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Bluemix IaaS(旧SoftLayer)VSIからベアメタル上のVMwareへの移行

Last updated at Posted at 2017-01-13

概要

Bluemix IaaS(旧SoftLayer)で提供されていたWindows Server 2008 Standard and Datacenter EditionsのEOSが2017年3月31日に迫ってきましたので、移行方法について検証しました。

SoftLayer Product Life Cycle Policy | IBM

具体的なフローは、以下の図の通りです。
移行元となるのはWindows2008R2の仮想サーバーで、移行先はベアメタル上のVMwareです。
変換ツールは、VMware vCenter Converter Standalone 6.1を使用します。

20160113_ベアメタルサーバーへの環境移行に関する検証.png

1.イメージの作成

以下のリンク先にある通りの手順で進めます。

標準イメージの作成 | SoftLayer

今回は、以下のスペックのWindows2008R2の仮想サーバーからイメージを作成したところ、イメージサイズは14.33GBとなりました。
(プロビジョニング直後の素のままイメージを作成しています。作成時間は約20分。)

  • Public node
  • Microsoft Windows 2008 FULL STD 64 bit R2 SP1
  • 1コア、2GB RAM
  • 100Mbps NIC
  • Local Storage 100GB

2.VHDエクスポート

以下のリンク先にある通りの手順で進めます。
指定のオブジェクトストレージに、先ほど作成したイメージをVHDファイルとしてエクスポートできます。

イメージのエクスポート | SoftLayer

今回のエクスポートは、約20分で完了しました。
VHDファイルのサイズは、同じく14.33GBです。

イメージを取得したデータセンターと、エクスポート先のオブジェクトストレージがあるデータセンターは同じ場所を指定しています。
エクスポート先のデータセンターによっては、時間がかかる場合があります。

また、完了すると以下のメールが届きます。

Dear Customer,

The requested image template has been copied to Object Storage.

Image name: win2008r2x64.sng.com
Destination: container/win2008r2x64.sng.com.vhd
File count: x

Please refer to the Customer Portal to view and download these files:

https://control.softlayer.com/storage/objectstorage

SoftLayer Support

3.VHDダウンロード

以下のリンク先にある通りの手順で、CloudBerry Explorer をインストールします。
適切に設定を行うことで、簡単にObject Storage上のファイルに対する操作を行うことができます。

SoftLayer Object Storage のファイル操作を簡単に行う方法 - Qiita

以下の画面で、対象のファイルをドラッグ&ドロップでダウンロードします。
先ほどのイメージ作成用の100Mbps NICの仮想サーバーにダウンロードしたところ、約5分、40〜50MB/sでした。

CloudBerry.png

3.5.ベアメタル上にvSphere6.5をインストール

Hourlyのベアメタルを使って、VMware環境を構築します。
今回は以下のスペックを使用し、上記で使用した仮想サーバーとベアメタルは同一PoD、同一VLANに存在しています。

  • Hourly Bare Metal
  • Intel Xeon-Broadwell (E5-2620-V4)
  • 16コア、64GB RAM
  • 1Gbps NIC (Single)
  • SATA 1TB

vSphere 6.5のインストールは、以下のリンク先にある通りの手順で進めます。
今回は、VMware-VMvisor-Installer-6.5.0-4564106.x86_64.iso を使用します。

【VMware@SoftLayer】vSphere 6.0 BYOLインストール編 - Qiita

Download VMware vSphere - My VMware

4.Hyper-V上にVHDを登録

VMware上にWindows2008R2(64bit)を別VMとして作成後、Hyper-Vをインストールします。
SoftLayer上のVSIにはHyper-Vはインストールできないので、ESXi上にNestedで作成する必要があります。
その際に、「ハードウェアアシストによる仮想化をゲストOSに公開」にチェックを入れます

ハードウェアアシストによる仮想化をゲストOSに公開.png

Hyper-Vのインストール、仮想マシンの作成は、以下のリンク先にある通りの手順で進めます。

Windows Server 2008 R2にHyper-Vをインストールする - Symfoware

その際に、「既存の仮想ハードディスクを使用する」から、エクスポートしておいたVHDファイルを指定します
(事前に、SoftLayerの仮想サーバーにあるVHDファイルを、Hyper-V用のVMware上の仮想マシンに移動しておきます。)

Hyper-V仮想マシンの新規作成ウィザード.png

パワーオフの状態で取り込まれたことを確認します。

Hyper-V仮想マシンの新規作成ウィザード2.png

5.ConverterでVMDKに変換

SoftLayer上のWindows2008R2の仮想サーバーに、VMware vCenter Converter Standalone 6.1をインストールします。
今回は、VMware-converter-en-6.1.1-3533064.exeを使用します。

VMware vCenter Converter Standalone のダウンロード: 物理マシンから仮想マシンへ変換 (P2V)

VMware vCenter Converter Standaloneを起動して、「Convert Machine」を始めます。
VMware-Converter-01.png

「Powered off」「Hyper-V Server」を選び、先ほどESXi上にNestedで作成したHyper-Vの情報を入力します。
VMware-Converter-02.png

変換時に必要なエージェントのアンインストールを自動か手動かを選びます。
VMware-Converter-03.png

リストに表示されている仮想マシンが、目当てのものか確認・選択をして進みます。
VMware-Converter-06.png

「VMware Infra」を選び、ESXiの情報を入力します。
VMware-Converter-08.png

証明書に関する警告が出ますが、「Ignore」して進みます。
VMware-Converter-09.png

特に選ぶ必要はないので、そのまま次に進みます。
VMware-Converter-10.png

変換・移行先となるデータストア、仮想マシンのハードウェアバージョンを選びます。
移行先VMのハードウェアバージョンは、ESXi 6.0 以降 (仮想マシン バージョン11)が選択肢の中では最新になっていますが、ESXi 6.5は下位互換性があるため、動作します。
VMware-Converter-11.png

この画面では、オプションで起動するかどうか、接続先ネットワーク、VMware Toolsをインストールするか、などが設定できます。
VMware-Converter-12.png

設定を確認して、完了します。
VMware-Converter-13.png

変換が開始されたことを確認し、完了するのを待ちます。
VMware-Converter-15.png

今回は、1コア、2GB RAMのSoftLayer上の仮想サーバーで実行した結果、約40分で完了しました。
VMware-Converter-17.png

起動確認

起動自体は特に問題ありませんでした。
が、仮想メモリが不足しているという警告が表示されました。
VMware-Converter-18.png

ページングファイルの最小サイズを増やす必要があるので、「仮想メモリの変更」から「自動サイジング」を選び、再起動します。
VMware-Converter-19.png
VMware-Converter-20.png

その後も、特に警告もなく問題ありませんでした。

その後の作業

XenToolsのアンインストール

以下のリンク先にある通りの手順で進めます。
念のため、セーフブートで再起動して削除するという手順が入っています。
今回、インストールされていたXenToolsのバージョンは、6.2.328です。

XenServerで遊んでみた: Windows のxentoolsの綺麗なアンインストールの仕方

VMware Toolsのインストール

通常通りのインストールで問題ありません。
vmware-tools-install.png

ライセンス認証

SoftLayerのライセンスが入っているので、引き続きVMware上でWindowsを稼働させる場合はライセンスを取り替えて、認証させてください。
(ライセンスキーが必要になります。)

シックプロビジョニングからシンプロビジョニングに変換(オプション)

VHDから変換してできたVMDKディスクはシックプロビジョニングとなっていました。
vmware-convert-result-thick.png

[root@vmware65test:/vmfs/volumes/58770b3f-b7213a43-7fa8-0cc47aa3b2a0/Windows2008R2x64.sng.com] ls -lh
 total 107070488
 -rw-------    1 root     root        2.0G Jan 12 08:38 Windows2008R2x64.sng.com-835836db.vswp
 -rw-------    1 root     root      100.0G Jan 13 03:47 Windows2008R2x64.sng.com-flat.vmdk
 -rw-------    1 root     root        8.5K Jan 13 01:07 Windows2008R2x64.sng.com.nvram
 -rw-------    1 root     root         665 Jan 13 00:36 Windows2008R2x64.sng.com.vmdk
 -rw-r--r--    1 root     root           0 Jan 12 07:58 Windows2008R2x64.sng.com.vmsd
 -rwxr-xr-x    1 root     root        2.6K Jan 13 00:43 Windows2008R2x64.sng.com.vmx
 -rw-------    1 root     root           0 Jan 12 08:38 Windows2008R2x64.sng.com.vmx.lck
 -rw-------    1 root     root        3.1K Jan 13 00:37 Windows2008R2x64.sng.com.vmxf
 -rwxr-xr-x    1 root     root        2.6K Jan 13 00:43 Windows2008R2x64.sng.com.vmx~
 -rw-r--r--    1 root     root        1.2M Jan 13 03:47 vmware.log
 -rw-------    1 root     root      110.0M Jan 12 08:38 vmx-Windows2008R2x64.sng.com-2203596507-1.vswp

シンプロビジョニングへの変換が必要であれば、以下の方法などで変換可能です。

vMotionでThickからThinにストレージフォーマットを変更する方法 - Qiita
VMware仮想マシンをThickからThinに変更して容量節約 - Qiita

最後に

移行のひとつの選択肢として、参考にしていただければ幸いです。

参考

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