仮説・検証(50)作業診断(process assessment)を成功させる5つの鍵。失敗する5つの罠

作業診断(process assessment)を成功させるための5つの鍵を示します。


鍵1 市場の動向を分析(market analysis)

市場が現在どちらを向いて進んでいるか、その傾向は1−2年なのか、4−5年続くのか。10年、20年後の市場の予測を何種類かたて、どの場合でも有効な短期的な取り組みの優先順位を決めておけば、何から改善すればよいかの選択に役立ちます。

ここでいう市場とは、自社が納入する製品・サービスの市場だけでなく、自社の顧客の製品・サービスの市場、自社が購入する部品・サービスの市場の3種類を、場合によっては均等に見ているとよいことがあリます。


罠1 目先の目標に振り回される

長期的な傾向分析に基づかない、目先の目標は、よく失敗します。短期目標だから、失敗しても修正すればいいのかもしれません。

例えば、顧客が水準を指定してきたから、その水準に達成しようという目先の目標に振り回されるやり方は、長期的な低迷の原因または結果になるかもしれません。


罠2 自社の製品・サービスの販売市場だけ見ている

顧客の製品・サービスの市場と、自社に収めていただいている原料・材料、人材などの市場を見ていないと、急に売れ始めたときに、対応できないことがある。


良い事例 市場での競争力に見合った目標を設定し、その目標に必要な測定をして最適化を図る上で、必要なことを洗い出す。


悪い事例 水準3を目標にする。モデルは水準5になった状態で、水準3はこうだろうという推測に過ぎない。水準5が見えてない状態の水準3には意味がない。


鍵2 企業の経営分析(management analysis)

一人当たり売上の同業他社との比較など、企業の経営分析を読み、そこに書いてない別の筋書きを想定します。経営者、管理者の方との話をする際に、肝心な話が抜け漏れることはありませんし、経営者、管理者が想定していない事態を未然に防ぐことができるかもしれません。また、あらかじめ分析してあれば、相手方の個人的な思惑に左右されることはありません。

自動車産業におけるソフトウェア製品の出荷額の見積もりと改善の方向性

https://researchmap.jp/joulazjos-50024/


罠3 企業の経営分析をしていないアセッサに振り回される

アセッサの経験や、プロセスアセスメントモデルに記載していることに振り回されたら、ほぼ必ず失敗します。


鍵3 技術者のやる気を尊重(motivation of engineers)

技術力の向上、道具の整備以外にも、技術者のやる気を増進するものやことがあります。仕事の空間、机や椅子、食べ物や飲み物、休憩時間、軽い運動ができる環境など、やる気を増進する要素と組み合わせを考えましょう。

数年前、Automotive SPICEも取り組んでいるドイツのある自動車製造業の方が、作業診断(process assessment)すると技術者のやる気がなくなるのが課題だと言われていた。明らかにアセスメントの失敗。やる気を増進させるやり方はいくらでもある。まず、技術者に道具・技術・課題などに優先順位をつけてもらい、優先順位の高い方から取り組めばよい。モデルは、ある特定の条件の場合の例(仮設)であってモデルに書いてある順番にやる必要はない。


罠4 決めたことをやれ

誰が、どういう根拠で決めたかが曖昧な規則やモデルを守ることを押し付けたら、失敗へまっしぐら。

モデルの根拠を説明できない人の言うことを聞くのも同様です。


面談の手法(interview method)

https://researchmap.jp/joen4fiow-50024/#_50024

プログラマが苦手な人との口頭のやりとり面談技術(interview technique)7つの要点

https://qiita.com/drafts/f322df6978853c708c99/


鍵4 道具を磨く・鍛える(train tools)

ソフトウェアを作る道具のうち、かなりの部分がソフトウェアです。ソフトウェアを作る道具を磨いたり、鍛えたり、作ったりすることが、改善の早道かもしれません。

やる気のある技術者は、自分の使う道具を磨くのは当たり前のこと。ソフトウェアを作る道具が、ソフトウェアでできていることはしばしば。自分が使う道具を自分で作ってもよい。


罠5 道具より標準プロセスを重視する

ソフトウェアの道具が揃っていないのに、人の仕事の仕方を定義しても役に立ちません。現状の効率の悪い道具を使った仕事の仕方を固定するか、現在よりも、もっと効率の悪い仕事の仕方を標準にして、組織を疲弊させる罠にはまっていく可能性があります。


見直し手法(review method)

https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/6d5962e1a0e4be28405c


鍵5 技術力の向上を図る(Improvement of technology)

前提となる技術力がない状態で、作業のやり方をあれこれ変更しても疲れるだけです。まず、前提となる技術力の向上を図ることが大事です。やる気があって、道具を磨いていると、技術力も向上しているかも。


罠6 人数を揃えて規則を作る

技術力を前提としない規則は、派遣などの仕事の仕方としては商業上有効な場合もあります。製品を納入することが前提の仕事の場合には、人数を揃えたり、規則を作ることでは、製品はできません。


参考資料

SWEST4:

https://swest.toppers.jp/SWEST4/report.html#program

組込みソフトウェアにおけるSPI(CMM/SPA)

<この稿は書きかけです。順次追記しています。>

twitter:@kaizen_nagoya


文書履歴(document history)

ver. 1.0 20180109

https://researchmap.jp/johut1ke4-50024/#_50024

vern 2.0 20180111 順序見直し

https://researchmap.jp/jourhts4g-50024/#_50024

ver. 3.0 20180204 順序見直し

ver. 3.1 20180205 項目追記

ver. 3.2 20180327 見出し英語化

ver. 3.3 20180731 面談技術Qiita記事URL追記