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AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~まとめ編~

Last updated at Posted at 2023-01-14

AWS DataSync(以下、DataSync)と Azure File Sync(以下、File Sync)シリーズの8本目の記事です。
1本目は記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~共通点と相違点~
2本目は記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~前提条件定義編~
3本目は記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~AWS DataSync構築事前準備編~
4本目の記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~AWS DataSync構築編~
5本目の記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~AWS DataSync動作確認編~
6本目の記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~Azure File Sync構築編~
7本目の記事はこちら
AWS DataSyncとAzure File Sync 比較 ~Azure File Sync動作確認編~

本記事ではこれまで行ってきたDataSyncとFile Syncの比較のまとめを行います。

比較の前提条件(再掲)

こちらは1本目の記事の再掲になりますが、分かりやすいと思うので本記事にも記載します。

  1. Active Directoryが既に導入済みである
  2. ファイルサーバがWindowsで構築されており、ファイルサーバ内の共有フォルダはネットワーク共有とNTFSアクセス権が付与されている

単純ですね。
エンタープライズユーザーを想定した前提条件です。

各項目の比較

構成のシンプルさ、構築難易度の易しさ、価格の安さ、可用性の高さ、動作確認の結果、をそれぞれ比較します。
構成図はシステム全体を負荷的にとらえるために必要なので、実運用に深く関連するため比較項目としました。

構成の比較

構成図を見比べて比較します。
まずはDataSyncです。
image.png
DataSyncのバックエンドで使っているAmazon FES for Windowsの仕様でVPNが必須なのと、DataSync AgentのサーバーがKVMのイメージ展開なのでめちゃくちゃ面倒だということは既に記載の通りです。

次にFile Syncですが
image.png
実にシンプルですね。
動作確認のために少し手を入れても
image.png
この程度です。
簡単です。
インターネット経由ってのが素晴らしいですね。
シンプルな構成の方が運用、保守は楽なのが一般的なので、構成図がシンプルな方が良いという基準であればAzureの方が圧倒的に優位です。

構築難易度の比較

比較記事の一覧を見てもらっても分かると思いますが、DataSyncは事前準備編があり、File Syncにはありません。
File Syncには前提条件で記載している「Azure Filesは既に構築済み」の一言で終わらせられる程度の事前準備しか必要ありません。
DataSyncはこの一言に収まらないのでわざわざ1本記事を書きました。
DataSyncの方が圧倒的に手間がかかります。
結論としてはFile Syncの方が圧倒的に楽に構築できます。

価格の比較

1本目の記事のこの部分の表でも記載していますがここでも再掲します。

項目 DataSync File Sync
課金※ AWSへの1GiBアップロードあたり0.0125USD 課金が1台のエージェントあたり月7.25USD

※課金の金額はDataSyncは東京リージョン、File Syncは東日本リージョンでの2022年12月31日時点のものです。
※ここでいう課金はDataSyncやFile Syncにかかる課金であり、データの保存にかかるS3やAmazon EFS、Azure Filesの従量課金は含まれていません。

更に計算してDataSyncとFile Syncとで価格の逆転が起こるファイル容量が割り出すと、580GiBになります。

価格の安価な方が良く、高価な方が良くないという基準であればAWS、Azureのそれぞれのクラウドにアップロードしたい、同期したいデータが580GiB未満であればDataSyncの方が良く580GiB以上であればFile Syncが良いでしょう。
前提条件の通りエンタープライズユーザーであればファイルサーバーの全容量が580GiBなんてことは無いと思うので、ほとんどの場合が580GiB以上、つまりFile Syncが良いということになるでしょう。

可用性の比較

こちらはどちらもオンプレミスの環境に依存するので優劣は付けられず同じ、若しくは評価不能になります。
今回は測定不能なので-とします。

動作確認の結果の比較

どちらもNTFSアクセス権を含めたデータ移行が問題なく実施できたので○とし、こちらも可用性と同じく優劣をつけられません。

まとめ

比較を表にまとめます。

項目 DataSync File Sync
構成のシンプルさ ×
構築難易度の簡易さ ×
価格の安さ ×
可用性の高さ - -
動作確認結果

となりました。
結果としてAWS DataSyncとAzure File Syncを比較すると、Azure File Syncの方がデータ同期、データ移行ツールとして優れているという結果になりました。

今回はここまで。

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