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ZYBO (Zynq) 初心者ガイド (4) PLのAXI GPIOでPSからLチカ

Last updated at Posted at 2018-01-07

この記事の内容を4分で見る ( https://www.youtube.com/watch?v=WF7jMu78uwc )

環境

  • 開発用PC: Windows 10 64-bit
    • Vivado 2017.4 WebPACKライセンス
    • Xilinx SDK 2017.4
  • ターゲットボード: ZYBO (Z7-20)

Windows環境は1回目を参照。

PLのAXI GPIOでPSからLチカ

ややこしいタイトルです。前回は、PSのGPIOをPSのCPUから制御しました。今回は、PLのGPIOをPSのCPUから制御して、LEDをチカチカさせます。PLでGPIOを使うには、AXI GPIOというIPを使います。
まずVivadoでAXI GPIOをPL上に搭載して、それをPSから制御するようなソフトをSDKで実装します。

対象のLED

前回説明したように、MIOはPSからのみアクセスできます。今回はPLのGPIOなので、MIO以外のIOにつながっているLEDを使います。LD0~LD3(M14、M15、G14、D18)を使います。これは、Z7-20の場合です。他のボードだと異なるかもしれません。

ハードウェアの作成 (Vivado)

プロジェクトの作成

前回、または前々回に作成したプロジェクトをそのまま使います。ZYBO(Z7-20)ボード用のプロジェクトで、PSだけを搭載したブロックデザインが既にあるものとします。

AXI GPIOの配置

Block DesignのDiagramビューを開きます。現状、PSのみが配置されていると思います。
01.jpg

これに、AXI GPIOを追加します。AXI GPIOはXilinxによって用意されているIPで、AXIをインターフェースに持つGPIOです。AXI GPIOを追加して、それをLED用のIOに接続するようにします。そして、PSとAXIで接続させます。具体的には、以下のようにします。ほぼ自動で行われます。

  • Diagramビュー上で右クリック->Add IP->AXI GPIOを選択
  • Run Connection Automationをクリック
  • 下記の設定画面で、axi_gpio_0にチェックする
  • GPIOのSelect Board Part Interfaceにleds_4bitsを選ぶ

02.jpg

すると、以下のように自動的に接続してくれます。また、必要なIPを自動的に追加してくれます。AXI InterconnectはAXIバスを調停してくれる人です。今回はマスター(PS)とスレーブ(AXI GPIO)が1つしかありませんが、接続されるIPが増えると重要になります。Processor System Resetは、名前通りリセット管理をしてくれるのだと思います。
また、GPIOはleds_4bitsに接続されています。leds_4bitsは外に出ているピン(Exeternal Interface)になります。プロジェクト作成時にボードを指定しているので、わざわざピン番号を指定しないでも、leds_4bitsを指定することで適切なピンに割り当てることが出来ます。
03.jpg

設定を確認してみる (見るだけ)

この状態で、AXI GPIOをダブルクリックすることで、詳細を確認したり設定変更が出来ます。以下のようにGPIO(省略されているが、GPIO1ということ)は、leds_4bitsに接続されています。また、今回は使用していませんが、GPIO2があることから一つのAXI GPIOで2チャネル持てることが分かります。また、図は張りませんが、隣のIP Configurationタブを見ると、GPIO Widthも自動的に4になっています。
04.jpg

Address Editorタブで、各IPのレジスタのアドレスを編集出来ます。ここでは確認するだけにします。これを見ると、今回作ったAXI GPIO(axi_gpio_0)のアドレスは0x41200000のようです。
05.jpg

ビットストリームとhdfを作る

2回目でやったように、論理合成、配置配線をして、ビットストリームとhdfを作ります。その後、hdfをエクスポートします。

  • Sourcesタブでdesign_1を右クリック、Generate Output Products、その後、Create HDL Wrapper
  • Flow Navigator上で、Generate Bitstream
  • メニューバー -> File -> Export -> Export Hardware -> include bitstreamにチェックをつけてOK

結果を確認してみる (見るだけ)

ここまでやったら、次はSDKでソフトウェアの実装をするのですが、その前に作られたハードウェアの詳細をちょっと見てみようと思います。

Flow Navigator -> RTL ANALYSIS -> Open Elaborated Design をクリックします。すると、以下のように、Packageビューが表示されます。今回は、Block Designの所でピンアサインをしましたが、この画面から割り当てることもできます。
06.jpg

他にも、Schematicでブロック図を見れたり、Deviceタブでフロアマップを確認することが出来ます。

ソフトウェアの実装 (SDK)

前回からの続きでやっている場合は、Vivado上でhdfをエクスポート完了した時点で、SDK上で「更新しますか?」みたいなことを聞かれるので、OKをしてください。新しくプロジェクトを始めた場合は、VivadoからLaunch SDKしてください。これで、作成したハードウェアをベースにしたSDKプロジェクトが用意できました。

前回のPSのGPIOと同様に、レジスタ直叩きバージョンと、ドライバAPIを使うバージョンをやってみようと思います。

レジスタ直叩きでAXI GPIOを制御する

今回使用しているGPIOは、AXI GPIOというXilinxから提供されているIPです。そのため、仕様などはXilinxが提供しているドキュメントにあります。AXI GPIO v2.0 LogiCORE IP Product Guideを確認することで、レジスタオフセットアドレスや、設定すべき値が分かります。ベースアドレスは、Vivadoで自由に決めることが出来ますが、今回はVivadoが自動で割り当てたものを使用します。このベースアドレスは先ほど確認しました。

関係するレジスタを以下に挙げます。今回配置したAXI GPIOでは、Channel 1をLEDに接続しています。Channel2は未使用です。

  • AXI GPIOのベースアドレス: 0x41200000 (Vivadoで確認。変更可能)
  • GPIO_DATA (Channel 1 AXI GPIO Data Register)のオフセット: 0x0000
  • GPIO_TRI (Channel 1 AXI GPIO 3-state Control Register.)のオフセット: 0x0004

コード

GPIO_TRIに0を設定することで、出力モードにします。GPIO_DATAに0x0F/0x00を出力することで、4つのLEDを全部On/Offさせます。ちなみに、ベースアドレスは値直打ちではなくて、xparameters.hで定義されているXPAR_AXI_GPIO_0_BASEADDRを使用すべきです。

helloworld.c
#include <stdio.h>
#include "platform.h"
#include "xil_printf.h"
#include "sleep.h"

#define REG(address) *(volatile unsigned int*)(address)

#define GPIO_BASE (0x41200000)	/* XPAR_AXI_GPIO_0_BASEADDR */
#define GPIO_DATA (GPIO_BASE + 0x0000)
#define GPIO_TRI  (GPIO_BASE + 0x0004)

int main()
{
    init_platform();

    print("Hello World\n\r");

    /* Set all of 4 pins(LEDs) as output */
    REG(GPIO_TRI) = 0x00;
    while(1) {
    	/* Set all of 4 pins(LEDs) as High */
    	REG(GPIO_DATA) = 0x0F;
    	sleep(1);
    	/* Set all of 4 pins(LEDs) as Low */
    	REG(GPIO_DATA) = 0x00;
    	sleep(1);
    }

    cleanup_platform();
    return 0;
}

今回は、PLの実装もあるので、メニューバー -> Xilinx -> Program FPGAでビットストリームを書き込んでから、ソフトウェアをRunします。 すると、4つのLEDが1秒間隔でチカチカするはずです。

Xilinx SDK Driver APIでAXI GPIOを制御する

前回と同様に、ドライバAPI(関数)でAXI GPIOを制御してみます。今回のプロジェクトではAXI GPIOを使っています(前回はGPIO PSでした)。そのため、SDKでBSPプロジェクトを作った時に、gpioというライブラリも用意されています(前回はgpiops)。

コード

使い方はほとんどgpiopsと同じですが、微妙に異なります。とはいえ所詮GPIOなので、雰囲気で実装できると思います。LEDはAXI GPIOのChannel 1に接続しているので、XGpio_SetDataDirectionとXGpio_DiscreteWriteの第2引数(Channel)には1を設定しています。

helloworld.c
#include <stdio.h>
#include "platform.h"
#include "xil_printf.h"
#include "sleep.h"
#include "xgpio.h"

int main()
{
    init_platform();

    print("Hello World\n\r");

 	XGpio instXGpio;
    XGpio_Initialize(&instXGpio, XPAR_AXI_GPIO_0_DEVICE_ID);
    /* Set all of 4 pins(LEDs) as output */
    XGpio_SetDataDirection(&instXGpio, 1, 0);

    while(1) {
    	/* Set all of 4 pins(LEDs) as High */
    	XGpio_DiscreteWrite(&instXGpio, 1, 0x0F);
    	sleep(1);
    	/* Set all of 4 pins(LEDs) as Low */
    	XGpio_DiscreteWrite(&instXGpio, 1, 0x00);
    	sleep(1);
    }

    cleanup_platform();
    return 0;
}

参考資料

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