この記事は、 CAMPFIRE Advent Calendar 2025 の6日目の記事 です。例年通り、普段の業務では直接はあまり利用しない技術の理解にチャレンジした結果がメインの内容になります(ですが、今回も結構大事な技術についてです)。
去年は Webのリアルタイム通信、双方向通信 について書きました。
今回は、普段何気なく利用している暗号技術について学ぶ連載記事を執筆しました。今回は、暗号技術全体を広く追えるような読み物として読める形式を心がけているため、主観的な記述や個別技術の深い解説等はしていません。また暗号自体のサンプルコード等は記事中には存在しません。
本連載全体に対する概要・注意点と、本連載をした理由については本記事後半を参照してください。
連載全体は第1回から第7回まであり、そこそこのボリュームとなっています。また、第1回はイントロダクション的な立ち位置となっていますが、それぞれの記事は基本的に個別で読めるよう独立しています。そのため、暗号技術全体を知っていきたい人は第1回から順番に、それ以外の人は興味のある内容の記事から読んでみてください。
より専門的な内容は、以下に記載の参考文献等を参考にしてください。
連載記事一覧
- 第0回 暗号技術を学ぶ連載記事一覧(本記事)
- 第1回 暗号技術の基礎と安全性の考え方
- 第2回 共通鍵暗号と暗号モード
- 第3回 ハッシュ関数とメッセージ認証コード(MAC)
- 第4回 公開鍵暗号 1(RSA暗号・分散署名・準同型暗号)
- 第5回 公開鍵暗号2(離散対数問題に基づく暗号とIDベース暗号)
- 第6回 高機能暗号とその応用
- 第7回 耐量子暗号とこれからの暗号技術
連載全体における参考文献
書籍
- 暗号技術のすべて(IPUSIRON 著 | 翔泳社)
- 安全な暗号をどう実装するか 暗号技術の新設計思想(Jean-Philippe Aumasson 著、Smoky 翻訳、IPUSIRON、 藤田亮 監訳 | マイナビ出版)
- 現代暗号理論 (岩波数学叢書)(高木 剛 著 | 岩波書店)
Web
- CRYPTREC | 調査報告
- CRYPTREC | 暗号技術ガイドライン
- NIST | Computer Security Resource Center
-
NIST | Post-Quantum Cryptography Standardization
CRYPTREC 2025 NIST標準暗号 格子ベース暗号FIPS 203, 204の数学的構成の解説 | 立教大学・理学部数学科 安田雅哉 - AWS | 暗号とは
- Cryptography 101 with Alfred Menezes
簡易な動作の確認
今回、暗号技術の簡単な動作を確認できるようなWebページを作成しています。どのような鍵が生成され、どのように暗号化・復号や署名作成・検証が動くかといったことを、実際の動作として見ることができます。
ブラウザ実行可能であることを優先しており、あくまで参考程度にはなりますが、各暗号技術の動きを確認してみたいなどの参考にしてください。
本連載について
本記事では、暗号技術の連載記事全体への案内のみとなります。個別の詳細は各記事を参照してください。
本連載では、暗号技術について、特に現代のコンピュータで利用されている(もしくは利用されていた)、または利用されていく可能性のある暗号技術について、一部数学的な理論の背景も交えて紹介していきます。
連載の後半は、まだ実用化が完全ではない研究段階の技術なども触れていきます。それにより現代の暗号技術がどのような課題を抱え、どのように進歩しようとしているかも理解できるようにしていけるようにしたいと思います。
なお、この連載記事全体を通して、以下の注意点があります。
まず、この記事に記載の内容は2025年11月現在の情報をもととしています。暗号理論は現在も精力的に研究が進んでおり、ここ数年でも新たな暗号技術の発見、NISTでの標準化、逆に有効な攻撃方法の確立などが行われており、特に最新の暗号技術については数カ月でも古い情報になっている可能性があります。
また、記事構成や記載する大筋の内容については書籍やWeb文献の調査を行い人力で決定していますが、文章案の作成や表現の調整、内容の検証や修正等に生成AIを利用して、多くの加筆修正を行っております。
最後に、私は暗号技術の専門家ではないので、書籍やWeb文献、生成AIを活用して理解した内容をもとに記事を作成しています。極力文献等を参考にしていますが、誤りがある可能性も十分にあるので、特に正確性が重要な場合は必要に応じて参考文献やその他情報を参照してください。
本連載を行った理由
まず、今回暗号技術を学んでみようと思い立った理由として、自分の中で「暗号技術はよく使っているがよく知らないもの」であることがありました。「暗号技術によって、どのように安全性が守られているか」「どう進化しているのか」といったことは、正直全然知りませんでした。そして、実用的な量子コンピュータの実現が迫ってきている中で、暗号技術の現在地がどうなっているのかを知りたいというのもありました。
今回、学んでみた結果として、「暗号技術における安全性の体系的な考え方」「多彩な用途のための様々な暗号技術の研究」「耐量子暗号の発展と現実世界での導入状況」など様々なことを知れました。
そのため、この連載でも、読む方にこれら全体を知ることができるように、暗号技術全般に対する概要や安全性の概念から始め、現在広く利用されている各種の暗号技術を理解していき、その後により発展した暗号技術や耐量子暗号と呼ばれる今後主流となるであろう暗号技術やその現在地を知っていく流れとしています。
ただし、特に後半の高機能暗号や耐量子暗号の各技術については理論の詳細な理解には程遠いため、より概要的な内容に終止しています。より深い専門的な解説を求めている方には物足りない内容となっていることを事前に注釈として記載させていただきます。

