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二重ルーターは本当に悪なのか? MAP-E環境で“二重に見えるだけ”の構成を検証してみた

■はじめに
二重ルーターは「通信が不安定になりやすい」と言われる一方で、「通常の使用では問題ない」とする情報もあります。ただし、どの構成なら問題が起きないのかを具体的に説明した記事は少ないと感じています。

そこで今回、自宅ネットワークの挙動を調査し、二重ルーターが問題にならない条件を整理しました。私の理解が正しいかどうか、ぜひご意見をいただければ幸いです。

*追記
当初、TP-Link Archer BE805でMeshを構築する際は「親機をルーターモードにすることが必須」と案内され、2025年10月の電話やメールでの問い合わせでも同様の回答を受けました(静的NATで対応するよう提案)。しかし、私の記事を読んで下さった方から「APモードでもMeshを組める」とのご指摘をいただき、実際に問題なく構成できることが判明しました。

さらに調べたところ、2024年9月のファームウェア更新以降はAPモードでもMeshを構成できるようになっており、ごく最近公式FAQにも反映されています。
https://www.tp-link.com/jp/support/faq/4167/

ただし環境によっては二重ルーターを選ばざるを得ない場面もあるため、敢えて私の検証を残しておこうと思います。

画像1.jpg

■ ネットワーク構成の概要
• 回線:ドコモ光 10G
• ISP:OCN(バーチャルコネクト / MAP-E)
• 機器構成:
 ONU → XG-100NE(HGW) → TP-Link Archer BE805(親機) → BE7200(子機)
• メッシュ構成:BE805 をルーターモードで使用(当時は仕様上必須)
• BE805の設定:
 - IPv4=動的IP接続
 - IPv6=パススルー

■ これまでに試したこと(いずれも失敗)
● HGWのルーター機能をオフにする
• フレッツジョイント解除(OCNに依頼)
• XG-100NEのIPv4をOFF
→ いずれも IPv4サイトにアクセス不能。
MAP-Eセッションが成立しなくなるため。
● TP-Linkから提案された静的NAT→ 10Gプランはポート開放不可が仕様(MAP-Eの特性)。そのため実現不可能。

→行き詰まったものの、そもそも「この構成は本当に不具合を起こすのか?」と疑問をもち、実際の通信経路を観測することにしました。

■ 観測結果と考察。図をご参照下さい。
① IPv4通信の挙動
ipconfig /all の結果:
• デフォルトゲートウェイ:192.168.0.1(BE805)
• DHCPサーバー:BE805
つまり、PCはBE805を唯一のルーターとして認識しています。
さらに、MAP-Eのカプセル化処理も BE805 が実行しており、IPv4パケットはすべて BE805 経由で外部へ出ていきます。
一方、XG-100NE は:
• MAP-E のために必要な IPv6 セッション・設定情報を提供
• しかし IPv4 NAT もルーティングも行っていない
つまり、役割は以下のように分離しています:
• XG-100NE:MAP-Eの前提条件(IPv6側の要素)だけ提供する装置
• BE805:IPv4ルーター(NAT) + MAP-Eカプセル化を実施する装置
➡ IPv4経路は完全に「単一ルーター」と同じ経路
物理的には二重ルーターでも、機能的には一重ルーターになっている、という結論に至りました。

② IPv6通信の挙動
IPv6デフォルトゲートウェイ:fe80::… (リンクローカルアドレス)
GUA:2400:4153:…
DNSサフィックス:flets-west.jp
これらは すべてXG-100NEからRA(Router Advertisement)とDHCPv6で配布された情報 です。
BE805は:
• IPv6を遮断せず、
• RA / DHCPv6 をそのままLAN端末へ透過(パススルー)
➡ IPv6経路は「HGW → ISP」に一直線。
➡ IPv4とは役割が完全に分離されている。
モザイク.jpg

③ 通信の安定性・速度
10G回線にして3か月、
一度も接続が不安定になったことはありません。
速度測定も以下の通り高水準:
• Fast.com:最大 8.9Gbps
• Speedtest.net(Ookla):8.0Gbps
• みんなのスピードテスト:6.1Gbps
➡ 二重ルーターによる速度低下・不安定化は発生していない。
*追記:APモードに変更後も速度は二重ルーター時とほぼ同等であった。
fastcom 8.9G.jpg

■ おわりに
以上より、私の構成では 「二重ルーターでも問題なし」 と判断しています。
ただし、同様の構成を取る場合は:
• HGWがIPv4 NATをしないこと
• 下位ルーターがMAP-Eに対応していること
• IPv6 RAを透過すること
• DHCPが二重化しないこと
といった条件が必要になると考えています。
同じような構成を試された方、MAP-E環境でのRA透過に詳しい方がいれば、ぜひ意見をお聞かせください。

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ご質問の趣旨から外れますが

BE805は仕様上「ルーターモード」でないとメッシュが組めません

BE805を最初にセットアップした時はご指摘の通りルーターモードでしかメッシュコントローラになりませんでしたが、バージョンアップしたらアクセスポイントモードでもメッシュコントローラとして動作するようになりました。

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コメントありがとうございます。BE805のファームウェアアップデートについて確認しました。https://www.tp-link.com/jp/support/download/archer-be805/v1/#Firmware

私が使用しているのはV1で、9月28日のアップデート以降更新はありません。10月末にTP-Linkへメールで問い合わせましたが、親機をルーターモードにしてもメッシュが組めるとの回答は得られませんでした。いただいた情報をもとに、その条件でメッシュシステムが構築できるか再度試してみたいと思います。ただし、家庭の事情で検証できるタイミングが限られるため、数週間以内に実施する予定です。

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貴重な情報をありがとうございました。ご助言のおかげで、APモードでも正常にMeshを構築できることを確認しました。二重ルーター時との体感差はなく、通信も安定しています。

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ここで言う2重ルーターは Double NAT(NAPT) である前提でお話させて頂きます。

2重ルーターで発生する問題とは

基本的なネットワーク疎通において、2重ルーターであったとしてもこれといって大きな問題は発生しません。(速度についても、一般家庭レベルのトラフィックは2重ルーター状態でも顕著なオーバーヘッドは確認しにくい)
ただし、UPnPなどポート開放が関わるものについては大きな影響を受け、特にWebRTCやオンラインゲームなどでP2P通信が困難になります。(公開サーバを経由するものは問題ありません)
これはクライアントから見て1番目のルーターは貫通出来るが、その上位に依頼することが出来ない為です。
また、IPv6も設定によってはデリゲーション(委譲)やパススルーされず、通信できないケースもあります。

現在の設定について

現在 @noranya さんが設定されている内容の場合、2重ルーターではない状態です。
HGWがある状態かつフレッツ・ジョイントを無効化した場合、IPv4の処理を受け持つのはその配下にいるルーターが行う形になります。
そしてHGWに対して/56のPrefix Delegation(以下PD)が渡った後、配下のルーターには/60のPDと/64のRoute Advertisement(以下RA)が渡ります。
この状態で配下のルーターが/64のRAを受け、MAP-Eでのトンネルを行うことでIPv4については実質的にルーターは1つのみで終端する形となります。
IPv6についてはND-Proxyやパススルーといった形で/64のRAがリレーされることで配下のネットワークも有効なIPv6通信が可能となります。

2重ルーターで問題ない状態にするには

フレッツ系列の場合は特に問題ありませんが、NURO光等の場合、ONU兼ルーターが鎮座しており、通常のルーターを直結させることが出来ないケースがあります。
これが回避できない本当の2重ルーター問題となります。
無理やりではありますが、回避策としてはDMZとして配下にルーターを配置し、2重ルーターではあるものの外部から来るトラフィックを全て配下ルーターへ流し、IPv6はパススルーすることでトラフィックを通すことは出来ます。

ご参考になれば幸いです。

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ご丁寧な解説ありがとうございます。理論上はフレッツ・ジョイントを無効化すれば問題ない構成になることは理解しています。ただ、私の環境ではジョイント解除を試みた際に IPv4サイトへアクセスできなくなる という不具合が発生し、MAP-Eのトンネルが正しく動作しない状態になりました。そのため現在はジョイント有効のまま BE805 をルーターモードで使用しています。

この構成では IPv4 に関しては二重NAT状態となりますが、速度や通常の疎通には問題はなく、唯一体感として違いが出たのはメッシュのローミング挙動でした。速度測定結果は誤差範囲で同等でしたので、実用上は大きな問題はないと考えています。

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@noranya さん
そこまで行けてるのであれば、BE805の方でMAP-E張るだけで解決しそうに思えますが、張れなかった感じでしょうか?
トラフィックの処理能力については(2重ルーターであっても)問題はないかと思います。

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kouhei‑ioroiさん、詳しいご説明ありがとうございます。BE805 側で MAP‑E を張れば解決するという点は理解しています。ただ、私の環境ではフレッツ・ジョイントを解除するか、XG‑100NE の IPv4 機能を停止して BE805 を OCN バーチャルコネクトにした際、ルーターモードで使用すると Yahoo! JAPAN などの IPv4 サイトへアクセスできなくなり、MAP‑E が正しく動作していないようでした。そのため「XG‑100NE は MAP‑E の前提条件(IPv6 側の要素)だけを提供する装置で、BE805 単体では MAP‑E を張れないのではないか」と考えた次第です。

もしフレッツ・ジョイントを解除して BE805 のみで MAP‑E を張ることが可能であれば、どのような設定を行えばよいのか教えていただけると助かります。

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@noranya さん
BE805をルーターモードに変更した際に、インターネット側の接続設定は動的IPからMAP-E(OCN)に変更されましたか?
image.png
(上記の画像は価格.comからの引用です)
HGW側のIPv4機能が停止している状態で/64のRAが上流から正しく流れてきていると仮定すると、少なくともアドレス範囲が正しく一致していればMAP-Eは通常の(HGWのない)フレッツ光クロス及びフレッツ光ネクストと同じように接続できるはずです。

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kouhei‑ioroiさん。はい、そのやり方で OCN バーチャルコネクトを選択しております。その結果、Yahoo! JAPAN などの IPv4 サイトにアクセスできなくなりました。追加で設定が必要なのではないかと考えましたが、方法が分からず一旦断念しました。

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@noranya さん
すみません、こちらで少し調査したところ、下記の記事を発見しました。

この記事によると、

  • 一般的なルーターはMAP-Eの場合api.enabler.ne.jpに対してコンフィグの問い合わせを行う
  • HGWが ない 場合、適切なコンフィグが応答され、MAP-Eはリンクアップする
  • HGWが ある 場合、コンフィグが応答されず、MAP-Eはリンクアップしない

と言った情報がありました。
恐らくこの設定はフレッツ・ジョイントであり、HGWに対する設定配信を取りやめない限りは一般的なルーターで自動的にコネクションを張ることは出来ないと予想されます。
当方が主に利用しているのはOpenWrtで、これはフレッツ・ジョイントの有無を無視して設定を生成・リンクアップすることが可能となっており、その旨を失念しておりました。
大変申し訳ないです。


以上より、本環境において真の2重ルーター回避策としては

  • フレッツ・ジョイントを無効化申請(有料)し、HGWでのMAP-Eを完全無効化
  • 下位ルーター(BE805)でMAP-Eを張る

といった形を取ることで、理想的なネットワーク環境となるのではないかと予想されます。

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kouhei‑ioroiさん、追加の調査までしていただきありがとうございました。ご提示いただいた記事の内容で腑に落ちました。私の環境で BE805 単体では MAP‑E が張れなかったのは、まさにフレッツ・ジョイントの仕組みによるものだったようですね。

OpenWrt のようにジョイントの有無を無視して設定生成できる環境と、一般的なルーターの挙動の違いが理解できました。ありがとうございました。

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@noranya さん
上げて落とすような回答となってしまい申し訳ないです。
もし今後、2重ルーター状況を解決させたい、HGWではなく別のルーターを使いたいといった要件がありましたら

  • ひかり電話などが不要な場合はHGWを解約する

または

  • HGWを残したままフレッツ・ジョイントを無効化する(有償の可能性大、2200円程度?)

または

  • フレッツ・ジョイントの制限を無視して利用できるルーターを利用する

のいずれかをご検討いただければと思います。
どうぞご参考になれば幸いです。長々と失礼致しました。

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@kouhei‑ioroi さん、追加のご提案ありがとうございます。ご提示いただいた選択肢で二重ルーターを解消できることは理解しました。 ただ、現状の構成は IPv4 について二重 NAT になっていますが、速度や通常の疎通には問題なく、実用上は支障がないことを確認しています。当面はこの構成を維持するつもりです。 今回のやり取りで「BE805単体では MAP‑E を張れない理由」が明確になったことが大きな収穫でした。ご協力いただきありがとうございました。

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Yajinamiさん、コメントありがとうございます。私の環境(XG 100NE+BE805)では、 http://ntt.setup:8888/t/から IPv4 を無効化するとIPv4 サイトへ接続できなくなったため、 IPv4 は無効化せずに運用しております。機種世代が異なると挙動が違うようですね。とても参考になりました。 今後ともよろしくお願いいたします。

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その記事を拝見した上で、私の環境(XG‑100NE+BE805)でも
http://ntt.setup:8888/t/ から IPv4 無効化を試してみましたが、IPv4 サイトへ到達できなくなりました。

機種あるいは世代によって MAP-E 周りの挙動が異なる可能性は確かにありそうですね。

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@yajinami さん 追加の情報ありがとうございます。
同じ OCN でも、回線の提供方式や HGW の世代によって MAP-E/V6プラス/V6オプションの判定が変わるケースがあるようですね。
私の環境では、IPv4 を無効化した際に BE805 側がバーチャルコネクトとして認識したものの、 IPv4 到達性が失われる結果となりました。
当初記事をまとめた際は、ある程度他の回線やルーターにも共通するものと思っていましたが、 今回の情報は非常に参考になりました。 改めてありがとうございます。

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@yajinami さん
詳しい情報を重ねていただき、ありがとうございます。

NEC 機種での挙動についてはとても興味深く読ませていただきました。
ただ、私の環境は XG‑100NE と BE805 を組み合わせた 10G 構成で、
回線速度や機器の世代が大きく異なるため、同じ条件で比較するのが難しい状況です。

最近は NEC からも 10G×2 ポートを備えた Wi‑Fi 7 ルーター
(AM‑19000T12BE など)が登場していますが、
こういった新しい世代の機種では挙動がどうなるのか気になるところです。
特に、メッシュを組む際に二重ルーターのままでも問題なく動作するのか、
少し興味があります。
ご存じなければお気になさらないでください。

私の方では BE805 が二重ルーターでも AP モードでも安定して動作しており、
現状の構成に満足しているため、このまま利用していく予定です。

引き続き、貴重な情報を共有いただきありがとうございます。

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ご丁寧なご返信ありがとうございます。
ファームウェアの状況についても詳しく共有いただき助かります。

現時点ではV1で9月28日以降アップデートがないとのこと、またTP-Linkからも明確な回答が得られていない状況なのですね。いただいた情報をもとに再検証されるとのこと、とても参考になります。
https://www.tp-link.com/jp/support/download/archer-be805/v1/#FirmwareCrossy Road
ご家庭のご都合もある中でのご対応かと思いますので、どうぞご無理のない範囲でお試しください。もし検証結果や新たに分かった点があれば、ぜひ共有していただけると大変ありがたいです。

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@yajinami さん
コメントありがとうございます。

私の環境では、BE805 が AP モードでも EasyMesh を組める点が大きな特徴で、
この点については TP-Link の電話およびメールでのサポート担当の方でも
当初は把握されていなかったようでした。

そのため私自身も誤解した状態で検証を進めていたのですが、
メールでその点を指摘した直後に、
BE805 が AP モードでメッシュを組める旨が公式 Web ページにも反映されました。

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