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ホテル暮らしはクラウドである

Last updated at Posted at 2022-02-13

コロナになってからリモートワークに移行し、かれこれもう2年近くの日々が経ちました。

ほぼリモートとなった今、コロナ前に交通アクセス重視で選んだ今の家に住む必然性が特になくなったため、「そろそろ引っ越そうかな」と引っ越しを検討していました。

色々と引っ越し先を検討したのですがどこも今一つしっくりこず、そもそもリモートベースで、ある意味どこでも働ける今となっては、2-3年の賃貸契約で同じ場所に縛られるのはむしろもったいないんじゃないかと感じ、別の選択肢を探すようになりました。

ミニマリストのバイブル「僕たちに、もうモノは必要ない」を読んで以来、ミニマリストになっていた事もあり、「もはや家すらないのが究極のミニマリストなんじゃないか?」と思い、せっかくの機会なので、思い切って家を捨て、以前から興味があったホテル暮らしを開始してみました。

実際にホテル暮らしをしてみると、想像以上に快適だったのですが、一方で、この快適さは何かこれまで体験した物に似ているなという不思議な感覚がありました。

そして、ある時ふと、「あ、これはクラウドだな」と気付きました。

合うか合わないかは、もちろんその人にライフスタイルによりますが、ホテル暮らしが持つ、このクラウド的な特性が面白いなと感じたので、実際にやってみて感じた、ホテル暮らしとクラウドの類似点を簡単に紹介して行きたいと思います。

1.必要な時に必要な分だけ調達できる

クラウドとの大きな類似点が、この「必要な時に必要な分だけ調達できる」という点です。

つまりこれは、家を変動リソース化できる事になります。クラウドが必要な時に必要なだけ利用できるのと同様、ホテルも、場所・間取り・期間もその時々に応じて自由に利用できます。

今月は忙しく、ほとんど寝泊まりだけになりそうという事であれば、オフィスの近くの安いホテルを借りればいいですし、今月はゆったり過ごしたいという事であれば、少し広めの部屋を借りる事もできます。

ほぼリモートワークの状態なら、もはやどこに住んでも良いので、好きな地域を旅行気分で転々とする事も可能ですし、長期休暇での帰省や旅行中などは、住んでもいない家の家賃を払う必要もなくなります。

例えば、「来月は帰省ついでに実家から仕事をしよう」と考えれば、いきなりその月の家賃をゼロにすることもできます。

職業柄クライアント先が頻繁に変わる人や、その時々に応じて、色々なライフスタイルを選びたいという人にとっては、場所に縛られず、必要な時に必要な分だけ調達できるというクラウドに似た特性が大きな魅力になるのではないでしょうか。

2.フルマネージド

実際に住んでみて、最も強烈だなと感じた類似点がこの「フルマネージド」である点です。

クラウドがなかった頃を知っているIT系の人達は、様々な管理をほぼ丸投げできるクラウドに感動された方も多いと思いますが、同様に、家の管理をほぼ丸投げできます。

まず一つ目が、「家具から完全に開放される」という点です。家具の手入れや補修、引っ越しでの移動など、家具の管理が全て不要になります。

電球が切れたら変えてもらえますし、椅子やWifiなどの調子が悪い場合なども全て対応してもらえるので、今まで家具に費やしていた労力がほぼゼロになります。

二つ目は、「掃除と消耗品の補充もやってもらえる」という点です。
長期滞在なども場合も、2-3日に一度清掃に入ってもらえるため、部屋の掃除、ゴミ捨て、枕カバーやバスタオル等の交換に加え、シャンプーやリンスなどの消耗品の補充などもやってもらえます。

賃貸のように部屋を借りているのではなく、家政婦さん付きの部屋を借りている形に等しいので、掃除や消耗品の補充にかかる労力もゼロになります。

インフラを自分で調達すると、その運用管理の労力がバカにならないケースが多く、クラウドのフルマネージドである利点が非常に大きいのと同様、ホテル暮らしも家の運用管理をフルマネージドでやってもらえます。

家の運用管理を任せられるので、体感的に時間がかなり増えたなと感じる上に、家に関する色々な事を考えなくて良くなるので、自分が集中したい事に、より集中できるようになりました。

ミニマリスト思考の人にとっては、家具自体も手放すという選択肢が取れるため、最高の環境と言えるではないでしょうか。

3.バージョンアップ対応

3つ目に感じた類似点は、「バージョンアップ対応」が付いている点です。

インフラをオンプレで購入した場合は、CPUの増強やメモリの増設など、諸々のバージョンアップ対応などは全て自分でやる必要があります。

家の場合も同様で、例えば、新しい機能を持つ家具家電が市場に出た場合、市場に追いつくためには、自分でその都度買い替える必要があります。

過去の分かりやすい例で言うと、ブラウン管テレビから薄型テレビへの移行、トイレのウォシュレットが当たり前につくようになった際など、それなりの労力とコストをかけて、買い替えに対応されたと思います。

今後様々な技術の発展が加速していく中で、その都度市場に追いつくための買い替え対応を自分で実施にするのは、益々大変になって行くのではないでしょうか。

一方でホテル暮らしの場合、クラウドと同様に、ホテル側でこのようなバージョンアップに対応してくれるため、いつの間にか性能が上がっているものをこちらは使うだけですむようになります。

カスタマイズ自体が好きという人は別ですが、むしろこのような買い替えが面倒という人にとっては、このようなバージョンアップ対応も任せられるという点も、クラウドと同様に大きな利点であると言えるのではないでしょうか。

まとめ

まだまだ持ち家や賃貸が主流ですが、リモートワークの加速に応じて、長期滞在プランやサブスクリプションモデルを提供するホテルも多くなっています。

半年ぐらいのスパンが良いという事であれば、家具家電付きのマンスリーマンションという選択肢もあり、こちらもホテルと同様にクラウド的な特性を備えています。

ITインフラのオンプレからクラウドへの移行の流れが必然であるように、住居もオンプレ(購入・長期の賃貸)からクラウド(ホテル暮らし・家具家電付きマンスリー)への流れも更に加速して行くのではないでしょうか。

パッと見は高く見えますが、光熱費やネット代、掃除や消耗品の補充、家具のメンテナンスも含まれており、賃貸のように敷金や礼金もありません。何より時間と選択の自由度が増えるので、高いと思うか安いと思うかはその人の価値観次第でしょう。

あとは、部屋の規格(OS)と家具家電(アプリ)を固めて、Dockerみたいに自分の環境がどこでも再現できるようにならないかなと。

参考書籍
ぼくたちに、もうモノは必要ない

■その他参考
デモ
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