0.はじめに
大学で線形代数の講義を受講している者です。
ざっくりと計算方法を個人的な備忘録としてまとめております。
関連学習
【線形代数】ベクトル
【線形代数】行列
【線形代数】連立方程式
【線形代数】線形空間・線形写像
【線形代数】座標
【線形代数】固有値・固有ベクトル
「行数」と「列数」が等しい時に計算が可能
行数と列数が等しくない時は計算ができない
A行B列とC行D列であれば「B = C 」であれば計算可能
表現行列
ℝ^n→ℝ^m
に対してm×n
行列Aが存在し
x' = f(x) = Ax(x∈ℝ^n, x'集合ℝ^m)
と表すことができる
このm×n
行列Aを線形写像の表現行列という
3次正方行列
3×3の行列は2×2行列のような
サラスの方法を用いて行列を解く
左上から右下への積はプラス、右上から左下への積はマイナスと計算する
A= \begin{pmatrix}
a_1 & a_2 & a_3\\
a_4 & a_5 & a_6\\
a_7 & a_8 & a_9\\
\end{pmatrix}
(a_1×a_5×a_9)+(a_2×a_6×a_7)+(a_3×a_4×a_8) - (a_3×a_5×a_7)-(a_2×a_4×a_9)-(a_1×a_6×a_8)
4次正方行列はサラスの方法が適用できない
何かしらの方法で3次にする必要がある
- 1.
小行列にし余因子、余因子展開
- 2.
下三角行列にする→対角線上の積が行列式となる
小行列
第i行
と第j列
を取り除いた(n-1)
正方行列を小行列Aij
と表す
2行目と3列目を取り除いた小行列を|A23|と表す
小行列例= \begin{pmatrix}
a_1 & a_2 & a_3 & a_4\\
a_5 & a_6 & a_7 & a_8\\
a_9 & a10 & a11 & a12\\
\end{pmatrix}
|A23|= \begin{pmatrix}
a_1 & a_2 & a_4\\
a_9 & a10 & a12\\
\end{pmatrix}
余因子(ǎ)
小行列化し行列式|Aij|に係数(-1)^i+jを乗じたもの
ǎ = (-1)^n + m
このn + m
が奇数である場合は解がマイナスになる
例(1行目2列目)の(-1)^1+2は奇数なので結果がマイナスとなる
余因子の求め方
3行目1列目の余因子を求める方法は3行と1列なので(-1)³+¹×3行目と1列目を除いた行列
\begin{pmatrix}
3 & 1 & 1\\
6 & 2 & 1\\
1 & 2 & -1\\
\end{pmatrix}
3行目と1列目を除いた行列を(-1)³+¹と掛け合わせる
(-1)³+¹ ×\begin{pmatrix}
1 & 1\\
2 & 1\\
\end{pmatrix}
1 × \Bigl(
(1×1) - (1×2)\Bigr) = -
よって3行目1列の余因子は-1
余因子展開(a×ǎ )
重み付きの和の展開にする方法
重み(a)とは行列でいうところの頭の値のこと
第i行、第j列の場合
aij × ǎij = aij × (-1)^i+j ×|Aij|
例題「第一行に関して余因子展開」
それぞれの行に対応する列を除いて一行目の頭をそれぞれ掛けている
2×の場合は2に対応する列を除いて0.4.1...と掛ける
(0が多い行を選ぶと計算が楽)
|A|= \begin{vmatrix}
2 & 1 & -3 & -2\\
-3 & 0 & 4 & 1\\
0 & -1 & 2 & 0\\
-4 & 2 & 2 & 3\\
\end{vmatrix}
= 2 × \begin{vmatrix}
0 & 4 & 1\\
-1 & 2 & 0\\
2 & 2 & 3\\
\end{vmatrix}
- 1 × \begin{vmatrix}
2 & -3 & -2\\
0 & 2 & 0\\
-4 & 2 & 3\\
\end{vmatrix}
+(-3) × \begin{vmatrix}
-3 & 0 & 1\\
0 & -1 & 0\\
-4 & 2 & 3\\
\end{vmatrix}
- (-2) × \begin{vmatrix}
2 & 1 & -3\\
-3 & 0 & 4\\
-4 & 2 & 2\\
\end{vmatrix}
特殊な行列の行列式について
・単位行列の行列式は1
・Aの行列式とAの転値tAの行列式は正しい
・列または行すべてが0のときの行列式は0
・三角行列のとき対角線上の積が行列式となる
・行もしくは列を入れ替えた場合はマイナス化する
・2つの行または2つの列が同等の場合の行列式は0
余因子行列(Ā)
余因子ǎij
を(j,i)
成分とする(※iとjが逆であることに注意する)
n次正方行列をAの余因子行列という
転置をした行列になる
(-1)i+j × |行列(i行j列を除いた行列)|
この成分を全て算出し転置して初めて余因子行列になる
ケーリーハミルトンの定理
Eは対角線上が1でそれ以外0の単位行列
二乗の計算に関する定理
逆行列
公式
A^⁻¹=\frac{1}{ad-bc}
\begin{pmatrix}
d & -b\\
-c & a\\
\end{pmatrix}
行列式が0ではない(正則行列)場合、逆行列を持つ
行列式が0である(正則行列ではない)場合、逆行列を持たない
正則行列
Aに逆行列A⁻¹が存在するときのAを正則行列という
ad -bcが0ではない
ad - bc ≠ 0
逆行列との関係
正則行列である場合、逆行列が必ず存在する
正則行列ではない場合、逆行列は存在しない
LU分解
行列AををLU分解する
A =\begin{pmatrix}
1 & 2 \\
3 & 4\\
\end{pmatrix}
L =\begin{pmatrix}
1 & 0 \\
A & 1\\
\end{pmatrix}\,\,\,×\,\,\,
U =\begin{pmatrix}
B & C \\
0 & D\\
\end{pmatrix}
Lを対角成分1としL×Uの積を計算した結果が行列Aとなる
A~Dを求めるのがLU分解
=\begin{pmatrix}
B & C \\
AB & AC+D\\
\end{pmatrix}\,\,\,=\,\,\,
\begin{pmatrix}
1 & 2 \\
3 & 4\\
\end{pmatrix}
BとCは1,2である
BとCを代入しA,Dを求める
L =\begin{pmatrix}
1 & 0 \\
3 & 1\\
\end{pmatrix}\,\,\,×\,\,\,
U =\begin{pmatrix}
1 & 2 \\
0 & -2\\
\end{pmatrix}
係数行列
解ベクトル
定数項ベクトル
連立一次を行列×ベクトルで表したもの
拡大係数行列
(係数行列 | 定数項ベクトル )で表したもの
拡大係数行列は変形が可能
ある行に〇行目の〇倍を加えても問題ない
階段行列
階段状に0が成る行列
階段にはランクがある
0ではない成分をもつ行列を1とする
0ではない成分をもつ行列が3つあるとランク3
0ではない成分をもつ行列が2つあるとランク2となる