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運用設計の基礎知識まとめてみた #7

Last updated at Posted at 2025-08-22

インフラ運用・クラウド運用と運用設計の関わり

クラウドや仮想化が普及したことで、システム運用のあり方も大きく変わりました。
本記事では、インフラ運用・クラウド運用における運用設計のポイント を整理し、監視・障害対応・設計の違いについて解説します。

📖 本記事は「運用設計の基礎知識まとめてみた」シリーズの一部です。
👉 シリーズ全体:運用設計を体系的に学ぶシリーズ|入門から実践まで
◀第1回の記事:運用とは何か?未経験でも理解できる基礎と定義整理


1. インフラ運用における運用設計

従来のオンプレミス環境では、サーバ・ネットワーク機器・ストレージなどのインフラが自社管理の対象でした。
そのため運用設計のポイントは以下のようになります。

  • ハードウェアの保守計画
    交換時期や障害時の代替機手配をあらかじめ定義する。

  • 監視項目の定義
    CPU、メモリ、ディスク、ネットワーク帯域といったリソースを監視。

  • 障害対応フロー
    データセンターに駆けつける作業や復旧手順を明確にしておく。

👉 オンプレの特徴は 物理的な制約があること。設計には「ハードウェア依存の要素」が大きく影響します。


2. クラウド運用における運用設計

クラウド時代になると、インフラの多くはサービス事業者が提供・管理するため、設計の焦点が変わってきます。

主なポイント

  • 責任範囲の明確化
    「クラウド事業者が対応する部分」と「利用者が設計・運用する部分」を区別する(例:AWSの責任共有モデル)。

  • 監視の粒度
    サービスレベルでの可用性・遅延・APIエラー率など、オンプレとは異なる監視項目が必要。

  • 自動化の前提
    クラウドではスケールアウトや自動復旧が基本機能として備わるため、運用設計でも「手作業を減らす仕組み」を組み込むことが重要。

  • コスト管理
    リソースが柔軟に増減するため、監視・アラートに「コストの観点」も含めると無駄な課金を防げる。


3. インフラ運用とクラウド運用の違い

観点 インフラ(オンプレ) クラウド
保守 機器交換・現地対応が必要 サービス提供者が対応
監視 ハードウェアリソース中心 SLA、API、サービス利用状況中心
障害対応 現地作業+マニュアル手順 自動復旧・リソース切替を前提に設計
コスト 固定資産的(初期投資重視) 従量課金(利用状況を監視・最適化)

👉 運用設計では、この違いを理解した上で 「人がやる部分」と「仕組みに任せる部分」 を最適化することが求められます。


4. 運用設計で押さえるべきクラウド特有のポイント

  1. 冗長化設計
    マルチAZ、リージョン分散などを前提にする。

  2. IaC(Infrastructure as Code)の活用
    TerraformやCloudFormationを用いて、運用手順そのものをコード化。

  3. 障害シナリオのテスト
    カオスエンジニアリングのように「わざと障害を起こす」テストで運用設計の有効性を検証。

  4. セキュリティ監視
    ID・アクセス管理、ログ監査、脅威検出を含めた設計が必須。


まとめ

  • オンプレの運用設計は「物理機器の管理」と「人による復旧」が中心。
  • クラウドの運用設計は「責任範囲の分離」「自動化」「コスト最適化」がポイント。
  • 時代に合わせて、運用設計の視点も ハードウェア中心 → サービス中心 へシフトしている。

参考

本記事は以下のサイトを参考に要点を整理しました。

◀ 前の記事:運用設計の価値とメリット ― しないと何が起きるのか?

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