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CompTIA Data+受験記〜勉強方法と試験の感想〜

Last updated at Posted at 2024-02-22

CompTIA Data+

CompTIA Data+とは、データドリブン型のビジネス意思決定の構築と促進を担当するデータアナリスト向けの認定資格です。
CompTIA Data+は、2022年2月28日に英語配信がスタート日本語配信は2022年10月19日にスタートし、「Data+(試験番号:DA0-001)」日本語試験が配信開始されています。

CompTIA Data+ 試験概要

  • 試験番号:DA0-001
  • 問題数:90問
  • 出題形式:単一/複数選択
  • 試験時間:90分
  • 推奨する経験:
    • レポート/ビジネスアナリストにおける18〜24ヶ月の実務経験
    • データベースや分析ツールの使用経験
    • 統計学の基本的な知識
    • データビジュアライゼーションの経験
  • 合格ライン:100~900のスコア形式 675スコア以上

CompTIAが実施しているデータサイエンス領域の試験を職務内容にあてはめると、次のような関係性になります。

認定名 職務内容
CompTIA Data+ マーケティング、セールスなどの職務を含む、データドリブン型の意思決定をサポートする知識を網羅。データ分析の18〜24ヶ月程度の実務経験。
CompTIA DataSys+ エンジニア職種を対象、データ収集、データベースの展開、管理、メンテナンスなどに関する知識を網羅。データベース管理者として2〜3年間の実務経験。
CompTIA DataX データサイエンス職種を対象、数学と統計、モデリング・分析・結果、機械学習、運用とプロセス、データサイエンスの特殊な応用に関する知識を網羅。データサイエンティストとして5年間の実務経験。

CompTIA Data+ 出題範囲

項目 出題比率
データの概念と環境 15%
データマイニング 25%
ビジュアライゼーション 23%
データガバナンス、品質と管理 14%

筆者の受験動機

私の専門はサイバーセキュリティアナリストです。
その職務の一環として、データサイエンスの手順(OSEMNモデル)に基づき、機器が出力するログ・マシンデータの分析や、コマンドラインによるデータセットの分析、Splunkによるデータビジュアライゼーションなどを日常的に実施していました。
しかしながら、データサイエンスに関して体系的に学ぶ機会はなく、いずれは学んでみたいとの課題意識がありました。
そんな折りにCompTIA日本支局より、Facebookコミュニティにて「合格者の声」と題したイベントでの登壇機会をいただきました。これを良き機会と感じ、「短期間(2週間)」でData+に合格するには何を実施すべきなのか、実録形式で実践してみようと思い立ち、今回受験に至りました。

筆者の前提知識

Data+ 受験前に、次のとおり、別分野のCompTIA認定を受けていました。

受験日 試験番号 試験名 受験記
2023年04月06日 CAS-004 CompTIA CASP+ Qiita
2021年12月02日 CS0-002 CompTIA CySA+ Qiita
2020年11月11日 PT0-001 CompTIA PenTest+ Qiita
2019年04月14日 TK0-202 CompTIA CTT+ Classroom Trainer Qiita
2004年04月18日 N10-002 CompTIA Network+ -
2004年01月25日 IK0-002 CompTIA i-Net+ -
2004年01月18日 SK0-001 CompTIA Server+ -
2004年01月11日 SY0-101 CompTIA Security+ -

事前の情報収集

Data+ 試験の受験検討にあたり、公式サイトにて公表されている次の資料を参照してください。

勉強方法

ステップ1. 受験前にXへポストする内容を書く:合格者のように振る舞う

最初に取り組んだことは、Xへポストする合格報告の下書きを書くことです。実際に投稿した内容がこちら。

ここでの狙いは、明確なゴールイメージを持ち、合格者のように振る舞うということを意識してのアクションでした。
Data+を取得して、どんな自分でありたいのか。
その資格を第三者へ一言で紹介するには何をアピールすべきなのか。
こんなことを考えて、これからの勉強に備えました。

ステップ2. 受験手記集め:合格者の共通項を知る

受験手記は資格取得における有効な攻略ガイドと位置づけています。
先人の知恵、合格者が検証済みの方法、どんな勉強法、参考書を使用したのかなどをキャッチアップすることが狙いです。
今回、「@yokoshu25」さんの記事「【CompTIA】Data+ を勉強してみた」が特に参考になりました。

ステップ3. 参考書選び:出版社のサブスクリプションサービス利用のススメ

受験の際、可搬性の観点から参考書は電子書籍を選ぶことがほとんどです。英語の技術書を継続的に読む場合、各出版社が提供しているサブスクリプションサービスを契約し、利用する方が結果として割安となる場合があります。

今回は、CybexシリーズとPackt Publishingの参考書を選択しました。いずれも、サブスクリプションサービスに含まれている模様です(URLリンクはいずれもサブスクサービスの当該本ページ)。

ステップ4. 類似問題に挑戦

CompTIA公式ホームページには「類似問題」が掲載されています。
知識のインプット前に解いてみて、現時点でどのくらいのレベルであるのか自己認識します。
Data+ の場合、5問の類似問題が掲載されています。私の場合、参考書を読む前(学習前)の状態で4問正解することができたため、短期取得が可能であると判断し、挑戦しました。

また、CompTIA日本支局の公式Xでは、不定期にPOPQUIZと題したアンケート投票で類似問題を公開しています。同じく受験を志しているであろう人たちがどのくらい正解できる問題が出題されているのか判断する一つの目安になると思います。

ステップ5. 「出題範囲」を階層構造で整理

CompTIA公式ホームページには「出題範囲」が掲載されています。
この出題範囲を読みながら、ウェブアプリベースのアウトラインプロセッサ「WorkFlowy」を使い、階層構造を保ちながら整理する作業を行いました。
今回は行いませんでしたが、出題範囲を縮小印刷して、常に手元におきながら、参考書を読むことも有効です。
大事なことは、常に構造を意識し、記憶の出し入れがしやすい状態を整えてあげることです。

WorkFlowy.png

WorkFlowyは、このあとの問題演習ステップにて理解が不足している単元の把握と、ハイライト作業。用語の書き込みといった作業も併行して行っています。
さらに、弱いと判明した単元に絞ってテキストの精読を行い、知識強化を図っていきました。

ステップ6. 参考書の速読

参考書を読む前に、「@yokoshu25」さんが投稿されていたこちらの記事を読みました。データサイエンスについて、右も左も解らないのであれば、まずはこれら記事をチェックすることをオススメします。

ステップ7. 参考書の精読・問題演習:ChatGPTを使った壁打ち

短い期間で合格を狙うなら、勉強の主軸は、問題演習です。今回、私は一巡目の問題演習にて、ChatGPTを使った壁打ちを行っています。
このとき、参考書と同じ答えを導きだせている問題については、ChatGPTの解説を受け入れて内容を確認します。
キモは、参考書と異なる答えを導き出した問題。この問題については、参考書の解説を読みなおします。
そして、参考書の該当箇所を精読し、大規模言語モデルであるLLMが何をどのように誤解したのか探ります。この作業を通じて、間違いやすい箇所を手早く知り、知識の強化を図りました。

ChatGPT.png

ステップ8. 仕上げ:効果的な間隔反復で弱点克服

問題の一巡に約一週間使いました。残りの一週間で繰り返しの答練を行い、弱点の克服を図りました。
弱点を克服するには、自分が間違えた問題に対し、より多くの時間を費やすことが有効です。
アプリをうまく活用すれば、出題回数に対する正解率や反復すべき間隔について自動で算出することができます。
私の場合、learningBOX アプリの無料版を使って学習推移を自ら管理しました。
同じ目的、間隔反復を管理する目的で Anki アプリを使っている人もいらっしゃいます。

learningBOX.png

ステップ9. 受験中の心得

受験当日です。
まず、試験はすばやく終えることが望ましいと考えます。それを実現するための戦略が2つ。

  1. 一問当たりに費やせる時間を知っておくこと
  2. 捨て問の数を把握しておくこと

Data+の場合、試験時間は90分間です。
回答のチェックミスを見直す時間を10分間確保しておきます。こう考えると、90問の出題に対して、80分間をどのように使うのか戦略を練ることができます。1分以上かけて解らない問題は、難問か知識不足のいずれかと割り切ります。
まずは高速で一巡し、各問題にフラグをつけるべきか否かを判断します。
実際、Data+の受験では一巡を約30分間で終えました。一問当たり、約20秒。一巡目の作業はあくまでも正解の仮置き作業です。CompTIAの場合、合格ラインは約75%と。15から20問ぐらいは捨ててよい問題数といえます。

受験後の感想

スコアレポートでは合否のほか、受験者スコアが記載されています。また不正解の出題範囲についても記載があります。私の場合は、次の11項目について1つまたは複数の解答が不正解でした。

  • 1.1 データスキーマとディメンションの基本的な概念を理解する
  • 1.2 異なるデータタイプを比較対比する
  • 2.2 データベースのクレンジングとプロファイリングを行う一般的な理由を特定する
  • 2.3 与えられたシナリオに基づいて、データ操作技術を実行する
  • 2.4 データ操作とクエリ最適化のための一般的な技術を説明する
  • 3.1 与えられたシナリオに基づいて、適切な記述統計手法を適用することができる
  • 3.3 分析の種類と主要な分析技術の概要
  • 4.1 与えられたシナリオに基づいて、ビジネス要件を変換してレポートを作成する
  • 4.3 与えられたシナリオに基づいて、ダッシュボード開発に適切な方法を使用する
  • 5.2 与えられたシナリオに基づいて、データ品質管理の概念を適用する
  • 5.3 マスターデータ管理の概念を説明する

ステッカーをゲットしよう。

CompTIA日本支局では、オリジナルの認定資格ステッカーを配布しています。ステッカーをゲットし、ご自身のパソコンやスマートフォンに貼っておいてはいかがでしょうか。

CompTIA デジタルバッジの取得方法

CompTIAでは、認定資格を取得すると「デジタルバッジ(Digital Badge)」を付与しています。これは、デジタル認証を行う Credly の Acclaim プラットフォームを利用して付与されるサービスです。LinkedInを使っている人は是非、利用すべきサービスだと思います。第三者がバッジ経由で、スキルの詳細や取得者の信頼性を確認することができる良い仕組みです。
もちろん、私も「デジタルバッジ」を付与いただいています。

CompTIA公式

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