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ウォーターフォール組織でアジャイルをどう取り入れるか

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Last updated at Posted at 2026-06-02

ウォーターフォールな組織で始める「業務の進め方としてのアジャイル」――『ウォーターフォール市、アジャイル町』から学ぶ現場のカイゼン

はじめに

「ウォーターフォールな組織の中で、新しい取り組みがなかなか進まない…」
「アジャイル的な動きを取り入れたいけれど、個人の力では壁がある…」

そんな悩みを抱えていませんか?
本記事では、開発手法としてのアジャイルではなく「業務の進め方としてのアジャイル」に焦点を当て、小規模チームから現場を少しずつ成長させていくための具体的な解決策をご紹介します。

私はこれまで、自動化/効率化推進・自動化文化の醸成を目的に小さな改善を積み重ねてきました。
しかし「新しいことを始める際の壁」や「個人の努力だけで組織を変える難しさ」という現実に何度も直面しました。

そんな時に出会い、現状打破の大きなヒントをくれたのがこちらの書籍です。

『ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方』

本書は、現場の「あるある」な課題に対する解決策がストーリー仕立てで描かれています。高度な理論ではなく、若手エンジニアでも明日から実践できる"ちょっとした手法や考え方"が中心です。

活字が苦手な方にこそおすすめしたいアジャイル入門書であり、
Kindle Unlimitedなら無料で読めます。(個人的には、配属直後の新入社員の必読書にしたいほどです!)

本記事では、私が本書から「得た気付き」と、「明日から現場で実際に取り入れたい手法」をいくつかピックアップして解説します。
組織の壁を感じている方の参考になれば幸いです。


ウォーターフォールな組織でアジャイル的に業務を進めたときに直面したこと

本書の紹介に入る前に、私が実際に直面した課題について先に触れておきます。
昨年、外部コンサルと一緒に自動化推進プロジェクトに関わった際、初めてアジャイル的な進め方を体験しました。

それまでの自分の組織ではウォーターフォール(一方通行)的な業務の進め方が主流でした。

  • マイルストーンを厳密に設計 (スケジュール重視)
  • 部署横断のレビュー・承認プロセスが必須
  • 変更・リリース作業=影響範囲を特定し慎重に進めるもの

そんな組織にいながら、新たに体験したアジャイルの進め方は対極的でした。

  • 小さく作って試す
  • チーム内で意思決定が速い
  • 試行錯誤が許される

仕事というよりも「ゲーム」のように、ワクワクが感じられるのもアジャイルならではの魅力だと感じました。
しかし、進め方も価値観も全く異なる手法であるため、アジャイル的な開発はそう簡単にウォーターフォールな組織に受け入れてもらえません。

  • 周囲との進め方のギャップ(「特にそのやり方で品質は保証されるのか」という現場の懸念)
  • 既存の組織ルールとの衝突

こうした課題に直面し、
「どうやって自組織でアジャイル的なスピード感価値の最大化を実現できるのか」を深く考えるようになりました。


本書から学んだこと

① アジャイルとウォーターフォールは対立しない

よく「ウォーターフォール vs アジャイル」という構図で語られますが、本書ではそれを否定しています。

アジャイルな発想や取り組みは、ウォーターフォール組織の中でも価値を発揮できる

実際、ウォーターフォールが採用されている背景には、以下のような合理的な理由(制約)があります。

  • 多数のステークホルダーの存在
  • シビアな納期感
  • 高い品質要求
  • 変更によるリスクの大きさ

これらの前提を無視して「すべてをアジャイルに変えよう」とすると、新たなルール整備や調整が必要になり、結果的に非効率を招きます。
重要なのは以下の視点です。

  • 小さな範囲でアジャイルを適用する
  • 両者を共存させる

実際に私も、「後戻りを許容する」「小さく失敗する」というルールを部分的に取り入れて自動化を進めた経験があります。

しばしばアジャイル開発では、「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」(アジャイルソフトウェア開発宣言)とあるように、
設計書などの成果物に時間をかけすぎない傾向があります。

私のプロジェクトでは今後の保守運用を見据えてドキュメントをしっかり残す方針をとりましたが、
設計書の作成は最後にする(実装・検証・追加実装がすべて終わってから書く)」という柔軟な工夫を取り入れ、スピード感と品質の両立を図りました。


② 「抵抗」とどう向き合うか

業務改善や新しい取り組みには、必ず抵抗がつきものです。
自分自身も以下のような壁を経験しました。

  • 協力者がなかなか集まらない
  • (表には出さないが)面倒だと思われる
  • 形だけ導入されて実態が伴わない

本書で特に学びが大きかったのは、この「抵抗」との向き合い方です。

■ 手段を押しつけない

大事なのは「何の問題を解決するのか」という目的です。
「やってみて、合わなかったらやめてもいい」。
これだけで周囲の心理的ハードルは大きく下がり、協力を得られやすくなります。

■ 一緒に課題を解く姿勢

「これやってください」ではなく「一緒に困りごとを解決しませんか?」
というスタンスが重要です。

■ 新しいことを始めたら必ず実施すべき2つの「る」

  • やってみ
  • ふりかえ
    これこそがカイゼンの本質です。

■ 成功体験をつくる

「楽になった」「うまくいった」という体験が、変化を後押しするファン(フォロワー)を増やします。
逆に言えば、新手法を取り入れたことで業務負荷が高まったりストレスが増えたりするなら、そのやり方は見直しべきです。
したがって、周囲がついてくる改革推進者とは、変化による“快感体験”をつくる人だと言えます。

(私自身、自動化推進者としてこのような快感体験を十分に提供できているかと問われると、まだ自信はありません。みんなに「業務が楽になった!」「自動化の事例創出で評価された!」と思ってもらえる機会を増やしていく必要があります)


③ チームビルディングのプラクティス

本書では、具体的な実践手法も多数紹介されています。チーム一丸となってアジャイル的な改善を進めるには、相互理解と価値観のすり合わせが不可欠です。

  • ドラッカー風エクササイズ(自己理解と相互理解)
  • タイムラインふりかえり
  • Story of Story(価値の言語化)

具体的な手法については、ぜひ本書を手に取るか、以下のQiita記事などが非常に参考になります。


まとめ

ウォーターフォール組織の中でアジャイルを取り入れるには、以下のポイントが重要です。

  • 対立ではなく「共存・融合」を前提にする
  • 小さく始め、現場から目の前の課題をどんどん解決していく
  • 抵抗を前提として設計し、変化に対応できるチームを作る
  • 小さな成功体験からカイゼンサイクルを回し、組織を成長(セイチョウ)させる

まとめ

ウォーターフォール組織の中でアジャイルを取り入れるには、以下のポイントが重要です。

  • 対立ではなく「共存・融合」を前提にする
  • 小さく始め、現場から目の前の課題をどんどん解決していく
  • 抵抗を前提として設計し、変化に対応できるチームを作る
  • 小さな成功体験からカイゼンサイクルを回し、組織を成長(セイチョウ)させる

今回紹介した書籍は、組織を少しでも良くしたい人、現場でモヤモヤしている人、
アジャイルに興味はあるが踏み出せていない人にとって、非常に実践的なヒントが詰まった良書です。

同じような悩みを持つ方の参考になれば嬉しいです。

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