この記事は、プログラミングをまったく知らない人が「AI に頼らず、自分の手でアプリやサイトを作れる」ようになるための連載(全85本)の第1回です。毎日1本ずつ公開します。
この記事でできるようになること
開発に使う3つの道具(Node.js・VS Code・Git)を Mac にそろえて、「こんにちは」と表示するプログラムを動かせるようになります。
3つの道具は何をするものか
料理にたとえると次のとおりです。
| 道具 | たとえ | 役割 |
|---|---|---|
| VS Code | まな板と包丁 | プログラムの文章(コード)を書くエディタ(文章を書くソフト) |
| Node.js | コンロ | JavaScript で書いたコードを、パソコンの上で実際に動かすソフト |
| Git | レシピの履歴ノート | 書いたコードの変更を記録して、いつでも前の状態に戻せるようにする仕組み |
この連載では、Node.js で JavaScript を動かし、VS Code で書き、Git で記録していきます。私が作っている音楽交流アプリ OTOMO や DTM 機材ガイド DTM PICKS も、同じ道具で作っています。
手を動かす
「コピーせず、自分で打つ」のがこの連載のルールです。打ち間違いに自分で気づく経験が、いちばんの上達になります。
1. ターミナルを開く
Mac の ターミナル(文字で命令を出すアプリ)を使います。Spotlight 検索(command + スペース)で「ターミナル」と入力して開いてください。詳しい使い方は次回(#02)で説明するので、今日は「命令を打って Enter を押すと答えが返ってくる場所」とだけ覚えれば大丈夫です。
以降、$ で始まる行は「ターミナルに打つ命令」です。$ は打たず、その後ろだけを打ちます。
2. Git を確かめる
$ git --version
バージョン(版の番号)が表示されれば、すでに使えます。表示されなかったり、「コマンドライン・デベロッパツールをインストールしますか」という画面が出たりしたら、画面の案内に従ってインストールしてください。
3. Node.js を入れる
- ブラウザで公式サイト https://nodejs.org/ を開く
- ダウンロードのページで LTS(長期サポート版。安定していて初心者向き)を選ぶ
- ダウンロードしたインストーラの案内に沿って進める(次へ、次へ、で OK)
公式サイトの画面は更新されることがあります。「LTS と書かれたほう」を選ぶ、という点だけ覚えておいてください。
入れ終わったら、ターミナルを一度閉じて開き直し、確かめます。
$ node -v
v で始まる番号(例: v26.13.0)が出れば成功です。番号は人や時期によって違って大丈夫です。
4. VS Code を入れる
- 公式サイト https://code.visualstudio.com/ を開く
- Mac 用をダウンロードする
- ダウンロードしたファイルを開き、VS Code を「アプリケーション」フォルダに移す
- 「アプリケーション」から VS Code を起動する
5. Git に名前を教える
Git は「誰が変更したか」も記録します。最初に1回だけ、名前を登録します。
$ git config --global user.name "あなたの名前(英数字がおすすめ)"
$ git config --global user.email "あなたのメールアドレス"
確かめるには次を打ちます。
$ git config --global user.name
登録した名前が表示されれば OK です。
注意: ここで登録したメールアドレスは、のちに GitHub などへコードを公開したとき、変更の記録に残ることがあります。公開したくない場合は、GitHub が用意している「公開用のメールアドレス」を使う方法があります(第3段階で扱います)。
6. 「こんにちは」を表示させる
最後に、3つの道具を一緒に使います。
- 好きな場所に
my-firstというフォルダを作る(Finder で作って OK) - VS Code で「ファイル」→「フォルダを開く」から、そのフォルダを開く
- 新しいファイルを作り、
hello.jsという名前で保存する - 次の2行を自分で打つ
console.log("こんにちは、OTOMO");
console.log(1 + 2);
- 保存する(
command+S) - ターミナルで、そのフォルダまで移動して動かす
$ cd ~/Desktop/my-first
$ node hello.js
(my-first を Desktop 以外に作った場合は、cd の後ろをその場所に変えてください。)
次のように表示されたら成功です。
こんにちは、OTOMO
3
console.log(...) は「かっこの中身を画面に表示する」命令です。1 + 2 は計算されて 3 になります。
練習問題(答えを見ずに解いてみよう)
-
hello.jsの1行目の「こんにちは、OTOMO」を、自分の好きな言葉に変えて動かしてみましょう。 -
practice.jsというファイルを作り、次の2行を打って動かしてみましょう。const name = "DTM PICKS"; console.log("サイト名: " + name);(
const name = ...は「nameという箱に文字を入れる」という意味です。くわしくは #10 で説明します。) -
node -vとgit --versionの結果を、自分のメモに書いておきましょう(困ったときに、自分の環境を人に伝えやすくなります)。
よくあるエラーと直し方
command not found: node
zsh: command not found: node
意味: Node.js が見つからない、という意味です。
直し方: ① Node.js を入れ終わっていますか? ② ターミナルを一度閉じて開き直しましたか?(入れる前から開いていたターミナルは、新しく入れた道具を知りません)
命令の綴りの打ち間違いでも、同じ形のエラーが出ます。たとえば nodee -v と打つと次のとおりです。
zsh: command not found: nodee
ReferenceError: namae is not defined
hello.js の中で、用意していない名前を使うと出ます。たとえば次のように書いた場合です。
console.log(namae);
実行すると、次のようなエラーが出ます(上の数行は場所の情報で、人によって違います)。
ReferenceError: namae is not defined
意味: 「namae なんて名前は知らない」という意味です。文字を表示したいときは " で囲んで console.log("namae") のようにします。箱の中身を表示したいなら、先に const namae = "..." で用意します。
Cannot find module '.../nofile.js'
Error: Cannot find module '/Users/.../nofile.js'
意味: 指定したファイルがその場所にない、という意味です。ファイル名の綴り、.js を付けたか、cd で正しいフォルダにいるか(今いる場所は pwd で確かめられます)を見直してください。
答え
答え
-
1行目の
"の中を書き換えて保存し、もう一度node hello.jsを打ちます。保存し忘れると、前の表示のままです。 -
次のように表示されれば正解です。
サイト名: DTM PICKS -
番号は人によって違うので、自分の画面に出た番号を書けていれば正解です。
次回予告
次回(#02 ターミナル入門:cd・ls・mkdir で迷わない)は、ターミナル入門:cd・ls・mkdir で迷わない。今日は呪文のように打った cd の意味を、文字の命令でフォルダを動けるようになるところまで、ていねいに説明します。