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AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 1 【導入編】

Last updated at Posted at 2019-06-20

はじめに

Well-Architectedフレームワーク ホワイトペーパー、皆さんご覧になったことはありますでしょうか?AWSのソリューションアーキテクトになるのであれば、一度は目を通しておきましょう、というアレです。

ただ、私にとっては、

  • オンプレでのインフラ構築/運用経験がないので、情報量が多く、オーバーフローぎみ
  • フレームワークの重要性は、ウェビナーでも多く触れられてるものの、腑に落ちきれてない

だったので、ホワイトペーパーを参考にしつつ、
自分が理解しやすいように整理してみようと思います。
今回は導入部として、

  • ソリューションアーキテクト = 建築家
  • クラウドでの一般的な設計原則
  • 要件のトレードオフ

という観点で書いてみます。

連載目次

[AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 1 【導入編】 → 本記事
AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 2 【運用上の優秀性】
AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 3 【セキュリティ】
AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 4 【信頼性】
AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 5 【パフォーマンス効率】
AWS Well-Architected Framework ホワイトペーパーまとめ 6 【コスト最適化】

ソリューションアーキテクト = 建築家

AWSソリューションアーキテクト。
建築家というからには、施主の立場で考えるのが良さそう、ということで例をあげます。

依頼者目線で

あなたは家を建てたいとしましょう。
そんな時、きっとこんなことを考えます。

  • 部屋は何部屋欲しい?
  • 家族は何人? 将来家族が増えた場合も考える?
  • 災害が起こった場合はどうする?
  • 何年くらい住む?
  • 予算は?

悩んだ末、要件が固まってきました。
誰かに設計を依頼することにします。

図面の引き方を知っていて、建材について知っている、それだけの建築家は避けたいですね。
やっぱり経験豊富な人にお願いしたいところです。

建築家との共通点

AWSソリューションアーキテクトと建築家、共通する点があるはず。
それぞれ何をする人なのかざっくり書いてみましょう。

AWSソリューションアーキテクト 建築家 (= アーキテクト)
設計対象 ITインフラの基盤 生活の基盤
必要な知識 ネットワークの知識、各AWSサービスの利用方法、などなど 建材の知識、図面の引き方、などなど

設計対象と必要な知識は違いますが、

  • 要件の優先順位をクライアントと一緒に洗い出し、
  • 物事の基盤を設計する

という点で、本質的に通底しているように思います。

ASA試験の設問意図

ASA試験の受講レベルの目安の一つに、実務経験の長さがあります。
難しい試験になるほど、

  • 要件の全体像を把握したうえで、
  • 顧客とっての価値を最大化する

ようなアーキテクチャを選択させるような設問が多く出題されます。
いわば、建築家としての総合力が試される形ですね。非常に合理的。

AWSが蓄積している優れた建築家のノウハウの集合体がWell-Architectedフレームワークです。

クラウドでの一般的な設計の原則

さて、クラウドを利用するなら、その利点をしっかりと認識しておくべきです。
クラウドの一般的な設計原則を見てみましょう。

項目 原則 なぜならクラウドであれば...
キャパシティー 必要なキャパシティーを勘に頼らない 必要に応じて自動的にスケールアップおよびスケールダウンできる
テスト 本番規模でシステムをテスト オンデマンドで作成でき、テスト完了後、すぐにリソースの使用を終了できる
自動化 自動化でアーキテクチャ上の実験を容易にする システムの構築と複製が低コストで可能で、手作業によるコストも回避できる。変更を追跡、監査、必要に応じて以前のパラメータに戻すことができる
技術革新 発展的なアーキテクチャを受け入れる 自動化とオンデマンドなテストが可能で、設計変更のリスクを低減できる。これにより、システムを継続的に進化させることができる
データ計測 データ計測に基づいてアーキテクチャを決定する アーキテクチャの選択が、システムの動作にどのように影響を与えるかを示すデータを容易に収集できる
トラブル対策 本番で想定されるトラブルをあらかじめテストし、対策する 本番環境のシミュレーションによる、改善可能な箇所の把握が容易だから

要件のトレードオフ

要件のすべて満たすアーキテクチャ設計は困難です。
例えば、サーバーを助長化することで信頼性を上げることはできるけど、それでは予算オーバー、というような場合。

よって、要件のトレードオフが必要になってきます。
トレードオフをするためには、要件の優先順位をつけなくてはいけません。
フレームワーク各柱の間の関係性は下図の通り。

AWS study - frame.jpg

信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化は三すくみの関係になります。
セキュリティと運用上の優秀性は、通常はトレードオフになることはないそうです。

おわりに

次回からはフレームワークの柱、それぞれについて、ホワイトペーパーからtipsをお届けします!

参考リンク

オフィシャル W-Aホワイトペーパー

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