Affinityのカラーパネルに配色提案機能、パレット追加は初代から可能
さよなら、Serif。ようこそ、Affinity by Canvaの記事でもちらっと書いたが、Affinity by Canvaのカラーパネルに配色提案機能であるカラーコード(Color chords)表示が搭載された。
表示されていない場合、カラーパネルの[v]メニューから詳細にチェックを入れると表示される。

ただし、カラーコードは今回が初搭載ではなく、初代とV2ではスウォッチに追加の形で利用することができた。


Affinity by Canvaではスウォッチへの追加も色見本が出て、わかりやすくなっている。

ヘルプによるカラーコードの説明は以下の通り。
Adobeではカラーハーモニー
一方、Adobeアプリにも同様の機能がある。
Illustratorではカラーガイドのハーモニールールが該当する。
また、Webで提供されているAdobe Colorでも、カラーホイールのカラーハーモニーからこれらの配色を使用することができる(Illstratorより種類が少ない)。
比較表と色の違い
上記3つの配色提案機能を表にまとめると以下の通り。
| Affinity | Illustrator | Adobe Color |
|---|---|---|
| 補色 | 補色 | 補色 |
| 分裂補色 | 分裂補色 | 分割補色 |
| - | 隣接補色 | - |
| - | 複合色 | コンパウンド |
| 類似色 | 類似色 | 類似色 |
| アクセント色と類似色 | - | - |
| - | ハイコントラスト | - |
| 3色配色 | トライアド | トライアド |
| 4色配色 | - | - |
| 正方形(スクエア) | テトラード | 正方形 |
| - | ペンタード | - |
| 色合い | モノクロマティック | モノクロマティック |
| 陰影 | 暗清色 | シェード |
| 色調 | (カラーガイドにある) | - |
ただし…Affinityの補色とAdobeの補色が異なる。
以下は#FF0000(赤)の補色を出したもの。

Illustratorに至っては、カラーパネルの補色(Affinityと同じ)とハーモニールールの補色が異なるという。
いったいどういうことなのか。
AdobeカラーホイールはLAB色空間
Affinity(左)とAdobe(右)のカラーホイールを並べてみる。

補色(赤から見て180°)の位置にある色が明らかに異なっている。
AffinityのカラーホイールはRGBに基づいている。
上図が示す通り、赤(R)の位置から3色配色を取ると残りの緑(G)と青(B)が出てくることからもわかるだろう。
Adobeはそれと異なる色空間をカラーホイールに使用しているということになる。
Adobeのサイトには手がかりがなかったが、DICのサイトにその答えがあった。
AdobeカラーホイールはLAB色空間を念頭に作られているという。
「LABの色空間は、人が知覚できるすべての色を表せるXYZ表色系を基に、均等色空間化することを意図した色空間」とのこと。
ヒトの目が色を見るしくみと、LABカラーの関係は以下の記事に解説がなされている。
Adobeカラーホイールが選んだ補色の方がより人間の目には自然に映る(上記記事では「心理補色」と表現されている)ということになるだろうか。
いずれにしても、補色などを選ぶ際、どのカラーホイールを使って選んだか(RGBか、Adobeカラーホイールか、さらにはCMYカラーホイールやRYBカラーホイールも存在する)に留意する必要があると言える。