シリーズ一覧
- Part0 PC準備編(この記事)
- Part1 Proxmox VEインストール編
- Part2 VM作成編
- Part3 外部アクセス編
この記事シリーズで取り扱うProxmox VEのバージョンは9.0です。
はじめに
所属会社の評価を上げたい!という私利私欲にまみれた理由で
LinuCの勉強をしているのですが、自分のメインマシン上に構成したVMwareをいちいち起動するのは面倒だし、起動中にリソース食われるのも気に入らないし、どうせならずっと動かしておけるサーバーがあったら良いなって思うし……。
そんな理由から、ミニPCで仮想化プラットフォームの環境を作ろうと思いました。
ずっと仮想マシンを動きっぱなしにできたらいいし、勉強に使わなくなったらホームラボとして使えるから良いじゃん!作っちゃおう!という記事シリーズです。
Proxmox VEって何?
公式サイト
早い話、仮想化プラットフォーム製品の一つです。
VMwareだとか、Hyper-Vだとか、様々な仮想化プラットフォーム製品があり、Proxmox VEもその一つです。
オープンソースで、WebUIを提供しているため扱いやすく、ホームラボの環境を作るにはもってこいだと感じたので、これを構築してみます。
書くのが面倒なので、以降はPVE
と記載します。
ミニPCの選定
選定時に気をつけた事
ホームラボ環境の要件によって、必要となるPCは様々なので、選定時に気をつけた事を記載しておきます。
- 仮想化の対応について
- Intel VT、またはAMD-VフラグがあるCPU・マザーボードが必要です。
- これが無いと、PVE上で起動しているゲストOSのパフォーマンスがまともに使えないレベルで落ちるそうです。
- 拡張性
- 後から起動する仮想マシンが増えてきたときに、メモリの増設ができるようになっていると本体買い換えとか起こさなくて済むので楽だと思います。
PVE HW要件
Proxmoxの公式ページを見てもらった方が良いと思います。
ただし、今回のシリーズはホームラボ規模の環境構築なので、真面目に考えているのはメモリとCPUくらいです。
以下は、2025年9月時点の推奨要件の内容です。
項目 | 要件 | 備考 |
---|---|---|
CPU | Intel 64 または AMD64 | Intel VT/AMD-V CPU フラグが必要 |
メモリ | 最小2GB | OS とProxmoxVEサービス用 + ゲスト用の専用メモリ Ceph や ZFS 使用時は追加メモリが必要(1TBストレージあたり約1GB) |
ストレージ | 高速で冗長性のあるストレージ | SSDディスクで最良の結果 |
OSストレージ | ハードウェアRAID + BBU | または ZFS + SSDキャッシュ(非RAID構成) |
VMストレージ | ハードウェアRAID + BBU | または ZFS(非RAID構成) ※ ZFS と Ceph はハードウェアRAIDコントローラーと非互換 共有・分散ストレージも利用可能 |
ネットワーク | 冗長Gbit NIC | ストレージ技術とクラスター構成に応じて追加NIC 10Gbit以上もサポート |
PCI(e) パススルー | VT-d/AMD-d CPU フラグ | PCI(e) パススルー使用時のみ必要 |
公式サイトのシステム要件情報
今回の構成
HW要件と、セールの実施とかのタイミングが合っているかとかでPCを決めました。
金額感の目安で合計金額も記載していますが、実際にはメモリとストレージは自宅に余ってたパーツを使い、PC本体もクーポンとかで割引をしているので、実費は5万円前後くらいです。
製品名 | 価格(円) | 備考 |
---|---|---|
ミニPC:MINISFORUM UM870Slim | 63,880 | AMD Ryzen 7 8745H搭載。 PC本体+CPUのみのベアボーンキットです。 |
メモリ:シリコンパワー DDR5 32GBキット(16GB×2) | 13,180 | |
ストレージ1:Team M.2 2280 NVMe SSD 1TB | 9,280 | |
ストレージ2:Cucial P1 M.2 2280 500GB | 6,624 | |
合計 | 92,964 |
BIOS設定変更
予め、BIOS設定周りでやっておいた方が良い便利な設定を入れておきます。
AC電源復旧時にパワーオン
BIOS設定項目に、AC Powerloss Option
みたいな項目がある場合はこれをONにしておきます。
こうすると、停電が発生して電気が復旧した後、PCの電源投入操作が自動的にできたりします。
CPU仮想化支援オプション
Intel VTだとか、AMD-Vとかの仮想化支援オプションが有効であるかを確認しておきます。
これを有効にしておかないと、先述したとおりゲストOSがまともに動かせなくなるので、念の為見ておきます。
※今回使用するPCはAMD CPUなので、SVM Enable
の項目が該当します。
まとめ
この記事では、PVEを導入するPCの選定について記載しました。PCの選定は皆様の都合によって変化するので、あまり面白くなかった回だと思います。
次回は、PVEのインストールを行っていきます。
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