PowerVS では少なくとも一つのネットワーク・インターフェースを構成する必要があります。
一方、IBM i のインスタンスでは、利用開始直後には IP アドレスが追加されていないことがあります。
今回は、だれが、いつIPアドレスを追加するのかを確認します。
今回の構成
今回はパブリック、プライベートとふたつのネットワーク・インターフェースを構成しました。
アクセス直後
コンソールを開き「PowerVS IBM i 日記(52): 新しいポータル GUI での PowerVS IBM i のデプロイ-8-コンソールへのアクセス・外部からのアクセス」の手順で、コマンド入力が利用可能なる状態まで進みます。
「CFGTCP」の「OPT 1」で IP アドレスの追加状況を確認します。
構成したネットワーク・インターフェースへの IP アドレスは、まだ追加されていません。
経過観察
「WRKACTJOB」で活動中のジョブを確認します。
F5 で画面をリフレッシュを繰り返すと QBASE の配下に「bash」「tee」「puthon3」などが活動するのが確認できます。
さらに、F5 で画面をリフレッシュを繰り返すとこれらが消滅します。
今回は、WRKACTJOB で確認を開始してから 5 分 45 秒ほどかかりました。
再度「CFGTCP」の「OPT 1」で IP アドレスの追加状況を確認します。
今度は、構成したネットワーク・インターフェースへの IP アドレスが追加されていました。
cloud-init のログ
「PowerVS IBM i 日記(53): 後からPowerVS IBM i にネットワークを追加しても自動でLINDは作成されないし IP アドレスも追加されない」にも書きましたが、インスタンスの初回起動時だけに実行される「cloud-init」が LIND を構成し、IP アドレスを追加します。
実行のログは「/var/log/cloud-init.log」です。
資源を確認していることが確認できます。
回線記述(LIND)を作成しています。
IPアドレスを追加しています。
clout-init は「08:17:52」に開始し「08:19:59」に終了していました。
clout-init 自体は開始すれば 2 分強で終了していました。
ただし、実行開始まで時間かかかるようなので WRKACTJOB での完了確認は 5分 45秒程度かかったようです。
IBM i インスタンスに初回アクセス直後、IP アドレスが追加されていないのは正常な状態です。cloud-init の完了を待ちましょう。
cloud-init が実行されず IP アドレスが追加されない
テストを繰り返していると、いつまで待っても IP アドレスが追加されないことが、繰り返しありました。ログは作成されておらず cloud-init が開始されていないようでした。
ポータルでIBM i インスタンスをデプロイ後、数日間のレベルでコンソールからの初期構成(ライセンス許諾など)を行わないで放置した場合に出る現象のようです。
IBM Cloud サポートにも問い合わせを行いましたが、IBM Cloud としては正常に稼働している、OS 側に問い合わせるようにということでした。
下記の回避方法が考えられます。
- デプロイ後、放置せずにすぐにコンソール接続を行い、初期構成を行う
- 現象が出た場合、環境を破棄して新しくデプロイする
- 現象が出た場合でも CMNxx の仮想イーサネットポートは構成されているので、cloud-init に頼らす自分で LIND を作成し IP ドレスを追加する。
自分で LIND を作成し IP ドレスを追加する場合、いったん LIND を作成しオンに構成変更すれば、仮想イーサネットポートの MAC アドレスが確認できます。それに合わせた IP アドレスを LIND に追加します。
方法は「PowerVS IBM i 日記(53): 後からPowerVS IBM i にネットワークを追加しても自動でLINDは作成されないし IP アドレスも追加されない」に記載しました。
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