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心に灯を、過去に​感謝を、​​​​​​​​未来に花束を。​スクラムフェス神奈川で話した、私の心のなか

Last updated at Posted at 2025-03-17

スクラムフェス神奈川2025でキーノートをしてきたよ

心に灯を、過去に​感謝を、​​​​​​​未来に花束を。
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この記事を開いてくれてありがとうございます。
この記事は、私の個人的なふりかえりです。
スクラムフェス神奈川のキーノートの裏話のポエムです。

でも、心の中に葛藤や苦しみを持っている人にも、何か渡せるものがあれば、と思って書いています。ここから先を読んでくれる、あなたのために、花束を。

スクラムフェス神奈川の概要

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Scrum Fest Kanagawa 2025 -春の陣- は、2025年3月15日から16日の2日間にわたり、天成園 小田原駅 別館で開催されたホテルカンファレンスです。2日間かけて、多くのセッション、会話が行われ、5-60名程の参加者が同じ場所に集まり、交流し、より深い話ができるようになり、共に歩む仲間とつながれる、そんな素晴らしい場でした。

イベントのテーマ

カンファレンスのテーマは、2024から継続して「心に火を灯す」でした。
今年も、みんなの心に、火を灯せたでしょうか。

キーノートを話すにあたって

ご指名をいただけた反面、何を話そうかすごく苦悩しました。恐らく他のカンファレンスでキーノートの依頼をされたならば(お声がけ待ってます)、「ふりかえり」への想いや、私が初心者向けにふりかえりの話をしている理由と、その先に描く未来などをお話することになっていたかと思います。きっとそれはそれで、すごくわくわくする話ができると確信しているし、私自身も心が躍ります。

ただ、今回は「スクラムフェス神奈川」。テーマが「心に火を灯す」。私がみんなに火を灯せるとしたら、たぶん私が自分の心の内側を見せることが一番よいのでは、とかすかに感じていました。でも、その内側を誰かに見せたことはほとんどありません。本当に仲の良い人と1対1でお酒を酌み交わしていたときにだけ、ぽろりと漏らすことはありますが、その程度です。
今回の登壇では、外から見える私を形作る部分をすべて捨てて、ありのままの私をさらけ出すことになると思っていました。どこまで自分で開示できるのか、正直筆がどれだけノるかが自分でも読めないところではありました。

私の周囲には 「私なんてどうせ」「他者には分かってもらえない苦痛がある」「他人からなんと言われても自分を卑屈に見てしまう、苦しい」という辛さを抱えている人がたくさんいました。
仕事でも、プラベートの付き合いでも、コミュニティでも。そういった苦しみを感じていると私が認知できているのはきっと一部分の人だけで、その辛さを出さずに振舞っている人がたくさんいるのも分かっていました。

そういう人たちに「あなたはここが素敵だね」「こういうところが私からは凄いって思うよ」といったポジティブなフィードバックをしても、その人の心には届かないこともあります。より落ち込ませてしまうこともあるでしょう。それは、その人が私とを比べて、「自分とは違う特別なことをやっている人」という風に認知した瞬間に、私と同じ土俵(例えばふりかえりに関する知識とか)で相対評価を始めて自己嫌悪に陥ってしまうからです。実際には、同じ土俵に上がる必要などない んです。その人にはその人にしかない人生と、成長ストーリーと、光り輝く長所があります。 でも、私が自分を飾って話をその人に接しようとしていたら、きっとそういった話をしても受け入れる準備ができないと思いました。実際、1on1やメンタリングをするうえで、私が深い自己開示をしてはじめて、相互の理解が深まり、私の話を受け入れてくれるといった経験を何度もしてきました。

私がキーノートとして話すべきなのは、痛みを伴う自己開示をして、ありのままの私を晒して、私の心の中からの言葉を伝えることなんだ 、と、色々とキーノートを書くためのマインドマップを書き広げながら感じていきました。

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(講演の時に毎回マインドマップ書いて広げていくのですが、私の過去最大級のマインドマップになってました。これで1/3くらい。)

このふりかえりを書く上で、何度もなんどもスライドを見直していますが、スライドを見るたびに自分でもダメージを食らいます。たぶん、今後の人生でも何度も何度も見返すことになります。そのたびにダメージを負うこと間違いなしです。特級呪物を生み出してしまった…。

キーノートの序文に込めた、等身大の自分として聞いてほしいという願い

あなたは、何者になりたいですか?あなたは、何をする人でしょうか?
わたしは、ふりかえりのエバンジェリストです。周囲からも認知され、その期待に沿えるように振舞いました。わたしのことを書籍や講演から知ってくれた人には、どこか遠い存在の人のように見えているかもしれません。でも、そんなことはないんです。

わたしは、自分の心の中に虚像を作り、理想の自分であろうとし続けました。理想と現実のギャップに悩み、頭を抱えてきました。わたしは、わたしは?わたしは、何者かになりたかったのかもしれない。それすらも、もはや分かりませんでした。そんなとき、わたしというカタチを自覚できたのは、関わってくれた人たちがいたからでした。

ふりかえりのエバンジェリストとして、普段ふりかえりの話ばかりしている私ですが、今日はその話はしません。自分の、これまで語ることのなかった、語りたくなかった、見せてこなかった。わたしが私になるまでの話をします。

今日は、あなたと同じひとりの等身大の人間として、周りのみんなに灯してもらった心の火を、あなたにも渡しにきました。
心に灯を、過去に感謝を、未来に花束を。

キーノートを話す人だから、どこか違う世界の話だ、と線を引いてほしくはありませんでした
私もそうだったように、コミュニティに参加したばかりだったり、登壇の経験がなかったりすると、登壇している人、キーノートを話す人は神のような存在に思ってしまうことがあります。
同じひとりの人間として、あなたに伝えたいことがある、そういうメッセージを込めたつもりです。キラキラしている部分だけ見せて来たけれど、そうじゃないドロドロのぐちゃぐちゃの感情も、私にはある。そこまでを開示する決意をしました。

キーノートを作っていくうえで沸き上がる感謝

最初に思い浮かび、書き出していったのは、私を作り上げてくれた人たちへの感謝でした。
50人を超えるいろんな人への感謝の言葉や、彼らが私に向けてくれた温かい言葉がリフレインして、それを思い出しながら書き出していきました。
願わくば、この場ですべての人たちに感謝を伝えたいところですが、スライドに載っていない人まで名前を書き出してしまうと、名前が載っていないことに対してショックを受けてしまう人もいるだろうな、と思いますので控えておきます。
私がコミュニティに関わってから、SNSで関りを持った人だけでも数百人(現地で直接話したことのある人じゃないとこちらからフォローやフォローバックしてません。ごめんね)、SNS外での繋がりを数えれば千人を軽く超えそうです。彼ら一人ひとりと私との物語があって、本当にいろんな人に恩を受けて、背中を押されて、わたしが私になっていきました。

私と関わってくれた人すべての人に、本当に感謝しています。

言葉を交わしてくださったあなた、温かい言葉をくださったあなた、私の作ったコンテンツを使ってくださったあなた、本を読んでくれたあなた。
コミュニティに入れてくれたあなた、コミュニティを一緒に作り上げたあなた、コミュニティで話してくれたあなた、参加してくれたあなた。

本当に、本当に感謝の言葉が尽きません。ありがとうございます。私を作り上げてくれて、ありがとうございます。

直接お会いする機会があったら、言葉にして感謝を伝えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

キーノートにひっそりと込めた、稲山さんへの追悼

故人となってしまった、稲山さん。私が黄色い人になったきっかけを作ったひとりであり、私がふりかえりのエバンジェリストとして様々な書籍を発行するに至った大きな後押しをいただいた方です。
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2018年の稲山さん(左)と私(右)。2021年にお亡くなりになりました。

技術同人誌を作る本を商業誌で出されるなど、2016年~2021年頃の技術書展、技術書同人誌博覧会などのエンジニアが中心となった大規模技術書イベントのムーブメントの中でも、多数のエンジニアの方へ大きな影響を与えていた方でした。
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書籍はAmazonではもう入手できないようです。こちらから購入はできるかも?

病気にて入院なさり、そのまま急変してお亡くなりになってしまったのですが、入院前にも一緒にyoutubeで収録をしていたり、手術前も元気な姿をみせていて、どうせすぐに帰ってくるだろうと思っていました。いきなりいなくなるというのが全く想像できず、心にぽっかりと穴が開いてしまったように感じていたのを覚えています。

私が今の私であるには、彼がいたからこそ、でした。 彼がいなかったら、間違いなく違う道を歩んでいたでしょう。少なくとも、書籍執筆に触れる未来はなかったでしょう。少なくとも、黄色い服をイベントに行くたびに着る「黄色い人」と言われることもなかったでしょう。もしかしたら、「ふりかえりのエバンジェリスト」にはなっていないで、ただ「ふりかえりが好きな人」止まりだったかもしれない。

こんなに私はいろんなことができるようになったよ、あなたのおかげだよ、って、スクラムフェス神奈川のイベント会場にも来てもらえて、本当は伝えたかったけれど、その場にはいない。

なんとなく、稲山さんが天国で見てくれるかな、聞いてくれるかな、って思って、隣の椅子に稲山さんが作ってくれたTシャツを置いて、発表することにしました。
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発表前はこんな感じで穏やかに笑ってて、泣くつもりもなかったんですけど。一番前に座って聞いていてくれた、稲山さんと同じく技術書界隈を盛り上げてくれていたしゅういちろうさんから、セッション前に 「あの黄色い服は、稲山さんですか?」 って聞かれてしまって。

「はい、聞いてほしくて」って言葉を紡いだ瞬間に、笑顔で応えたんだけど、もう、その場で二人して泣いてしまって。

私の成長を一番楽しみにしてくれていた人だったと思うし、一番温かく背中を押し続けてくれた人だった。

だめだ、これを書いて今泣いています。

セッションが始まり、自分の昔語りをするのですが、稲山さんの顔がスライドに出てきた瞬間に、泣き崩れてしまいました。あんな大勢の人前で、泣いたのは初めてでした。

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(笑顔の稲山さん。あなたの「折れば本だよ」って言葉は会場のみんなにちょっとバズったよ。やったね)

涙で前が見えなくなって、声がでなくなって、でも、震える声で、稲山さんにありがとうって伝えられて、自己満足かもしれないけど、本当によかったです。
生きているうちにも、たくさんありがとうを言えたから、そこに心残りはないけれど。今後の人生でも何か辛いことがあるごとに彼のことを想いだして、感傷にふけって、彼が背中を押してくれる想像をして、ちょっとだけ頑張ろうってなれるんだろうなって思います。

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(私の仕事机には、彼が亡くなったあとに追悼としてちびちびのんでいたブランデーの空瓶が、3年以上経った今でも残っています。見るたびに、勇気をもらえている気がするんです。)

私は、彼のように、背中を優しく押せる、そんな人になりたいなと思い続けています。
なれたかな?なれてるよね、きっと。

「大丈夫だよ、森ちゃん」って言ってくれた気がしました。

私のこと、森ちゃんっていうの稲山さんだけなんですよね。
なつかしいなぁ。

個人的な感傷であって、稲山さんの話が、他の人に伝わるかどうか、は分かりませんでした。
でも、涙で前が見えなくなっている私の姿を見て、多くの人が一緒に涙してくれていた、と後から聞きました。
共感してくれたにせよ、稲山さんのことを想ってくれたにせよ、嬉しかったです。

みんなから私が得たバトンを、あなたへつなぐ

「恩送り」。私が新井さん(書籍カイゼンジャーニーの著者で有名)から教わって、新井さん以外の人にも同じようなことを教えてもらって、私が大好きになった言葉でした。

私はコミュニティで受けた恩を誰かに返したくて、自分なりに発信を続けてきました。

現場公開を私のチームでも行って、結果的にチームが成長した話とか。
https://speakerdeck.com/viva_tweet_x/kai-fa-xian-chang-falsegong-kai-karajian-etekita-timugaxi-garihe-u-xin-siishe-hui-falsekatati

新卒向けのふりかえりの研修資料とか。
https://speakerdeck.com/viva_tweet_x/cheng-chang-wojia-su-saseruhurikaerishi-jian-wakusiyotupu

みんなが使ってくれている、ふりかえりカタログとか。
https://qiita.com/viva_tweet_x/items/f4db2c923d474f67fe0f

コミュニティで出会った人たちがそうであったように、無償のgive & give。pay it forward。
それで幸せ溢れる現場が増えるなら、喜びが増えるなら、それが私の幸せだと感じるようになりました。

アジャイルコーチであるアトラクタのkiroさんからは、よく美味しいものを食べに連れて行ってくれ、私が人生に悩んだとき、仕事に煮詰まったとき、心が苦しくなったとき、いつもアドバイスをくれました。
それを私も恩を誰かに返したくて、各地のスクラムフェスでおいしいものを誰かと食べに行って話したり、そこでまた恩送りをしてほしいという話をしました。スクラムフェス神奈川2025が終わった後に、kiroさんと一緒に鰻を食べに行って、「お前も生意気に育ったな」って言ってもらえてすごく嬉しかったです。頭の中にはいつもイマジナリーkiroがいて、疲れてると「寝ろ」って言ってきます。今この記事を23:30に書いてますが、「寝ろ」って言ってきます。この記事だけはもうちょいやらせて。

私をコミュニティの場へと連れて行ってくれた石橋さんや、森實さん(@samuraiRed)に倣って、仕事の同僚や後輩をイベントに連れ出してみたりもしました。スクラムフェス神奈川2025にも、同僚の2人が来てくれて、「こんな素晴らしいイベントはない、この世界を会社の人にも見せたい」って言ってくれて、すごく嬉しかったのを覚えています。

私にファシリテーションを教えてくれた高柳さん。「弟子活」と題して、無償で1年間、私がワークショップの企画と実施をするのにアドバイスをくれて、私を育ててくれました。それに倣って、私もファシリテーターとして、ふりかえりのエバンジェリストとして、弟子活をし、たくさんの人と深い繋がりを持つこともできました。そのつながりで逆に仕事をもらえたり、今でもいろんなところで話をしたり、と与えたものがなぜか私に返ってくるというのも経験しました(ありがたいです)。

アジャイルコーチのアトラクタのryuzeeさんにも、アジャイルに関する様々なことをコーチとして教わりました。彼のismを勝手に継承したつもりになって、私もコーチングしています。私の中には、彼の教えがいつだってありました。

私は、ほんとうにたくさんのバトンを受け取ってきました。今でもたくさん受け取っているなぁと感じています。

以前、kiroさんに聞いてみたことがあります。
「こんなに恩を受けてばっかりで、どう返せばいいのか分かりません」 と。
即座にこう答えてくれました。
「老い先短いワシに恩なんて返すな、他の人間に返せ」

以前、稲山さんはブログでこういってくれました。
https://inayama.hatenadiary.jp/entry/2021/02/06/183843

技術同人誌から商業誌を単著で書くなんて、すごいですね。もちろん、その前後にふりかえりのプラクティスがたくさんあって、それは良いものだから現場で困っている人に伝えて、同じ様に良い方向に進んで欲しい。そんな思いを積み重ねて、活動を続けてきた1つの事例です。
それは稀有なことなのでしょうか。

そうは思いません。

今は、技術同人誌から商業誌として世の中に出すパスができています。例えばこの本も技術同人誌から商業誌になった本です。
思いがあるなら、思いをそのままにしない。

薄い本にしましょう。たくさん、小さな失敗をして(しなくて済む失敗はしなくても良いですよ)薄い本を書いてみましょう。

本を書くことは大変なことだからと躊躇するなら、ブログに思いを書いて、それを再編集するのはどうでしょう。

~中略~

もし、どうして良いかわからなかったら、Twitterで聞いてください。ベストエフォートになりますが、知っていることはこうかもと何かしら応えられるかもしれません。私の周囲にいるたくさんの同人誌を書いているエンジニアが寄って集ってサポートしてくれるでしょう。

あと、#推しの技術同人誌 に参加されても良いかもしれません。普段は技術同人誌を森さんと私で紹介する番組ですが、相談の場にしても良いかもしれません。

次はあなたがバトンを受け取ってくださいませんか。

バトンを渡す
こんなに素敵な世界があることは、私は今まで知りませんでした。
この素敵な世界を、私も広げたい。
そう、心から強く思っています。

私も、仕事の同僚にこう言われたことがあります。
「森さんには本当にお世話になって。仕事の成果で返します」
そういわれたときに、みんなの言葉が心に浮かび、こう返しました。
「いいんです、私に返さないでください。あなたに部下ができたとき、その人に、私から受け取ったものを渡してください。繋いでください。」

これからも、私が他の人から受け取ったバトンがあったら、そのバトンに自分なりの装飾をして、きっと他の人に渡すでしょう。渡された人は、更に自分なりの装飾をして、きっと他の人へと繋いでいきます。

この記事をここまで読んでくれたあなたが、何か感じたことがあったら、同じように、バトンをつないでくれると、私はとっても嬉しいです。

あなたに向けた、キーノートにした

ここまで書いてきたように、私は色んな人からの恩を受けてきました。彼らへの感謝を伝えつつも、この発表を聞きに来てくれた人、そして聞きに来ていないけれど、私と同じような気持ちを感じている人に向けて伝える内容にしたいと思っていました。

押し付けがましいと思うかもしれませんが、ここまでの話で何かを感じてくれた、ここまで読み進めてくれた、あなたのために書きました。

去年のスクラムフェス2024でキーノートをした小田中さんからは、私に向けたメッセージはあったのはとてつもなく嬉しかった。
https://speakerdeck.com/kakehashi/learning-cycle-between-a-team-and-a-community

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私もそんなメッセージをくれた小田中さんに去年アンサーソングを返したし、
スクラムフェス神奈川2024 小田原の中心で小田中への愛を叫ぶ - Qiita

なんなら同じ話を今年もしたわけだけれど。
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でも、それ以上に、みんなに心の火を灯したい、小田中さんのそんな思いが伝わってきました。

私も、心から、みんなのために、あなたのために、バトンを渡したい。

そういう想いで、書き起こしたスライドが、こちらでした。

心に灯を、過去に​感謝を、​​​​​​​未来に花束を。
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私の心に灯(あかり)がともり、過去に感謝を伝え、そして未来(みんな)へ贈る、ブーケトス。あなたに向けて投げた花束です。結婚式だと、自分の意図とは関係なしにブーケトスは降ってくることがありますよね(私は男性なのでブーケトスは見ているだけですがw)。たまたま手元に落ちてきた、そんな偶然でいいと思っています。その意味をどう捉えるかは、あなたが決めてくれればいいと思います。

60分の講演時間のところ、実に85分も喋ってました。
タイムボックス守らなくてごめんなさい。
「60分が一瞬でした」なん嬉しい声もいただけたのですが、85分でしたね。。。だってタイマーが途中から涙でみえないんですもの。しょうがない。

講演でみんなにメッセージを伝えきったあと、みんなからは本当にすごく長い時間、拍手をいただきました。これまで数百回の登壇をしてきた中で、一番長い拍手の時間でした。拍手をもらっている間、ずっと頭を下げていたのも初めてでした。温かくて、嬉しくて、悲しくて、ぐちゃぐちゃな感情で、涙まみれの顔で、拍手に送られて自分の席へ戻ろうとしたときに、小田中さんに力強く抱きしめてもらって、また泣いてしまいました。

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自分の席に戻った後に、私と同じように泣き顔のパウリさんにも抱きしめてもらったり、akiさんに優しく肩を叩いてもらったり、「がんばったね」ってみんなに声をかけてもらえたり。みんなの優しさが本当に嬉しくて、ありがたくて。私はこの経験と気持ちを、一生忘れないと思います。

このスライドも、自分の心の中を初めてすべてさらけ出したもので、最初は公開する予定もありませんでした。いろんな人から「また見たい」「他の人にも伝えたい」と言ってくれたから、背中を押してくれたから、公開に踏み切ることが出来ました。

公開するまでには、公開のボタンを押すには、今までのコンテンツ公開の1000倍、勇気がいりました。公開してしまえば喉元過ぎたようなもので、意外と大丈夫だったりはするのですけどね。

スクラムフェスの動画は一般公開される傾向にありますが、今回のキーノートに関しては、参加者限もしくは、参加者の知人や同僚に限る、という形で限定公開の形を運営にはお願いしています。

見たかった、という方はごめんなさい。

発表をしていた私は、カメラ越しに見る私は、ひどくちっぽけで、みじめで、泣き崩れて、みっともなくて。他の人からはそうじゃないよって言ってくれたとしても、さすがにそこまで開示する勇気は私にはありませんでた。

ただ、誰かが私の話を聞きたい、とおっしゃっていただけるのであれば、直接お話しに行きます。
その勇気は今持てています。私の言葉が誰かの力になるのであれば、私の目の届く範囲であれば、あなたへ恩送りができると思います。いつでも、声がけください。

学びと恩は循環していく

Day2のLTで、パウリさん(@pauli_agile)と小田中さん(@dora_e_m)からは、こんな声をいただけました。

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そうそう、君のために話したんだ。

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そうなのよ、よくわかってるじゃない。
参加したみんなが、「私のことのように感じていました」「私自身を重ねてふりかえりながら聞いていました」と伝えてくれて、ブログで書いてくれて。本当に、本当に嬉しかったです。
みんなの心に灯が、明るく輝いているのが見えました。

でも、1つだけお願いがあります。
全力でアクセルは踏み込まないでほしい。
それが心をすり減らしていくのを、私は知っているから。
心のガソリンに火がついたのなら、ゆっくりゆっくり加速していこう。

疲れたら、きっと仲間の誰かが、そして私が、あなたの停留所になれると思います。

人生の旅路を、あなただけの特別な旅路を歩んでいこう

(※雰囲気で書いています。宇宙の詳しいツッコミはご遠慮ください)
世の中には、あなたから観測したときに、恒星のような輝きを持つと感じる人がいると思います。
恒星には引力が強いから、恒星の周りで、あなたはぐるぐると周って、照らされる時間もあるでしょう。照らされているうちに自分という星に影ができるのも自覚するかもしれない。
恒星の周りで回るうちに速度が高くなって、第三宇宙速度になって飛び立って。
次の恒星を見つけて、そこの引力にまた引き込まれる。
時には近くの恒星をいくつか見つけて、スイングバイして、更に加速することだってあるかもしれない。逆に、減速することもあるかもしれない。
でも、そうやって自分にしかない弧を描いて進んでいくことが、きっと人生の旅路なんじゃないかなと私は思います。

もしかしたら、自分の心という恒星の引力に引きずられて、頭の中で考えがぐるぐるぐるぐる回って、何週もしてしまう、立ち往生してしまっているように感じることもあるかもしれません。でもそれは完全に止まっているわけじゃなくて、心の周りをぐるぐると回って弧を描いていて。周囲から見たら、その弧を美しいと思う人も、そして美しいと伝えてくれる人もいます。

たいせつなのは、その美しい弧を自分で、そして周囲からの声で自覚すること。その瞬間に、今まで描いてきた軌跡の全てが光り輝いて、暗く宇宙の闇の中だったような気持ちの宇宙が、星々と軌跡によって明るく輝いて見えてくる。

そのうち、自分という星が熱を帯びて、光を放つようになって。そうして、あなたはきっと誰かにとっての恒星になるんです。そうして、世界は輝いていく。

あなただけの旅路を、特別な旅路を、歩んでいこう。

ここまで、読んでくれて、本当にありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。

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