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Databricks の Mosaic AI Model Serving Endpoint から Azure OpenAI の LLM を利用する

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はじめに

株式会社NTTデータ デジタルサクセスソリューション事業部nttd-saitouyun です。

こちらの記事で Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI の LLM を Databricks から利用する方法を説明しました。

今回は Azure OpenAI の LLM(GPT-4o) を利用する方法を説明します。

Databricks Mosaic AI Model Serving

Mosaic AI Model Serving は、AIモデルをサーバレスの環境にデプロイし、APIで利用可能とする機能です。

さらに、今回の Azure OpenAI のように Databricks の外部のモデルに対しては、外部モデルとのエンドポイントとして機能し、Databricks 内のモデルと同じように外部モデルを集中管理することができます

Mosaic AI Model Serving Endpoint の作成

左のメニューから「サービング」を選択し、画面右上の「サービングエンドポイントを作成する」をクリックします。
image.png

任意の名前を入れます。

image.png

サービングエンティティを選択

続いて、「サービングエンティティを選択」から「外部モデル」を選択し、「プロバイダー」から 「OpenAI」を選択します。

リストにある通り、AWS、Azure、Google Cloud 以外にも様々なLLMを選択できます。

エンティティの詳細

次に、APIの情報や認証情報、どのモデルを使うか(タスク、外部モデル名)を入力します。以下のリンクがマニュアルです。

※OpenAI を直接利用する場合と、Azure 上で OpenAI を利用する場合で、設定や必須項目が違うので注意してください。本書で説明するのは、Azure OpenAIの設定です。

APIタイプ

Azure OpenAI から利用する場合は、azureを指定します。
※Microsoft Entra ID で Azure OpenAI を使用している場合はazureadを指定します。

キーシークレット、APIベース

Azure AI Studio の画面を開き、「リソースとキー」の画面から設定値をコピーし、Databricks 側の設定項目に値を貼り付けます。

image.png

デプロイメント名

Azure OpenAI Studio の画面を開き、gpt-4o のデプロイ名を確認し、Databricks 側の設定項目に値を入力します。

image.png

APIバージョン

image.png

Azure OpenAI のリリースノートを確認し、本書執筆時点で最新のAPIバージョンを指定しました。

タスク、外部モデル名

画面の通り、タスクは「Chat」、外部モデル名に「gpt-4o」を設定をします。

image.png


設定は以上です。とても簡単です。

image.png

Mosaic AI Model Serving Endpoint の動作確認

では、正しく設定できているか動作確認してみましょう。上の図の右上「Query」からサンプルクエリを実行できます。

リクエストはあらかじめテンプレートが埋まっています。疎通するだけであればそのまま「リクエストを送信」をクリックします。レスポンスが正しく返ってくればOKです。

image.png

「What is Databricks?」に対して、「Databricks is a unified data analytics ...」とちゃんと返答が返ってきています!

Mosaic AI Model Serving Endpoint を使いこなす

Mosaic AI Model Serving Endpoint には他にも以下のような高度な機能があり、全てGUIで簡単に設定できます

  • 権限管理
  • タグ
  • レート制限
  • トラフィック制御

前に書いた記事に内容をまとめていますので、ご覧いただければと思います。

Mosaic AI Model Serving Endpoint から Azure OpenAI の LLM を利用する

それでは、エンドポイントを使って色々試してみます。

Mosaic AI Playground で利用する

Mosaic AI Playground は、Databricks がホストする LLM とチャットすることができる機能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

Azure OpenAI の LLM をエンドポイントに登録することで、Databricks がホストしているLLMと同様にチャットすることができます

今回は、Claude 3.5 Sonnet(Amazon Bedrock)、Gemini Pro(Vertex AI)とチャットしてみます。

いずれも、正しい情報を返してくれました。(出身地については人間でも議論が割れるので置いておきます。)

image.png

新しくリリースされた LLM をプラットフォームを跨いですぐに比較できるのは便利です!

Databricks SQL AI Functions で利用する

Databricks では、SQL から LLM を呼び出しデータ処理に使うことができます。使い方は簡単で、エンドポイント名とプロンプトを与えるだけです。

SELECT ai_query("azure-openai-gpt-4o", prompt)

それでは、SQL AI Functions を使ってみます。タスクは前回の Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI の時と同様にマスキングにします。

以下のような架空の個人情報を含む文(山田太郎は〜)を先ほどの Playground を使って生成しました。さらに、この文章の1行目にLLMに対する指示(次の文章の中で〜)を追加しています。

DECLARE OR REPLACE prompt STRING;
SET VAR prompt = "
次の文章の中で、個人情報を氏名であれば[氏名]と、住所であれば[住所]のような汎化した表現に置き換えてください。:
山田太郎は1990年4月1日に渋谷の桜丘町で生まれた。彼は幼い頃から音楽に興味があり、高校時代にはバンドを結成してライブハウスで演奏していた。大学卒業後、音楽の道を追求するためにロサンゼルスに移住し、現在はプロのミュージシャンとして活躍している。
彼の住所は現在、カリフォルニア州ロサンゼルス市ハリウッド区1234 Hollywood Blvd. です。彼は時々日本に戻り、故郷の渋谷区でライブを行っている。
"

結果は以下の通りになりました。Claude 3.5 Sonnet と比較して、生年月日がマスキングできなかったものの、難しい「住所・出生地・地名」の汎化したマスキングは成功しています。

【GPT-4o】
image.png

【参考:Claude 3.5 Sonnet】
image.png

このようにマルチクラウドで様々な LLM を簡単に呼び出せるので、データ処理の幅がグッと広がります。


Databricks SQL AI Functions について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。


おわりに

Mosaic AI Model Serving Endpoint を活用することで、Databricks から Azure OpenAI 上の LLM が簡単に利用できることが伝われば幸いです。

Azure AI にも LLMOps機能はありますが、Databricks と組み合わせることで、マルチクラウドを前提としたLLMの利活用環境の構築やモデルやアーキテクチャなど活用方法の選択肢の幅がより広がります!


この生成AI領域は最も勢いのある技術領域です。Databricks を利用し、選択肢や活用の幅を広げてみてはいかがでしょうか?

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