運用とは何か?未経験でも理解できる基礎と定義整理
システム開発やITインフラの現場でよく耳にする「運用」という言葉。
しかし「保守とどう違うの?」「具体的に何をするの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
本記事では、運用の定義・意味合いを整理 し、初心者にも分かりやすく解説します。
📖 本記事は「運用設計の基礎知識まとめてみた」シリーズの一部です。
👉 シリーズ全体:運用設計を体系的に学ぶシリーズ|入門から実践まで
1. 「運用」とは何か?
一般的に「運用」とは、システムやサービスを安定して動かすための活動を指します。
運用の主な役割
- システムを 継続的に稼働 させる
- 利用者からの問い合わせやリクエストに対応する
- 障害発生時に 迅速に復旧 する
- 定常業務(バックアップ、バッチ処理、アカウント管理など)を行う
👉 簡単に言えば、「システムを作る」のが開発で、「システムを動かし続ける」のが運用です。
2. 「運用」と「保守」の違い
混同されがちな用語に「保守」があります。
用語 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
運用 | 稼働中のシステムを維持・管理する活動 | バックアップ、監視、障害対応 |
保守 | システムを改善・修正する活動 | バグ修正、セキュリティパッチ適用、機能改修 |
👉 運用が「毎日の安定稼働」、保守は「不具合修正や改良」を主目的としています。
3. 運用の対象となるもの
運用と一言で言っても、対象は多岐にわたります。
- 業務運用:ユーザーが使う業務アプリケーションの実行やジョブ管理
- 基盤運用:サーバ・ネットワーク・データベースなどインフラの維持管理
- 運用管理:顧客に提供するWebサービスやクラウド環境全体の稼働維持
👉 これらの領域ごとに設計や体制が異なるため、最初に「どの範囲を運用と呼んでいるか」を明確にすることが重要です。
4. 運用設計との関係
「運用」を理解する上で欠かせないのが 運用設計 です。
- 運用 = 実際に回す日々の活動
- 運用設計 = その活動を効率的・安定的に行うための仕組みづくり
例:
- 運用 → 毎日ログを確認して障害を検知する
- 運用設計 → ログを自動収集し、異常があれば通知する仕組みを設ける
👉 設計がないと属人化・場当たり対応になりがちで、トラブルの原因になります。
5. まとめ
- 「運用」とは、システムを 止めずに安定して動かし続ける活動
- 「保守」とは違い、日常的な管理・稼働維持が中心
- 対象は業務・基盤・サービスなど広範囲に及ぶ
- 運用設計を行うことで、効率化・自動化・属人化防止 につながる
参考
本記事は以下のサイトを参考に要点を整理しました。
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