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IBM i 駆け出し日記:IBM i 7.6と7.5 TR6でADTSの挙動を確認する

Last updated at Posted at 2025-05-27

はじめに

2024年5月にソフトウェアの営業活動終了およびサポート終了レターによってADTSの一部サポート終了が発表されました。

簡単に概要を書くと、ADTSの一部機能である以下の機能のサポートが2025年5月よりなくなります。
・報告書設計ユーティリティー(RLU)
・画面設計機能 (SDA)
・ファイル比較および組み合わせユーティリティー (FCMU)
・拡張プリンター機能 (APF)
・文字作成ユーティリティー (CGU)
・データ・ファイル・ユーティリティー (DFU)

サポートはなくなりますが2025年5月1日以降、全OSバージョンで使用停止、ということではないです。
7.5までは今まで通り使用できます、ただ機能強化のPTFだったりセキュリティパッチが出なくなるということです。

SEUとPDMは引き続きサポートされます。

そこで2025年4月8日に発表されたIBM i 7.6と7.5 TR6でサポート終了発表された一部ADTSが使用できるのか、確認してみました。

IBM i 7.6と7.5 TR6の機能強化

超ざっくり違いを書くと、
7.5 TR6では、Db2 for iのSQLサポート強化、VS code上で使用できるCode for IBM i の機能強化などSWの機能強化が中心、

7.6では7.5 TR6の強化 + OS標準機能としてMFA機能が搭載、HW関連機能の強化(ASP1の暗号化、NVMeのパフォーマンス改善)があります。
そして、7.6はPower10以上のマシンで利用ができます。

TRの配布方法が変更

2025年よりIBM i TRの配布方法が変更されておりました。
IBM i のテクノロジーリフレッシュ配布方法について
違いを簡単にまとめると

項目 ~2024年 2025年~
TR(テクノロジーリフレッシュ)提供形式 ハードウェア(HW)とソフトウェア(SW)一括提供 HW TRとSW TRが別々に提供
PTFグループ HW/SWまとめて提供 HW TRはTRとして提供、SW TRは累積PTFとして提供
適用対象 TRでHW/SWを一括更新 必要に応じてHWまたはSWを個別更新

なのでそれぞれ適用方法が少し変わってきます。

IBM i 7.6を適用する場合

IBM i 7.6を新規導入する場合、ESSから7.6の評価版をダウンロードします。
png 2025-05-23 15.45.24.png

IBM i 7.5 TR6を適用する場合

今回IBM i 7.5 TR6はSW TRとして配布されています。(TRのページにTR6-SWって書いてある!)
image.png
Fix Central上でTRを見てみると、リリース日は11月になっていてTR5が出た以降は更新されていません。
image.png

累積PTF V7R5で検索をかけるとこの3つが上位にありました。この3つが特に優先順位が高いとのことで当てます。
image.png
参考:どのPTFを当てるか優先順位参考

PTF適用の方法はこの記事を参考にしてください

ADTSの挙動を確認する

前置き長くなりました、本題です。

環境情報

IBM i 7.6

  • 筐体:S1012
  • LPARを新規作成し、OSを新規導入

IBM i 7.5 TR6

  • 筐体:S1012
  • IBM i 7.5 TR5にSWTR(TR6)の累積PTF/Group Hyper/Group Securityを適用

IBM i 7.6

結論から言うと、DFUは一部機能のみ使用可、それ以外はSTRXXXで実行できなくなっておりました。

  • DFU
    image.png
    CHGDTAも使用可能でした。
    image.png

それ以外のSTRXXXはコマンドが見つからないとの表示が
image.png

IBM i 7.5 TR6

結論から言うと、メニューが減っているとかもなく今まで通り使用できました。
主要なツールのSTRXXXの画面は以下です。

  • DFU
    image.png
  • RLU
    image.png
  • CGU
    image.png
  • SDA
    image.png

今回のADTS一部サポート終了に対して4年目の私が思うこと

Web Queryの営業活動終了に続いて、ADTS(特にCGUとDFU)もサポート終了なんて、、、というお声もよくいただきます。
IBMが積極的に販売推進してきたからこそ、このような声もいただくのだとも理解しております。

後継をご紹介させていただくと、
SDA,RLU,FCMUは開発環境であるRational Developer for iで後継機能を利用できます。
また、DFUはSQLで一部機能を代用頂くことになります。
そしてCGUはIS テクノポート様からi-CGUという代替製品が出ております。

これらをサポートがある状態およびIBM i 7.6を使用したい場合はぜひご活用いただけたらと考えています。

また、今年で37周年のIBM i は、これまでの資産を活かしつつ、SQLへの対応だったりVS CodeをはじめとするOSSへの対応だったり新しい技術も取り入れていくことが大きな特徴です。単なるレガシーシステムではない、唯一無二の製品であるために色々取り入れて頑張っているんだな、と思っています。

そこで、今まで使用しているお客様の使用勝手も守っていかなければならない+新しい機能も色々取り入れるとすると、従来の機能維持と新機能の拡張を同時並行で行なっていかなければなりません。

そうすると、新機能の拡張を行うため、従来の機能維持のリソースをある程度、新機能拡張側に回さなければいけません。

従来の機能を維持することの弊害として、セキュリティ上のリスクや、ACSやNavigator for i と機能が重なってしまって、開発や運用が効率的にできないこともあります。
また、若手エンジニアが使いやすい最新のツールやWeb技術を活用しづらい現状もあります。

長年サポートを続けてきたものが新しいテクノロジーに置き換わるのは、IT業界ではよくある(昔、Windows 7やWindows XPのサポート終了とかもあったかと思います)ことなのかなあ、と駆け出しの身ながら感じています。

この機会に新しい技術(Rational Developer for iだったりCode for i、SQLなど)を、簡単ではないとは思いますが、ぜひ取り入れて欲しいです。

そのために新しい技術の情報発信を積極的に発信していただかなければ、、!と思っておりますので、検証してほしいこと、書いてほしい内容あればぜひお知らせください☺︎!皆様のモダナイズをこの駆け出し日記を通じて少しでもお手伝いできればと思っています。

これは単に古いものを捨てるのではなく、次のステップに進むための大事な過程と、私は理解しています。

(取り留めなくてすみません、、、!筆者の思いでした!)

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