シリーズ一覧
- Part0 PC準備編
- Part1 Proxmox VEインストール編
- Part2 VM作成編(この記事)
- Part3 外部アクセス編
この記事シリーズで取り扱うProxmox VEのバージョンは9.0です。
はじめに
この記事は、ミニPC+Proxmox VEでホームラボ環境を作る備忘録シリーズのPart2です。
前回までで、Proxmox VEを実際にミニPCに対してインストールし、WebUIが動作していることの確認を行いました。
このシリーズは資格学習用ホームラボの環境構築を目指しているため、今回はProxmox VEで実際にVMを作成していきたいと思います。
書くのが面倒なので、Proxmox VEはPVE
と記載しています。
LinuCで構築したいディストリって…?
さて、改めてこの記事シリーズは資格学習を兼ねたホームラボ環境の構築が目標になります。
となれば、その資格とやらに必要なLinuxディストリビューションは調べておく必要があります。
筆者が取得を目指すベンダー資格LinuC
は、LPI-Japanが主催する日本市場向けのLinux技術者認定資格です。
この認定試験は、Linuxディストリビューションにできるだけ依存しないように試験内容を策定していますが、学習環境を作る際はAlmaLinux
とDebian GNU/Linux
を構成するようにFAQサイトに記載しています。
Q.LinuCを学習する上で、どのようなディストリビューションを使って学習をしたら良いですか?
A.LinuCは、ディストリビューションに中立な認定試験ですが、学習環境を構築する場合はAlmaLinuxおよびDebian GNU/Linuxを使用することをお勧めしています。
引用元
AlmaLinuxは、Redhat Enterprise Linuxとバイナリ互換を目指すディストリビューションです。
なので早い話、RHEL
系とDebian
系の環境を作ればいいと解釈できます。
今回はRedhat Enterprise Linux 9.6
およびUbuntu 24.04
をインストールしました。
ISOイメージのアップロード
PVEはVM作成時に、作成したいOSのISOイメージを選択することができるのですが、そのためには予めPVEにISOイメージをアップロードしておく必要があります。
左側メニューから、データセンター>pve>local(pve) と進み、ISOイメージ
を選択すると、ファイルのアップロードか指定URLからダウンロードを選ぶことができます。
ここでアップロードしたファイルは、/var/lib/vz/template/iso/
に保存されるので、PVE端末に対してSSH接続し、SCPとかでファイル転送してもよさそう。
仮想マシンの作成
PVEの画面右上に、VMを作成
ボタンがあるので、これをクリック。
仮想マシンの命名
作成用ポップアップが表示されるので、PVEで管理するVM名を付けてあげます。
詳細設定にチェックを入れて、ブート時に起動
のチェックを入れておくと、PVEをインストールしたPCの電源が上がったとき一緒に起動してくれます。(自動復帰してほしいサーバーとかに使うと良さそう)
OSイメージ選択
次はOSイメージの選択です。
ストレージは一旦デフォルトのlocal
でよいでしょう。
その下のISOイメージをクリックすると、予めアップロードしたISOイメージの一覧が表示されるので、目的のイメージを選択しましょう。
システム設定
システムはデフォルトで進めますが、ここでも色々カスタムできるところがあります。
ディスク設定
ディスクは、サイズ設定とか追加ディスクとか色々設定可能ですが、ここもサイズ以外はデフォルトで進めます。
CPU設定
CPUもデフォルト設定で。vCPU周りの設定や、CPUフラグの設定もできるみたいです。
メモリ設定
NW設定
作成サマリー
ここまで進めると、作成する仮想マシンのサマリーが表示されます。
右下の完了をクリックすると、仮想マシン作成が始まります。
仮想マシンの起動・コンソール接続
仮想マシンが作成されたら、左側メニューから作成した仮想マシンを選択。
右上メニューで開始
を選択し、中間メニューのコンソール
を選ぶと、実際の仮想マシンの画面が表示されます。
OSのインストール
実際のOSインストールは、様々な先駆者がいらっしゃるので、この記事では省略します。
普通にインストールする分には、PVE特有のクセみたいなものはありませんでした。
自宅LAN内からのアクセス確認
IPアドレス確認
作成した仮想マシン上でIPアドレスを確認しておきます。
user@ubuntu1:~$ ip a
表示結果は下記です。
今回の環境では192.168.1.58
が自宅のLAN上で割り当てられたIPアドレスのようでしたので、こちらに対してSSH接続を試みます。
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever
2: ens18: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000
link/ether bc:24:11:65:55:85 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
altname enp0s18
inet 192.168.1.58/24 metric 100 brd 192.168.1.255 scope global dynamic ens18
valid_lft 6694sec preferred_lft 6694sec
inet6 fe80::be24:11ff:fe65:5585/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever
念の為、接続元とするメインPCのIPアドレスも確認しておきます。
c:\>ipconfig
192.168.1.85
がメインPCのIPアドレスです。
Windows IP 構成
イーサネット アダプター イーサネット 2:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.1.85
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.1.1
接続確認
使用するターミナルは、Windowsユーザーが愛してやまないTera Term
を使用しました。
ダウンロード先
まとめ
この記事では、仮想マシンの作成と、接続確認する様子をお届けしました。
作成時のオプションはほぼデフォルト設定を選択しましたが、カスタムできる部分もあるので、用途に応じて変更しましょう。
次回は、Tailscaleを通じて宅外からSSH接続する様子をお届けします。
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