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【教授法】CompTIA CTT+資格取得で「教える技術」を身につける

Last updated at Posted at 2019-11-26

CompTIA CTT+認定資格は、2023年3月31日をもって提供が終了となることが 2022年12月09日に発表 されました。
また、CompTIA CTT+の改訂試験や後続試験の提供予定はないことも併せて発表されています。
なお、すでに、CompTIA CTT+の認定資格を取得されている方は、CompTIA CTT+認定者として生涯認定が維持されます。

なぜ、「教える技術」が必要だったのか

2017年頃より、これまでの経験を「講師(トレーナー)」として、教えて欲しいという要望をいただくことが増えてきました。
それ以前から、セミナーでの登壇などプレゼンテーションに関する機会は経験済みです。幸いなことに、「現役アナウンサーによるスピーチトレーニング」(KEE'S)や、「スポークスパーソンのためのメディアトレーニング」など専門教育を受講する機会にも恵まれてきました。
そんな背景もあって、話す技能については、人より多くの経験を積んできました。その甲斐あってか、セミナーのアンケート結果などは安定した評価が得られる状態でした。
そんな状態で満を持して講師デビューしたのですが、これが、「実機演習」や「机上演習(Table Top Exercise:TTX)」を含む実際の現場環境に則したトレーニングはそこそこ、というかかなり大盛況でした。
が、同時に何かが違うという漠然とした疑問も感じていました。
疑問を抱えたまま、研修コースをゼロから設計するといった作業にも従事するようになり、このままではマズいという思いはさらに募っていきました。
そんなモヤモヤの中でたどり着いたのが、体系的に専門知識を身につけることで、この不安を解消できるのではとの考えです。そのための道筋として思い出したのが、新人の頃に取り組んでいた「CompTIA」シリーズ、そしてこの「CompTIA CTT+」です。

CompTIA CTT+

**CompTIA CTT+**とは、正式名称を「Certified Technical Trainer」といい、CompTIAによってインストラクター(講師)の能力を認定するものです。
試験では、教育を成功させるために必要とされる指導力について、ツール、技術、知識毎に検証が行われます。
ここで「Technical」が意味しているのは「技術」に限ったものではありません。教授法等の「教える技術」に則しています。
出題範囲にある「12のスキル基準」に基づき、「受講者中心主義」の考え方を身につけることが求められます。

CompTIA とは

CompTIA(コンプティア)(CompTIA, The Computing Technology Industry Association, コンピューティング技術産業協会)とは、1982年に設立された、ベンダーニュートラルなIT関連資格・認定などを行っているIT業界団体です。
特定の製品に依存することなく、業務で求められているスキル、ナレッジを忠実に問う認定試験を行う団体として、広く知られています。
一部の認定試験は、米国国防総省(DoD)が、サイバー領域に従事する人員に取得が必須となる認定資格のリスト『DoD Directive 8570.01-M(米国国防総省指令)』に含まれています(参考資料)。こうした実績からも品質の高い認定試験を実施している団体といえます。

2段階で実務経験を認定

CompTIA CTT+の認定には、2段階あります。「知識テスト(CBT)」と「実技テスト(PBT)」です。これら2つの試験科目に合格することで、CompTIA CTT+認定資格が授与されます。トレーナーとして12ヵ月以上の実務経験を積んだと同程度の能力を有していると認定されます。

  1. 「知識テスト(CBT)」は多肢選択問題。合格すると2段階目の試験受験資格が得られます。
  2. 「実技テスト(PBT)」は実技試験(ビデオ撮影提出)。20分間の講義を録画し、指定されたスキルの実践、プレゼンデータの提出を行い、第三者機関にて評価が行われ認定されます。

The CompTIA Career Pathway

CompTIAでは、「The CompTIA Career Pathway」として、役割に応じた4つの区分(推奨キャリアパス)に分けて、認定資格を紹介しています。
これによると、CompTIA CTT+は、プロフェッショナルスキル区分に分類されている認定資格です。

区分 対象認定
コアスキル 「IT Fundamentals+」、「A+」、「Network+」、「Security+」。これらはIT業界におけるエントリー資格として広く知られています。
インフラストラクチャ 「Linux+」、「Server+」、「Cloud+」
サイバーセキュリティ 「CySA+」、「PenTest+」、「CASP」。これらはCompTIAとして最近特に力を入れているようにみえます。
プロフェッショナルスキル 「CTT+」、「Project+」、「Cloud Essentials」

他資格との連携

CompTIA CTT+の認定を受けると、いくつかのインストラクター認定において、認定要件を満たすことができます。

ベンダー名 対象
Adobe アドビ認定インストラクター(ACI)
IC3 IC3認定インストラクター
Microsoft マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
Unity Unity 認定インストラクター

参考書

CBT(Computer Based Test), 知識テスト, 四枝選択問題 対策

実際に入手し、使用したものを順番にあげていきます。

  • CompTIA CTT+ (TK0-201) 類似問題
    CompTIA CTT+という認定に興味をもった方は、まずこの類似問題に取り組んでみてください。執筆時点で5問出題されています。CompTIAとして、この認定を通じて受験者へ何を問おうとしているのか実感できると思います。

  • CompTIA CTT+ 出題範囲
    私が受験した際にはあまり確認しませんでしたが、受験後に思ったのはもっと読み込むべきだったという後悔です。次に紹介する書籍を読む前に出題範囲をチェックしたり、書籍を読んだ後にもう一度出題範囲を振り返ったりして内容確認することをお勧めします。

  • 組織内研修の極意 ~講師が知っておくべき12のスキル~【CompTIA CTT+】
    私はKindle版を購入しました。一読した後、章末にある「チェックリスト(四枝選択問題)」を繰り返し確認しました。各枝における要点を押さえるように注意深く読んでいきました。

PBT(Performance Based Test), 実技(ビデオ撮影)提出 対策

"We can"サポートモデル

"We can"サポートモデル」とは、エイチ・アール・ディー研究所が学習心理に基づき、研修構造に関する5要素を提示したものです。興味を引き Interest、学習内容を説明し Explain、実務にどのように役立つのか結び付け Connect、できるように練習し Lesson、理解度・習得度を確認する Reconfirm という進め方を提示しています。

私の受験経緯

CBTスコアレポート

CBT試験は正式名称を「CompTIA CTT+ Essentials Exam 試験」といい、100~900点のスコア形式で採点されます。655点以上で合格です。

  • 受験日:2019/01/10
  • 問題数:95問
  • 試験制限時間:90分
  • 私のスコア:699
  • 合格/不合格:合格

CBT試験 受験体験記

全5章からなる認定試験分野のうち、すべての章において、1つまたは複数の回答に不正解がありました。
まんべんなく、ボロボロと間違えていたようです。特に「第 4 章:グループの円滑化」の理解が甘かったようです。出題比率の高い章なので「実技テスト(PBT)」に向け更なる復習が必要といえそうです。
CompTIAが主催する認定試験の受験は、実は5回目。とはいえ、最後に受験したのは2004年4月18日。実に15年ぶりです。今回も試験環境に関する「とまどい」は特にありませんでした。試験会場では途中、外の騒音が気になることもありました。貸与されている防音のイヤーマフを装着してみましたが、頭が大きいせいかキツキツで痛かったことが記憶に残っています。
個人差がありますが、試験中、集中力を持続させることは難しいものです。私の場合、1時間が限界でした…
残りの30分間は意識が途切れ、自分が考える常識でポチポチと解答してしまいましたが、幸いなことに何とか合格点に達することができました。
意識が途切れたときに頼りになるのが、自分の経験や保持情報です。この裏付けとなるのが書籍から得られる情報です。CompTIAが強く推奨している「受講者中心主義」(受講者の理解や行動を促すために、講師が教え方を工夫する)という考え方を自身に刷り込んでおくことが、合格への近道になるのではと思います。

CompTIA CTT+ 認定試験分野 出題比率 不正解のあった項目
第 1 章:コース事前準備 13% 1A:組織のニーズと受講生の背景を確認し、学習目的に関連付ける
第 2 章:教授法と教育媒体 14% 2A:トレーニング形式の選択と実施
2B:プレゼンテーションおよびインストラクションのための教育媒体の使用
第 3 章:インストラクターの信頼性とコミュニケーション 10% 3B:インストラクターとしてのコミュニケーションスキルとプレゼンテーションスキルの使用
第 4 章:グループの円滑化 45% 4A:受講者中心の環境作りと環境の維持
4B:受講者の取り組みや参加意欲を促す
4C:追加説明や励ましを必要とする受講者のニーズに応える
4D:受講者の学習意欲の向上と強化
第 5 章:トレーニングの評価 18% 5A:トレーニングの全過程および終了時での受講者の達成度を評価する
5B:インストラクターの能力とコースの評価

FREE RETAKEキャンペーンの積極的な活用

CompTIA日本支局では、例年7月から1月の期間中、対象となる認定資格の試験が不合格だった場合に、2度目の試験を無料で受験できる『CompTIA FREE RETAKEキャンペーン』を実施しています(少なくとも、2015年から2019年現在まで毎年実施されています)。
「CompTIA CTT+ Essentials Exam 試験(CBT試験)」もFREE RETAKEキャンペーンの対象です。
この制度を利用しない手はありません。試験となると精神状態としてどうしても本来の実力を発揮することができない人も多いかと思います。そんな人も2回の受験でパスできればよいと考えれば、少し気持ちが落ち着くかもしれません。

リテイクキャンペーンの制度を受けるには、キャンペーン専用のバウチャーである「CompTIA CTT+ Essentials Retake Voucher」を購入する必要があります。
私は、支払い完了後、最短でバウチャーが入手できる「CompTIA Store」にて購入しました。

※注意※
FREE RETAKEキャンペーン実施期間中も、キャンペーンの対象とならないノーマルバウチャー「CompTIA CTT+ Essentials Voucher」も販売されています。購入時に誤って購入することが無いよう、慎重に確認してください。

PBTスコアレポート

PBT試験では、クラスルームまたはバーチャルクラスルームのいずれかを選択して受験します。私は、「TK0-202(クラスルームトレーナー)」を受験しました。この試験では、基準となる12のスキル(4段階評価)に対して採点されます。36点以上で合格です。ただし、12の各スキルで1つでも「1(著しく不完全)」と採点された場合には不合格となります。

  • 取り組み開始日:2019/07/11
  • フォームC制作期間:7時間(内訳:講習・インストラクターに関する全般的な情報+コースの事前準備(4時間)、トレーニングの評価(3時間))
  • スライド制作期間:9時間(内訳:ラフデザイン(3時間)、第1稿(3時間)、完成稿(3時間))
  • 提出日:2019/08/14 13:09
  • 合否判定日:2019/08/15 21:11
  • 私のスコア:38
  • 合格/不合格:合格

PBTスコアレポートの詳細

  • ドメイン 1:コースの事前準備
    • Q1. 組織のニーズと受講生の背景を確認し、学習目標に関連付ける:3
    • Q2. 学習効果を高める環境を築く:3
  • ドメイン 2:教授法と教育媒体
    • Q1. トレーニング形式の選択と実施:4
    • Q2. プレゼンテーションおよびインストラクションのための教育媒体の使用:3
  • ドメイン 3:インストラクターの信頼性とコミュニケーション
    • Q1. インストラクターとしての行動と知識を示す:3
    • Q2. インストラクターとしてのコミュニケーションスキルとプレゼンテーションスキルの使用:3
  • ドメイン 4:グループの円滑化
    • Q1. 受講者中心の環境作りと環境の維持:3
    • Q2. 受講者の取り組みや参加意欲を促す:3
    • Q3. 追加説明や励ましを必要とする受講者のニーズに応える:3
    • Q4. 受講者の学習意欲の向上と強化:3
  • ドメイン 5:トレーニングの評価
    • Q1. トレーニングの全過程および終了時での受講者の達成度を評価する:3
    • Q2. インストラクターの能力とコースの評価:4

「4 - 優れている」と評価された項目は、「ドメイン 2:教授法と教育媒体 - Q1. トレーニング形式の選択と実施」と「ドメイン 5:トレーニングの評価 - Q2. インストラクターの能力とコースの評価」でした。残りの項目は、「3 — 良い」でした。
この結果を踏まえ、「PBT試験 受験体験記」を参考にしていただければ幸いです。

PBT試験 受験体験記

CBT試験から6ヶ月間、日を開けてPBT試験に取り組みました。実は、CBT試験合格直後に、「提出フォーム」(フォームA~D)の作成を開始しています。「フォームA:プロファイル」や「フォームD:支払フォーム」は様式に従って記入するだけなので、難なく取り組むことができます。
しかし問題は、「フォームC:ドキュメンテーション・フォーム」。これを見たときに尻込みしてしまいました。そこで、「講師資格CTT+取得支援研修」を受講し、残りの提出フォームを作成することに決めたのですが、なかなか研修受講時間を確保することができず、6ヶ月間の熟成期間となってしまいました。
また、「フォームB:撮影使用承諾書」(録画には、少なくとも 5 人の成人受講者が登場するようすること)の要件や、ビデオ撮影における機材準備の手間なども考慮して、研修受講を決めました。

スライド制作

既存の研修スライドをPBT試験の要件に合わせて作り直す方法もあると思いますが、私はPBT試験用にゼロからスライド作成に取り組みました。
「実演時間は、17分~22分」というPBT試験の時間制限を考えると、新たに作成するのが望ましいのではと考えます。

スライド制作にあたりまず、PowerPointのアウトライン機能を使って、プレゼンの構成(ラフデザイン)を組み立てました。それが、こちら。スライド枚数は全部で11枚です。この時点で時間配分を確定していました。
ラフデザイン.png

最終的にビデオ撮影時に使用したスライド(完成稿)はこちら。
完成原稿.png

この研修で重要視した3つのポイント「立ち止まる | 考える | 楽しむ」については、「最初は隠しておいて、説明する時にめくる」というアニメーション効果を入れてみました(画像ではスライド5のめくりは外した状態で掲載しています)。
スライドのメインカラーはブランドカラー(青色)に合わせています。ベースカラーに白、メインカラーに青、めくりの色にメインカラーの補色(色相環の反対側に位置する色)をあてています。ただし、ケーススタディの[問い]については特に注目して欲しかったので赤を採用しました。色数を増やすと注目すべき点がわかりにくくなると考えています。どうしても色数を増やしたいなぁと思うときには、彩度(色の鮮やかさの度合い)で増やすことを検討してみてはいかがでしょうか。
スライドの右下にページ番号の他にステータスバーを入れてみました(しかし、狙ったほどの効果を得ることはできませんでした)。
内容に関しては、「受講者中心主義」を意識し、文面について常に受講者が主語となるようラフデザインからの変更を行っています。何だろうと思わせる数字「78万 5,920件」や、「[状況] - [行動] - [結果]」という型を使っての事例説明などはラフデザインのままです。
ケーススタディで取り上げるケースシナリオについては、よりシンプルなものに変更しました。[状況] - [結果]の落差がより大きいものを取り上げるとディスカッションが盛り上がると思います。
スコアリングガイドでは、実施領域「3A:インストラクターとしての行動と知識を示す」が要求されています。そこで、自己紹介スライドには社歴や専門性、著書などを記載しました。最終的にスライド枚数は12枚になりました。

媒体準備

スコアリングガイドでは、準備領域「2B:プレゼンテーションおよびインストラクションのための教育媒体の使用」が要求されています。そこで、受講者がより理解しやすくなるように次の教育媒体を用意しました。

  • スライド投影用のPowerPointデータ
  • 投影資料のハンドアウトコピー(A4版に2面、両面カラー印刷)
  • ケーススタディにて使用する補足資料(スライドに含めると文字サイズが小さく読みづらくなる画面キャプチャを補足資料として別紙で用意しました。)
  • A1版のスライドコピー(研修でもっとも重要なスライドをA1版に拡大コピーし、ホワイトボードへ掲示しておきました。)

スコアレポートでは、「ドメイン 2:教授法と教育媒体 - Q1. トレーニング形式の選択と実施」が「4 - 優れている」と評価されています。スコアリングガイドによると、「幅広い媒体をスムーズに切り替えながら提示する。」、「さまざまな形式の媒体を上手に使用する。」を達成すると4ポイントと記載されています。これらの準備が、大きく評価されたようです。

フォームC:ドキュメンテーション・フォーム

CompTIAの指定フォームに従って、次の3つの事項を「フォームC:ドキュメンテーション・フォーム」として文書化する必要があります。

  1. 講習・インストラクターに関する全般的な情報
  2. コースの事前準備
  3. トレーニングの評価

講習・インストラクターに関する全般的な情報

講習内容にあてはまる分類を次の14項目から選択し、チェックボックスにチェックを記入します。これらの項目からも、CompTIAは、CTT+試験においてあらゆる内容の講習をその採点対象としていることが読み取れます。

  1. ビジネス/マネジメントスキル
  2. キャリア開発
  3. カスタマーサービス
  4. ファシリテーションサービス
  5. 人事
  6. リーダーシップ
  7. マーケティング
  8. プロセス/品質管理プログラム
  9. セールス
  10. 科学
  11. ソフトウェア関連
  12. チーム育成
  13. テクノロジー(ソフトウェア関連以外)
  14. その他(具体的に記述)

普段実施している講習内容だけでなく、自分の趣味に関する内容で受験用の講習を準備してもよいと思います。
自分にとって思い入れの強い内容であれば、その「熱」は自ずと受講者へ伝えやすくなるのではと思います。

コースの事前準備

これを記述するのにかなり労力を費やしました。
スコアリングガイドでは、準備領域「1A:組織のニーズと受講生の背景を確認し、学習目標に関連付ける」が要求されています。そこで、まず一般的な研修目標を記載しました。それに加えて、研修主催者がどのような意図をもって企画したものであるのか、参考文献などを示しながら説明しました。
受講者の特徴(専門知識のレベル)は、事前オンラインアンケートへの回答にて収集しました。
スコアリングガイドでは、準備領域「1B:学習効果を高める環境を築く」が要求されています。事前オンラインアンケートの結果を基に、理解の異なる参加者を混合したグルーピングを行ったことなどを説明しました。
「コースの事前準備」(フォームCにおける項目1から5まで)について、ページ数にして5ページ記載しました。
ただし、スコアレポートでは、ドメイン 1:コースの事前準備」の2項目はいずれも「3 - 良い」と評価されています。高得点を狙うなら、スコアリングガイドを読み込み、要求事項をクリアに向けての取り組みについてより詳細に記述する必要があるようです。

ビデオ撮影で注意したこと

CompTIA CTT+ クラスルームトレーナー試験 受験の手引き」にも記載されていますが、撮影にあたっては、入念なプランニングが必要です。いつもどおりの講義をただ、20分間撮影しただけでは、CompTIAが求めるスキルを十分に実践できていると証明することは困難だと思われます。
私の場合、3回にわたって講義を撮影し、都度、受講者よりスコアリングガイドに従ったフィードバックを受け、3回目の撮影を提出しました。

撮影時に特に意識したことは、受講者と会話をしながら進めていくということです。終始、緊張しっぱなしでした。2回目では、プレゼンの時にはメガネをかけるのにそれを忘れて最後まで進めていってしまうほどの緊張でした。

次の4項目は、「CompTIA CTT+ クラスルームトレーナー試験 受験の手引き」における[クラスルームトレーナーの録画作成]項目からの抜粋です。

  1. 規定のスキルすべてを十分に実践する
  2. 受講者の主体性を引き出す(受動一辺倒ではない)講習(参加型学習)
  3. 受講者の集中を持続させる
  4. 自然なトレーニングを

トレーニングの評価

トレーニング実施(ビデオ撮影)後に、フォームCにおける「トレーニングの評価」について記載する必要があります。

スコアレポートでは、「ドメイン 5:トレーニングの評価 - Q2. インストラクターの能力とコースの評価」が「4 - 優れている」と評価されています。スコアリングガイドによると、「コース、インストラクター、受講者および組織の観点から、パフォーマンス全体を振り返って所見をまとめる。」、「録画の記録から上記所見の証拠となる点を挙げる。」を達成すると4ポイントと記載されています。手間を惜しまなければ、4ポイントが狙える項目だと思います。パフォーマンスに関する証跡を具体的に(「誰が」、「どの時刻に」など)記載することを意識して高得点を狙いましょう。

合格後

ステッカーをゲットしよう。

CompTIA日本支局では、オリジナルの認定資格ステッカーを配布しています。トレーニングにおいて、パソコンの資料を投影し進行される方がほとんどだと思います。ステッカーをゲットし、ご自身のパソコンに貼っておいてはいかがでしょうか。

CompTIAデジタルバッジの取得方法

CompTIAでは、認定資格を取得すると「デジタルバッジ(Digital Badge)」を付与しています。これは、デジタル認証を行う Credly の Acclaim プラットフォームを利用して付与されるサービスです。LinkedInを使っている人は是非、利用すべきサービスだと思います。第三者がバッジ経由で、スキルの詳細や取得者の信頼性を確認することができる良い仕組みです。
もちろん、私も「デジタルバッジ」を付与いただいています。

Acclaim.png

Udemy で講師デビュー

教える機会が無いという人は、Udemyというプラットフォームで講師デビューしてはいかがでしょうか。
Udemyでは講師としてデビューするための様々なサポートを受けることが可能です。

まとめ

CompTIA CTT+の取得によって出題範囲である「12の講師スキル」という物差しを手に入れることができました。これまで、自分が作成してきたコースマテリアルについて、どういう点が受講者に評価いただけていたのか感覚では無く、理論的に分析できるようになったと思います。
また、チームメンバーが作成した講習資料についても自信を持ってフィードバックができるようになりました。
「受講者中心主義」の考え方では、特に講義のファシリテーション(雰囲気作り)という点がこれまでに無かった学びに繋がったと思います。受講者の思考を動かすためにどんな工夫をすべきなのか。そんなことを意識できるようになりました。

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