メリークリスマス!ということで、本日最終日を迎えましたRPA Advent Calendar 2020です。
今年も多くの人にアドベントカレンダーを盛り上げていただきました!それぞれの記事を楽しく拝見させていただきました。
これらの記事も踏まえ、今後の方向性を占うべく2021年のトレンド予測をまとめてみました。
また、ちょうど1年前の記事と、今年のアドベントカレンダーの1日目の記事も並べてみました。
2020年のRPAに必要なこと、3つの重要なキーワード
2020年RPA業界この1年を振り返る~業界7大ニュース
2021年のトレンドも、ベースは『2020年のRPAに必要なこと、3つの重要なキーワード』で書いたことの延長になりそうです。新型コロナなど新たな要素も入ってきているので、少し進化しています。
2021年のキーワード
1. 普及期に入ったRPA
2020年は、ヨコハマで実物大ロボットのガンダムがついに動き出しましたが、1日目の記事でも書きました通り、RPAもいよいよ普及期に突入しました。皆さんの身の回りでも、RPAが普通に動いている時代となりました。
足元から見ると凄い迫力。これはぜひ直接見るべきです!#ガンダムファクトリーヨコハマ#動くガンダム pic.twitter.com/VKeLBb9r8x
— ホビージャパン編集部 (@HobbyJapan_MAG) November 30, 2020
特に、2021年に向けたキーワードを3つ洗い出してみました。
新型コロナに打ち勝つ自動化の実装~リモート管理など
この1年の特記事項は何と言っても新型コロナで、2021年も残念ながら引き続き新型コロナの経済活動へのインパクトはしばらく続きそうです。これだけ長期間にわたり経済活動が制限される事態はここ数十年なかったはずですが、逆にこのような時代にこそそれに打ち勝つための新しいテクノロジーが浸透していきます。
出社禁止になっても業務は止まらないような、リモートからも管理・制御できるタイプのRPAは活用が進むと思われます。
ペーパーレスの浸透による自動化の加速
7日目、21日目では @IQ_Bocchi さんがAI-OCR関係のネタを書いていただきましたが、2020年は新型コロナの影響もあり、業務のペーパーレス化、脱ハンコ、脱FAX元年となりました。2021年についても、政府主導で進んでいくと思われます。結果、自動化や、それにまつわるAI-OCRとの連携ソリューションの導入も加速していくと思われます。
行政手続き上の押印廃止について各省ほぼ出揃いました。銀行印が必要なものや法律で押印が定められているものなど、検討対象が若干ありますが、大半は廃止できそうです。
— 河野太郎 (@konotarogomame) September 30, 2020
ハンコの次は“FAX廃止”【news23】 https://t.co/dzFqfA69K4 @YouTubeより
— 河野太郎 (@konotarogomame) September 26, 2020
RPAの低価格化と全社展開組とデスクトップ組の二極化~ツールは混在へ
2020年は、最低価格が年額100万円くらいからであったRPAソリューションの価格に風穴があいた年でもありました。年額30万円、月額5万円、はたまた月額4,300円くらいからAttended RPAライセンスを使えるプランまで登場しました。マイクロソフトやIBMといった大手ITベンダーの参入や、国産の中小規模のベンダーまで、さまざまな選択肢がそろい、2021年も群雄割拠の時代が続くものと思われます。14日目の @FindTheKnight さんや22日目の @hiro_matsuno2 さんの記事でも言及されていたように、低価格帯のRPAツールに乗り換える事例も増えてきそうです。
あわせて、昔からある自分のデスクトップでちょこちょこっと自動化して効率化させる動きと、全組織展開で大きく効率化していく流れはどうやら統合しそうになく、2021年も別々の動き、ニーズとして共存していきそうな雰囲気です。
2. ハイパーオートメーションとデジタルアシスタント
RPAを全社的に推進していくにあたっては、3日目の @shigetaka256 さん、14日目 の @FindTheKnight さん、17日目の @kawausoRPA さん、18日目 の @aaiso さん、22日目の @hiro_matsuno2さんといった多くの人が指摘している通り「使いこなすのにスキルがいる」「適用業務をどう選べばいいのか分からない」といった課題があります。
これらを解決するためにRPAツールベンダー側で考えられている2つのアプローチを取り上げました。
デジタルアシスタントの普及によるRPAのシームレスな利用
RPAロボットを自分のデスクトップで直接起動しなくても、ウェブやダイアログボックス、音声などで指示を出すと裏側でロボットが動いてくれるデジタルアシスタントの仕組みの実装が進むと、RPAのトレーニングをしなくても事実上RPAを使っている人の数を劇的に増やすことができます。BizRobo!を除く主要RPAツールベンダー (WinActor、UiPath、Automation Anywhere、Blue Prism、Power Automate)は2020年にこの仕組みを軒並み実装してきました。
2021年はこれらの採用が進んで、RPAを使いこなせる人の数が増えていくものと思われます。
適用業務発見の自動化による工数削減
RPAの適用業務をSAPなどのバックオフィスシステムのログ解析から発掘する**「プロセスマイニング」、現場ユーザーがシステムを操作している様子を録画して解析する「プロセスディスカバリ」「タスクマイニング」といった手法が広まりはじめ、2020年にUiPath、Automation Anywhere、Power Automateがこれらを実装してきています。これは「ハイパーオートメーション」**の概念を主張するガートナーの定義の中にも出てきます。
2021年は、他の主要RPAベンダーでも実装が進み、かつユーザーへの導入も加速して、適用業務の発見がより効率的に行われるようになっていくものと思われます。
3. クラウドRPAの普及
2020年はWinActor、Automation Anywhereに加えてUiPath、BizRobo!、Blue Prismといった主要RPAベンダーがサーバー機能のクラウド版を出してきました。また、その他の国産ベンダーでもクラウド版を謳っているものが出てきました。MicrosoftのPower Automateも元々クラウド版のiPaaS機能から発展しているので、クラウドとの相性が良いです。クラウドの機能こそ詳細は違いますが、2021年はクラウド版RPAも普及が進んでいくと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?独断と偏見によるところもありますが、参考になれば幸いです。
そして紙面の都合上ピックアップできなかったカレンダー参加の皆様、すみません!
それでは、2021年もRPAが人類の役に立ち続けますように...メリークリスマス & ハッピーニューイヤー