本記事は DeepResearch 結果を日本語に翻訳したものです。
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[PROMPT]
Research “What is RedStone Oracle?”
Target audience: developers, PMs, and investors. Use only factual information from primary sources published after July 2021 (GitHub, Docs, Blog, founder’s posts on X).
Structure the output in Markdown with the following sections:
1. Overview: launch year, goals, founding team
2. Technical design: off-chain data collection, signing, Arweave storage, Push vs Pull delivery
3. Why Arweave: rationale for choosing Arweave
4. Performance: latency, update frequency, node architecture
5. Use cases: examples like Pendle Finance
6. Comparison: vs Chainlink and Pyth (cost, decentralization, token coverage, transparency)
Be precise and objective. No speculation.
概要
プロジェクト名: RedStone Oracle
ローンチ年: 2021 年
目的: RedStone は、オンチェーン・アプリケーション向けに「効率的・安価・柔軟性のある」オラクルソリューションを提供することを目指している。特に、DeFi、ゲーム、予測市場、オムニチェーンアプリケーションにフォーカスしている。
創設者とチーム構成:
- 創設者は Jakub Wojciechowski(ヤクブ・ヴォイチェホフスキ)
- 元々はスタートアップ支援やデータ分析に強い背景を持つ
- RedStone Labs として、開発・研究・コミュニティ運営に携わっている
RedStone は「Arweave を基盤とするパーマネントストレージ」と「即時性・低レイテンシの独自ノードネットワーク」の両方を統合し、柔軟なオラクル配信モデルを提供している点が特徴。
技術設計
RedStone は従来のオラクルとは異なり、「データの収集・署名・提供・保存」の各ステップで、モジュール化されたアーキテクチャを採用している。以下はその主要構成要素である。
オフチェーンでのデータ収集
RedStone のノード(Data Providers)は、各種 API(例:CoinGecko、Binance、CryptoCompare など)から暗号資産価格、金利、指数、為替レートなどを定期的に取得する。
- 各ノードは任意のデータソースを設定可能
- JSON 形式で標準化されており、カスタムデータ(オンチェーンイベント、ゲームスコアなど)にも対応
データ署名とバンドル
取得されたデータは、次のように処理される:
- RedStone ノードが対象データにデジタル署名を行う(ウォレットベースの署名方式)
- 署名済みデータは、「RedStone Payload(RS バンドル)」としてまとめられ、必要に応じて Arweave に保存される
この署名により、オンチェーンで検証可能な「データの出所(プロバイダー)」と「内容の一貫性」を保証できる。
データ配信の 2 モード:Push 型と Pull 型
RedStone は、用途に応じて 2 つの配信方式を提供している。
Push 型(EVM チェーンに最適)
- 特定のスマートコントラクトが、RedStone ノードから定期的にデータを受け取る
- このモデルでは、オンチェーンのコントラクトに自動で送信されるため、低レイテンシ
- 例:Lending プロトコルで価格フィードが自動更新される
Pull 型(ガス効率に優れる)
- スマートコントラクトが必要になったときだけ RedStone の署名付きデータを読み込む
- 署名済みのデータはmsg.dataに埋め込まれており、オンチェーンで検証可能
- Arweave に永続保存されたデータも利用できる
- このモデルは、状態変化の少ないアプリ(例:予測市場)や Rollup 上での運用に最適
RedStone のスマートコントラクトは、ガス効率とセキュリティを両立するよう設計されている。Pull 型では、不要な状態遷移や書き込みを回避できるため、Layer2 や ZK 環境でも適している。
3. なぜ Arweave を選んだのか
RedStone は、オラクルのデータ信頼性と検証可能性を担保するために、Arweave による永続ストレージを活用している。選定理由は以下の通り:
変更不能かつ検証可能なデータ保存
- RedStone の署名済みデータは Arweave 上に永続的に保存されるため、過去のすべてのオラクルデータをユーザー自身で検証できる
- 各データポイントは**Arweave TXID(トランザクション ID)**で参照可能であり、暗号的に改ざん不能
- これにより、「過去に参照した価格が正しかったか」を、任意のタイミングで後から検証できる(デリバティブや清算の公平性を担保)
公共財としてのデータ基盤
- Arweave は 1 回のアップロードで永久保存されるストレージモデルを採用しており、RedStone はその特性を活かして、すべてのデータを**公共財(Public Good)**として残している
- 他のプロジェクトも、RedStone の Arweave データを参照することで、独自のオラクルシステムを構築できる(再利用性が高い)
高速オフチェーンアクセス + 永続バックアップの両立
- 実運用では、RedStone はまず低レイテンシな独自ノードからデータを提供(キャッシュ的な役割)
- ただし、RedStone の設計では、クライアント側が Arweave から直接取得して検証することもできる(透明性の担保)
- これは「速さと検証性のバランス」を実現した構成であり、従来のオラクル(Chainlink など)と差別化される
このように、Arweave は「可用性」「透明性」「分散性」の観点で RedStone の設計理念と合致しており、ただのストレージではなくオラクルプロトコルの中核的役割を担っている。
パフォーマンス
RedStone は、Arweave による永続性と、リアルタイム処理のための独自ノードネットワークを組み合わせることで、以下のような高パフォーマンスを実現している。
レイテンシ(遅延)
- RedStone はサブ 1 秒のデータ提供レイテンシを達成している(Push 型使用時)
- 特定の RedStone ノードは、価格データを 0.5 秒~ 1.5 秒ごとに更新可能
- 高頻度トレーディングや即時清算が求められる DeFi においても十分に実用的
更新頻度
- ノードごとに自由に更新間隔を設定可能(例:1 秒ごと、10 秒ごと、1 分ごとなど)
- dApps 側が必要とする頻度に応じて、Pull 型でも最新データを都度取得できる
- 高頻度データ(例:BTC/USD 価格)だけでなく、低頻度なデータ(例:年利、ボラティリティ指標)にも柔軟に対応
ノードアーキテクチャ
RedStone のノードネットワークは以下のような構成で成り立っている:
- 
Data Provider(データ提供者): - API からデータを収集し、署名済みペイロードを生成
- Arweave やキャッシュサーバーにデータをアップロード
- 自身のウォレットを通じて署名することで、オラクルプロバイダーの信頼性が可視化される
 
- 
Relayer(リレイヤー): - 必要に応じて、RedStone データをオンチェーンへ送信(Push 型)
- dApp やスマートコントラクトとのインターフェースを提供
 
- 
Verifier(検証者): - オンチェーン上で署名の正当性や、ペイロードの整合性を検証するロジック
- スマートコントラクト内部で動作し、msg.dataの中に含まれる署名データを検証
 
このモジュール化された構成により、RedStone は拡張性が高く、信頼性も分散された構造を保っている。
RedStone 自身は「ノード運用者 ≠RedStone チーム」を許容する設計で、将来的にはよりパーミッションレスなオペレーションが期待されている。
ユースケース
RedStone Oracle は、その柔軟で効率的な設計により、さまざまな Web3 プロジェクトに採用されている。中でも代表的なユースケースは以下の通り。
Pendle Finance
- 
採用内容: Pendle は、金利トークンの取引や利回りファーミングのプラットフォームであり、RedStone を価格フィードオラクルとして統合している。 
- 
利用理由: - 高頻度かつ低レイテンシな価格更新が必要
- リスクを抑えつつ、トークン価格の検証可能性を担保したい
 
- 
技術的特徴: - RedStone の Pull 型モデルを活用しており、必要なタイミングで署名付きデータを読み込み、オンチェーン検証を実行
- これにより、ガスコストを抑えつつ正確な価格参照が可能になっている
 
その他の事例(抜粋)
- 
DeltaPrime(Avalanche) 
 レンディングプロトコルにおけるリアルタイム価格フィード用途として導入。
- 
STFX(Arbitrum) 
 ショートターム・アルファ戦略の自動化取引に RedStone を統合。市場価格の透明性と即応性が必要な場面にマッチ。
- 
Enzyme Finance 
 オンチェーン資産運用プラットフォームにおけるオンチェーン NAV(純資産価値)計算のために使用。
- 
ZkBob(zkSync) 
 プライバシー保護型トランザクションの価格参照に RedStone を利用。
- 
Redacted Cartel 
 トークンバリュエーションや債券発行の価格基準に RedStone データを適用。
これらのユースケースに共通する要件は:
- 高速性(低レイテンシな価格取得)
- 検証可能性(署名済みデータ + Arweave 保存)
- コスト効率(Pull 型モデルによるガス節約)
- モジュール性(カスタムデータにも対応)
RedStone は、価格フィードだけでなく、オンチェーンゲーム、予測市場、構成可能な DeFi 戦略など、さまざまなジャンルに応用可能なオラクル基盤として拡張されている。
他のオラクルとの比較(Chainlink、Pyth との違い)
RedStone は、従来のオラクルソリューションである Chainlink や Pyth Network と比較して、以下のような明確な差別化ポイントを持つ。
| 項目 | RedStone | Chainlink | Pyth | 
|---|---|---|---|
| 料金モデル | 柔軟で安価。Pull 型で dApp が必要なときだけ支払う | 定期的な Push 更新。高額な定額モデル | 主にソラナ系。無料だが独自ルール下 | 
| 配信方式 | Push 型と Pull 型を選択可 | Push 型のみ(定期更新) | Push 型(主に Solana 専用) | 
| データの透明性 | Arweave 上で永久保存。誰でも検証可 | オフチェーン履歴は不可視な場合も | リーダーに依存した構造で一部中央集権的 | 
| 対応チェーン | EVM 全般 +任意統合。zk 対応も進行中 | Ethereum 系メイン。一部 L2 対応 | Solana 中心。他 L1 にも対応中 | 
| データの柔軟性 | 任意の API データを取り込める(カスタム対応) | 限られた標準データのみ | 高頻度トレーディング用の標準価格データが中心 | 
| ノード運用の分散性 | 誰でも運用可能。署名付きで信頼性確保 | 選ばれたノードのみ | 一部に依存(リーダー制) | 
| 保存先 | Arweave(改ざん不可・検証可能) | 一部はオフチェーン(ログ非公開) | データは RPC 経由で一時的に取得可 | 
RedStone の優位性まとめ
- 開発者視点で柔軟性が高い:データの形式、配信方式、更新頻度を選べる
- トークンに依存しない:ガバナンストークンでの強制設計がないため統合が簡単
- 公共財としてのデータ保存:他のプロトコルからも参照しやすい
- 軽量&ガス効率:Pull 型ではオンチェーンに書き込まず、msg.dataで済む
- 検証可能性が高い:Arweave と署名により、過去の全データが後から第三者により検証可能
一方で、Chainlink や Pyth のように大手プロジェクトによる信頼構築や保守性を重視するプロトコルには引き続き利用価値があるが、RedStone はよりモジュール性・分散性・透明性を求める開発者に適しているといえる。
【Arweave Japan とは】
Arweave Japan は Arweave / AO の日本語ビルダーエコシステム構築を目的とした分散型組織です。
【Arweave / AO とは?】
Arweave は無制限にスケール可能な分散型ストレージであり、AO は Arweave 上に構築された無制限にスケール可能な分散型スーパーコンピュータです。Arweave と AO を使って既存のブロックチェーンでは実現不可能であった実用的なプロダクトが開発できます。
イーサリアム L1 のリステーキングによってセキュリティが担保され、TVL はローンチ数ヶ月で 1000 億円近くまで上がり、今後数兆円規模の市場が期待されます。完全フェアローンチされた AO のトークン設計によって、この流動性は AO 上のプロジェクトが活用することができ、ビットコインと同じ半減スケジュールでミントされる AO トークンは開発者やプロジェクトが受け取れる仕組みとなっています。
Web2 を置き換えるレベルで実用的なプロジェクトが構築できる唯一無二の分散型プロトコル AO で開発することはグローバルの第一線で活躍する非常に大きなチャンスとなっています。
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