運用、サポートおよびセキュリティより抜粋
この記載からOracle Database@Azure環境についてはOracle サポートで最初のサポートリクエストを起票し、Oracle Support側で切り分けを行ってもらい、その後 Azure サポートに聞かなければいけない場合(主にインフラネットワークに関連した内容)は Azure サポートにルーティングしてもらうという流れが一番解決が早まる形になると考えられます。
サポートリクエストを上げる場合はOracleサポート→Azureサポートの流れになるというところを認識しておきましょう。
AzureからOracle Database@Azureのサポートリクエストを上げる方法
それでは実際にサポートリクエストを上げるところを手順として実施していきたいと思います。
Azure Portalから[Oracle Database@Azure]を検索しクリックします。
[Oracle Autonomous Database]を選択し作成しているDatabaseをクリックします。
Azure側で作成したAutonomous Databaseを選択し[ヘルプ]→[Oracleヘルプおよびサポート]→[Oracleヘルプに接続]の順で選択します。
OCIのサインイン画面に飛ぶので連携したOCIアカウント名を入力して[次に進む]をクリックします。
ユーザー名とパスワードとAuthenticator認証を利用してサインインを完了します。
OCIポータルの右上の[?]→[サポート・センターにアクセス]の順でクリックします。
[My Oracle Cloud Support]を選択します。
[Oracleアカウントでサインイン]をクリックしてサインインを行います。
発生しているサービスにOracle Database@Azureを選択し、必要事項を記載していきます(こちらは過去に個人検証で上げてみたサービスリクエストです)。
最後に[サービス・リクエストの送信]をクリックして起票完了です。
起票が完了するとサービス・リクエストが正常に作成されましたの画面となり、サービス・リクエスト一覧に表示されます。
少し時間を置くと通知メールもアカウントのメールアドレス宛に飛んできます。
おわりに
今回はOracle Database@Azureのサポートリクエストについてまとめてみました。切り分けや仕組みを把握しておくことで障害やエラー時に正しい対応が実行可能となります。悩んだ時にはこちらの手順を参考にサポート・リクエストを上げてみてください。
構築手順
101:Oracle Database@AzureをPAYGで作成してみた
102:Oracle Database@Azureに接続する
103:Oracle Database@AzureでAutonomous Data Guardを構成して切り替えテストを実施する
104:Oracle Database@Azureにデータをロードする
運用時の手順
201:Oracle Database@Azureのサブスクリプションとアカウントの仕組みについて
202:Oracle Database@Azureでポータル別設定項目をまとめてみた