2023年新春兎年Nerves/Elixirフォネティックコード

これは #NervesJP Advent Calendar 2022 の5日目です。昨日は NISHIUCHI Kazuma さんの Nerves合同ハンズオンの裏側 でした。

みなさん、まもなくクリスマスですね。クリスマスが過ぎたらすぐに新年です。お祝いの準備をしましょう。

フォネティックコード

ということで最初は「2023年新春兎年Nerves/Elixirかるた」の予定でした。が、かるただと一文字ごとに文をつくらないとなりません。「あ」なら「アルケミストも歩けばプルリクに思い当たる」とか。これを五十音全部に当てはめるのは大変すぎます。そこで、かるたは諦めてフォネティックコードにすることにしました。それも五十音じゃなくアルファベット26文字のです。

ルール

フォネティックコードとは、音声通信で明瞭度が悪いときに、一文字一文字を単語にして伝えることで、単語を確実に相手に伝える手法です。Nerves なら November, Echo, Romeo, Victor, Echo, Sierra と単語を並べます。きくゆた なら きって、クラブ、ゆみや、たばこ、と伝えます。これの Nerves/Elixir 版を作りましょう。

フォネティックコードの趣旨から考えて、以下を想定しました。

• 1単語からなること。2単語から合成された単語も避ける。（2単語目が紛らわしいので）
  • これで Functional Programming とか VintageNet とかは外れます
  • ただし、すでに発音がひっついて単語として一つになってるのは許します
    • 例：GenServer
• 省略されてできた単語は避ける（アルファベットの音が並ぶだけなので）
  • GPIO とかが該当します
  • ただし、すでに単語として発音が確立されてそうなのは許します（苦肉の策）
    • 例：UART（ユアート）、YAML（ヤムル）

これらの規則を満足するという制約の元、以下（優先度順）の技術に由来のあるものを使うことにしました。

1. Nerves
2. Elixir
3. 組込み
4. コンピュータ

Nerves/Elixir 版フォネティックコード ver. 0.9

考えてみたのが以下です。満足がいくものではないので ver. 1.0 にはしてません。

Letter	Code	ボツ	満足度	備考
A	Alchemist	Atom, Application, Agent	◎	言わずとしれた錬金術師
B	BEAM	Buildroot, Booting, Branch	◎	Erlangの中間言語
C	Compile	Concurrent, Config, Comment	◯	もっといいのがありそう
D	Device	Distribution, Defmodule, Defun	◯	IoTってことでデバイス
E	Elixir	Enum, Erlang, Embedded	◯	候補多すぎ
F	Firmware	Functional	◯	迷った
G	GenServer	GPIO	◎	みんな大好き GenServer
H	Host	Hex	◯	Nervesでは Host/Target という言い方をします
I	Interface	I2C, IoT, IEx, Issue	◯	Iではじまると別の母音も多い
J	José	Jit	◯	唯一の人名利用
K	Kernel		◎	一択
L	List	Lチカ, Logger, LiveBook, Linux	◯	代表的なデータ型
M	Module	Map, Mix, Meta-programming	◯	Hex 採用すると Mix と紛らわしいかとこちらに
N	Nerves	Nx	◯	事実上の一択
O	Overlay	OTP, Open Source	◎	いろんなオーバレイがあります
P	Poncho	Platform, Phoenix, Pub/Sub, Process, Pull request	◎	PonchoはUmbrellaのように複数のアプリケーションをひとまとめにします
Q	Queue		△	ほかに思いつかなかった
R	Registry	Reboot, Ring Logger	◯	プロセスの登録メカニズムで Pub/Sub にも使えるよ〜
S	Supervisor	Stack, Stream, SPI	◎	フォールトトレランスの要
T	Target	Task, Tupple, Tool Chain	◯	HOSTとの対で
U	UART	Umbrella, User, UNIX	△	UARTは略語だけどすでに１単語になってるのでヨシ！
V	Version	VintageNet	△	VintageNetのほうがNervesっぽいんだけど残念ながら2単語ありで
W	Web	Watchdog	△	Watchdogのほうが組込みっぽいんだけど残念ながら2単語あり
X	ExDoc	XML, Exception, Xilinx	△	これをXと言い張るのは無理があるなぁ
Y	YAML	Yocto	△	ついにNerves/Elixirと関連する用語を思いつかず
Z	Zenoh1	ZEN, Zynq, Zone	△	これもNerves/Elixirと関連する用語を思いつかず

U〜Z はかなり苦しく Nerves/Elixir と直接関係ないキーワードが目白押しです。何か良いのがあったら教えてください。

利用例

これを使うとこんな感じで通信することになります。

• Erlang: Elixir, Registry, List, Alchemist, Nerves, GenServer
• Kochi: Kernel, Overlay, Compile, Host, Interface

明瞭度が良くなった感じはしますでしょうか。

まとめ

新年を迎えるにあたってフォネティックコードを作ってみました。来年は兎年で、ついでにお知らせしておくと私は歳男です。

さて、明日の #NervesJP Advent Calendar 2022 の記事は 充博 大崎 さんの Nerves合同ハンズオンのコード解説＋うまみ です。お楽しみに！

参考文献

• 通話表
• はじめてなElixir(0)
• はじめてNerves(0) ElixirによるIoTフレームワークNervesがとにかく動くようになるためのリンク集
• Zenoh

1. たまたまいま注目してるPub/Sub プラットフォームなだけで Elixir/Nerves とはまるで関係しません。 ↩