この記事は、プログラミングをまったく知らない人が「AI に頼らず、自分の手でアプリやサイトを作れる」ようになるための連載(全85本)の第2回です。毎日1本ずつ公開します。
前の回: #01 開発の準備:Mac に Node.js・VS Code・Git を入れる
この記事でできるようになること
ターミナル(文字で命令を出すアプリ)で、フォルダの中を見る・移動する・新しく作ることができるようになります。
ターミナルとは
いつも使っている Finder(フォルダをクリックして開くアプリ)の、「文字で操作する版」です。
- Finder: フォルダをダブルクリックして中に入る
- ターミナル:
cd フォルダ名と打って中に入る
どちらも同じことをしています。ターミナルのほうが、慣れると速く、そして開発ではほぼ必ず使います(Node.js も Git も、ターミナルから動かします)。
大事な考え方が1つあります。ターミナルには**「いま自分がいる場所」があります。ここをカレントディレクトリ**(現在のフォルダ)と呼びます。命令は、基本的に「いまいる場所」を基準に実行されます。迷ったら、まず「いまどこにいるか」を確かめるのがコツです。
今日覚える4つの命令
| 命令 | 意味 | Finder でいうと |
|---|---|---|
pwd |
いまいる場所を表示する | (画面上のパス表示) |
ls |
そこにあるファイルとフォルダを一覧する | フォルダの中身を見る |
cd |
別のフォルダに移動する | フォルダをダブルクリック |
mkdir |
新しいフォルダを作る | 新規フォルダ |
あわせて、空のファイルを作る touch も使います。
手を動かす
「コピーせず、自分で打つ」のがこの連載のルールです。打ち間違いに自分で気づく経験が、いちばんの上達になります。
$ で始まる行は「ターミナルに打つ命令」です。$ は打たず、その後ろだけを打って Enter を押します。
1. ターミナルを開いて、いまの場所を知る
Spotlight 検索(command + スペース)で「ターミナル」と入力して開きます。
$ pwd
/Users/あなたの名前 のように表示されます。これがホームフォルダ(あなた専用のいちばん大もとの場所)です。ターミナルを開いた直後は、ここにいます。
2. 中身を見る
$ ls
Desktop、Documents、Downloads などが並びます。Finder のホームフォルダを開いたときと同じ中身です。
3. 新しいフォルダを作る
練習用のフォルダを作ります。ここでは、ホームフォルダの中に作ります。
$ mkdir my-site
$ ls
ls の結果に my-site が増えていれば成功です。
4. フォルダに入る
$ cd my-site
$ pwd
/Users/あなたの名前/my-site と表示されます。cd が効いて、場所が変わりました。
5. ファイルとフォルダを作る
$ touch index.html memo.txt
$ mkdir css images
$ ls
次のように表示されます(並びはこのとおり、アルファベット順です)。
css images index.html memo.txt
touch は「空のファイルを作る」命令です。index.html は、このあと作るホームページの入り口になるファイルの名前です(#04 で書きます)。
6. ひとつ上に戻る
$ cd ..
$ pwd
..(ドット2つ)は「ひとつ上のフォルダ」という意味です。/Users/あなたの名前 に戻ります。
そのほかの便利な書き方です。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
cd .. |
ひとつ上に戻る |
cd ~ |
ホームフォルダに戻る(迷子になったらこれ) |
cd ../.. |
ふたつ上に戻る |
cd my-site/css |
2階層を一気に進む |
補助ワザ:Tab で補完、↑ で履歴
- フォルダ名の途中まで打って Tab キーを押すと、残りを自動で補ってくれます(
cd my-まで打って Tab でmy-siteに)。打ち間違いも減ります。 - ↑キーで、さっき打った命令がもう一度出ます。
練習問題(答えを見ずに解いてみよう)
- ホームフォルダにいる状態から、
practiceというフォルダを作って、その中に入りましょう。そしてpwdで場所を確かめましょう。 -
practiceの中にa.txtとb.txtを作り、lsで2つ見えることを確かめましょう。 -
practiceの中にいる状態から、1回の命令でホームフォルダに戻ってみましょう。
よくあるエラーと直し方
cd: no such file or directory: nothing
cd: no such file or directory: nothing
意味: 「nothing というフォルダは、いまいる場所にはない」という意味です。
直し方: ① pwd で、いまの場所を確かめる ② ls で、そのフォルダが本当にあるか、名前の綴りが合っているか確かめる。多くの場合は、場所が違うか綴りの打ち間違いです。Tab 補完を使うと防げます。
mkdir: my-site: File exists
mkdir: my-site: File exists
意味: 「my-site はもうあります」という意味です。エラーのように見えますが、何も壊れていません。そのまま cd my-site に進んで大丈夫です。
mkdir: a/b: No such file or directory
mkdir: a/b: No such file or directory
意味: mkdir a/b/c のように、まだ存在しない途中のフォルダ(a や a/b)をまとめて作ろうとすると出ます。
直し方: -p を付けると、途中のフォルダもまとめて作れます。
$ mkdir -p a/b/c
command not found: mkdr
zsh: command not found: mkdr
意味: 「mkdr という命令は知らない」という意味です。mkdir の i が抜けています。落ち着いて綴りを見直しましょう。
スペースの入ったフォルダ名で cd が失敗する
my file.txt のように名前の途中にスペースがあると、ターミナルは「my と file.txt の2つ」だと受け取ってしまいます。この連載では、フォルダ名やファイル名にスペースも日本語も使わず、半角英数字とハイフン(-)だけにしましょう。トラブルがぐっと減ります。
答え
答え(練習問題1〜3)
1.
$ mkdir practice
$ cd practice
$ pwd
2.
$ touch a.txt b.txt
$ ls
a.txt b.txt と表示されます。
3.
$ cd ~
(cd ../ のように上へ戻る方法でも、practice はホームフォルダの直下にあるので、cd .. 1回で戻れます。)
次回予告
次回は「#03 VS Code の使い方とショートカット」です。コードを書くための道具 VS Code を、ストレスなく使えるようにします。