OCI(Oracle Cloud Infrastructure)にはお客様がコスト管理をするために無料で利用できる標準サービスが提供されており、順次紹介していきます。今回は第5回 OCI Cost Analysysです。
第1回 OCI FinOps Hub
https://qiita.com/nsaka0315/items/e645bb0114e8e9a19dc4
第2回 OCI Cloud Advisor
https://qiita.com/nsaka0315/items/73906772854b675e11d5
第3回 OCI Bugedts
https://qiita.com/nsaka0315/items/460dd316defabdc0fc2b
第4回 OCI Cost&Usage Report
https://qiita.com/nsaka0315/items/d1faba63218596d8982b
第5回 OCI Cost Analysys(本稿)
コスト分析
コスト分析は、Oracle Cloud Infrastructureの費用支出の管理および最適化に役立つ、使いやすいビジュアライゼーション・ツールです。Oracle Cloud Infrastructureのリソースの利用費用/使用量に関して様々な視点からの集計・分析、グラフ・表での表示が可能です。
コスト分析を使用するには、テナンシ(ルート・コンパートメント)のusage-reportを使用できるIAM権限が必要です。
Allow group <group_name> to read usage-report in tenancy
後ほど説明する「新規レポートとして保存」の機能を使用するには、次のポリシー・ステートメントが必要です
Allow group <group_name> to manage usage-report in tenancy
さて次に実際のOCI管理画面を見ていきましょう。
OCI管理コンソールの左上のハンバーガーメニューより「請求とコスト管理」-「コスト管理」-「コスト分析」をクリックします。
「コスト分析」ページが最初に開いたときに「サービス別コスト」レポートが表示されます。開始日/終了日、粒度(毎日/毎月)、表示(コスト/使用量)を選択します、
「フィルタ」メニューを使用して、特定のタグ、コンパートメント、サービス等により抽出条件を指定、「グループ化ディメンション」メニューを使用して、どのようにグループ化するかを選択し適用することにより、チャートおよび対応する詳細データ表が生成されます。「新規レポートとして保存」ボタンを押し名前を指定して保存すれば、次回から保存したレポート名を選択することで選択条件を再指定することなくレポートの作成ができます。保存したレポートは、後で名前変更、更新または削除できます。また「レポートアクション」ボタンを押すことでCSVファイル、PDFまたはチャート・イメージとしてダウンロードすることもできます。
コスト分析を使用すると、過去の使用状況データに基づいて、将来のCloud利用費用および使用量の情報を見積ることができます。
「コスト分析」画面から「予測の表示」チェックボックスにチェックをいれ、予測期間を指定して、「適用」をクリックすればチャートに予測データがリロードされます。予測には指数平滑法(時系列データから将来予測する標準的な統計手法)が使用されます、「毎日」粒度で予測を行うには少なくとも10日間の履歴データが、「毎月」粒度で予測を行うには、少なくとも3か月間の履歴データが必要です。
下記画面の詳細データ表では予測データはブルーで表示されています。
スケジュール済みレポート機能
上記のコスト分析から保存されたレポートを使用してスケジュール済みレポートを生成します。これを使えば都度OCIコンソールにログインしてコスト分析画面からレポートをダウンロードしなくても、定期的に自分の欲しい形式でObject Storageにレポートを出力・保存しておくことが可能です。
OCI管理コンソールの左上のハンバーガーメニューより「請求とコスト管理」-「コスト管理」-「スケジュール済みレポート」を選択します。
スケジュール済レポートの作成ボタンを押して、入力画面より「保存されたレポート」のフィールドに上記コスト分析画面で保存されたレポート名を指定して「開始日」と「反復」を入力して、「バケット」には事前に作成しておいたObjectStorageのBucket名を指定して作成ボタンを押します。
これでコスト分析レポートが定期的にObject Storageに出力されます。