シリーズ:一流エンジニアだけが知っている「真の問題」の見つけ方
第2回:「遅い=サーバー増強」は間違いです。ユーザーは“体感速度”しか見ていない
【前回の振り返り】
→第1回:顧客の「ほしい」は嘘です。エンジニアが最初にやるべき仕事は“要望を疑うこと”
前回は「何を解くべきか(問題設定)」の話でした。
今回は一歩進んで、「どう解くか(解決戦略)」 にフォーカスします。
💡 この記事を読んでほしい人
- 「遅い」と言われたら、すぐにサーバーやSQLを疑ってしまう人
- 技術的には正しいのに、なぜか評価されない人
- 工数をかけずに成果を出せるエンジニアになりたい人
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→ 第3回:「気をつけてください」は無意味です。ヒューマンエラーは“仕組み”でしか防げない
📚 このシリーズ全体のまとめはこちら
→ 一流エンジニアだけが知っている「真の問題」の見つけ方:記事一覧・重要ポイントまとめ
📋 目次
- 「速くする」しか選択肢がないと思っていませんか?
- 解決方法は1つではない(技術 vs 体験)
- ケーススタディ:30秒の処理を「速くしなかった」話
- 現場で使える「体感速度」改善テクニック
- まとめ:一流は「最短で効く解決策」を選ぶ
- 連載一覧:一流エンジニアだけが知っている「真の問題」の見つけ方
- 過去連載シリーズのご案内
- 他連載シリーズへの招待
1. 「速くする」しか選択肢がないと思っていませんか?
「システムが遅い」と言われたとき、あなたは何をしますか?
多くのエンジニアは、反射的にこう考えます。
- DBのインデックスを見直す
- クエリをチューニングする
- サーバーを増強する
どれも正しいです。
ですが、ここに大きな落とし穴があります。
「速くする」以外の選択肢を考えていない
実は、問題の解決方法は1つではありません。
2. 解決方法は1つではない(技術 vs 体験)
同じ「遅い」という問題でも、アプローチは大きく2つあります。
| アプローチ | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 技術的アプローチ | 処理速度そのものを改善する | 高コスト・高難易度 |
| 体験的アプローチ | ユーザーの感じ方を改善する | 低コスト・即効性あり |
ここで重要なのは
どちらが正しいかではなく「どちらが最適か」
です。
多くの現場では、
遅い → 技術で解決
と一直線に進みます。
しかし一流のエンジニアは、
遅い → 解決方法を比較する
この一手間で、コストも成果も大きく変わります
3. ケーススタディ:30秒の処理を「速くしなかった」話
ある業務システムでの話です。
「CSV出力に30秒かかる。遅すぎる」
❌ 技術で解決した場合
- 並列処理化
- DBチューニング
- インフラ増強
→ 結果:3秒に短縮
→ 期間:2ヶ月
→ コスト:数百万円
✅ 体験で解決した場合
- 「約30秒かかります」と表示
- 処理を非同期化
- 完了後に通知
→ 期間:2日
→ コスト:ほぼゼロ
→ 結果:満足度アップ
✔ 結論
速くした方が優れているとは限らない
このケースで価値があったのは
「処理速度」ではなく「使いやすさ」
4. 現場で使える「体感速度」改善テクニック
ここからはすぐ使える実務テクニックです。
✔ ① 進捗を可視化する
- NG:「処理中…」
- OK:「3/10件処理中」
✔ ② 予測時間を出す
- 「約30秒かかります」
→ユーザーの不安を消せる
✔ ③ 非同期にする
- CSV出力
- バッチ処理
→ 待たせない設計にする
✔ ④ 通知で完了を伝える
- メール
- 画面通知
- Slack連携
→ ユーザーを解放する
これらはすべて
「処理を速くせずに満足度を上げる」方法です
5. まとめ:一流は「最短で効く解決策」を選ぶ
今回のポイントはシンプルです。
解決策は1つではない
- 技術で解決する
- 体験で解決する
重要なのは
「どちらが早く・安く・効果的か」
です。
そして一流のエンジニアはこう考えます。
「コードを書く前に、もっと簡単な解決方法はないか?」
この視点を持つだけで、
- 工数が減る
- 評価が上がる
- ビジネスに貢献できる
「速くする」だけが正解ではない、
「最短で効く解決策」を選ぶのがプロ
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6. 連載一覧:一流エンジニアだけが知っている「真の問題」の見つけ方
| 回 | サブタイトル | 内容 |
|---|---|---|
| 第1回 | 顧客の「ほしい」は嘘です。エンジニアが最初にやるべき仕事は“要望を疑うこと” | 顧客の「ほしい」は解決策であって問題ではない。言葉の裏にある「真の痛み」を掘り起こす、現場でのヒアリング術。 |
| 第2回 | 「遅い=サーバー増強」は間違いです。ユーザーは“体感速度”しか見ていない | パフォーマンス問題を「サーバースペック」で解決しようとするのは典型的な誤り。ユーザー体験(UX)に基づき、体感速度を改善する実践的アプローチ。 |
| 第3回 | 「気をつけてください」は無意味です。ヒューマンエラーは“仕組み”でしか防げない | 注意喚起ではミスは防げない。人に依存しない設計(バリデーション・自動化・制約設計)で、再発を防ぐ実務的アプローチ。 |
| 第4回 | その自動化、未来の自分を殺します。便利な仕組みほど“運用負債”になる | 自動化は万能ではない。短期的な効率化が長期的な運用コストを増やすケースを理解し、シンプルさを維持する判断力を養う。 |
| 第5回 | その技術、使いたいだけでは?エンジニアが陥る「技術選定の罠」 | 「新しい技術を使いたい」という欲求に潜むリスク。ビジネス要件から逆算し、最適な技術を選ぶための実務的思考法。 |
| 第6回 | そのタスク、本当にあなたの仕事ですか?“便利屋エンジニア”が潰れる理由 | すべてを引き受けるエンジニアは長続きしない。責任範囲を明確にし、問題を適切な担当へ返すことで組織全体を健全化する。 |
| 第7回 | 「良いシステムなのに使われない」理由は技術ではなく“人間の心理”です | システム導入が失敗する本当の理由は技術ではない。現場の抵抗や心理的ハードルを理解し、受け入れられる改善を設計する。 |
| 第8回 | あなたの価値はコード量ではない。「どれだけ悩みを消したか」で決まる | エンジニアの価値はアウトプットの量ではなく、解決した課題の質で決まる。問題解決者としてのキャリア戦略を総括。 |
📋7. 過去連載シリーズのご案内
これまでの連載では、エンジニアとしての基礎固めから、現場で信頼を得るための立ち回り方まで、ステップアップに合わせた内容を公開しています。本シリーズと併せてご活用ください。
| タイトル | 内容(概要) |
|---|---|
| 【新卒・未経験向け】NWエンジニア現場デビューへの道(全11回):記事一覧・重要ポイントまとめ | 【フェーズ:導入・基礎】 現場に出る前に整理しておくべき「3つのポイント」を解説。IT業界の構造を理解した上でのキャリア形成、組織内での適切な振る舞い方、不確かな情報に惑わされず現状を正確に把握する手法など、エンジニアとして確実に仕事を進めるための土台となるシリーズ。 |
| 脱・新人!現場で「一目置かれる」エンジニアの立ち回り術:記事一覧・重要ポイントまとめ | 【フェーズ:実践・応用】 基礎を終えた後のステップアップとして、質問の仕方、作業の標準化、見積もりの考え方など、チームの円滑な運営に貢献し、周囲から信頼を得るための具体的なアクションをまとめたシリーズ。 |
📚8. 他連載シリーズへの招待
本記事の内容をさらに深掘りする「思考法」や、現場での「立ち回り」「基礎知識」など、他の連載シリーズは以下の統合ブログにまとめています。
→ 「技術だけでは評価されない」現場で生き残るエンジニア戦略まとめ【全連載ガイド】
(今の自分に必要な「武器」を、全シリーズから逆引きで探せます)