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6. SatNOGSコミュニティとのやりとり リーマンサット RSP-03 受信チャレンジの歩み

Last updated at Posted at 2025-08-11

6. SatNOGSコミュニティとのやりとり

RSP-03衛星の .ksy デコーダを satnogs-decoders に追加するにあたり、Libre Space FoundationのGitLabやLibre Space Forumでコミュニティの皆さんと丁寧に会話し、やり取りを行いました。


Step 1:Merge Request提出と最初のフィードバック

まずは satnogs-decodersrsp03.ksy を追加するMR(Merge Request)を提出しました。
MRでは以下のコメントを記載しました:

- Add rsp03.ksy defining AX.25 + RSP-03 telemetry structure
- YAML file will be submitted later after satellite launch
- Referenced internal HK Beacon Format (PDF)

提出後、コミュニティのコアメンバー(deckbsd, dl7ndr, SA2KNG)からレビューコメントが入りました。

Step 2:deckbsdさんからのコメント

TEXT
原文:
"Please add :field definitions in the doc: section so that SatNOGS DB can extract and display telemetry fields."

訳:
「doc: セクションに :field 定義を追加してください。これがないとSatNOGS DBがテレメトリ項目を抽出・表示できません。」

初めは、kaitai構文のfields:化と勘違いしましたが、他の衛星のKsyを覗いて、SatNOGS独特のフォーマットであることがわかりました。この指摘を受け、.ksy 内の doc: にSatNOGS特有の :field 記述を追加しました。

Step 3:dl7ndrさんからのコメント

TEXT
原文:
"Make sure the packet_type switch covers all possible values, even if some are unused."

訳:
「packet_type の switch 文は、未使用の値も含め、すべての可能な値をカバーしてください。」

これを受けて .ksy の switch-on において default: ケースを追加し、不正値を受け取っても構文エラーにならないよう修正しました。

Step 4:SA2KNGさんからのコメント

TEXT
原文:
"Your ksy indentation is off in some nested types. The Kaitai compiler is strict about this."

訳:
「一部のネストされた型でインデントがずれています。Kaitaiコンパイラはこれに非常に厳しいです。」

これを受けてKaitai Struct IDEで構文を確認しながら、全フィールドのインデントを修正しました。

Step 5:Libre Space Forumでの補足説明

GitLab MRだけでなく、Libre Space Forumにも以下のような投稿を行い、背景を説明しました:

TEXT
原文:
"We are adding RSP-03 GMSK beacon support. The satellite will be launched later, YAML registration will be done after launch."

訳:
「RSP-03のGMSKビーコン対応を追加しています。衛星の打ち上げは後、YAML登録を行います。」

このように事前に情報を共有しておくことで、レビュー側が「YAMLが未提出である理由」を理解してくれ、MRの承認プロセスがスムーズになりました。
実際は,rsp03ksyファイルをMRマージリクエストを承認した後に、DBを動作させるのに、yamlファイル、AX.25 G3RUHのランダマイズ、scamblingなどのデコード部分でyamlファイルの内容をやり取りで、はまりました、完成度が高くなった時点で、コミュニティへRSP-03.yml(チャットへはZIP形式で)添付して対応を相談しました。そこからは一期にSatNOGSメンバーが作業を引き取ってくれることになりました

Step 6:調整内容のまとめ

今回のやり取りを通じて、以下の対応を行いました:

  • .ksy に :field 定義を追加(Grafana/CSV出力用)
  • packet_type の switch に default ケースを追加
  • インデント修正(Kaitai構文エラー防止)
  • YAML未提出の理由を事前にフォーラムで説明

📌 学びと今後の工夫

  • GitLab MRだけでなく、フォーラムでも事前説明すると誤解や差し戻しが減る
  • レビューコメントはすぐ反映するとコミュニケーションが円滑になる
  • :field定義はSatNOGS特有なので早めに準備しておくとよい
  • インデントやswitchの網羅性など、Kaitaiは細部まで厳密に書く必要がある

実際には、1ケ月間、仕事から帰ってきて2,3時間Ksy、ymlファイルを作りこむ日々が続きました。めげずにやってこれたのも、SatNOGSメンバーのサポートのおかげでした。ありがとうございます。chatGPTをフルに活用しましたが、かなり返答が想定と違うことが多く、他の衛星のksyファイルを参考に、chatGPTに読み込ませながら作成しました

関連記事リンク

0. 初めに — リーマンサット RSP-03 受信チャレンジの歩み
5. GitLabでの開発・連携メモ①(SatNOGS-decoders編)
7トラブルとその解決の記録
8.今後の実施項目・メンテナンス

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