OCI(Oracle Cloud Infrastructure)にはお客様がコスト管理をするために無料で利用できる標準サービスが提供されており、順次紹介していきます。今回はこれらのPortalサイトとなるOCI FinOps Hubです。
第1回 OCI FinOps Hub(本稿)
第2回 OCI Cloud Advisor https://qiita.com/nsaka0315/items/73906772854b675e11d5
第3回 OCI Bugedts https://qiita.com/nsaka0315/items/460dd316defabdc0fc2b
第4回 OCI Cost&Usage Report
https://qiita.com/nsaka0315/items/d1faba63218596d8982b
第5回 OCI Cost Analysys https://qiita.com/nsaka0315/items/61b65a1bc3ae7805a32f
FinOpsについて
まずFinOpsについて簡単に触れます。FinOpsは業界標準のCloudコスト管理のフレームワークであり、下記図のようにInform、Optimize、Operateの3フェーズのサイクルからなり、OCIでは各フェーズで上記のコスト管理サービスが提供されています。
FinOpsについて関心のある方は下記を参考ください。
FinOpsとOCIコスト管理サービスについて
FinOps Hubについて
さてOCI管理コンソールにOCI FinOpsハブのPortalサイトが新しくリリースされました(2024/06)
OCI管理コンソールの左上のハンバーガーメニューより[請求とコスト管理]-[コスト管理]で下記の画面が現れます。
これはOCI標準提供の様々なコスト管理サービスのPortalサイトであるだけでなく、このページを見ることでお客様のコスト観点からのOCI利用状況が一目で把握できます。現在のサブスクリプションの利用状況やコスト分類のグラフ、予測支出や予算管理、またCloudコストの最適化を図るための推奨事項の一覧(Cloud Advisor)を参照することができます。
本画面をスクロールするとFinOpsの3フェーズである情報提供,最適化,運用のパートが順番に現れます。
情報提供(Inform)
アクティブなサブスクリプション
まず、情報提供のすぐ下にあるのが、アクティブなサブスクリプションの表示です。過去1年間のサブスクリプションの使用量(月ごと)が、超過分を含めて表示されます。特定の月の使用量や超過量などの詳細を表示するには、棒グラフの縦棒にマウス・ポインタを重ねます。
コスト
画面をスクロールすると、下記のようにコストの情報が表示されます。リージョン、コンパートメントおよび製品説明別にコストをビジュアル化できます。各ドーナツ・チャートが使用可能で、円グラフの上にマウスを置くと、地域、コンパートメントまたは製品説明のコスト詳細が現地通貨で表示されます。
「時間枠」から、過去1か月(デフォルト)~6か月までの日付範囲の選択が可能です。「コストの分析」をクリックすればコスト分析の画面に直接移動します。
予算と予測
コストの下が、予算と予測の画面です。アクティブな予算を表示し、予算を作成して予算に対する支出をモニターし、予測支出を管理できます。ここでは過去に作成された予算の一覧が表示されています。リストの予算名をクリックすると、予算の詳細ページに移ります。またこの画面から予算の作成ボタンを押すと予算を作成できます。
最適化(Optimize)
最適化ではクラウド・アドバイザが搭載されています。クラウド・アドバイザは
十分に利用されていないリソースを特定し、最適なサイズに変更することでコスト削減可能な推奨事項を生成してクラウド利用費用の適正化に貢献できます。画面の左では、月毎の潜在的な(推定)節約額と月次請求割合が右側には推奨事項タイプの一覧が表示されています。
「全ての推奨事項」ボタンを押すことで、クラウド・アドバイザの推奨事項一覧の画面に移動します。「推奨タイプ」で、名前をクリックして、特定の推奨事項のクラウド・アドバイザの詳細ページに移動することもできます。
運用(Operate)
FinOps FOCUS準拠データのエクスポート
エクスポートのリンクを押すことで、コストおよび使用状況レポートの画面に移ります。上の情報提供で紹介した「コスト分析」の画面より詳細なコストおよび使用状況レポートを参照することが可能です。
ここではFOCUS以下に、業界標準のFinOpsFOCUS(Open Cost and Usage Specification:コストと使用状況のデータセットの共通フォーマットを定義するオープンソース仕様)に対応したレポートを見ることもできます。
参考情報
*1 FinOps Foundation
*2 OCI FinOps Hubの使用
*3 クラウド・アドバイザ