Postman Agent Mode入門シリーズ
- Agent Modeを使いはじめる
- OWASP APIセキュリティ準拠テストの追加
- MCPサーバー設定の追加
- Atlassian MCPサーバーでJira連携
- AI Skillsの活用 (本記事)
「Skills」と聞くと、Claude CodeのSkillsやGitHub CopilotのAgent Skillsを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、Postman Agent ModeでもSkillsと呼ばれる似て非なる(目指していることは似ている)機能が使えます。本記事では、このSkills について紹介します。
Skillsとは?
意味のあるタスクを実行するには、通常、1つの操作だけでなく複数の処理を組み合わせる必要があります。たとえば「コレクションの品質を検証する」というタスクを考えてみます。この場合、まずコレクションを取得し、その中に含まれるリクエストやレスポンスの構造、テストコード、ドキュメントを確認します。さらに、それらが適切かどうかを判断するために、一般的なベストプラクティスと照らし合わせる必要があります。
Skills は、このような複数の処理をあらかじめ組み合わせ、意味のあるタスクやワークフローとして実行できるようにしたものです。
なお、2026年1月19日時点では、次のような Skill が利用できます。
- export-documentation - ドキュメントをMarkdown形式で抽出
- publish-collection - コレクションを別ワークスペースにコピー
- create-test-coverage - コレクションのテストカバレッジをレポート表示
- run-health-check - コレクションのヘルスチェックを作成
- scan-for-conflicts - API仕様とコレクション間の不一致をチェック
- compute-ai-score - API仕様のAIエージェント対応度合いをスコア化する
- validate-collection - コレクションの品質を検証する
- clone-workspace - ワークスペース内の全リソースを別スペースに複製する
- create-prototype - 記述内容を元にプロトタイプコレクションを作成
- share-with-your-team - チーム共有のためにコレクションをチームワークスペースにコピー
2026年1月19日時点の制約・注意点
- export-documentation: ドキュメントの外部出力が機能していない(著者確認)
- カスタムのSkillは作成できない
Skillsの使い方
Agent Modeのチャット窓を開いたら、スラッシュ文字(/)を入力します。Agent Modeでは、スキルを選択できるポップアップメニューが表示されます。
次に、メニューからスキルを選択します。すると、/スキル名 で始まり、スキルに必要な入力のためのプレスホルダーを含むプロンプトが表示されます。このプレスホルダーに必要な入力・置き換えを行いリターンを押してプロンプトを実行します。
なお、プレスホルダーは次に2種類があり、それぞれ次のように置き換えます。
- (
@)で始まるプレスホルダー(例:@collection,@spec)- プレスホルダーをクリックしてメニューを開き、メニューから目的のコレクション、環境、または API 仕様などを選択する
- (
@)で始まらないプレスホルダー(例::project description)- プレスホルダをクリックして、希望のテキストを入力する
たとえば、チャット窓でスラッシュ文字(/)を入力して、compute-ai-scoreという名前の「API仕様のAIエージェント対応度合いをスコア化する」Skillを選択すると、次のようなプレスホルダーを含むプロンプトが表示されます。
/compute-ai-score Compute AI score for API Spec @spec
ここで、@specをクリックすると、次のような仕様選択のポップアップメニューが表示されるので、メニューをたどり希望のAPI仕様を選択します。
すると、次のようにプロンプトのプレスホルダーが該当の文字列に置換されるので、これでリターンを押してプロンプトを実行するという流れになります
/compute-ai-score Compute AI score for API Spec @"<希望のAPI Specの名前>"
Skillsを試してみる
それでは2つばかりSkillを試してみます。
API仕様のAIエージェント対応度合いをスコア化する (compute-ai-score)
前回のAgent Modeシリーズの記事でPRDを元にPostman Spec Hubに作成した、OpenAPI仕様(名前: インシデント管理API)に対して、compute-ai-score Skillを使って、AIエージェント対応度合いをスコア化してみます。
まずは、Agent Mode用のチャット窓にスラッシュ文字(/)を入力して、ポップアップメニューからcompute-ai-scoreを選択し、プレスホルダー@specをクリックして、対象のAPI仕様 インシデント管理API を選択します。これで次のようなプロンプトができあがります。
/compute-ai-score Compute AI score for API Spec @"インシデント管理API"
このプロンプトを実行すれば、Postman AIエージェントがこのSkillの実行を開始します。デフォルトでは出力は英語になりますが、もし日本語での出力を希望する場合は、次のように「日本語でおねがいします」のような指示をプロンプトに追加してください。
/compute-ai-score Compute AI score for API Spec @"インシデント管理API"
日本語でおねがいします
このプロンプトを実行すると、Postman AIエージェントは、指定されたAPI仕様を解析し、次のようなAIエージェント対応度合いのスコアを出力します(スクショの右側)。
この結果を踏まえて、API 仕様に記載された API の説明や構造を見直すことで、AI エージェントにとって理解しやすい API 仕様へと改善できます。
コレクションのテストカバレッジをレポート表示 (create-test-coverage)
上記のAPI仕様を元に作成されたコレクションには、テストを追加しています。今度は、create-test-coverage Skillを使ってこのコレクションのテストのカバレッジレポートを作成してもらいます。
同じように、Agent Mode用のチャット窓にスラッシュ文字(/)を入力して、create-test-coverageを選択し、プレスホルダー@collectionをクリックして、対象のコレクション Incident Management APIを選択してプロンプトを完成させます。
/create-test-coverage Create a test coverage report for the collection @"Incident Management API"
日本語でおねがい
このプロンプトを実行すると、Postman AIエージェントは、対象のコレクションのAPIリクエスト群の内容を解析し、テストカバー割合と、カバーされているテストの概要が表示されます。
この結果を踏まえて、未実装のテスト項目を追加するなどの対応を行い、テストカバー率を改善できます。
おわりに
Skills は、複数の作業をまとめて実行できる便利な仕組みです。API 仕様の見直しやテスト状況の把握といった、これまで少し手間がかかっていた作業も、Skills を使えばぐっと取り組みやすくなります。
現時点では Skill の数はまだ多くなく、一部の Skillでは挙動が安定しない場面も見られますが、より実践的な機能へと進化していくはずです。今後のアップデートにも注目していきたいところです。
さいごに、kameoncloud さんが執筆した Skills に関するZenn記事もあります。あわせて参考にしてみてください。



