はじめに
IBM i 上にてパフォーマンスデータを収集した後に、収集したデータを展開し、分析する手順を書いていきます。
いつも手順がわからなくなってしまう自分に向けメモ要素が強いです。
パフォーマンス分析とは
システムのリソース使用状況やアプリケーションの動作状況を見ることで、CPU、メモリ、ディスクI/Oのリソース最適化や次期システムの容量計画に役立ちます。
またOSの標準機能で実施できます。
パフォーマンスデータの収集方法はこちらの記事を参考にしてください。
IBM i のパフォーマンスデータ収集の手順
環境情報
①データを収集した環境
マシン:8202-E4C (IBM Power 720 Express)
OS:IBM i 7.1
②収集データを展開し、分析した環境
マシン:9105-41B (IBM Power S1014)
OS:IBM i 7.5
下記手順は全て②の環境で操作を行います。
パフォーマンスデータ分析の手順
収集データをアップロードするライブラリー/保管ファイルを作成する
①で収集したデータをアップロードするライブラリを作成します。
今回はBUNSEKIというライブラリを作成します。
CRTLIB LIB(BUNSEKI) TEXT('パフォーマンスデータ2024’)
次に作成したライブラリの中に保管ファイルを作成します。
作成する保管ファイルの名称は、①の環境で取得したファイル名PFRCOL .SAVF
と同じにします。
CRTSAVF FILE(BUNSEKI/PFRCOL) TEXT('202408のデータ')
収集データをアップロード
FTPでも実施できますが、
筆者使用のMacはFTP非対応のため、SFTPでデータをアップロードしました。
IBM i 間でFTPにてデータをアップロードする場合は以下の記事を参照ください。
IBM i 間でのデータの転送方法
terminalで下記コマンドを実施しました。
sakurakoga@sknoair ~ % sftp sakura@ibmi75
Connected to ibmi75
put /Users/sakurakoga/PFRCOL.file /QSYS.LIB/BUNSEKI.LIB/PFRCOL.FILE
.SAVF形式はmacでは扱えないため、拡張子を.file形式に変換して送っています。
またterminalを使用する場合は、BUNSEKI.LIBのようにフルパスを指定する必要があります。
アップロードできたかを確かめます。
STRPDM→オプション1→BUNSEKIを指定→転送されたファイルを5番で表示
下記のようにある程度大きなデータサイズが表示できれば転送できています。
収集データをパフォーマンスデータに展開するライブラリの作成
パフォーマンスデータに展開するためのライブラリを作成します。
今回はTESTLIB名前にします。
CRTLIB LIB(TESTLIB) TEXT('xx様パフォーマンスデータ')
収集データの復元
取得されたパフォーマンスデータの保管もとライブラリを調べるため、下記コマンドを入力します。
DSPSAVF FILE(BUNSEKI/PFRCOL)
①はIBMDOCというライブラリにデータを収集していたことがわかります。
転送したファイルSAVF(BUNSEKI/PFRCOL)を、TESTLIBにて復元します。
RSTOBJ OBJ(*ALL) SAVLIB(IBMDOC) DEV(*SAVF) SAVF(BUNSEKI/PFRCOL) RSTLIB(TESTLIB)
パフォーマンスデータに展開する
復元した収集データを下記コマンドでパフォーマンスデータに展開します
CRTPFRDTA FROMMGTCOL(TESTLIB/*SELECT)
コマンドを入力するとオプション選択する画面が出るので、1で選択してENTER押します。
複数ある場合は1つずつ1を入力して実行します。
STRPDMでライブラリの中身を確認し、下記のようなファイルができていれば、展開完了です。
データを分析する
Navigator for iを用いてパフォーマンス分析を行います。
Navigator for iについては下記記事を参照ください。
IBM i駆け出し日記:新しいNavigator for iで現行システムの状況を見てみる
パフォーマンスデータ分析はNavigator for iのメニュバーの「データの調査」から行います。
収集ライブラリにパフォーマンスデータを展開したライブラリを選択します。
またパースペクティブからリソース使用状況を見ることができます。
下のチェックボックスを選択することで見たいグラフのみを表示できます。