はじめに
今回は、GoogleのGemini CLIからDatabricksマネージドMCP(Model Context Protocol)サーバーに接続する方法を紹介します。前回記事(VS CodeのGitHub Copilot Agent ModeからDatabricksマネージドMCPサーバーへ接続する方法)でVS Codeからの接続方法を紹介しましたが、Gemini CLIでも同様の設定で簡単に連携可能です。
この手順はあくまで一例です。今回はWindows WSL環境でのみ、VS CodeとGemini CLIを使い検証しています。Gemini CLI自体のインストール方法については割愛し、既にインストール済みであることを前提に進めます。また、DatabricksのマネージドMCPサーバー機能は現在ベータ版です。Genieの例を紹介しますが、ベクトル検索やUnity Catalogの関数を利用する場合は、以下のリンク先もご参照ください。
準備
.gemini/settings.json の設定
Gemini CLIがDatabricksマネージドMCPサーバーを認識し、連携できるようにするためには、ユーザー設定ファイルである .gemini/settings.json に以下のような設定(mcpServersの部分)を追加します。このファイルは通常、ユーザーのホームディレクトリ直下(例: ~/.gemini/settings.json)に配置されますが、プロジェクト限定で適用したい場合は、プロジェクトルートに .gemini/settings.json を作成してください。
{
"theme": "GitHub",
"selectedAuthType": "oauth-personal",
"mcpServers": {
"uc-genie-mcp": {
"command": "npx",
"args": [
"mcp-remote",
"https://<ワークスペースホスト名>/api/2.0/mcp/genie/<GenieスペースID>",
"--header",
"Authorization: Bearer <パーソナルアクセストークン>"
]
}
}
}
-
<ワークスペースホスト名>: DatabricksワークスペースのURL例:dbc-xxxx.cloud.databricks.com -
<GenieスペースID>: Databricks UIから取得できるGenieスペースのID -
<パーソナルアクセストークン>: Databricksユーザー設定で生成したパーソナルアクセストークン(PAT)
起動
設定ファイルを保存したら、Gemini CLIを起動して、/mcp と入力します。
上記のように、設定した uc-genie-mcp が Ready 状態で表示され、関連するツール(query_space_<GenieスペースID>)が認識されていれば、MCPサーバーへの接続設定は成功です。
動作確認
Gemini CLIの入力欄で、Databricks Genieに関連する質問や指示を入力します。これにより、設定したMCPサーバー(uc-genie-mcp)を介してDatabricks Genieツールが呼び出され、Databricks上のデータや機能が活用された回答がCLI上で直接得られることを確認できます。
まとめ
この記事では、GoogleのGemini CLIからDatabricksマネージドMCPサーバーへの接続方法を解説しました。Gemini CLI無料枠とDatabricks Free Editionとを組み合わせることで、手軽にこれらの連携を試せるのは嬉しいですね。
Gemini CLIの学習はまだ始めたばかりですが、次はGemini CLIをDatabricks Appsの開発に活用することを検討したいと考えています。
余談: DatabricksとGoogle Cloudの戦略的AIパートナーシップ発表
DatabricksとGoogle Cloudの提携により、GeminiモデルがDatabricksプラットフォーム上でネイティブに利用可能になると発表されました。今後の展開が非常に楽しみです!

