入社時に住所登録するだけで自動計算される世界はまだ来ていない件について
はじめに
多くの会社では、交通費精算・出張費・宿泊費などの申請をいまだにExcelの書式で行っています。
毎回 Excel に手入力し、PDF にして提出する——。
令和の今でも続くこの非効率、「本当に必要?」 と感じたことはありませんか?
この記事では、交通費精算を例に “脱Excel → DX” を考えます。
さらに筆者が思いついた 「究極の交通費自動化サービス」 を紹介します。(突っ込みどころ満載だと思うのでそこはコメントお願いします。)
1. なぜ交通費精算はいまだにExcelなのか?
書式が固定
誰もがその書式で提出する文化
管理側がExcel前提で設計したルール
その結果、社員は移動内容を全部手入力し続けています。
しかし、これは本質的に「入力のための作業」でしかありません。
2. DXの本質は「人間がやらなくていい作業をやめる」こと
交通費精算はまさにこれに当てはまります。
書式が固定されているなら、Excelは手で入力する必要はなく、データさえ集まれば、あとは自動で生成すればいい。
3. 「出社→移動→出張」すべての経路は、もうICカードで完結できる
ここが今回の重要ポイント。
現代日本の交通インフラは、
在来線:ICカード
地下鉄:ICカード
バス:ICカード
新幹線:IC乗車
スマートEX/エクスプレス予約の“EX-IC乗車”機能でモバイルSuicaなどでタッチ乗車可能です。
つまり日本の鉄道は 「ICカードだけ」で乗れます。
4. ICカードの利用履歴さえ企業側で取得できれば、領収書提出という文化は消える
新幹線は“紙の切符”文化だったため領収書が必要でしたが、今は ICカードで新幹線に乗れる時代 です。
つまり——
ICカードの利用履歴を企業が安全に取得できる仕組みがあれば、新幹線も含めて全部自動で経費化できるということ
利用履歴に含まれる情報としては:
乗車駅
降車駅
時刻
区間運賃
新幹線を含むタッチ履歴
これが取れるなら、社員はもう何も提出する必要がありません。
5. もしもの未来
会社専用ICカード × JR・私鉄連携が実現すれば、全自動化が成立する
会社は社員に“専用ICカード”を貸与し、JR・私鉄・地下鉄と連携して以下を可能にします:
業務利用分の履歴だけを企業側に送信
新幹線を含む旅程も自動で記録
出張・営業すべての移動が自動入力
社員がやることは:「ICカードをタッチするだけ」。
これで
出社
営業
出張(在来線+新幹線)
すべてが自動記録されます。
6. 「新幹線でもIC乗車できる」ことの意味は大きい
新幹線がIC乗車可能ということは、
紙の利用票、紙の領収書、スマホで撮影する手間、予約内容を転記する作業
これらが 全部不要になる という意味です。
もし企業連携APIが整えば、これはそのまま経費精算になります。
7. こういう仕組みがなぜまだ存在しないのか?
企業ごとの旅費規定が複雑
交通事業者側のIC履歴APIが法人向けに開放されていない
既存サービスが「部分最適(OCRやフォーム)」で満足してしまっている
領収書文化が根強く残っている
つまり、技術的制約ではなく、制度と文化の問題が大部分です。
8. 技術的にはすべて可能になっている
IC履歴 → クラウド連携
OCR → 領収書読み取り
GPTなどのAI → 規定判断
Excel/PDF生成 → 全自動
カードID紐付け → 既存技術で可
新幹線IC乗車 → すでに普及
つまり、“やろうと思えばもう作れる”。
9. 私が欲しい“究極の交通費精算システム”
入社時に住所登録
会社専用ICカード貸与
JR・私鉄との法人API連携
新幹線も含めて全移動が自動取得
領収書提出ゼロ(IC経路+電子データで完結)
管理側の確認もワンクリック
社員は タッチして移動するだけ。
10. まとめ:交通費精算は、日本が最もDXできる領域
ICカードで新幹線まで乗れる国なのに、社員がExcelを開いて交通費を手入力しているのは明らかにおかしい。
IC履歴を企業向けに開放すれば、領収書文化は消える。
交通費精算は“完全自動化できるのに放置されている”領域。
技術は揃っています。あとは制度とサービス設計の問題だけ。
というわけでJR東海さん、このサービス作ってくれませんか?(願望)