8. 今後の管理・メンテナンス
RSP-03のSatNOGS対応デコーダは、Merge Requestの承認とマージ後、実運用に入ります。しかし、打ち上げ後の運用や今後の仕様変更に対応するため、継続的な管理とメンテナンスが必要です。
ここまででできたこと
✅ 完了
- 衛星をSatNOGS Databaseに追加し、一時的なNORAD IDを取得
- Databaseに送信機情報を追加
- satnogs-decoders に .ksy ファイルを追加
- 新しいデコーダを含む satnogs-decoders の新リリース SatNOGS側
- Databaseで新しいデコーダを使用 SatNOGS側
ここまでを打ち上げ前に実施
⏳ 未完
- SiDS経由でサンプルフレームを送信し、デコードが動作するか検証
現在ここ *
- dashboard.satnogs.org の Scratchpad フォルダにログインし、テストデータを使ってダッシュボード作成アクセスを申請 (要対応)*
- Telemetry フォルダに公式ダッシュボードを公開
- 打ち上げ前/展開前のTLEを共有(今回はISSのものを使用可能)(要対応)*
- 展開直前に衛星の観測をスケジューリング
(要対応)*
付は私が対応する項目と、SatNOGSコミュニティ側で実施される項目があります。
ここからは、打ち上げ後、対応する項目
Step 1:衛星打ち上げ後のYAML登録
- 目的:SatNOGS Database に衛星情報とテレメトリフィールド定義を登録
-
対応内容:
-
今回はISS
より放出のため、何度かTLEを修正が必要で
IARU周波数登録情報やTLE(Two-Line Element)の最新化 - 監視用のGrafanaダッシュボードとデータ連携するため
.ksy
内の:field
定義の見直し
-
Step 2:運用中のデータ検証
- GMSKビーコン受信データを観測、Raspberrypi利用
Qiita記事 3. SatNOGS構築編:地上局の立ち上げ
https://qiita.com/estima5633/items/5e6db6af0c30e6ca811c - Grafanaやpandasで受信値の統計・傾向を可視化
- 異常値や通信途絶がないかモニタリング
Step 3:仕様変更や追加パケットへの対応
- 新しい
packet_type
が追加された場合、.ksy
のswitch-on
に追記 - 既存パケットのフィールド追加やスケール変更は
:field
とdesc
の更新が必要 - ksy変更時は必ずGitLabでブランチを作り、ksy修正しMRとして提出
Step 4:コミュニティとの継続連携
- Libre Space Forum や GitLab Issues でのやり取りを継続
- 他のアマチュア無線家からの受信報告や改善提案を反映
- SatNOGS本体やデコーダ仕様変更への追従
Step 5:再利用と派生開発
- RSP-03で作成した
.ksy
や.yaml
の構造は、他衛星プロジェクトにも応用可能 - 特にAX.25+GMSK形式の衛星では、パケット構造の再利用が容易
- コードや仕様はGitLab上でオープンにし、他の開発者が参照できるよう維持
関連記事リンク
0. 初めに — リーマンサット RSP-03 受信チャレンジの歩み
6.SatNOGSコミュニティとのやりとり
7トラブルとその解決の記録
8.今後の実施項目・メンテナンス①SiDSを用いた事前デコード検証(打ち上げ前)