Raspberry Piと専用のカメラモジュールを使用し、ONVIF対応の監視カメラを作成するシリーズ記事です。
本記事はリンク情報システム株式会社の有志が作成しています。
前回の記事にて機材が揃いましたので、今回はOSのインストールや、ログインユーザーの設定を行います。
RaspberryPiにOSをインストール
Raspbianをダウンロード
RaspberryPiのダウンロードページを開き、Raspbianをダウンロードします。
参考元:Download Raspbian for Raspberry Pi
"Raspbian Stretch with desktop"と"Raspbian Stretch Lite"がありますが、今回は、操作が楽なGUI付きの"Raspbian Stretch with desktop"を使います。
Download Zipをクリックしてダウンロードを開始します。
(記事作成時のバージョンは"2017-11-29-raspbian-stretch.zip"でした)
ダウンロードが完了したら、ファイルを解凍。イメージファイルのファイル名は、"2017-11-29-raspbian-stretch.img"となります。
ちなみにDownload Torrent はファイル共有ツールを使用してダウンロードする方法になります。
Torrentは、少し昔に話題になったWinny のようなツールです。企業のセキュリティ教育等で、悪いイメージが浸透しているため、敬遠されるケースは多いかと思います。
ブートSDを作成
SDカードにRaspbianを書き込み、ブートSDを作成します。
RaspberryPiはフラッシュを積んでいないので、起動にはSDカードが必須になります。フラッシュには書き換え上限回数がありますが、SDカードであれば、壊れても買い替えれば済むので、そう言う意味では、気軽に書き換えを行う事ができます。
まずは、ディスクイメージを書き込むツール "Win32 Disk Imager" をダウンロードしインストールします。
参考元:Win32 Disk Imager 日本語情報トップページ - OSDN
(記事作成時のバージョンは"win32diskimager-1.0.0-install.exe"でした)
Win32 Disk Imagerのインストールが完了したら、SDガードを挿入し、Win32 Disk Imagerを起動します。
書き込むファイルに "2017-11-29-raspbian-stretch.img" を設定し、書き込み先にSDカードを選択します。
準備できたら「Write」ボタンで書き込みを開始します。
RaspberryPiを起動
RaspberryPiにキーボード、マウス、モニタを接続し電源を接続します。
電源を接続してRaspberryPiを起動すると、自動でログインされ、デスクトップが表示されます。
この時のRaspberryPiの初期ユーザと初期パスワードは以下になります。
項目 | 値 |
---|---|
初期ユーザ | pi |
初期パスワード | raspberry |
日本語設定
初期インストール時は英語環境なので、日本語環境に変更します。
Menu → Preferences → Raspberry Pi Configuration をクリックして設定画面を表示。
LocalisationタブのSet Locale をクリックして 表示されるLocale画面で、Locale設定を以下のように変更します。
項目 | 値 |
---|---|
Language | ja(Japanese) |
Country | JP(Japan) |
Character Set | UTF-8 |
次はLocalisationタブのSet Timezone をクリックして 表示されるTimezone画面で、Timezone設定を以下のように変更します。
項目 | 値 |
---|---|
Area | Japan |
最後にLocalisationタブのSet Keyboardをクリックして 表示されるKeyboard画面で、Keyboard設定を以下のように変更します。
項目 | 値 |
---|---|
Country | Japan |
Variant | Japanese(OADG 109A) |
全て変更できたら、設定画面を閉じます。閉じる際、再起動するための画面が表示されるので、再起動して日本語表示に変更します。
セキュリティ対策
デフォルトで用意されているユーザ名とパスワードを使用し続けていたのでは、容易にハッキングさてしまいます。
そこで新しいユーザを作成し、デフォルトのユーザを無効にします。
ルートユーザのパスワード変更
以下のコマンドを実行して、パスワードを変更します。
$ sudo passwd root
新しい UNIX パスワードを入力してください:[新しいパスワード]
新しい UNIX パスワードを再入力してください:[新しいパスワード]
passwd: パスワードは正しく更新されました
ユーザの新規作成
以下のコマンドを実行して、新たユーザを作成します。
$ sudo adduser [ユーザ名]
ユーザ `[ユーザ名]' を追加しています...
新しいグループ `[ユーザ名]' (1000) を追加しています...
新しいユーザ `[ユーザ名]' (1000) をグループ `[ユーザ名]' として追加しています...
ホームディレクトリ `/home/[ユーザ名]' を作成しています...
`/etc/skel' からファイルをコピーしています...
新しい UNIX パスワードを入力してください:[新しいパスワード]
新しい UNIX パスワードを再入力してください:[新しいパスワード]
passwd: パスワードは正しく更新されました
[ユーザ名] のユーザ情報を変更中
新しい値を入力してください。標準設定値を使うならリターンを押してください
フルネーム []:
部屋番号 []:
職場電話番号 []:
自宅電話番号 []:
その他 []:
以上で正しいですか? [Y/n] Y
作成したユーザにsudoを実行する権限を付与します。
$ sudo gpasswd –a [ユーザ名] sudo
ユーザ [ユーザ名] をグループ sudo に追加
新規作成したユーザでログイン
一旦ログアウトし新規作成したユーザでログインしなおします。
オートログインの停止
LightDMというログイン画面を表示するディスプレイマネージャの設定ファイル lightdm.conf を開きます。
lightdm.confには、以下のように初期ユーザでのオートログインが設定されています。
$ sudo vi /etc/lightdm/lightdm.conf
autologin-user=pi
この設定の先頭に"#"を書き加え、設定をコメントアウトします。
#autologin-user=pi
次にRaspbianの自動ログイン機能の設定ファイル autologin@.service
を開きます。
autologin@.service
には、以下のようにTTYのプロセス起動のユーザが初期ユーザに設定されています。
$ sudo vi /etc/systemd/system/autologin@.service
ExecStart=-/sbin/agetty --autologin pi --noclear %I $TERM
初期ユーザ名を新規作成したユーザ名に書き換えます。
ExecStart=-/sbin/agetty --autologin [ユーザ名] --noclear %I $TERM
設定が変更できたらrebootコマンドで再起動します。
新規作成したユーザでログインしてください
初期ユーザの削除
まずは、初期ユーザからsudoの実行権限を削除します。
$ sudo gpasswd -d pi sudo
次に、初期ユーザを削除します。
$ sudo userdel -r pi
初期ユーザを削除できれば変更完了です。
参考
今回参考にさせて頂いたサイトは以下になります。
・日本語環境:
Raspberry Pi 3 Model B で日本語表示、タイムゾーン、キーボードを設定する | ゆうそうとITブログ
・ オートログイン設定:
Raspberry Pi3(ラズパイ)でpiユーザーの自動ログインを外す方法 - Qiita
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